E・HERO(属性融合)

登録日:2011/06/09(木) 13:43:48
更新日:2023/12/09 Sat 11:13:54
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属性融合とは、遊戯王OCGに存在するカード群。

E・HERO(エレメンタルヒーロー)(一部はHERO)モンスター
と、
○属性モンスター(○には各属性)

を融合素材とする「E・HERO融合モンスターの俗称である。

ネーミングに関しては統一感がなく、カタカナのみ、一部アルファベット、全部アルファベットと、なぜかバラバラ。

アニメ版GXで登場した多くの融合E・HEROと違い、素材に特定のモンスターを必要としないのが最大の特徴。
融合素材の条件が非常に緩いため、デッキの内容を縛られず非常に出しやすい。

特に《E・HERO エアーマン》《E・HERO シャドー・ミスト》を素材にできるのが大きく、手札に《融合》とそれらさえあれば即融合できる。
自力で《融合》をサーチできる《E・HERO ブレイズマン》を使ってもいいだろう。

これらの登場により様々なカードが恩恵を受けた。
例えば《未来融合-フューチャー・フュージョン》は神属性以外のすべてのモンスターを墓地に落とせるという、《おろかな埋葬》を超えたパワーカードとなった。
ハズレアだった《超融合》がチェーンで妨害されず、破壊耐性を無視できる確実な除去カードへと化けた。

忘れられがちだがトークンも融合素材に問題なく使用できる。
そのため、融合を引くまでの時間稼ぎやシンクロ召喚アドバンス召喚の為にトークン生成カードを使うのもいいかもしれない

以下汎用性のあるトークン生成カード
  • 地…《スケープ・ゴート》
  • 水…《雲魔物(クラウディアン)羊雲(シープクラウド)
  • 風…幻獣機
  • 炎…《ジュラック・スタウリコ》
  • 光…《冥府の使者ゴーズ
  • 闇…《終焉の焔》

なお《沼地の魔神王》のような融合素材代用モンスターを代用素材として使えるのは、融合素材がモンスター名をそのまま指定している場合のみなので注意。
よって、E・HEROおよびHEROモンスターの代わりにはできない。
ただし、対応する属性の素材としては可能。水属性の《沼地の魔神王》ならば《E・HERO アブソルートZero》の素材になる。

なぜこんなに素材の緩い融合モンスターがでてきたのか、それはシンクロ召喚が関係してると言われている。
シンクロ召喚の登場によりマスタールールが適用され、エクストラデッキの最大枚数が15枚となった。(漫画の某炎のHEROがOCG化した直後)

これにより多くの融合パターンを武器にしていた融合HEROはデッキの強さを落としたため、その救済として登場したと言われている。
もっとも、これらの登場により過去に登場した融合HERO*1は見向きもされなくなったため、逆に批判の声もある。
素材の方も使われるのは《E・HERO エアーマン》《E・HERO バブルマン》《E・HERO アナザー・ネオス》《E・HERO シャドー・ミスト》《E・HERO ブレイズマン》《E・HERO ソリッドマン》《E・HERO リキッドマン》がほとんどでパターン化しており、こちらも過去のE・HEROは見向きもされない。(特にアニメ出身)

HERO使いにとってはなんとも複雑な気分である。

とは言え、罠が効かない《E・HERO ワイルドマン》《E・HERO アナザー・ネオス》と一部サポートが共有出来る《E・HERO スパークマン》はまだ採用圏内。
《E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン》や《E・HERO ワイルドジャギーマン》など、これらの融合体にも見所のあるものは存在する。

カード名を直接指定する融合HEROにも利点はあり、《E・HERO プリズマー》をはじめとした融合素材を参照するカードの恩恵を受けることができる。特に《X・HERO ヘル・デバイサー》で融合素材を一気に2枚揃えられる点は注目すべきだろう。

愛があればあるいはといったところか。

値段は偏りがあり、かつては
地>>>>炎>水=光=闇>>風
という感じ。ただし地も韓国版ならかなり安値で手に入る。

だったが、地がストラクチャーデッキにて再録されレアリティに拘らないなら値段は風以下に落ちる。
炎も同時期に発売された十代スリーブにノーパラとして付属しているが、スリーブ自体が大人気のため入手が難しい。
以前よりは値段が落ちたとはいえそれでも属性融合の中では一番高い。

そのため、2015年現在では
炎>>水=光=闇>>風=地
という感じ。

以下、登場順に各カード説明



地属性

E・HERO ガイア
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600
「E・HERO」モンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。
ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、このカードの攻撃力はその数値分アップする。

地のHERO。こいつだけ星6。
《フォース》を内蔵しており、相手モンスターの攻撃力を半分にしてその数値を自身の攻撃力に加える。
召喚ターンに相手のモンスターの攻撃力を0にする効果と置き換えることもできる。
攻撃を通せれば2200のダメージと相手の戦闘破壊が約束される。相手のエースを倒せればカッコいい。

E・HEROで融合素材となる地属性モンスターは《E・HERO ワイルドマン》《E・HERO フォレストマン》くらいであったが、《E・HERO ソリッドマン》の登場で無理なく融合できるようになった。フィールドで素材にすると墓地の下級HEROを蘇生できるのも嬉しい。
《E・HERO フォレストマン》はやや遅いが融合をサーチできるため相性自体はいい。

《E・HERO ソリッドマン》の登場以前には《E・HERO シャドー・ミスト》やランク4エクシーズと相性のいい《ゴブリンドバーグ》もよく使われていた。

最初の属性融合HEROであり、初出は悪名高きVジャンの定期購読特典。
後に再録されるも案の定というべきかDUEL TERMINALN-Rareなので値段、入手難易度共にぶっちぎりだった。
逆に、ストラクで再録された今では最も入手難易度が低い属性融合HEROになっている。

シンクロ期の主な《超融合》元は「鬼畜モグラ」「シンクロナチュル」《スクラップ・ドラゴン》あたり。
攻撃名は「コンティネンタル・ハンマー」。「コンチネンタル」になってることも。



水属性

E・HERO アブソルートZero(ゼロ)
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO アブソルートZero」以外の水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

水のHERO。こいつだけ素材が「HERO」指定。
いわゆるチート。フィールドを離れた時に《サンダー・ボルト》を放つというシンプルながら強力な効果を持つ。

これは強制効果で、かつ条件が場を離れるだけなので非常に無効化が難しく、モンスターを並べたときに出されると処理に困る。
フィールドにいるだけでプレッシャーをかけることができ、こいつ自身を融合素材にするだけで能動的に効果を使うことができる。リンク召喚の登場以降はフィールドから離すのがさらに容易になった。

パンプ能力も上昇値が高いので馬鹿にできたものではなく、フィニッシャーも任せられる強力なモンスター。
E・HERO内での融合素材も優秀な《E・HERO オーシャン》や《E・HERO バブルマン》と「ヌマチマン」……改め《沼地の魔神王》がいるので困らない。
また、新たな水のHEROの《E・HERO リキッドマン》は召喚時に下級HEROを蘇生でき、融合素材にすると手札を補充できるという優秀な効果を持つため、適役と言える。
壊獣」の中ではよく使われる《海亀壊獣ガメシエル》も素材になる。

このカードを墓地へ送って《マスク・チェンジ》できる《M・HERO アシッド》は、このカードと対を成す「特殊召喚時ハーピィの羽根帚効果」であった為、そのチートぶりに更に磨きがかかった。
そのためかデュエルリンクスではVRAINS実装まで至った時点でもこの2体は実装されていない。アイテムを使ってようやくデッキに入るカードの効果を発動って言うんだからそりゃ簡単に出てくるわけない。

弱点はフィールドから離さない除去、裏側守備表示にされること、バウンスである。
X素材として吸収する《No.101 S・H・Ark Knight》《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》には成すすべがない。
裏側表示で墓地に送られると発動しないので《月の書》などで簡単に対処されることも。
2020年のルール変更により、EXデッキに戻った場合は非公開情報となるのでバウンスを喰らった場合は効果が使えなくなった。

他にも破壊耐性をデフォで持ってるモンスターの増加もあり、こいつ1体で何とかなるという状況は少なくなっている。

とはいえ《超融合》で相手のモンスターを確実に除去しながら出す動きは未だに強いので、流行っているモンスター次第では警戒が必要。

攻撃名は「瞬間氷結-Freezing at moment」。



光属性

E・HERO The() シャイニング
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついたモンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。

光のHERO。
除外された「E・HERO」を回収できる効果を持ち、《ミラクル・フュージョン》との相性は一番いい。
3000越えも簡単で、《オネスト》にも対応してるので戦闘では強い。
え、《E・HERO オネスティ・ネオス》があるからいらないって?

《フュージョン・ゲート》などを多用するデッキなら攻撃力5000以上はザラ。
《E・HERO ボルテック》などを使う1ショットキルも存在する。

墓地に送られればアドを回復できるが、第9期以降の除去はバウンス、除外がメインなので頼り過ぎは禁物。

E・HERO内での融合素材は、前述の《E・HERO ボルテック》に加え《E・HERO ネオス》《E・HERO アナザー・ネオス》《E・HERO スパークマン》か。
もしくは自身の効果で墓地に送れる《E・HERO オネスティ・ネオス》でも良いだろう。
特に《E・HERO アナザー・ネオス》は【HEROビート】が主流の時は大活躍だったため素材に困ることはなかった。

ぶっちゃけ今となっては効果は型落ちなのだが、素材が光という超メジャー属性なので《超融合》するHEROデッキではなにかと重宝する。

回収効果は「時の任意効果」であり、タイミングを逃すため注意が必要。

攻撃名は「オプティカル・ストーム」。



風属性

E・HERO Great(グレイト) TORNADO(トルネード)
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200
「E・HERO」モンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

風のHERO。読みはグレートでもグゥレイト!でもなくグレイト・トルネード。
特殊召喚成功時に相手モンスターのステータスを半減する
これにより単体で5600までのモンスターを処理できる。
ガイアと被っているように見えるが、こちらの効果はすべての相手モンスターに及び、次のターン以降も持続する。

この効果は相手と自分が同時にモンスターを並べている時に有用であるが、状況が限定されておりフルに生かすのは難しい。効果と素材(エアーマン)の特性上、融合解除とはかなり相性が良い。
風のHEROは殆どいないどころか出張要員の風属性もあまりない状態だが、必須級の《E・HERO エアーマン》が素材になれるので問題ない。

素材に恵まれていないため余りお目にかからないが、ここぞという時には鬼神のごとく活躍するだろう。
PP収録の為、場所によっては100円位で買える。
ブースターSP-レイジング・マスターズ-にもハズレア的なポジションで収録されたため更に安くなった。
尚これに収録されてるものは守備力2000とエラーカードになっている。当然デュエル中は守備力2200として扱う。

超融合》の主な仮想敵は《スターダスト・ドラゴン》系列(特に《スターダスト・ドラゴン/バスター》を除去できる貴重な手段)。
他は《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》《フルール・ド・バロネス》など。
効果名は「タウン・バースト*2」、攻撃名は「スーパーセル」。



炎属性

E・HERO ノヴァマスター
融合・効果モンスター
星8/炎属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」モンスター+炎属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローする。

炎のHERO。これだけ漫画版GXで登場したカードではなくOCGオリジナル。
元々死んでいたフレイムブラストさんの息の根を完全に止めた。
相手モンスターを破壊した時に1ドローできる。融合は基本的にアド損なので手札を回復できるのはうれしいところ。

墓地に送らなくていいのもポイント。相討ちになっても発動する。
だが致命的に効果の発動が遅い事、唯一パンプ能力を持たず、単体での突破力に欠ける事等、弱点も多い。

かつてはE・HEROデッキにおいて採用の余地がある炎属性が少なかったが、融合をサーチできる《E・HERO ブレイズマン》が出たためかなり扱いやすくなった。
ドロー効果で《マスク・チェンジ》や《超融合》を引く事が出来ればそのまま追撃、ゲームエンドに持ち込む事も可能。
うまく決まると格好良い。

鎧の形状がZeroに類似しているが関連性は不明。
超融合》の主な仮想敵は《剣闘獣ヘラクレイノス》《ローンファイア・ブロッサム》《エヴォルカイザー・ラギア》など。



闇属性

E・HERO エスクリダオ
融合・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000
「E・HERO」と名のついたモンスター+闇属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する「E・HERO」と名のついたモンスターの数×100ポイントアップする。

闇のHERO。
遊戯王OCGでの最大勢力である闇属性を素材にできのが最大のメリット。それだけで強力なモンスターだと言っていい。
このカードの登場により6属性HEROが揃ったため、E・HEROデッキにおける「超融合」はチェーン不可の万能除去と化した。
厄介な耐性持ちをガンガン吸ってやろう。え?特殊召喚封じ?

効果は他に比べて非常に地味で準バニラ同然。
優先して出す価値は皆無だが、基本的に召喚に成功すれば2500ライン(シエン、スタダ等)は越えるので一定の基準は満たしている。
けっこう間違えやすい名前で、エクスダリオとかエクスリダオとかエスクダリオとか読んでしまう。宣言の時は注意しよう。
ちなみに「Escuridão」はポルトガル語で「闇」を意味するらしい。つくづくネーミングに統一感がない。
えすくりだお!(^ω^)

マスタールール2以降は優先権のルール変更で、《超融合》を使えば有能な闇属性の起動効果を全て潰せる。
HEROではなくE・HERO指定のためD-HEROでは駄目(闇属性の部分はOK)でE・HERO内での融合素材は以前は《E・HERO ネクロダークマン》程度で大変使いにくかったが、
かなり使いやすく墓地へ落ちれば後続をサーチしてくる《E・HERO シャドー・ミスト》が出たため使いやすくなった。

とはいえあまり積極的に融合召喚を狙いに行くスペックではないため、結局のところはやはり《超融合》ありきのカードと考えるのが無難。

効果名は「ダーク・コンセントレイション」、攻撃名は「ダーク・ディフュージョン」。




追記・修正はフレなんとかさんの怨嗟の声を聞いてからお願いします。

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最終更新:2023年12月09日 11:13

*1 主に素材を名指ししているモンスターで、コンタクト融合以外のアニメ産やプラネットシリーズの《E・HERO ジ・アース》が含まれる

*2 おそらく「ダウン・バースト」の誤記