フェリス・エリス

登録日:2010/07/01(木) 12:38:39
更新日:2020/12/21 Mon 21:17:55
所要時間:約 5 分で読めます




「……馬鹿が。お前が死んだら…………寂しいだろうが……」


鏡貴也のライトノベル伝説の勇者の伝説』の登場人物。本編のヒロイン。



年齢:17〜20歳
CV:久川綾ドラマCD)/高垣彩陽(アニメ)


ローランドの名門貴族にして、王を守る「剣の一族」と称されるエリス家の長女。
「女神」と賞賛される程の美貌、金髪碧眼、華奢な肢体の絶世の美女。
普段は革製の鎧を着ており、女性らしい格好をする事はない。

常に寡黙かつ無表情、男のような口調で、おまけに傍若無人。ライナ・リュートをいたぶるのが趣味。ライナ曰く、ライナ以外の人間には比較的普通の対応をしているとのこと。
自身の美貌を自覚しており、「天地が分かれる美人」「美少女天使」などと冗談を言うが、ツッコミがないと恥ずかしいらしい。
口調同様、どちらかというとさっぱりとした男っぽい性格で、細かい事は気にしない。本人曰く「過去は振り返らない主義」
繊細で女々しいところのあるライナがヒロインとすると、彼女はそれを叱咤して奮い立たせるヒーローか。いつもボコボコにしてしまうのは頂けないが良いコンビである。

極めて高い剣技と体術の持ち主で、その技量は鉄や雷さえも容易く切り裂く。細い腕からは想像つかない長剣を苦もなく操る事ができる。
ただし戦術の組み立てはあまり得意ではなく、総合的な実力は覚醒前のライナと同程度。
ふたりで組めば、強力な遺物相手でも戦える程のコンビネーションを見せる。

自他共に認める大のだんご好きで、彼女の行動原理の大半はだんごである。
そもそも、彼女がライナと共に「勇者の遺物」を探して旅に出た理由は、ローランド王シオン・アスタールに「お気に入りのだんご屋を潰す」と脅されたからであった。

ライナと出会ってからは彼を「色情狂の野獣」と(勝手に)称し、行く先行く先で広めている。理由を聞かれると「顔」とのこと。
その影響で妹のイリスはライナを「野獣くん」と呼び、一部の国では危ない男の代表としてライナが雑誌に載った事がある。ライナ自身は全く身に覚えがなく、不憫としか言いようがない。
フェリスも、そういった知識を間違った本から入手した耳年増である為、実際はピュア。男女が触れただけで妊娠すると思っていたり、若い女が「パパ♡」と言って男におねだりしているのを見て、「ずいぶん年の離れた親子だな」と言い、ライナから「お前、今かわいい発言したな」と言われたこともある。(「のーぶる・まなー」参照)

また、意外にも幽霊が嫌いで、怯えてライナの服の裾を掴むなど可愛らしい面がある。
理由は、「斬れない物を斬れるようにする為の兄の訓練が恐ろしいから」らしい。
船酔いするので船も苦手だが、少し経つと暴れだす為注意。


【以下、ネタバレ注意】







幼少時からの厳しい訓練によって超人的な実力を得た彼女ではあったが、実はエリス家の中では落ちこぼれの部類に入る。

本来ならば殺されてもおかしくない立場だった彼女が生かされていたのは、彼女の母親が子供を産めなくなったから。

……というのも、エリス家はどっかの退魔師一族のように、近親相姦によって血を濃くしてきた一族であった。
事実、フェリスの両親は兄妹である。

今代の子供に才能がないと見たフェリスの父は、母が子供を産めなくなった時の「予備」として、フェリスとイリスを生かし、フェリスの父か、ルシルの妻となる予定であった。(フェリスとイリスには知らされていない)

そしてフェリスが十四歳の時に、彼女は父親に強姦されかける。
しかし、突如として強大な力を手に入れた兄ルシルが両親を惨殺し、間一髪で難を逃れる。

以降はかつて程厳しい訓練は課されずに過ごしていたが、訓練以外の事に無頓着であった為、情緒面で未熟な部分があったり、年頃の少女なら知っている事をよくわかっていなかったりする。


フェリスがだんごを愛してやまないのは、幼い頃エリス家の敷地に迷い込んだだんご屋の子供が原因。
今までロクにお菓子を食べた事がなかった彼女は、だんごとの衝撃的な出会いを果たしたのであった。だんご屋の息子は、彼女に淡い恋心を抱き毎日通い詰める様になる。
しかしフェリスの父は、フェリスに友人ができたと知ると、「人間性は不要」と判断してだんご屋の息子を殺害。
彼女がだんごにこだわるのはその少年との思い出の為でもある。


出会った当初はライナに特別な感情を抱いていなかったが、共に旅を続ける内に、彼に無二の信頼と無自覚な恋愛感情を抱くようになっている。もともと過酷な幼少期をすごしている為、感情を失っているところがあり、ライナとの旅で感情表現が豊かになってきているが、当然恋愛事には疎い。
その為、ライナにストレートな愛情表現をするキファが現れた時には非常に動揺し、どうしていいかわからない様子であった。

普段はライナを剣で殴り倒すわ借金させるわと死にそうな目に合わせる(とりあえず伝説の勇者の伝説シリーズ参照)が、いざライナが死を願うと決して殺さない、ライナ曰く「あまのじゃく」。

シオンとライナの関係に、いつかどちらかが犠牲になるのではないかという不安を感じている。


【以下、超重大なネタバレ注意】









「悪魔」や「勇者」であるライナやルシル、シオンとは違い、彼女自身は普通の人間。

しかしエリス家の人間は「全ての式を編む者」である「悪魔(エリス・リード)」の血を引いており、本来はその力を受ける為に存在する。
エリス家の人間が狂ったように力を追い求めるのは、その力に耐えるだけの力を持つ為。
平気で近親相姦を行う程に狂ってしまえるのも、悪魔の力に耐えられないからである。

本来はフェリスも悪魔の血を引いているのだが、兄ルシルがライナの父リューラから「神喰い(ルシル)」の力を与えられ、悪魔を喰らった事でその呪いから解放されている。


シオンが豹変して以降、常にライナの傍で戦い、彼とは必ず行動を共にしている。家族の様に大切に思っていて、ライナを護りたいという事は自覚している。(ライナも同様)
その想いの強さは、ライナが自分を庇って死にかけた際には涙を流し、キファに叱咤されるまで茫然自失となる程。

また、ライナとの旅を経て感情表現も人間らしくなってきた。
恋敵であるキファに嫉妬したり、ライナの幼なじみであるピアに敵意を抱く(その後、だんごの味がわかると見るや急に仲良くなったりしたが)等、かなり感情を表に出すようになった。




大伝説の勇者の伝説17巻にて、ライナ・リュートからのプロポーズを受け、婚約。
ちなみにその際キスされ、妊娠したかもしれないと大真面目に言い出し、ライナもこれ以上手を出せるか不安になっていた。
17巻の結末では、ファン衝撃の展開が用意されており、18巻が大変待ち遠しい状況となっている。


「なんだ、色情狂」

「お前を苛めるのは私の趣味だ」

「……役立たずめ」

「なんてこと! なんてことなの!? あまりのリアルさに、思わず女言葉になってしまう程の恐怖だったわ!?」

「だだだーん、ごーごごー!」

「確か、ダンゴ・ダ・ダーン男爵ではなかったか?」

「……所詮はライナか……」

「私以外がライナを殴るのは禁止だ 」

「いいか? お前は化物じゃない。お前は、私の相方で、奴隷で、茶飲み友達だ。化物なんかじゃないんだ」

「…………そんなに……そんなに死にたいなら、好きにすればいい。お前は化物で、私の仲間じゃないのなら……勝手に消えればいい。相方でも、奴隷でも、茶飲み友達でもないと思うなら、勝手に……好きにするがいい」

「だがライナ、私はそうは思ってやらない。お前が自分の事をどれほど化物だと思ったとしても……私は思ってやらない」

「……馬鹿が。お前が死んだら…………寂しいだろうが……」

「なにが甘えだ 。なんでいまおまえが私に甘える 。いま … …いま甘えたいのは 、私だ 。私は 、いま 、泣きそうなんだぞ ! 」

「 … …それでも 、この十年は楽しかった 。おまえの選択は間違ってない 」

「なにも言わないまま 、私から去った 。だがそれに 、私は傷つくんだ 。なにも言ってもらえないことに 、傷つく 。なのに泣く暇も与えてくれない 。だから 、辛くて苦しいなら 、そんな顔をしないで 、ちゃんと話してほしいんだ 」

「馬鹿が 。私がおまえのそばにいるんじゃない 。おまえが私のそばにいるんだ 」

「 … …ライナ 。私が … …いない世界でも 、生きろ 。世界にはおまえが必要だ … … 」

「私も 、愛 … … 」







何、追記・修正が出来ない?
そうか……今日はいい天気だ、さぞや首も気持ち良く飛ぶだろうな……。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 伝説の勇者の伝説
  • 伝勇伝
  • ヒロイン
  • ツンデレ
  • 久川綾
  • 高垣彩陽
  • S
  • ネタバレ項目
  • だんご
  • だんご姫
  • フェリス・エリス

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年12月21日 21:17