登録日:2012/05/17 Thu 23:03:11
更新日:2024/03/23 Sat 19:52:41
所要時間:約 6 分で読めます
私は、炎の聖戦士ファラと聖騎士マイラの血を受け継ぐ者として、この世界を、差別のない、誰もが住み易いものに変える。
シグルドには悪いが、彼にはそのための犠牲となってもらう。
出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
概要
ヴェルトマー公爵家の現当主にして、十二聖戦士の1人で魔法戦士ファラ直系の血を受け継ぐ、
神器ファラフレイムの継承者。
国王からの信任も厚い優秀な人物で、グランベル王国の近衛軍指揮官も兼任している。
父ヴィクトルは母シギュンを愛していたが凡庸だった己に強いコンプレックスを抱いており、
元々ロプト教団の手引きによって政略結婚的に結ばれたこともあって、妻が自分を本当に愛しているのか自信を持てずにいた。
その鬱屈した思いを晴らすように酒と女に溺れて愛人を囲い、結果としてアルヴィスには腹違いの兄弟が何人もいた。
ある日、ヴィクトルはシギュンがグランベル王国のクルト王子と不倫していることを知ってしまい、2人を呪う怨嗟の遺書を残して自殺。
いたたまれなくなったシギュンは、幼い息子を残して人知れず失踪してしまう。
立て続けに両親を失い弱冠7歳で家督を継ぐ事となったアルヴィスは母や自分に尽くしていた心優しい下女と、彼女が父に暴行されたことで産まれた異母弟の
アゼルのみを残して、他の兄弟達とその親や従者達も全てヴェルトマー家から追放した。
この下女とアゼルは
貴族や王族の間で孤立していた自分の数少ない味方であり、愛すべき家族であった。
下女はのちに亡くなってしまうが、彼は残されたアゼルを自身の弟以上に大切に育てることとなる。
だがその愛情が孤独な彼の心の闇から生まれたものである事を本能で察していたアゼルからは「恐怖」と捉えられた。
また、母シギュンからは微弱ながら
暗黒神ロプトの血を受け継いでおり、
このことが世に知られることに怯えながらも「これは暗黒神ではなく人間のために戦ったマイラ(ロプトウスの血族の1人だが、暗黒神を裏切り闇の聖戦士となった)の血である」と言い、自らの誇りとしている。
略歴
初登場は
シグルドが挙兵したばかりの
序章。
グランベル国王アズムールの命令を受けて現地の視察に訪れ、ヴェルダン軍と交戦するシグルドに国王から賜った銀の剣を託した。
そして、ヴェルダン軍の討伐とシグルド軍に参加したアゼルの世話を一任し、自身は国王警護のため王都バーハラに戻って行った。
この時点では単なる高潔で良い人物だが、同時に蛮族相手に手こずるシグルドを陰ながら見下す等、既にきな臭さを漂わせる登場であった。
その後は各地で起こる戦乱をよそに、ロプトウスを信奉する暗黒教団「ロプト教団」と接触。
ロプトの血を受け継いでいることが世間に露呈されることを恐れ、激しい弾圧対象だった彼らを被差別対象から救うことを約束して協力を取り付ける。
聖戦士ファラ、そしてマイラの血を継ぐ者として「差別のない、誰もが住みやすい世界」を築くため、教団を利用して自らがグランベル王国の皇帝となる事を画策。
ドズル家のランゴバルト卿、
フリージ家のレプトール卿ら反クルト王子派の有力諸候と密約を結び、計画の障害となるクルト王子を謀殺。
そして王子の側近であるバイロン卿(シグルドの父)が属するシアルフィ家に、ことごとくその罪をなすり付ける。
元々信任が厚く高潔な人物だったことに加え、孫娘の存在を初めてアルヴィスによって知らされたアズムール王は、あっさりとディアドラとアルヴィスの結婚を了承。
それどころか「ナーガの血を絶やしてはならないのでディアドラと早く子を成せ」とまで命令する。
そしてシレジアに侵攻する姿勢を見せ、用済みとなったランゴバルト卿とレプトール卿をシグルド軍に嗾ける事で自ら戦うことなく排除。
さらにシグルドとその仲間達をも凱旋と称して王都バーハラ付近にまでおびき寄せた上で、グランベル王国への反逆者の汚名を着せ、不意打ちによりその大半を処刑した。
これが後の世に伝わる「
バーハラの戦い」である(~五章:運命の扉)。
ちなみに大沢版の漫画ではシグルド殺害のシーンがさらにえぐくなっており、彼を至近距離からのファラフレイムで不意打ちした上に一瞬で灰にしている。
彼が狂喜する中、愛する者を目の前で殺害され憔悴しきっていたディアドラに向けとどめに、
「どうしたの? 疲れた?」
と表情も変えずに問いかけ…彼女の心を完全に破壊した。
その様は、どこか子供の心の無い残酷的な行動に似ており、壊れた操り人形を動かし続けるかのような虚無を感じさせた。
政敵となる有力諸候をあらかた失ったことで、アルヴィスはグランベルの実権を完全に掌握した。
国王であるアズムールが亡くなった後、彼はイザークの他に先のシグルド軍との戦いで疲弊していたヴェルダン、アグストリア、シレジアといった独立国家や地方を次々と制圧。
残りのトラキア地方については南トラキアについては傭兵国家で協力関係にもあったため明確な敵対はしていない(そもそも土地的に旨みも少ない)。
そして武力の差で南トラキアが容易に手出し出来ない状況にしつつ、電撃戦により豊穣なレンスター(トラキア北部)地方の大半を制圧して南部は放置。
グランベル帝国の建国を宣言し、その初代皇帝となる。
この前後に、シグルドの元妻で、
マンフロイによって記憶を奪われた
ディアドラと正式に結婚。
長男
ユリウスと長女
ユリアの二児をもうける。
しかし、この幸せな結婚こそがマンフロイが仕掛けた最大の罠であるとはアルヴィスは知る由もなかった。
即位からしばらくの期間は、徹底的な法の下、多少窮屈ではあるが住みよい統治が行われ、アルヴィスは有能な皇帝であるという風評が部下や市民の間にも広がっていった。
元々ランゴバルトやシャガールといった強欲で凡愚に過ぎる統治者が多かったというのもあるが、最初の内はその統治もうまくいっていたのである。
しかし実はディアドラは前述のグランベル王国のクルト王子と、アルヴィスの母シギュンの不倫の末に生まれた不義の子で、アルヴィスの種違いの妹にあたる。
しかも、彼女もまた母親からマイラ傍系の血を受け継いでいたのだ。
この2人の近親婚により双子の片割れであるユリウスに流れるロプトの血が直系になるほど濃くなってしまい、
さらにマンフロイから闇の魔道書ロプトウスを譲り受けた事で覚醒し暗黒神ロプトウスの化身となってしまう。
ユリウスと暗黒教団の絶大な力の前に実権を奪われたアルヴィスは傀儡となり、暗黒教団主導の恐ろしい圧政が始まってしまう。
かつての暗黒教団と同様に、信者以外は大人も子供も教団からのノルマや気まぐれ的に連れ去られたり、辱めを受けたり殺されるのは当然の世の中。それもただ殺すのでは飽き足らず苦しんで死ぬように火あぶりの刑が世界中のあちらこちらで行われる絶望の時代の到来。
ロプトウスに唯一対抗しうるヘイムの血(光魔法ナーガを使う力)を持っていた妻ディアドラはユリウスによって殺害される。
同じくヘイムの血を持つユリアはユリウスの手に掛かる直前にディアドラが逃がしたものの、そのまま行方不明となってしまう。
自分が利用していたはずが、実は自分自身が利用されていた…
アルヴィスはようやく自分の過ちに気付いたが、その時には既に全てが遅すぎた。
しかもアルヴィスによるグランベル帝国建国についてもマンフロイが望んでいた方向であり、これも罠であった。
地下で追いやられ、見つかれば即火あぶりという激しい迫害を受けていた暗黒教団にとってはこれこそ千載一遇のチャンスであり、そのためならロプトマージ達は命すらなげうつ覚悟であった。
つまり彼らの執念とマンフロイの采配がアルヴィスの政治力を、ファラ直系としてなんとかしようにもユリウス(ロプトウス)の力が自分の大きく上回っていたのである。
時は流れ……シグルドの息子・
セリス率いる解放軍が目前に迫る中、アルヴィスはユリウス打倒を彼らに託す事を決意し挙兵。
各地を解放する若き指揮官を目にし、かつてシグルドに仕えていた司祭パルマークに、
保管していた聖剣ティルフィングをセリスに渡すように指示(ただし自分が渡した事は決して口外しないよう命令した)。
自らはシグルドの祖国であるシアルフィの防衛につき、セリスに討たれる覚悟で戦場に立つのだった。
そして……
小説版では上記の流れがアルヴィスの視点から描かれている。両親への愛憎、親族との権力闘争の末若くして公爵の地位を継ことになったこと、さらに士官学校を首席で卒業し近衛師団に任命されたことから野心家の性格になったと語られている。
合理的かつ知的だがやや人を見下す悪癖もしっかりとえがかれている。
母のことで負い目を感じていたクルトは後見としてアルヴィスを支援しており、本人も父より好いていたようだが、反面母が出ていく原因となったと憎んでもいたようでもある。このことがクルトの謀殺にどの程度関係しているかは定かではない。
ちなみにゲーム中でも語っていた「差別のない、誰もが住みやすい世界を作る」という望みは(過程はともかく)真実であり、クルト王子暗殺と犯人擦り付けはあくまでもその手段の地位簒奪に必須という関係上、感情とはあまり関係ないと思われる。
また、以下の裏設定の点から上記は概ね独自設定である。いずれにせよ父よりも好感度は高そうだが。
- クルト王子はアルヴィスに負い目があるため裏からアルヴィスを支援していた。
- アルヴィスはクルト王子が母が出ていく原因であることは知らない(クルト王子はゲーム中でも心配されているほど周囲に女っ気がなく、原因を知っていたらめぐりめぐってナーガ直系のディアドラは自分の異父兄妹である可能性が極めて高いと推測できる)
- 記憶喪失のディアドラの正体はアルヴィスとしても当然気にしていたし母のようにどこかに行くのでは…とも心配していた。そのために行方不明の妻がいるシグルドの前につい出してしまった。あれは煽りではなくただ不安だったが故の行為。その結果シグルドの妻だったことが明らかになり、バーハラの悲劇後に調査してディアドラの出生を知った。つまりここでクルト王子の件も分かったと思われる。
士官学校時代にロプト帝国が滅びたのは解放軍がまとまって周囲の国々を味方につけていったのに対し、帝国は戦力を分散させ連携が取れなかったためと分析している。
皮肉にも自らが建国し、後にロプト教団がのっとったグランベル帝国は同じように圧政の末に解放軍に周囲を囲まれる形で滅びることになった。
ユニット性能
○ステータス(親世代)
セイジ LV25
HP:60
力:15
魔力:30
+10
技:27
速さ:30
幸運:0
守備:8
+10
魔防:22
+10
指揮官LV:★★★★★
スキル:連続(兵種)/見切り
所持品:ファラフレイム/リカバーリング/5000G
○ステータス(子世代)
エンペラー LV30
HP:80
力:27
魔力:30+10
技:30
速さ:30
幸運:4
守備30+10
魔防:30+10
指揮官LV:★★★★★
スキル:大盾(兵種)/カリスマ(兵種)/見切り
所持品:ファラフレイム/銀の大剣/6000G
序章では同盟ユニットとして登場。
カンストしている魔力・技・速さをはじめ全体的にステータスが高く、一見しただけで只者ではないと分かる。
そしてプレイヤーが初めて目にする神器の圧倒的威力により、聖戦士が持つ力の強大さを見せつけてくれる。
速さが最大値の30とはいえ神器の重さで攻速は15程度だが、補正のおかげで守備が18と並の物理職程度には高い。
そして魔力補正込みで攻撃力は作中ダントツの
70。
もし仲間として使えれば
フォルセティ持ちの
レヴィンに次ぐ地雷として活躍しそうである。
この時は基本的に「シグルドに話しかけるように動く」AIで、範囲内にシグルドが居ない+攻撃範囲に雑魚がいた場合だけファラフレイムの炎で消し炭に変えていく。
ちなみにゲラルド(ボス)はこのAIの攻撃対象に入っておらず、やっつけてくれない……と思いきや、上手く誘導することでゲラルドにアルヴィスを攻撃させ、返り討ちにさせる方法でならゲラルドを瞬殺してくれる。ただし同盟軍なので残念ながら戦闘アニメーションは強制OFF。
なお、守備力18+回避70なので、雑魚のヴェルダン兵からも攻撃してくる。
基本的に避けまくるため攻撃が当たることはないと思われがちだが実は命中0ではなく、アルヴィスが道に立っていた時などはたまに攻撃が当たる。
……が、アルヴィスはリカバーリングを持っているので、かすり傷が蓄積しようとダメージは残らない。
「なんだこのNPC強すぎない!?」となること請け合い。
敵として戦う際のクラスは専用クラスであるエンペラー。
闘技場でゼウスというエンペラーも登場するが、ストーリー上で戦うのはアルヴィスのみ。
ただしその戦闘能力はゼウスとは比較にならない程強大。
バロンの上位互換となる
重歩兵系ユニットで、スキルに一定確率でダメージを無効にする「大盾」と周囲に支援効果をつける「カリスマ」を持つ。
カリスマは自分には効果がないが、彼の3マス以内にメティオ持ちファイアマージがおり、指揮官補正と合わせて
命中、回避+50という強烈な補正がかかっている。
パルマークに会うにはメティオ持ちファイアマージの並ぶシアルフィの防衛線を通り抜けないといけないが、奥側に居る連中は非常に命中率が高く、危険。
さらに必殺・特殊剣を無効化する「見切り」を持つため、
流星剣によるゴリ押しなども無効。
ちなみにセイジの頃に持っていた「連続」は兵種スキルだったため消えている。クラスチェンジしたら消えるスキルって…。
とはいえもし連続持ちだったら恐ろしい難敵になっていたのは違いないだろう。
能力値は力と運を除いた全てが最高値である「30」という脅威的な数値を誇る。
そこへさらに城の地形補正、指揮官LV5による補正、神器ファラフレイムによる補正が加わり、化け物じみた強さを発揮する。
ファラフレイムは神器魔法の中で一番重いのだが、速さ30によってそれすらも感じさせない。
回避率は素のステータスではそこまで高くはないのだが、前述した城の地形補正(+30)と指揮官LV5による補正(+40)で合わせて
70上乗せされており、実際の回避率は100を超えている。
更に守備魔防共に40という鉄壁。
いくら追撃がとれるように工夫しても、生半可なキャラ、武器では城の自動回復で相殺されてしまう。しかも大盾で防がれることもある。
何より十分なHP・魔防を備えていなければファラフレイムの一撃で即死するため、手出しすら許されない。
頼みの綱のフォルセティすらも炎と相性が悪いために命中が下がってしまい(アルヴィスの速さのせいもあり60%がせいぜいである)逆にボコられる可能性が高い。
単純な地力なら
ラスボスであるユリウスを軽く凌ぐ能力を持ち、終章を前に最大の壁としてプレイヤーに立ちはだかる。
最適な攻略法としては、魔防に強力な補正がつくティルフィングを手に入れたセリス、
あるいはティルフィングには劣るものの魔防補正のあるミストルティンを持つアレスが鍵を握るだろう。
特にセリスはティルフィングの補正以外にも父親の因縁もあるため、一対一でぶつけてみるのもいいだろう。
この2人を軸に、支援効果や他の神器を総動員すれば、厳しいながらも勝機は見えてくるはず。
単発火力だけならロプトウスはおろかナーガをも凌ぐが、再攻撃や必殺攻撃は仕掛けて来ない為、
ファラフレイムの一撃さえ耐え凌げれば、まず事故死することはないだろう。
ちなみにセリスで止めを刺すとシグルドとディアドラの亡霊との会話イベントが発生する上に、
強力なアイテムであるライブの指輪も入手出来る。
物語的にもセリスで倒すのが王道。是非セリスの手で父の仇を討ってあげてほしいところ。
なおファラフレイム以外に銀の大剣を持っているが、護身用なのか権威の象徴なのか戦闘では大剣を振るうことはまずない。
(上述の通り魔防が40もあり、プレイヤー側の魔力はマジックリング込みでも最大で35が限界なので、サイレスの杖でファラフレイムを封じることも不可能)
実は指揮官補正や地形補正を含めれば、相性不利であるにも拘わらずナーガ相手でもそこそこやり合えるほどの強さがあるらしい。
また同じく相性不利なロプトウスが相手の場合、作中最高の魔法攻撃力も35まで低下し、魔防35のユリウス相手には理論上1ターンにつき1ダメージしか与えられないため、
作中でも台詞にしていた通り息子相手には本当に無力同然で逆らえるような立場ではないことがわかる。
もっとも、そのユリウスも1回の攻撃につき父親には僅か15ダメージ程しか与えられず、攻速も互角なので確実な追撃も期待出来ないわけだが。
アルヴィスについての評価
マンフロイからも指摘されたように、彼はロプトよりもファラの血を色濃く受け継いでおり、
暗黒神の復活など望んでおらず、やり口はどうであれ、彼は彼なりに純粋に世界の平和を願っていた。
ディアドラの事も政治的な意味合いなど関係なく、ただ1人の男として本気で愛していた。
彼もまたマンフロイ、ひいては暗黒神の血に翻弄された被害者でしかないのだ。
とはいえ、どんな理由があったとしても結局彼は無実だった者達を大勢死に追いやり、
結局理想とは正反対の圧政をしいたことで世の中を滅茶苦茶にした戦乱と混乱の元凶、ユグドラル大陸における史上最大レベルの戦犯である事に変わりはない。
ファンの間では「倒したくなかった敵」という声も聞かれるが、同時に「こいつを擁護する奴の気が知れない」「自分一人で何でもできると思い込んでる節があるし、それでああなる訳だからその辺り無能」という手厳しい声も非常に多い。
親世代での悪逆非道三昧な行いから全てを許せることは絶対に不可能であり、しかしロプトの迫害を収めるのは彼のマイラの血(=迫害対象の証)がなければ説得力のないものとなっていた。
何よりストーリー上で主人公の妻を寝取るわ主人公に散々汚名かぶせて殺すわ、その後の段取りに失敗して世の中をぐちゃぐちゃにするわとプレイヤー的には好印象を抱けない行動も多い。
絶対悪とは言い切れないどころか善悪の二元論で語るとどうしてもぶつかり合いが起きてしまい、相当に賛否が分かれるキャラ。おそらく意図的にどちらにもとれるように描写されているのだろう。
今作の要所で匂わされ裏のメインテーマと呼ばれる「近親相姦」を最も端的に描写されたキャラ。
アルヴィスはディアドラが妹だということと、シグルドは妹の夫だという事は当初は知らなかった。
それらに気付いたのはシグルドを殺した後の事だったという。
元々アルヴィスは幼い頃失踪した母親の帰りをずっと待っており、ディアドラに惹かれたのも母親の面影を感じたからだという。
しかしディアドラは時折自分ではない誰かを見つめているような気がしてならず、
ディアドラが母親のように突然自分を置き去りにして失踪するのではないかという不安に駆られていた。
そんな時にシグルドに失踪した妻がいるという噂を聞いて「もしかして?」という気持ちが沸き、5章の最後、ついシグルドの前にディアドラを連れ出すという行動をとってしまった。
一通りの事が済んだ後、アルヴィスはディアドラの過去を調べ始め、
精霊の森でシギュンが最期を遂げた事、ディアドラが自分と同じ母の子……自分の妹だという事を知ってしまったという。
アルヴィスは、シグルドが夫だったという事と自分と異父兄妹である事をディアドラが知れば悲しむのではないかと考え、
ひたすら真実を隠し通す事に努めていたと加賀氏は語っている。
最後に発売当時から許容派と非許容派でそれはそれは不毛な議論が繰り広げられていたことをここに併記し、アルヴィスを倒した際のシグルドのセリフをもって評を〆させていただく。
「セリスよ、人の悲しみを知れ
真実は一つだけではない
それがわからなければ
この戦いは無意味となろう……」
ファイアーエムブレム 覚醒
魔符の1つとして登場。クラスは賢者……ではなく
ソーサラー。
そのため、本編では見られない闇魔法を使うアルヴィスが見られる。
ファイアーエムブレム ヒーローズ
理想を成すために犠牲はつきものだ。たとえそれが、人の道を外れて見えたとしても……。
ソーシャルゲーム「ファイアーエムブレムヒーローズ」では、2017年10月開催の大英雄戦で実装。
召喚時期としてはシグルドを殺し、王国を乗っ取った後の様だ。
ホームでの台詞もタッチでの台詞も理想の実現や、そのために多くの命を犠牲にしたことなど自分の責務についての言及だが、
唯一撃退時のセリフでのみ「ディアドラ……ユリア……」と妻子の名前に言及している。息子の名前を呼ばないのは既にロプトに……。
固有武器にゲーム本編でも使用していた「ファラフレイム」、奥義に発動は遅いが広範囲にダメージを与える「爆火」、
Bスキルに毎ターンHPを回復するこちらも固有スキルの「リカバーリング」、Cスキルに魔防が自分より低い十字方向の敵の守備を下げる「守備の謀策」を持つ。
「ファラフレイム」は他の神器同様の攻撃力14と高水準。
かつ特殊効果として自分より魔防の低い十字方向の敵の能力値を下げる「謀策」系スキルの効果が仕込まれており、攻撃と魔防を同時に4下げるという強烈な物。
Cスキル、聖印と合わせれば、なんと全種類のデバフをばら撒く事が可能。
Bスキルのリカバーリングは「回復」の上位互換で、あちらが最速で2ターンに1度10回復に対し、こちらは毎ターン10回復。
アルヴィス自体は低防御なので壁としてはあまり期待出来ないが、
おあつらえ向きに空いているAスキルに、攻撃の度にHPを削る変わりに全能力をアップさせる「獅子奮迅」を継承してやればデメリットを低減することが出来る。
能力値的に高速アタッカーの傾向が強いため「獅子奮迅」自体との相性も非常に良い。
同じく空いている補助スキルに、指定した味方と自分のHPを入れ替える「相互援助」を継承すれば、
杖ユニットを組み込まずに高い回復量を見込めるサポーターとしても立ち回れる。戦禍の連戦等の長丁場のイベントでは攻撃と回復を1人で担えるため、重宝することだろう。
もしくは対象のHPを10回復し、自分のHPを10減少させる「献身」を継承すればリカバーリングによって事実上無傷で対象を回復させる事が出来る。
余談だが献身はディアドラが初期習得しているスキルでもあり、ディアドラから献身を継承させると原作の近親相姦の再現となってしまう。。。
(ディアドラは星5でしかでないため、フロリーナ等を使った方が無難である)
持久力を活かすために錬成武器に持ち替えてHPを補強してやるのも一つの手。
奥義の「爆火」は炎の神器の使い手であるアルヴィスのイメージとは合致しているが発動までが遅くユニット性能に合わない。
火力を追求するならば、魔防をダメージに加算する「氷蒼」「氷華」を継承してやるのも手。
イメージ的に合わないのが欠点と言えば欠点だが、実用性ならこちらに軍配があがる。
発動が速く、とりあえずどんなユニットでも使いやすい安定の「月虹」もオススメ。
弱点としては前述のとおり耐久面の脆さ。「謀策」を持つため魔防の能力値は高く、魔法相手なら苦手属性でも釣り出しも出来るが、HPと守備が低く物理相手は滅法苦手。
速さが高いため追撃は受けにくいものの、一撃が致命傷になるため配置には充分に気をつけよう。一度凌ぐ事が出来れば「リカバーリング」の回復でリカバリーが効きやすいのが救いか。
以上のように、スキル構成をしっかり組み立てれば、時にアタッカー、時にサポーターと局面によって様々な役割を持たせる事が出来る非常に器用なユニット。
このゲームであればシグルド、ディアドラとも支援が組めるため、もし迎えいれることが出来れば彼らとも仲よくしよう。
「私は王家の簒奪を謀った反逆者シグルドを殺した」とか相変わらず空気読まないこと言ってるけど。
2020年10月に追加された武器錬成により、『ファラフレイム』の効果がターン開始時、自身を中心とした縦3列と横3列の敵の攻撃、魔防が-5になり、さらに特殊錬成によって戦闘中に敵が受けている弱化の合計値を自身に加算するようになった。
これは息子であるサイアスの特殊錬成の『軍神の書』も同じ効果なので、さすがファラ直系の血といったところか。
しかし縦3列というのは......原作でのバーハラの悲劇でのシグルド軍を思い出す範囲である。
余談
シギュンが姿を消した時アルヴィスは7歳であり、その一年以内にディアドラが生まれているだろうから年齢差は7~8歳になる。第一部のディアドラは推定17か18歳なので初登場時のアルヴィスは24歳前後になる。
実はディアドラとの子供を儲ける前に、側近のアイーダとの間にも
サイアスという子供が生まれており、トラキア776に登場している。
超有能な上、ファラの血を濃く受け継いでいるため、存命なら彼がファラフレイムを受け継ぐ事になる。
だが、親子関係は皆無であり認知されてない模様で、帝国軍ながら部下の1人として働いていた息子の未来は如何に……。
この親子関係もドラマを感じさせる。
サイアスの年齢は27歳をイメージしているとの事なので一部の時は約10歳。つまりアルヴィスが15歳前後の時の子供という事になる。
血は争えないというべきか、あまりある人間性の塊である彼の新たな一面に開いた口がしまらなかったファンもいるのではなかろうか。
もっとも、憎んでいた父親と同じことをやらかしていたことで、それまで彼に同情的だったファンが一斉に掌を返したとか
ラスボスのユリウスさえも凌駕しかねない程の強大な戦闘能力を誇る彼ではあるが、これは元々はユリウスではなく彼がラスボスを務める予定だった名残である。
攻略本に記載されたスタッフインタビューによると、シナリオ上の本来のラストバトルはアルヴィス戦だったのだが、
色々あって急遽ユリウスがラスボスに変更になったとの事。
聖戦の系譜でツッコミどころとしてあげられる「ユリアを生存させたこと」についてだが、
これは元々「娘のユリアを人質に取る事でアルヴィスを牽制する」という目的が作中でしっかり語られている。
アニヲタか……よく来たな
その勇気はほめてやろう
だが、おまえも
この項目を追記・修正する運命にある
親子ともども哀れなものよ……
- その最期によってシグルドとディアドラにも憐れまれていた辺り、死後は罪から解放されるのか、それとも所謂「あの世で詫び続ける」形になるのか…。前者なら記憶が戻ってるディアドラがシグルドと一緒に息子を見守っているだけに大分修羅場になりそうだが -- (名無しさん) 2021-05-17 15:49:52
- ↑シグルドとディアドラは許すだろうけど、采配はあの世にお任せですからな… -- (名無しさん) 2021-05-24 13:22:55
- 霊シグルド「ウェ~イ アルヴィス君見てるー?」 -- (名無しさん) 2021-06-05 13:20:37
- ↑それは(当人の不安と思惑はともかく)現世でシグルドの今際の際にアルヴィス自身がやってしまったことだからな…。自業自得というか -- (名無しさん) 2021-06-10 13:04:55
- 愛人と子供作ってたのはメタ的に必要な設定だから足された説もあるし(真っ当に考えればユリウスがファラ受け継ぐのが普通だからそうならなかった根拠を足した)後付け設定の被害者なだけじゃないかな。しかし、子供3人がそれぞれ直系の力持ってるのはある意味一番の英雄かもしれない -- (名無しさん) 2021-08-19 17:07:30
- ヒーローズでの中の人である速水さん、ニンジャスレイヤーでも”CV森川智之のキャラの妻を奪う役をやってましたねぇ・・・(こっちはネトリ、あっちは惨殺) -- (名無しさん) 2021-09-11 16:35:19
- ウーシア「似たような響きだけど…果たして君は『全てを識る者』たりえたのだろうか?」 -- (名無しさん) 2021-09-11 18:31:30
- ロプト教団を真面目に優遇したのが馬鹿正直というかなんというか。サイアスを認知してないということは存在も知らなかったのかな?最初はユリウスがファラの直系だと思ってたとか。 -- (名無しさん) 2021-09-18 22:31:21
- 側室との間にも子供を作るのは貴族の義務みたいなもんだが、それがまだ15歳頃でリアルならともかくFE世界的には貴族でも早過ぎる時期。しかもサイアスと自分の関係は青少年時代から隠してたり、産んだアイーダも含め関係は色々と複雑だったんだろうな… -- (名無しさん) 2021-09-26 02:39:26
- 最期の地になったシアルフィ(自分の謀略で葬ったシグルドの母国)に実質左遷的な扱いをしたのはロプトウスに支配されてるユリウスのせめてもの情けか、一応はグランベル公国の入口にもなる要所を任せているという左遷組の中ではマシな方なのか -- (名無しさん) 2022-01-10 09:44:47
- 彼はなんだかドラクエ8のマルチェロと似た者同士に感じる -- (名無しさん) 2022-05-29 21:29:41
- 強い野心、独裁政治、大量虐殺、肉親にも冷淡とFE版ギレンといっていい -- (名無しさん) 2022-06-24 19:03:21
- レプトールの3章クリア後の発言からすると、まさか自分にとっての義理の父親にあたるクルト王子暗殺(実行犯はバイロンに罪を擦り付けたランゴバルド)もアルヴィスの計画の一端だったとするなら自分の跡取りを抹消した人間に丸め込まれるヘイムの末裔アズムール国王とは老齢で病に苦しんでいたとはいえ一体… -- (名無しさん) 2022-07-29 13:13:46
- 10章で「セリスか…よく来たな その勇気はほめてやろう」とセリスと会話するシーン、名前で呼ぶのが不思議だったけどセリスも血の繋がりのない義理の息子(妻の前夫との子供)と考えるとまた違った情感が出てくるシーンだな…。 -- (名無しさん) 2022-07-29 21:28:00
- ディアドラのとアレコレは置いといて、シグルド含め盟友として戦ってくれた人達を最悪の形で謀殺して、手に入れた権勢は世界を壊す為に使われる。有能なゴミカスという評価が相応しい。 -- (名無しさん) 2022-07-31 08:15:05
- ランゴバルドやレプトールが万一シグルド撃破してしまった場合は今度はトラキア辺りに「味方につくならグランベルの資源なり土地なり取引材料を用意しよう(意訳)」とそそのかして、ランゴバルドやレプトールと共倒れさせる計画でも練っていたのかねぇ? -- (名無しさん) 2022-08-03 22:11:18
- こいつの主張の「私は聖戦士ファラと、聖騎士マイラの末裔としてこの世界を変える」という野心というか目的は皮肉かどうかは知らないが同じロプトの血流れているとはいえ元を辿ればそのマイラの末裔だったというセリス(バルド直系、ヘイム傍系)が成し遂げるというか、新たに作り直すことになるとは -- (名無しさん) 2022-08-20 23:08:36
- 異母兄弟が山ほどいるので、確率的に低いとはいえそのあたりからなんかの間違いで聖痕が出る可能性があるのだよなあ -- (名無しさん) 2022-09-15 09:38:44
- ゲーム始まっていた時点でほぼ詰んでいた(いくら足掻いても滅びの末路しか残されてなかった)シグルドとは対象的に、秀頼みたいに従兄弟に当たる秀次切腹の遠因になったように産まれてきたのがある意味では不幸だったのかもしれないねえ -- (名無しさん) 2022-11-18 13:23:41
- この世界の歴史書では永遠にボロクソ書かれるんだろうな。「実は暗黒教団の幹部で人のよさそうな前半生は全部演技。後半生の世界を滅茶苦茶にしたのが本性」「人を殺したり苦しめたりするのが何より好きな人非人」みたいな感じでどんどん尾鰭背鰭が付いてって。自業自得だし自分がシグルドに押し付けようとしたことそのまんまだけど。 -- (名無しさん) 2023-02-21 13:54:51
- 出自のために覇道を歩まざるを得なくなり、なまじそれが可能な力を持って生まれてしまった人。それはそれとして私人としてアレな部分も多いので是非地獄に堕ちてもらいたい -- (名無しさん) 2023-03-31 01:42:29
- ガーネフに唆されたハーディンと同じく、流石にマンフロイより悪いとは思えない。もっともそのマンフロイもガーネフと違って時代の被害者としての側面があるから一概に責めづらいが… -- (名無しさん) 2023-08-08 01:20:13
- 漫画だと父親と同じ過ちは犯さないと言いながらも結局は父親以上に愛そうとしていた女の心を傷つけた挙句に物扱いしてしまった皮肉。血は争えんということか・・・。 -- (名無しさん) 2023-09-03 00:44:18
- 報告にあった荒らしコメントを削除しました。 -- (名無しさん) 2023-12-30 20:00:23
- ↑4 ED後にセリス(とヴェルトマー当主になるであろうアゼルの子)がどういう形で収めたのかは少し気にはなる。民間の評価とは別にごく一部の貴族の間だけで共有される真実が、的な形になるんだろうか。 -- (名無しさん) 2023-12-30 20:32:45
- 普通にやりすぎ 同情できない 殺されて当然って感じのキャラ -- (名無しさん) 2024-01-04 06:18:50
- 結局どうあがいても無駄ってのを体現したキャラでしょ。まあ全部引いてる血のせいなんだが -- (名無しさん) 2024-03-08 15:03:32
- グランベル王家の生き残りであるディアドラの夫になる事でスムーズに簒奪に成功した訳だが、アルヴィスの当初の計画にはディアドラの存在は無かった筈。本来の計画ではどうやってグランベル王国を支配するつもりだったんだろうな -- (名無しさん) 2024-04-14 11:47:38
- ↑親世代終盤で王がほとんどアルヴィスに任せてたから、その内全権譲ってもらうつもりだったんじゃない? -- (名無しさん) 2024-04-14 12:25:19
- ↑近衛騎士団長ってだけでグランベルの支配者と認められるかは少し怪しいと思う。近衛騎士達は良いとしても宮廷貴族が素直にアルヴィスの言う事を聞くのか。グランベル王家の分家筋(ターラ公爵とか)の新王擁立に動かないとも限らない。アズムール王はヘイムの血筋が絶えるのを恐れていたから自分の子孫ではないにしてもヘイムの血筋が残るならまあ、と公爵の王位継承を認めた可能性がある。そうなった場合アルヴィスにとっては面倒な事になるがそれを阻止する方策は果たしてあったのか -- (名無しさん) 2024-04-15 23:29:42
最終更新:2024年03月23日 19:52