ソードカラミティ(MS)

登録日:2013/11/17(月) 11:00:25
更新日:2024/04/17 Wed 10:22:49
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やれやれ、お前の血でまた機体が汚れちまうぜ!


ソードカラミティとは、『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するするモビルスーツ(MS)。
TV本編には登場しないが、プラモデル連動企画『SEED MSV』、外伝作品『ASTRAYシリーズ』等派生作品群に登場している。


目次





ソードカラミティ
SWORD CALAMITY

基礎データ


型式番号:GAT-X133-01(初号機)
     GAT-X133(2号機、3号機)
所属:地球連合軍→カイト・マディガンの個人所有機(初号機)
   地球連合軍→南アメリカ→カイト・マディガンの個人所有機(2号機)
   地球連合軍→オーブ連合首長国"アメノミハシラ"(3号機)
全高:18.26m
重量:-

武装:
580mm複列位相エネルギー砲 スキュラ
対装甲コンバットナイフ・アーマーシュナイダー×2
ロケットアンカー パンツァーアイゼン×2
ビームブーメラン マイダスメッサー×2
15.78m対艦刀 シュベルトゲベール×2

動力:バッテリー
装甲材質:トランスフェイズ装甲

搭乗者:
レナ・イメリア(初号機)
エドワード・ハレルソン(2号機)
フォー・ソキウス(3号機)


機体解説


C.E.71の大戦後期、地球連合軍大西洋連邦主導で開発されたGATシリーズに属する機体。
開発にあたっては同時期に建造された後期GAT-Xシリーズの一機・X131カラミティガンダムをベースにしつつ、
同機の「砲撃戦仕様機」というコンセプトとは正反対の「格闘戦仕様機」として再設計が為されている。

機体のメインカラーは、オリジナルであるカラミティの青緑とは対照的な朱色
ただし初号機に関しては、既存のカラミティを改装する形で製造されたため、
追加された肩や各部装甲等の変更点以外のカラーリングは元のままであり、朱色と青緑が混在するパッチワークめいた独特の風貌となっている。


GATシリーズの中でも本機は、「リビルド1416プログラム」に基づいて開発された。
この計画は、前期GAT-Xシリーズの中で唯一ザフトに強奪されずに連合軍側に残ったX105ストライクガンダムに実装され、
強奪された4機を向こうに回しながら、同機が戦果を挙げられた要因の一つである装備換装システム、『ストライカーパックシステム』のコンセプトを更に推し進め、
「武装や装甲、OSなどより多くの部位を交換することで柔軟かつ高度な状況対応力を発揮する万能機」を目指すものであり、
その装備換装運用の実働データ収集用テストベッドとして選ばれたのがカラミティであった。
というのも、カラミティの基礎骨格である内部フレームは、ストライクと同じくXナンバーの中でも安定性に富んだ汎用モデル「X100系フレーム」に属しており、
装備変更を行う上では、属するフレーム的な意味で後期GAT-Xシリーズの中で最も都合が良かったのが大きな理由と思われる。

そうして万能機として様々なシチュエーションが想定された中でも、白兵戦を主体とするMSの運用特性上まずは近接戦への対応力も求められ、誕生したのがこのソードカラミティである。

カラミティからの主な改装箇所としては、胸部のスキュラを除く遠距離火器の一切を撤廃。
そのうえで、ストライクのストライカーパックシステムのひとつである近接戦用のソードストライカーの武装を改良し、
さらに武装の数も2倍にして機体各部に搭載されているため、格闘戦に滅法強い仕上がりとなっている。
トーデスブロックやシールド及びケーファー・ツヴァイといった手持ち武装は削除されているものの、
マイダスメッサーやパンツァーアイゼンなど中距離攻撃武器を搭載しているだけでなく、
ソードストライクでは使えなかった対艦刀グリップエンドからのビーム発射機能も実装されているため、その気になれば射撃戦にも十分対応できる。
胸部のスキュラも、本家より出力が70%に抑えられているとはいえそのまま残されているので、砲戦火力の不安もほぼ無いと言っていい。

ちなみにカラミティは、重武装機でありながら装備はビーム主体だったために後期GAT-Xシリーズの中では一番軽いのだが、
本機の場合はそこから重火器を撤廃しているのでさらに軽くなっており、機動性や運動性は向上している。
無論背面の大型スラスターによる水上ホバー移動やトランスフェイズ装甲も健在であり、
OSも、パイロットは生体CPUが前提となっていたオリジナルと違ってナチュラル用のものが搭載されているので乗り手も選ばない。
結果として、近接戦闘に特化しつつも全体的に高水準でまとまった万能機として生まれ変わっており、計画の条件にも適う出来であったといえるだろう。


本来ならこの近接戦装備の運用後、リビルド1416に基づいた他の装備に換装のうえ試験を繰り返す予定だった。
しかし当時の連合では汎用量産機としてダガータイプの配備を優先していたため、
リビルド1416のベース機もカラミティからより生産性などに富んだ105ダガーに変更となり、
このソード装備の試作機が3機ほど作られただけでカラミティの改装計画は中止となった。
だが、これらの試作機はそれぞれの独自の経緯で実戦投入され、戦場でその性能を証明した。

生産性には難があったのか、フォビドウンレイダー系とは異なり、
カラミティの派生機はブラウカラミティが作られるまでこれしかなく、直系の量産型も作られていない。
この機体に乗って有名になった「切り裂きエド」ことエドワード・ハレルソンは後にこの機体を持ち出して脱走しており、
カラミティの派生機が少ないことにその辺りの事情も絡んでいると思われるが、真相は不明である。
なお、「切り裂きエド」が乗ったのは試作3機のうちの2号機である。


武装


  • スキュラ
胸部にあるビーム砲。中距離の敵に対抗するべく原型機から唯一残された武装。
改装による機体特性の変更に伴い、出力は本家に比べて70%に抑えられているが、MSの内蔵火器としては依然高い威力を誇る。


  • アーマーシュナイダー
ストライクでお馴染みのMS用の対装甲ナイフ
ストライクの物は折りたたみ式だったが、本機の場合はシースナイフ、つまり鞘ありの形状となっており両腿にグリップが出ている形で納刀される。
刃渡りも短く威力も限定的なものであり、基本的にはエネルギーが限界に来たときの緊急用である。


  • パンツァーアイゼン
両前腕部に装備されたロケットアンカー。
ソードストライカーに同名の装備があるが、あちらに比べるとよりコンパクトかつ鋭利な形状。
射出後に先端部が展開して目標に食い込み、ワイヤーと共に目標を牽引し近接戦に持ち込む。
装着したまま盾としても使えるが、サイズは小さいため本格的な防御に用いるのは難しい。
ゲームではアンチビームコーティングが施されていたりする。


  • マイダスメッサー
両肩に装備されたビームブーメラン。本家の肩スラスターの上半分を排除した所に設置されている。
こちらもソードストライカーに同名の装備があるが、形状がシンプルになっただけで機能面は同じ。
ビームの色は緑色。

  • シュベルトゲベール
バックパックの両サイドに装備された、本体全高に匹敵する大型の対艦刀。本機のメインウェポンである。
オリジナルが大型ビーム砲「シュラーク」を装備していた箇所に懸架用アームが取り付けられており、平時はそこに接続されている。
ソードストライカーの対艦刀と基本的な機能は同じだが、比較すると全体的にシンプルで洗練された形状になっている他、劇中の描写からレーザー刃からビーム刃に変更されている様子。
ソードストライカーとは違って対艦刀は二振り装備され、戦闘では両方とも抜いての二刀流が基本となっており、
そのためかグリップ部もストライカーの物に比べると短く、片手で充分に振り回せるように改良されている。
二刀流前提とはいえ威力は落ちておらず、一振りだけでもジン3機をまとめて斬れるらしい他、二振りを一つに重ね合わせて両手剣に近い形で使い、ビーム刃を纏めて威力を高めることも可能。
そして最大の改良点が、懸架用アームにマウントされた状態でも小型ビーム砲として使える点であり、使用時にはグリップエンドが砲門となって、肩の上からビームを放つ。
このビーム発射機能は試作段階だったソードストライカーでは実現出来なかったもので、スキュラと共に中距離戦への対応力の確保に役立っている。
なお、発振するビーム刃は此方も緑色になっている。


劇中での活躍


最初に改装が完了した初号機はデータ収集後にデトロイトの国防連合企業体工場に保管されるが、
エドワード・ハレルソン(エド)が乗った2号機、フォー・ソキウスが乗った3号機はビクトリア基地奪還作戦に投入され、互いに大きな戦果を挙げた。
特に、エドが乗った機体は第08MS小隊グフ・カスタムのように斬った相手のMSのオイルが返り血のように飛び散った姿となり、
彼と2号機が挙げた多大な戦果も合わせ、敵味方双方に「切り裂きエド」という存在を知らしめた。
PVアニメにも登場し、ゲイツナスカ級を切り刻んだりした上、
ブルーフレームセカンドLとも戦うが決着までは描かれなった。


ビクトリア作戦後に3号機はパイロットのフォー・ソキウスと共にロンド・ギナ・サハクに譲られ、アメノミハシラの防衛等に使われている。
カガリ抹殺の為にクサナギを襲撃したこともあったがこちらもブルーフレームセカンドLと交戦。ビームと実体弾混合のガトリングをうけてしまい撃退されている。
しかし修復されたようで、後にジャンク屋ギルドの本拠地となっていたジェネシスαに、レイダー制式仕様M1Aアストレイと共にロンド・ミナ・サハクの護衛として向かっている。


一方、2号機は第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後にエドの脱走と共に持ち逃げされ、南アメリカ独立戦争でのフラッグシップ機として激戦を戦い抜いた。
最終的に対エドのために投入された連合軍のエース、"乱れ桜"レナ・イメリアが搭乗する初号機と交戦の末、相討ちとなり放棄されることとなった。

後に、初号機・2号機ともにカイト・マディガンによって密かに回収・修復され、彼のMSコレクションの中に加えられていたことが判明。
ジャンク屋組合でもない者が勝手に軍用MSを回収するのは違法であり、ジェスからも「返せよ」と突っ込まれている。一応「エドに返してほしいと言われれば返す」ともカイトは発言している(本心では返したくなさそうではあるが)。



関連機体


カラミティガンダム

原型機。

ストライクガンダム

アーマーシュナイダーやソードストライカーなどがソードカラミティの装備として継承されている。



立体化


ガンプラ

月刊ホビージャパン2004年10月号の付録としてHGカラミティ用の換装パーツが付属しており、これを組み込むことでソードカラミティを再現することが出来た。
ただしこの換装パーツだけだとベースの緑に朱色が混じったカラーとなってしまうのだが、これが作中設定に反映されたことで初号機の設定が生まれた。
その後、キャラホビ2004の限定商品として、ベースキットのカラーも朱色にし換装パーツもセットにした「レッドバージョン」が発売されている。

なお、双方ともガンプラ改造の教材としての側面があるため、各種処理を行うことが前提となっている部分もある。

そして2024年には、2020年に発売されたRe/100版カラミティガンダムをベースにしたソードカラミティがプレミアムバンダイ限定で発売。
最新規格のフォーマットとあって可動域や色分けが十分なうえ、付属パーツにシュベルトゲベールの刃とグリップエンド部分のビームエフェクトもある。
一方で成形色が明るめのオレンジ色なため賛否が分かれている。
一次販売受付は毎度恒例の1分売切れとなり、多くのナチュラルが購入できず二次生産を待ち望んでいる。



ゲームでの性能


Gジェネシリーズ

「ポータブル」で「ASTRAY」枠で初登場。
はっきり言ってカラミティの上位互換であり、水上移動はできないがSFSに乗せれば何の問題もない。
何より近接攻撃ができるのは大きく、シュベルトゲベールの威力も高い他、マイダスメッサーが特殊射撃なので改造すればこれだけで大体の敵を倒せる。
射撃も剣のビーム砲やスキュラがあるので問題なし。
トランスフェイズ装甲なのでPS装甲の難点であるターン毎のEN消費もないので鍛えたパイロットを乗せれば被弾時のデメリットが少なくなるのも長所。

その後、「OVERWORLD」で復活し、切り裂きエドも初参戦した。
こちらでは剣のビーム砲がなくなり、代わりにパンツァーアイゼンが使えるようになったが、
マイダスメッサーもBEAM格闘となったため射撃用である本家とより差別化された性能となった。
しかしながら高威力のシュベルトゲベールで射程1に攻撃できる長所はいまだに大きく、
スキュラも貫通BEAMの中では燃費が良い方なのでアビリティ持ちの敵にも比較的強い。総じて使い易い機体となっている。
なお「OVERWORLD」では「ガンダムSEED MSV」での参加となっている。またスキュラの威力も設定通り本家カラミティの70%(5500→4000)になっていたりと地味に細かい。

「CROSSRAYS」ではパンツァーアイゼンが削除されて武装がビームオンリーになってしまったため、対ナノラミネートアーマーに苦労することになる。


『GENERATION OF C.E.』

「SEED MSV」枠からの参戦。
ビクトリア基地奪還作戦からエドと共に2号機が使用可能になる。
射程もそれなり広く、エドがステータスは勿論「威力上昇(近接)」「近接複撃」などのスキルを覚え近接戦がかなり得意なため使い勝手がいい。
ステージによってはソキウスの3号機も登場するが自軍で使えるのはエドの2号機のみである。

また、戦闘ムービーがやたら気合が入ったものになっており、対艦刀のアクションがカッコイイ。


『スパロボW』

SEED関連が本格的に描かれる第二部でエド機、ソキウス機が敵として登場。
エド機はロウで説得すると1話限りの味方として使える他、最終盤では他のSEED MSV勢と共にプレイヤーキャラとして使える場面がある。

そして2周目以降になると、多くの量産機と並んでショップ購入が解禁され自軍運用が可能になる。
ショップで買える機体はよくて1.5軍程度、完全な趣味機体も多い中でソードカラミティは性能、武装共に文句なしで1軍を張れる高性能機。
しかも連合機なのでナチュラルでも乗れるためパイロットを選ばない。
第二部序盤で未強化レッドから乗り換えさせたロウを乗せるもよし、終盤は機体に恵まれないイライジャやカガリ辺りを乗せるもよしである。


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最終更新:2024年04月17日 10:22