劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land

登録日:2013/11/21 (木) 16:40:29
更新日:2023/08/22 Tue 06:45:42
所要時間:約 9 分で読めます





金色の魔法使い・仮面ライダーソーサラー降臨

魔法に支配された世界――

絶体絶命の危機に『最後の魔法』が炸裂する!!




【概要】

2013年8月3日より公開された仮面ライダーウィザードの劇場版オリジナル作品。
同時上映は『劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック』。
公開当時は『キョウリュウ』とセットで「この夏は、サンバdeショータイムだ!!」というキャッチコピーがついた。

脚本はTV本編のメインライターの一人である香村純子
同氏がライダーの劇場版の脚本を担当するのは今回が初となる。
監督はTV本編のパイロット監督を務めた 中澤祥次郎が担当。

ゲストとして大物俳優の陣内孝則が出演した。

ウィザードはもともと「魔法」を取り扱った作品だが、本作ではTVシリーズ以上に魔法に注目している。
具体的には住人の移動手段が箒だったり、使い魔をペットとして扱ったり、魔力で売買を行ったりするなど。
極めつけに、凛子たちTVシリーズでおなじみの登場人物たちが「仮面ライダーメイジ」に変身する。
…割とやりたい放題である。

本作最大の特徴として仮面ライダー555およびその劇場版以来10年ぶりに、量産型ライダーが登場することが挙げられる。
上記のメイジがそうである。555に登場したライオトルーパーと違い、(変身者によるが)こちらのメイジはなかなか強い。
さらにMEGAMAX以来1年8か月、夏の劇場版に至ってはAtoZ以来3年ぶりに、敵ライダーが登場した。

主題歌はRIDER CHIPSの「The Finale Of The Finale」。
RIDER CHIPSが劇場版の主題歌を担当するのは劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACEELEMENTS以来9年ぶりとなる。
しかしELEMENTSは仮面ライダー剣の後期OPでもあるため、完全な劇場オリジナルの主題歌は今作が初である。


【ストーリー】

ある夜、「金色の魔法使い」・ソーサラーにコヨミが誘拐された。ソーサラーはコヨミの魔力と自分のクリエイトのリングを使い、虹色に輝く巨大な竜巻を発生させる。その竜巻はやがて全世界を飲み込んだ。コヨミを追ってきた晴人とコヨミはそれに飲み込まれ、意識を失う。

やがて二人が目を覚ますと、そこは別世界。科学より魔法が発達した「魔法使いの国(マジックランド)」に改変されていた。
そんな世界で晴人とコヨミは、瞬平や凛子、仁藤と出会うが、この世界に元々いた住人となっていた彼らは二人の事を全く知らない様子。輪島が経営する「面影堂」も魔法の指輪を扱うショップに様変わりしていた。

そこで、虹色の竜巻で母親が行方不明となったシイナという少年に出会う。ある夜シイナは偶然、ソーサラーの暗躍を目撃し、その正体が国を治めるマヤ大王ではないかと疑い始める。そんな中、マヤ大王は「異世界からの侵略者」として晴人を指名手配する。

果たして大王の目的とは?そして晴人とコヨミは無事に元の世界に戻ることができるのか?


【主な登場人物】

●レギュラーキャラ

操真晴人/仮面ライダーウィザード
主人公。
今作では改変前の世界の住人として魔法使いの国に迷い込む。
世界が変わっても、ドーナツはプレーンシュガー一筋である。そして再び凛子にタイーホ!された。

コヨミ
晴人の嫁。
ソーサラーに誘拐され、彼が行う世界の改変に利用される。
その後は晴人と同じく改変前の世界の住人として魔法使いの国に迷い込む。
TV本編以上にヒロインしている。彼女もまたタイーホ!された。

仁藤攻介/仮面ライダービースト
マヨネーズ好きの風来坊。
今作では古代魔法学の権威として知られていたり、ビーストドライバーを自作したりと秀才ぷりを発揮。でも変人なのは変わらず。
改変によりファントムの魔力を喰らわなくても生活できるようになった。
川を泳いでいるマヨネーズ(この時点でおかしい)を釣る姿は実にシュール。

大門凛子/仮面ライダーメイジ
元気可愛い新米刑事。
改変により「魔法使いの国」の住人として生活しており、晴人のことを覚えていなかった。
今作ではメイジに変身。市民の協力があったとはいえ、ファントムを撃破するなどなかなかの強さを見せつけた。

奈良瞬平/仮面ライダーメイジ
自称・晴人の助手。
今作でついに念願の魔法使いになれました。おめでとう。
ついでにネットムービーではなんと主役に抜擢された。だが、その後散々な目に…

輪島繁/仮面ライダーメイジ
おっちゃん。
今作では魔法の指輪を扱うショップを経営している。
孤児となったシイナを迎え入れるなど、人の好さは相変わらず。
何気に歴代最年長(当時)ライダーだったりする。

ドーナツ屋店長/仮面ライダーメイジ
毎度おなじみ移動ドーナツ屋「はんぐり~」のKABA.ちゃん。空飛ぶピンクの販売車と共に華麗に登場した。
今回は現実世界でも変身し、店員とタッグを組んでファントムをキュートに退治しちゃうゾ!
ドーナツでグールを捕縛→ハンマーでだるま落としコンボは笑えるが何気にエグい。
実は平成シリーズ初のオカマ(オネエ?)ライダーだったりする。
最も3か月後にTVにてオカマライダーが再び登場することとなるが

●ゲストキャラ

シイナ/仮面ライダーメイジ
演:瀧澤翼

面影堂で働いている少年。
行方不明になった母親を探しに、夜な夜な町を出歩いている。

近衛隊長/仮面ライダーメイジ
演:載寧龍二(現・さいねい龍二)

マヤ大王を警護する近衛隊の隊長。
任務に忠実な半面、国民であっても大王に刃向うものには容赦がない。
演者はファイヤーボールニューカマー。早い話ニチアサOB枠である。

マヤ大王
演:忍成修吾

「魔法使いの国」を治める「大魔法使い」。
国民から幅広い支持を得ている。
そんな彼には他人には言えない秘密が…
演じた忍成氏は後に『仮面ライダーギーツ』にてギロリを演じている。

オーマ大臣/仮面ライダーソーサラー/ドレイク
演:陣内孝則

マヤ大王の側近。先代の王から仕えている。
大臣としては有能であるが、大王であるマヤに対しても慇懃無礼に振舞うなど態度がでかい。
何か裏があるようだが…


【登場ファントム】

ケプリ
CV:平井啓二

怪力と強固な肉体を併せ持つファントム。
グールとともに町を襲う。
メイジ集団のかませ犬。

メデューサ/フェニックス/グレムリン
TV本編でおなじみの上級ファントム3人組。
今回は上司であるワイズマンはお休み。
みんな喜べ!あのフェニックスさんが太陽から戻ってきたぞ!! まぁ、本人に似た別人で再生能力もないけどね。
今作ではやってることはどう見てもチンピラ。そしてすぐに退場…。

ウロボロス
超大型のファントム。
頭部が二つあり、上空を素早く動き回る。
とある人物のアンダーワールドに現れ、ウィザードやビーストと激しい空中戦を繰り広げる。
その戦闘シーンは圧巻の一言。

ドレイク
ドラゴンのファントム。
とある人物の正体である。
事前宣伝などでも存在が徹底的に伏せられていたシークレット枠であり、驚いた観客も多かったのでは。
後のTVシリーズではも似たような設定で登場する。


【仮面ライダー】


  • 仮面ライダーウィザード
ご存知『指輪の魔法使い』。
例年通り今作でも新たなフォームに変身するが、その時の演出は正直超展開。
だがインフィニティースタイルへの変身は戦闘中の晴人の機転の結果(曰く「ちょっとしたアドリブ」)により圧巻かつ優美であり、一見の価値あり。

  • 仮面ライダービースト
ご存知『古の魔法使い』。
今作ではビーストドライバーは仁藤が自作したため、ファントムの魔力を喰らう必要がなくなった。
スモールとドレスアップといった、ウィザードの魔法も使えるようになった。
ビーストキマイラと共に繰り出すキックストライク技も必見!
ビ「俺が金色の魔法使いです♪」
晴&コ「うん、違う」

  • 仮面ライダーメイジ
本作に登場する仮面ライダー。
555のライオトルーパー以来10年ぶりの量産型仮面ライダーである。
最もやられ役に終始していたあちらとは異なり、こちらはなかなかの強さを誇る(変身者によって装備・スペックは異なるが)。
TVシリーズでは第40話にて、稲森真由が変身する形で先に登場している。
本作では近衛隊メイジという独自の個体が登場する。

黄金の仮面ライダー。通称『金色の魔法使い』
本作の黒幕。
晴人は変身者がマヤ大王ではないかと睨むが…
正体はオーマ大臣。予告編やCMなどの事前宣伝やゲストの時点でバレバレだったのだが、映画本編では終盤まで変身者が伏せられていた。
ちなみにこちらは『俺、誕生!』に登場した牙王/仮面ライダーガオウを抜いて最年長ライダーとなった。


【用語】


  • 魔法使いの国(マジックランド)
ソーサラーによって改変された、魔法が発達した世界。
住人全てが魔法使いであり、自動車やバイクの代わりに魔法の箒で空を飛んで移動したり、携帯電話の代わりに魔法で通話したりと、魔法が社会と文明の基本になっている。
ファントムも出現するが、その際は一般人もメイジに変身して対抗する。

  • 魔力流通システム
売買の際に通貨の代わりとして、魔力を支払うシステム。
支払いの際は電子マネー認識装置のような機械に指輪をかざす。
その魔力はエメラルド城に集められている。
実はこのシステムにはウラが…

  • エメラルド城
マヤ大王の居城。
謁見の間には近衛兵が控えており厳粛な雰囲気。
劇中では凛子やシイナのような一般人すらも、願い出ればマヤ大王に謁見・直訴することが可能。
それが大王の人望につながっている様子。

  • タナトスの器
エメラルド城の地下に隠された、魔力蓄積装置。
魔力流通システムによって国民から集められた魔力は、この装置に蓄積されている。
ちなみにこの器は、ソーサラーがさらった人間の骨で作られている
装置の上には器の補填に使われた被害者の白骨が山積み。ホラーである。

  • コモンウィザードリング
魔法使いの国の住人が所有するウィザードリング。
これ1つで様々な魔法を発動させることが可能。魔力流通システムで支払う際にも使用される。
ウィザードらTV版に登場した魔法使いたちと異なり、いちいち指輪を付け替える必要がないのが大きなメリット。
劇中ではメイジとソーサラーが使用している(前者は魔宝石が琥珀色で、金属部分が銀色、爪の意匠が3つ、後者は魔宝石が黒、金属部分が金色、爪の意匠が5つという相違点がある)。


【余談】

劇場版ディケイド以降、夏の劇場版作品ではTVシリーズ次回作の仮面ライダーの先行登場が恒例となっていた。
そのため本来なら今作には次回作の鎧武から葛葉紘汰/仮面ライダー鎧武が登場すると期待されたが、放送時期が9月→10月に変更されたこともあり、オール平成ライダーの特別編に持ち越される形となり、そこでウィザード(とその他の先輩ライダー)との共演を果たした。
しかしパンフレットには記載されており、冬のMOVIE大戦の予告には登場している。
さらに翌年の『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』にも仮面ライダードライブは登場せず、
新ライダー先行登場は『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』まで三年間空くことになる。
当時は「劇場版の世界観だと先行ライダーが出るとおかしくなるからではないか?」という説もあったが、前述の先行登場や、同じ異世界である後の『劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間』における仮面ライダーエグゼイドの先行登場を考えると、あまり関係ないかもしれない。


また、これまでのライダー夏映画(アギト~フォーゼ)は上映時にカットされたシーンを追加したディレクターズカット版を発売していたが、本作以降はDC版が発売されなくなった。
もっとも、本作の撮影に関してはなるべくディレクターズカット版が必要にならないように注意して製作していたとのこと。

記事の内容から分かる通り、今作は童話のオズの魔法使いをモチーフとした物語が展開される。
偶然にも2013年のスーパーヒーロータイム枠で放送されていた東映特撮の獣電戦隊キョウリュウジャーもオズの魔法使いをモチーフとしたキャラクターが登場していて、ちょっとした「スーパーオズの魔法使いタイム」状態になっていたとか。




この項目はまだまだ私を楽しませてくれるって訳か…!

いいや、お前のお楽しみはもう終わりだ…ここからは、wiki篭りの追記修正だ!!




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