津上翔一

登録日:2009/06/03(水) 23:30:35
更新日:2023/06/20 Tue 00:06:35
所要時間:約 5 分で読めます




津上翔一(つがみ しょういち)は『仮面ライダーアギト』の主人公。
仮面ライダーアギトに変身する。

演:賀集利樹


▽目次

詳細

年齢:21歳
既に仮面ライダーである男

海岸で意識を失い倒れているところを、地元の女子高生に救助された青年。その後、心理学者の美杉義彦宅に居候している。
記憶喪失であり、身元を確認できるものを所持していなかったため、唯一持っていた中身のない封筒の宛名に書かれた名前から“津上翔一”と名乗るようになる。


料理を始め家事が得意で、美杉家の家事全般を一人で担当している。
また、美杉家の庭に無農薬の家庭菜園を作っており、その手入れをするのが好き。その関係で1ヶ月に渡って美杉家の食卓に同じ野菜が続くことがあったり、妙な創作料理を作りたがる癖があり、家主たちから警戒されている。

なぜか魚の口に小指を突っ込むことで、魚が新鮮かどうかがわかるという珍妙な特技を持っている。
また、寒く分かりにくいギャグを言うことが多く、その度に結構な割合で場の空気を凍りつかせる。

記憶喪失だが、バイクの免許をとったため移動にはバイクを使う。ちなみに現実でも記憶喪失者が免許を取得することは可能*1

翔一「記憶喪失でも免許は取れるんです。知りませんでした?勉強不足ですね」


性格は非常に能天気で天然。他人に優しく、おおらかで人当たりは良く、相手に好かれるタイプである。
また、かなりのマイペースであり、相手を自らのペースに自ずと巻き込んでしまう。だが、その中で無意識に毒を吐いてしまうこともある。
特に生真面目な氷川誠北條透はよく巻き込まれることが多く、彼らのコントじみたやり取りはある種の風物詩となっている。
その能天気さから、記憶喪失についてもまるで気にしておらず、記憶が戻らなくても構わないと公言していた他、講談社キャラクター文庫『小説 仮面ライダーアギト』に至っては「見るもの聞くものすべてが新鮮に感じられるため、毎日記憶喪失になってもいい」とすら思っていた。

器の大きな性格ゆえ、人に不思議な印象を与えることもあり、“無我の境地”に達したような人物でなければ扱えないとされる完全状態のG3-Xを装着して使いこなし、アンノウンを撃破したりもした。


同じ美杉家に暮らしている女子高生・風谷真魚(美杉義彦の姪)とよく行動をともにしており、彼女は翔一がアギトであることを知る数少ない人間。

アンノウンが出現するとそれを本能的に察知して現場に急行、アギトに変身して戦う。だが、記憶喪失なので自分がなぜアギトになれるのか分かっていない。みんな自分の居場所にいるときが幸せだと考え、その場所を守りたいと戦い続ける。

だいたいの場合、誰かと一緒に行動しているときでもアンノウンを察知すると突然走り出す(当然一緒にいた人は驚く)。
当初はまさしく本能で戦っているような状態だったため、制御できずにG3に襲いかかったこともあったが、皆の居場所を守るために戦う決意をしたことで力を制御できるようになった。
G3とは共闘するようになるが、G3の装着員が氷川だと知るのはギルスとの戦いでG3が大破に追い込まれたときである。
葦原涼(ギルス)とは勘違いが重なり当初は敵対していたが、互いの正体を知って以降は似たような境遇ということもあって共闘するようになる。

一応自分がアギトであることは秘密にしているが、アギトが誉められたりすると照れたり素直に反応してしまうし、G3-Xの暴走に巻き込まれた際は氷川に何度も助けてあげたのに酷いじゃないかと愚痴ったこともある。

涼から敵視されていた頃にギルスとの戦闘で吹き飛ばされた際、河に落下したショックで一時的に記憶を取り戻したが、トリニティフォームのライダーシュートの衝撃によって記憶喪失に戻ってしまった。






以下、ネタバレ





















本名は“沢木(さわき)哲也(てつや)”。

自殺した姉・雪菜の死の真相を知るため、雪菜の恋人だった本物の津上翔一(現在は彼のが沢木哲也と名乗っている)のもとに向かうために、あかつき号に乗船した。
船内で他の客と交流を深めていたが、闇の力との交戦で倒れた光の力の遺体と遭遇。
その直後にアンノウン“水のエル”が翔一を狙って*2あかつき号を襲撃。翔一を救おうとした光の力によって光を浴びせられ、一気にアギトとして覚醒*3

アギトになった翔一は水のエルと交戦。吹き飛ばされて海に落下し、記憶喪失になった*4
その後、気絶したまま海を2週間漂流し、浜辺に漂着。通りかかった女子高生に助けられた。
(劇場版では2001年9月27日が居候1周年。本編から半年前という台詞から、あかつき号事件周辺の大体の時系列が見えてくる)

翔一「アギトになってなかったら完璧に死んでましたね、きっと。アギトになってラッキーでした!」

なお、あかつき号の他の乗客に比べて、翔一の変化が早いのは、元々アギトの力を持っていたことに加えて光の力によって覚醒が早められたためである。

ちなみに、特技である料理は元から趣味を兼ねていたらしく、記憶を失う直前までは、姉の後押しもあって調理学校に通っていた。
なので記憶が戻ると料理の腕がプロ並みになる。


記憶を取り戻した後、本人は自分の本名を思い出したが、周りが津上翔一で馴染んでいるため訂正が効かず、結局呼び方は津上翔一のままになった。

最終回で闇の力の隕石による人類滅亡計画を阻止したあと、レストラン「AGITΩ」を開店。美杉一家は常連客となる。




【本編以外での活躍】

◆PS2ソフト『仮面ライダー 正義の系譜』

2004年4月、アンノウンとの戦いから3ヶ月後(※)。平穏な生活を送っていた翔一は再び悪の気配に感応し、建設まもない原子力発電所にを訪れると、ショッカー戦闘員が待ち受けていた。

地獄大使の指揮する「日本列島沈没作戦計画」その前哨基地である「海底基地建設」を阻止する為、ショッカーの怪人軍団(地獄大使期)に立ち向かう(お気づきの方もいるかもしれないが、田所博士とか結城とか藤岡弘とか、あの映画を意識していると思われる要素がチラホラある
基地を破壊し爆炎の漂う崩落した洞窟を全力疾走したり、いかにも昭和ライダーな悪の計画を挫く様は斬新である。

アギトに変身した姿をセミミンガに「この時代にも仮面ライダー!」と言われ
「過去にもアギトの力を持って悪と戦った人がいる」と認識、通信機越しに本郷から「私は仮面ライダー、君は?」と問われ
TV本編ではなかった「仮面ライダー…アギト!」と名乗るファン感涙のシーンが展開された。
この作品では「アギトの力」が人類に宿る「光の力」としても解釈され、終盤ではアギトではない改造人間の3ライダーも不思議な光を放出していた。
「光は人類に秘められた力」「光は闇を打ち砕く正義の力である」という台詞を見るに、人間をアギトに変質させるアギトの力とは別種に人類を守る正義の戦士に力を貸す「光の力」という解釈が本作ではされており
「翔一は改造人間の先輩たちをアギトと勘違いしたまま」と見做されがちだが、実際には「アギトの力」→「光の力」→「光の力で戦う仮面ライダー」という本作の世界観では、あながち間違った考えではないのである。
改造人間になっても人間の心を保ち続けるのが「仮面ライダー」であるし「アギトになったって、人は、人のままで生きていけるんだ」という事なのだ。これが光なのである。

「俺たちよりも先に、アギトの力で運命と戦った人達ががいたんです。それも、幾つもの時代に…」
「そして分かったんです…アギトの力を持つ俺の役目…運命は、この力を未来に伝える事なんじゃないかって…」

道は続き、正義の系譜は受け継がれる。

※本作の攻略本についた年表では、「クウガ」も同じ世界の出来事として含まれており、放映年通り2000年〜2001年がクウガ、初期設定に存在した「アギトはクウガの2年後」設定をそのまま反映。2003年〜2004年(1月)がアギト本編であり、その3ヶ月後、つまり4月である(1年後のエピローグの9ヶ月前)


同作に登場する仮面ライダーアギトの変身者として登場。
最終決戦後に変身を解くと、南光太郎モモタロスと同じように門矢士に激励の言葉を送った。

しかし、アギトの声は残念ながらスケジュールの都合で賀集氏ではなく、別の声優が声を演じている。



前作からの友情出演という形で変身はしないが、ゲストで登場。
狙ってやってるのだろうが、レストランの店員であり、別れ際に「コップンカー(タイ語で「ありがとう」)」と城戸真司霧島美穂に挨拶していた。
劇場公開版だと1カットのみの登場だったが、実際はかなりの出番があったらしく、ディレクターズカット版では『アギト』からのゲストで1番多く出演シーンが追加されている。


仮面ライダーアギトとして登場。変身を解くことはないが、声は賀集氏が担当している。
同じく料理人の天道総司と気が合うらしく、暗号の一部が「AGO」だと判明した時に「アゴ(トビウオを乾燥させたもの)」について語り合っている。


EP31「2001:めざめろ、そのアギト!」より登場。レストラン「AGITΩ」はこの時代でも健在であり、評判は素晴らしく高い模様。
フランスで料理人修業をしていたが、アナザーアギトがG3を狙って暴れ回る事件が発生し、真魚の連絡を受けて急遽帰国。

大量のアナザーアギトに襲撃されたツクヨミのもとにオルタリングを起動したまま現れ、アギトに変身して戦闘を開始した。
しかし、アナザーアギトを生み出したスウォルツの真の狙いは、数多い「アギト」の内で明確に「仮面ライダー」である翔一の力を奪い取ることであり、直後に各所から増殖・集結を始めたアナザーアギトの大攻勢に晒される。

その後、ウールによってアギトの力を奪われてしまい一時戦線を離脱。自身の素性について悩むツクヨミに料理をふるまい、自身の経験を語って元気づけた。

少しして起きたアナザーアギトの集団との抗戦ではG3を装着して加勢、ソウゴの機転でウールから奪還したアギトライドウォッチを起動して力を取り戻すと、そのままアギトに変身して本格的に戦闘に加わり、勝利に貢献した。
事件解決後には再びフランスでの修行に戻り、別れ際にソウゴにライドウォッチを託している。

なお、「アギト」は仮面ライダーという概念が存在しない作品であるため、翔一は終始ライダーのことを「仮面ライダーって言うの」と呼称している。




「追記・修正してくれるアニヲタの皆さんの居場所を、俺が守れたらいいなって。アニヲタの皆さんのために戦えるなら、そこが俺の居場所なんだ!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 仮面ライダーアギト
  • アギト
  • 賀集利樹
  • 記憶喪失
  • 天然
  • 野菜
  • 主夫
  • 既に仮面ライダーである男
  • 年下の男
  • 目覚めろ、その魂
  • 火のエルロード
  • 「アギトはクワガタでしたよ」
  • 愛すべきバカ
  • 仮面ライダー
  • 主人公
  • ピクルスサンド
  • こんごうじさん
  • 仮面ライダー主人公
  • 脳天気
  • 癒し系
  • 津上翔一
  • 沢木哲也
  • 仮面ライダージオウに登場したレジェンド項目
  • レストラン
  • 平成ライダー
  • ダジャレ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年06月20日 00:06

*1 放送中、身元不明の人物は運転免許を取れないはずだから主人公が無免許運転をするのはよろしくないというクレームがあったため、制作側がちゃんと調べた上でこのような説明がなされた。

*2 恐らくアギトの力を持つため。実姉の雪菜はアギトに覚醒しかけていた。

*3 このときの光の余波で、あかつき号に乗っていた人間はアギトの力を持つようになり、アンノウンに狙われるようになってしまった

*4 河に落下したときに記憶が戻ったのは、このときのショックを再現したためと思われる