救急戦隊ゴーゴーファイブ

登録日:2009/06/22 Mon 00:17:35
更新日:2024/01/11 Thu 22:35:34
所要時間:約 8 分で読めます






人の命は地球の未来!
燃える救急(レスキュー)魂!
救急戦隊!ゴー!ゴー!!!

――出場ッ!!

画像出典:「救急戦隊ゴーゴーファイブ」
© 東映


スーパー戦隊シリーズ第23作目。1999年~2000年放映。


【概要】

「99」年放映だけあって救急やレスキューをテーマにした作品。
敵組織を倒すだけでなく、それによって起こる災害から「人の命を守る」ことを最優先に掲げているのが大きな特徴。
また、当時世界中を騒がせたノストラダムスの予言の年であるため、本作でもそれにちなんだ設定やエピソードが盛り込まれている。

メンバー5人が兄弟で、サポートする人物も両親である他、敵サイドの災魔一族も家族である。
また変身こそしないものの両親もゴーゴーファイブに協力しているため、実質的に家族戦隊の面も存在する。
なにげに兄弟戦隊の中で、親がレギュラーとして登場しているのは、『ゴーゴーファイブ』だけである。

タイトルが『大戦隊ゴーグルファイブ』と似ているが、これは『ゴーグルファイブ』で企画候補になり決まりかけた名称を再起用したためである。
ちなみにゴーグルファイブの仮称のタイトルであった「未来戦隊」は次作『未来戦隊タイムレンジャー』の方で使用された。

本作のヒーローは消防士、警察官、救急救命士出身のメンバーから構成された私設のレスキュー隊という位置付けであり、変身は特殊なレスキュー服とマスクを着用した状態という設定になっている。
このため、歴代戦隊ヒーローの中でも特に視野の広いマスクデザインとなっており、頻繁にマスクのゴーグルが透けて役者の目元の表情が見える描写がある。
以前のフラッシュマンにも似たような描写があったが、フラッシュマンと比べても役者がスーツに入る機会も多く、時には本人たちがスーツに入って危険なアクションをすることもあった。

これにより、本人たちが実際に変身しているリアリティや災害現場の緊迫感を持たせており、シリーズ中でも最も変身前後の一体感が取れている戦隊となった。
マトイ役の西岡竜一朗氏は「現場で殺される」と思ったとか。
ナレーションも当時、『警察24時』などのドキュメンタリー番組でおなじみだった郷里大輔氏が担当した。

後に変身前の役者本人たちがスーツをよく着るようになった戦隊は、この作品で最後だった『ジャー』が付かない戦隊を受け継いだ『特命戦隊ゴーバスターズ』のメンバーが受け継ぐようになる。

また、レスキュー隊らしさをさらに上げるためにゴーゴーファイブは消防隊やレスキュー隊の用語を随所に使っている。
例えば、冒頭分にもあるゴーゴーファイブがレスキューや災魔と戦うために“しゅつじょう”という言葉。出動よりこっちのほうが主流。
これは消防隊やレスキュー隊が火災や災害の現場に出動することを意味している。
みんなもレスキュー系のドキュメンタリー番組で出場というアナウンスを聞いたことはないかな?

また、マトイたちがゴーゴーブレスで変身する時に言う、「着装」という言葉。
これは、消防隊やレスキュー隊が火災現場に突入する際に、酸素ボンベのマスクを着けることである「面体着装」から取った言葉。
第1話のレスキューシーンでもレスキュー隊員として火災の起きたビルに入って行くマトイが、この「面体着装」という言葉を言っている。

他にも、現場(げんば)のことを「げんじょう」と言ったり、助けられる人のことを「要救助者」と言ったりと、
救急戦隊らしさを演出するために、随所随所に消防隊用語を使っているのも本作独自の特徴と言える。

その「兄弟戦士」という設定から6人目の戦士を出しにくいことに加え、タイトルにも「-ファイブ」(5)と大きく謳っていたこともあり、
当時スーパー戦隊シリーズで既に定着しつつあった、レギュラーキャラとしての「6人目の戦士」の登場については、企画当初の時点で全く考慮されていなかったという。
仮に追加戦士が出たら「ゴーゴーシックス」になるか、もしくは『忍風戦隊ハリケンジャー』における電光石火ゴウライジャーのように別戦隊枠になるか……。
なお、Vシネマのみ早瀬京子がジークジェンヌとして「6人目の戦士」枠で登場している。

「47戦隊47都道府県」では神奈川県を担当。
ベイエリアである東京湾に面している事や、横浜が「消防救急発祥之地」である事などが理由と思われる。



【あらすじ】

世紀末直前の1999年。地球を中心に太陽系の惑星が十字に並ぶ現象「グランドクロス」により、地球は宇宙規模の厄災を迎えつつあった。
巽家の5人の兄妹はレスキュー活動のプロとして人の命を救うべく奮闘していたが、ある日首都に落下した巨大隕石が大火災を引き起こした現場にて、謎の怪物を目撃してしまう。
そこに現れたのは10年前に行方不明になった父・モンド博士だった。
モンドは何年も前から世界の危機を予測しており、来たる日に備えて最新鋭の科学装備を開発していたのだった。
5人は父に与えられた強化スーツを着装し「救急戦隊ゴーゴーファイブ」となって街を襲う敵を撃破。
地球に天変地異を齎そうとする宇宙の魔物「災魔一族」から人々の安全を守るため、兄妹一丸となって立ち向かう。


【登場人物】

◇巽兄妹/救急戦隊ゴーゴーファイブ

巽家は江戸時代の町火消しを祖先に持つ由緒正しい家柄であり、現当主・巽モンドの5人の子供達もまた家訓に則り消防士や救命士といった「人命にかかわる仕事」に就いていた。


元首都消防局レスキュー隊員。24歳。ゴーゴーファイブのリーダー。
長男だけに責任感が強く、兄弟を力強く引っ張る。
熱血漢で若干傍若無人な様に見えるが、かなり兄弟思い。
意外と女性に弱く、9歳の小学生(彼氏持ち)に心配されたり下記の乾総監の娘(美人)に投げ飛ばされたりと、羨ましいのやら情けないのやら……
当該項目も参照。

ちなみに、リアルでの叔父さんは後にメビウス版ウルトラの父令和ライダーの祖父を演じている。
実は意外と視聴者受けが良くなかった。


巽 流水(ナガレ)/ゴーブルー
演:谷口賢志

元首都消防局化学消防班。23歳。サブリーダー。
父譲りの発明家で、様々なツールは彼が全て担当している。意外と力もある。好物、仕草も含めて世界に一番よく似ている。
冷静で真面目だが、リーダーのマトイより弟妹らと行動することが多い。母親代わり一号。女装経験がある。
普段は冷静故にキレると怖い。
マトイを「兄さん」と呼ぶ。
00年代には舞台で病んだ武将謎の僧侶となり、本編から約17年後には赤いアマゾン、その5年後には不死身の剣士に変身することになる。そしてそしてついには三大特撮で全てで変身を果たしてしまった…が、それは未来お話


巽 鐘(ショウ)/ゴーグリーン
演:原田篤

元首都消防局航空隊ヘリ部隊。22歳。
やや無鉄砲だが、空中での活動を得意とする操縦士。速瀬京子は彼の先輩。
短気に見えるが人情家で心優しい。ゲストキャラとの交流も多い。
案外ロボット系のキャラに軽く見られているフシがある*1
年上の女性に弱いが、まさか実生活でも年上の女性と結婚することになるとは…。
上の兄に対しては「○○○兄(にい)」と呼ぶ。
別の世界ではデルタのベルトで変身した
ちなみにメンバーで唯一、名前が初期設定から変わってない人物。


巽 大門(ダイモン)/ゴーイエロー
演:柴田賢志

元首都警察の巡査。21歳。
番田流格闘術の心得があり、ナガレに負けず肉弾戦を得意とする。牛乳好き。
感激屋で泣き虫だが、揺るぎない根性で様々な困難を乗り越える。そのキャラ故か、唯一通常の一人称が「僕」である*2
特に主役回では少年を傷つけて失意の泥沼に落ちてしまうが、最終的には立ち直り、その少年に笑顔を届けられただけでなくお礼に絵まで描いてもらった、という彼の成長を強く前面に押し出したものとなっている。
役者さんの年齢関係で当初あった双子設定がなくなったのだが、「マツリとダイモンのキャラクター的に双子でも問題ないのでは」とスタッフに言われていたりする。
上の兄に対しては「○○○兄さん」と呼ぶ。

ドリーム戦隊の一員であり、「百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊」では技の戦士として鮫津海/ガオブルーを指導。
その際、ハイテンションなキャラになっていたが、これはダイモン主役回の第36回との乖離があまり起きないようにするための柴田氏の演技プランによるもの*3


巽 祭(マツリ)/ゴーピンク
演:坂口望二香(現・柴田かよこ)

元国立臨海病院の救急救命士。20歳。
主にサポートを担当し、要救助者に応急処置を施す。
優しく思いやりのある性格で、しっかり者。母親代わり二号。というかこっちがメイン。
15話でドロップを「可愛い」と言ったり、サラマンデスに成長する前の少年と交流があったがサラマンデスとライバル関係にはならなかった。
兄達に対しては「○○○兄ちゃん」と呼ぶ。

10年後チャンバラな殿が迷子になったときに現れた保育士はそっくりさん。
女性戦士お約束のコスプレ七変化をした他、バスタオル一枚のサービスショットもあった(纏兄ちゃんの手拭いオンリーのスッポンポン付きだが)
別の世界では佐伯家の幽霊に襲われていた。
また、ゴーカイジャー第23話にも登場。


◇ゴーゴーファイブの関係者

巽 世界(モンド)
演:マイク眞木

巽兄弟の父で、以前は探偵事務所だった建物を再利用し巽防災研究所所長を務める天才科学者。
兄弟たちの前から長い間姿を消していたが、災魔一族の襲来に併せて兄弟たちと合流。基地であるベイエリア99を兄弟たちに渡す。
マイペースで若干いい加減で、クリスマスをいなくなった妻・律子の誕生日だと忘れており、兄弟達から顰蹙を買った。

小さい頃から神童と呼ばれ、災魔の力によって子供になっても冷静に災魔の弱点を分析する程。

地球を守る強い想いは理解できるが、そのために(結果的に一時的だったとはいえ)子供達を強制的に退職させるという横暴な行為についてはあまり同情できない。

45話では歌声も披露し、マトイの説得とともにマトイ以外のメンバーを正気に戻させた*4

ちなみに41話にはリアルでの息子がゲスト出演した。


巽 律子(リツコ)
演:吉沢京子

巽兄妹の母。
居なくなった夫・世界を探すため、旅に出た直後、乗った旅客機ごと行方不明になった。
その後はアメリカの病院にて8年間意識不明のまま眠っていたが最終回で意識を取り戻し兄弟の所に帰ってきた。
世界博士も彼女の行方は帰ってくるまで分からなかった模様。
12月24日が誕生日であり、マトイ達は、その後毎年クリスマスイブには誕生日ケーキと「母さんおかえりなさい」のカードを用意して待っている。
なお昏睡状態中に、災魔一族の活動する異空間に囚われた5兄弟たちとテレパシーで交信し5兄弟たちを救っている。
生還がわりと唐突過ぎることや幽魔地獄は死んだサイマ獣の魂が存在する空間の為、42話時点では亡くなっていた設定だった可能性が高い。


アナライズロボ・ミント
声:相田さやか

ゴーゴーファイブをサポートするロボット。研究のサポートや災害発生のアナウンス等をこなす。
サポートロボなのにグランドライナーを1人(?)で動かし、さらに災魔を倒してしまったという高性能ロボ。
しかし大晦日に2000年問題で盛大にバグり暴走した。でもマトイが叩いたら直った*5

「破壊だ~!ハカイダ~!」
津波の呑まれた後に爆竜に転生した。


速瀬 京子
演:宮村優子

スペースシャトル操縦士。航空学校では鐘の先輩だった。
鐘や他のメンバーを引っかき回すトラブルメーカーだが、5人に負けず優しく熱い性格。
メカの知識や技術を生かし、世界をサポートすることが多い。
密かにゴーゴーファイブ参入を夢見ており、ライナーボーイが6人目と言われた際は巽兄弟に彼女が6人目と疑われた。
まさかのみやむー本人が出演。「アンタばかぁ!?」も勿論あります。
Vシネマでは「ジークジェンヌ」に変身した。


乾 謙二
演:岩尾拓志

首都消防局総監。
首都防災の最高責任者の立場から、当初は民間組織であるゴーゴーファイブの活動に批判的だったが、後に理解者となる。
巽家同様火消しの家系で、巽家とは300年来のライバル。資金面でゴーゴーファイブに援助していると思われる。





【ゴーゴーファイブのマシン】

コマンドアタッカー

救急用サイドマシン。
本体部分のファイヤーコマンダーとサイドカー部分のアタッカーポッドからなり、アタッカーポッドは最高速度300km/hで射出可能。
最高速度250km/hで走行することができる(ファイヤーコマンダーのみなら最高速度400km/h)。主にレッドとイエローが操縦していた。

99マシン

ビクトリーロボへと合体する5機のマシン。詳細はビクトリーロボの記事で

ビクトリーロボ

99マシンが合体して誕生するロボット。
一号ロボ初のレッドのマシンが頭部を担当しないロボット。ただし前から見ると翠成分がないのだが。

ゴーライナー

ファイブライナー/スペースゴーライナー

「ゴーライナー」は5両の超弩級トレイン。99マシンやマーズマシンの運搬が主な任務。
またゴーライナーが連結した形態を「ファイブライナー」と呼称する。
ベイエリア55内で待機している場合以外は常にこの形態で走行・飛行している。
専用の線路のほか、一般の鉄道路線や道路などを走ることもできる。現実には不可能なルートだが、観光めぐりとしてみるのも面白い。
公式サイトでも実際にそのように語られていた。
「第1回で登場したゴーライナーの特撮シーン。
 あれは何処を走っていると思います?東京近辺に住んでいる方なら誰でも知っているような、有名な場所を走っているんです。
 まず、水面からベイエリア55と線路が浮上しますが、その隣にあるのは、川崎と木更津を結ぶ東京湾横断道路の“うみほたる”です。
 開通した当時は、ニュースなどで話題になりましたよね。
 そして、ゴーライナーが線路を走って行くと、レインボーブリッジが旋回して接続します。
 レインボーブリッジは、某テレビ局の近くに架かる橋です。
 そして、臨海副都心を走る“ゆりかもめ”を東京国際展示場(ビックサイト)の前で追い抜き、
 有楽町マリオン前を走り抜け、新幹線を追い抜いて現場に到着といった感じです。
 実は、地理的に考えると矛盾する点もあるのですが、東京名所案内的な楽しい画になっているのではないでしょうか?
 今度、目を凝らして御覧になってみてはいかがでしょうか。」

先頭にマックスシャトルが連結すると、空中を走る「スペースゴーライナー」となり、大気圏突破および宇宙空間での航行が可能となる。すげー

グランドライナー

5両のゴーライナーが「連結合体」して完成する超巨大ロボ。なんと全高80m。サイマ獣を見下ろす姿は圧巻。
レールの上を走るという制約から、これまで敢えて採用が見送られてきた鉄道車両をモチーフとした初の戦隊ロボでもある。
そしてまさかの1話から登場していた運搬マシン(しかもどうみてもロボットになる気配がない)が合体して誕生するというサプライズ要素満載のロボ。
またの名を黒いダイヤモンド。該当記事も参照。

マックスシステム

ゴーゴーファイブの戦闘を支援するメカニックシステム。

マックスライナー

マックスシステムの中核として開発された新幹線型メカ。
太陽電池を動力源とし、4門のビーム砲マックスバルカンを装備している。
が、すぐに下のマックスシャトルに変形するので戦闘シーン的には地味な存在。

マックスシャトル

マックスライナーが変形したスペースシャトル型の飛行形態。
ファイブライナーと連結することでマーズマシンの母艦スペースゴーライナーとなり、宇宙空間での航宙が可能。

マックスシャトルは、大気圏を飛び出し、
太陽光をエネルギーパネルに集めた時、ロボットモードへと変形するのだ


ライナーボーイ

声:山岸功

「特急武装」のコードで変形する人型の戦闘形態であり、ゴーゴーファイブ「6目の戦士」
戦隊ものでは意外と珍しい、純粋な非生命体でありながら会話ができる巨大メカ。
特急武装の際には1度大気圏外に飛び出し、エネルギーパネルに太陽光を集める必要があるめんどくさいロボ。
ただ一度集めれば一回の戦闘でシャトルへの変形とロボットモードの変形を自在にできる。
ジルフィーザが「機械人形ごときが、あれほど速く動けるのか!?」と驚くほど素早い戦闘を得意とする。


マックスビクトリーロボ

Vモードブレスからの合体指令を受け、ビクトリーロボとライナーボーイが合体した姿。
ホバリング移動で素早く動き、災魔獣を砲撃するスタイルで、
敵から受けた爆発の余波をエネルギーに変換して放つ『マックスノバ』が最大の必殺技。


マーズマシン

上記のマシンは世界が自分の資産とコネだけで作った(いや、それでもすごいけど)ものだが。
災魔の脅威が現実化したため、世界中の科学者・研究所からの技術支援を受けられるようになったことで開発できた万能マシン。
宇宙レスキュー用だが、結局本編で純粋な宇宙レスキュー目的で使われることはなかった。
初登場話は皆さんのご想像通り、「アルマゲドン」が元ネタである。アルマゲドン見て遅刻したスタッフもいたとか。


真空も震える 宇宙意志もひれふす 究極のレベルへ

流星合体!


ビートルマーズ

5台のマーズマシンが「流星合体!」の掛け声で合体した4脚歩行メカ。
よく勘違いされるが、流星合体単体ではこっちになる。
一種の歩行戦車といった趣で、終盤でも多少は出番があった幸運なメカだった。(市街地の戦闘でも使われた)
流星合体するたびにいちいち宇宙へ行っているが、実は宇宙へ行かなくても合体自体はできる
ただ重力下での合体には向いていないため、宇宙で合体したほうがいろいろと無難らしい。
ちなみに合体&変形は戦隊の30秒フルCGというもの。佛田監督もそれには驚いており
「ロボ変形シーンはなんと戦隊初30秒フルCGという豪華版。あんまりよく出来ていたんでミニチュアにしか見えなかったぞ!トホホ……」とのこと


ライジングフォーメーション!

ビクトリーマーズ

ビートルマーズから「ライジングフォーメーション」(変形)して完成する巨大ロボ。宇宙空間での戦闘を前提としている。
前述の援助のお陰でビクトリーマーズはゴーゴーファイブのロボの中では群を抜いた推力を持っており、
独力で地球の重力圏を脱出して太陽の引力圏まで到達することが可能。

更に、6000度近い高熱に耐え、水深8000メートルでも活動できるなど、
劣悪な環境での戦闘を想定されて開発されている(ただし高水圧耐性に関しては当初はまだ未完成だった)。

そのため、暗黒災魔空間で唯一自由に戦えるロボとなっており、後半の主戦力として活躍した。

武器はビートルマーズのマーズキャノンが変形した槍ジェットランスであり、
先端に搭載したスペースシャトル型ミサイルトップジェットを射出することで刃が露出する。


マックスビクトリーロボ ブラックバージョン

最終決戦で投入された漆黒のマックスビクトリーロボ。
まさかの玩具オリジナル形態が本編に登場するという現実。しかも最終回に

究極のマックスシステムを目指してモンドが極秘に研究を続け、
最悪の事態を想定して隠し球として計画・開発していたもので、その存在は伏せられていた。
巨大ロボ×3をサラマンデスドラゴン、ジルフィーザⅡとの戦いで失ったゴーゴーファイブにとって最後の救世主だった。

武器はビクトリーロボのものと同形のブレイバーソード(色違い)。
エネルギーはまさかの『精神力』で姉弟たちが諦めない限り『無限』である。

『未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』ではロボが呼び出せないゴーゴーファイブに完全に忘れられていたことから、
最終決戦後にモンド博士により破棄されたとの見方もある。

2023年現在、シリーズ中にて最終話に新型ロボが登場した唯一の例であり、
玩具オリジナルという触れ込みで発売されたロボが本編中に登場した例としてもまた同様である。


災魔一族

本作の敵組織。
破壊そのものを目的とする悪魔の種族。
西暦1999年に訪れる惑星配列「グランドクロス」を利用し、地球に大災害と大混乱を齎そうとする。
詳細は項目参照。


冥王ジルフィーザ
声:中村大樹

天の魔力を司る長男。(実際は次男)
正々堂々とした性格で弟妹や部下から絶対的な信頼を得ている。ディーナス曰く「災魔で唯一優しいお方」。
だが部下や自分を犠牲にしてまで家族を大事にする一面もある。
第21話では自ら巨大化し販促期間が終わったグランドライナーを撃破しビクトリーロボも追い詰めるも、
新たに合体可能となったマックスビクトリーロボに敗れた。
その後、ディーナスの力で復活するも良いように使われた最期だった。しかし海外版ではまさかの活躍を見せる。


獣男爵コボルダ
声:乃村健次

地の魔力を司る次男。(実際は三男)
力押しを得意とし、粗暴で単純な性格だが兄や妹を大事に想っている。しかし次男故のコンプレックスも少々持っている。
ディーナスと共に前線で戦うことが多い。


邪霊姫ディーナス
演:平沢草

水の魔力を司る長女。
頭脳戦を得意とし、数々の知略でゴーゴーファイブを苦しめる。
冷酷に見えるが長兄のジルフィーザを敬愛し、次兄のコボルダには皮肉を言いながらも兄として立てて共闘した。
最期はジルフィーザ復活のために自らを犠牲に……

第45話のサイマ獣バハムーの幻想攻撃、ディーナスシンドロームによりピンクを除く男4人をメロメロにし、
レッドはうっとり、女性に弱いグリーンは「ディーナス様~♡」、ブルーは「もうどうなってもいい」と言うなど腑抜けになっていた。



童鬼ドロップ→龍皇子/龍冥王サラマンデス
声:闇村悠之介緑川光

火の魔力を司る三男。(実際は四男)
赤ん坊だが、その力は兄姉たちに負けない。
後にジルフィーザから冥王の星を受け継ぎ、龍皇子サラマンデス(後に龍冥王サラマンデスを名乗る)に急成長した。
兄姉たちを見下し、母であるグランディーヌに絶対的忠誠を誓いグランディーヌにも目をかけられていた。

ちなみにドロップ時代の声優は京子さん。名前が違うのは仕様です。
※スタッフの遊び心。ちなみに名前を考えたのは演者本人。



ドロップのお守りを担当する執事。
災魔獣の誕生・巨大化も担当する。蠅の姿で逃走する。
本作のギャグ担当。
最後まで生き残ったと思ったらVシネマ『未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』で死亡してしまった。転生後は天空忍者に。


大魔女グランディーヌ
声:山田美穂(現・山田みほ)

災魔一族の女王。
絶対的な力で子供たちを支配下に置き、更には自分の野望のための道具として利用する冷酷な母親。
惑星直列(グランドクロス)の際に覚醒、子供たちに命令を下す。
冷酷な母親とその兄弟など『ビーファイタ―カブト』のメルザード一族に近い。


闇王ギル
声:大友龍三郎

Vシネマ「救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン」に登場した『災魔の真の長男』。ジルフィーザの兄。
グランディーヌが最初に産み出した直後、その命を狙った末闇地獄に堕とされた。
ゴーゴーファイブが災魔パラディコに潜入した時、グランディーヌが「子供はいつか親を裏切るものだ」とジルフィーザに告げたのも、この事が関わっていると思われる。

Vシネマ本編ではサラマンデスが引き戻してゴーゴーファイブとギンガマンを苦戦させた。



【他作品での活躍】

海賊戦隊ゴーカイジャーにて

23話「人の命は地球の未来」にてゴーピンク/巽マツリが救急救命士として登場。相変わらず綺麗である。
バスコの策略で子どもの命と引き換えに大いなる力を渡すように言われるが、ルカとアイムの機転で助かる。
この時ルカとアイムは、同じ兄弟戦隊のファイブマンマジレンジャーに豪快チェンジして闘っていた。


マツリ『人の命は地球の未来よ!

またルカとアイムがかつてゴーゴーファイブの大いなる力を手に入れた時に出会った少女とその母にマツリはスーパー戦隊も恐怖を感じながらも守る者の為に勇敢に戦った事を語っていた。

最終回ではゴーグリーン/巽ショウが登場。
旅立つゴーカイジャーに敬礼をして見送った。

レスキューと海賊の相性が悪かったためか、ゴーカイチェンジの回数はかなり少ない(ブルーとイエローが2回、それ以外は1回)。
また、色はゴーカイジャーと一致するものの、男女比などの理由から以下のように一部違和感が出てしまう。

レッド→マーベラスが担当。リーダー格なので違和感は無い。
ブルー→ジョーが担当。クール系男子なのでやはり違和感は無い。
グリーン→ドンさんが担当。原作の鐘は熱血男子だったが、ドンさんは三枚目キャラなのでキレイに逆転してしまう。
イエロー→ルカが担当。原作は男性なのだが、女性のルカが変身するためスカート付きになる上体型も華奢になり五人の中で違和感が凄いことに。
ピンク→アイムが担当。レッドやブルーと同じくさほど違和感は無い。


機界戦隊ゼンカイジャーにて

第36カイにてジュランがゴーゴーファイブの戦隊ギアを使用し、レスキュー魂を宿しフリントを救出した。まともな使われ方である。
しかもジュランが纏、ブルーンが流水、ガオーンは大門、マジーヌが祭と同じ色のポジを担当している。ジェットマンと同様によくできている…
残念なことにゼンカイジャーにグリーンは不在なので、鐘ポジはハブられた。


【余談】

ゴーゴーファイブはメンバー全員が普段着としてオレンジのジャケットを着ているが、
「欲しい」という声が大きかったらしく、番組中盤の10月に、子供用として商品化・一般販売された。
この商品がそれなりに売れたらしく、戦士の普段着が子供用のなりきり商品として売れるということで、
この後の戦士にユニフォームを着せて商品化しようという流れを生むことになったのだった。

ちなみにそのジャケットに“Saving one's life means saving the future.”と飾り文字があるが、
これは皆さんご存知OPの一番の歌詞である「ひとつの命を救うのは、無限の未来を救うこと」の意味である。


ちなみにゴーゴーファイブ特有の引き絵というものがあり、
この状態になると上空からビクトリーロボの戦闘シーンを移すのだが、
合成の都合上、この描写が発生するとビクトリーロボが巨大化する。
またグランドライナーはスーツの都合上、逆に縮む

作中のテロップの書体も味方と敵で使い分けられており、クレジットや味方側が写研のゴーシャE*6、敵側がホラー風の書体、淡古印となっている。敵味方で書体を使い分ける手法は次作タイムレンジャーでも踏襲された*7

BGMとOPを手掛けたのはさだまさしのアレンジャーとして知られ、同年のデビルマンレディー等アニメのBGMも多数手掛けたこともある渡辺俊幸氏。災魔一族もデビルビーストも悪魔がモチーフであり、災魔優勢時のBGMがレディーの劇伴に近いオーメンのような曲調なので納得できる人選である。
渡辺氏は初期の戦隊や多数の東映特撮で音楽を担当した渡辺宙明氏の息子であり、親子二代で東映特撮に携わることになった*8
音楽メニューは計3回に分けて全180曲が録音され、その内トラックダウン曲を除いた123曲がサントラに収録されている。
特にビクトリープロミネンス時やグランドライナーのBGMは必聴。

大門を演じた柴田氏は本作のクランクアップ直前に脳腫瘍が発覚し、その後遺症や股関節の骨の壊死といった大病に立て続けに見舞われたことで表舞台から距離を置き、本作で共演したメンバーとも連絡を取らない状態が続いていた*9
このため、他の戦隊が〇周年イベントを開催する中、本作だけはそういったイベントが開催されない状態が続いていた*10
2010年代に入ってからは保育士を目指しながら*11詩人等として活動しており、2018年にはテレビ番組の企画でゴーゴーファイブのメンバーと久々の再会を果たし、交流も復活。
そして、2019年には20周年イベントとして「出場!巽ブラザーズ!!」が開催された。


後に『仮面ライダークウガ』で五代雄介を演じる事になるオダギリジョー氏は本作のオーディションに(事務所に言われて渋々)参加していたが、
「変身シーンをやってみて」と言われたのに対し「僕はそういうのやるために役者になった訳じゃないから出来ないです」と返したところ、オーディションからつまみ出されて出禁になったという(当然だが)。
その後の活躍は前述の通りだが、主演がオダギリ氏に決まったと聞いた戦隊のプロデューサーは絶句していたらしい。

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22.星獣戦隊ギンガマン←23.救急戦隊ゴーゴーファイブ→24.未来戦隊タイムレンジャー
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最終更新:2024年01月11日 22:35
添付ファイル

*1 1話ではミントに、28話ではライナーボーイに毒づかれている

*2 たまに「俺」になることもある

*3 なお、後のニュースや特集・企画では、柴田氏は本作クランクアップ直前の時点で脳腫瘍が判明しており、更に部位や大きさの問題から即座に手術することができず、約1年に渡って頭痛等に耐えつつ手術が可能になるまで投薬で様子を見るしかなかったとされているため、ちょうど「VSスーパー戦隊」の時点が手術直前と思われ、かなり無理して撮影していたのでは?とも言われている。

*4 本人が作詞・作曲した

*5 ちなみに、ミントの内部にはこれまでの闘いのデータが蓄積されており、叩いた途端にデータが消えてしまい、年越しは兄弟全員でデータを再構築する羽目になった

*6 メガレンジャーではメインの書体として使われた。3年後のハリケンジャーでもクレジットやサブタイトルで使用されている

*7 こちらはメインが明朝体、敵側は引き続き淡古印

*8 現時点で携わったのはこの作品だけ、他社作品を含めても他には平成モスラ3部作のみ。

*9 他の4人も事情は知らされていたようで、あえて連絡はしていなかった。後にバラエティ番組においてメンバー4人と再会した際に「弱いところを見せたくなかった」という旨の思いを明かしている。

*10 他の4人も柴田氏が復帰するまではそういったイベントの開催、出演は控えていた。なお、『ゴーカイジャー』への出演や、柴田氏を除いた4人でのインタビューはあった。

*11 後に保育士の資格を取得した。