ガンダムF90

登録日:2011/11/15 Tue 22:43:58
更新日:2024/02/14 Wed 08:34:14
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《概要》

F90は漫画『機動戦士ガンダムF90』等に登場するMSで主人公機。
漫画版以外にも、ガンプラ企画やゲーム『フォーミュラ戦記0122』等にも登場しており、その活躍の場は意外にも広い。

3号機まで製造されており、同形状だがカラーリングは以下のように異なる。
  • 1号機:トリコロールカラー
  • 2号機:時期によって異なり、ロールアウト時は1号機のカラーから四肢等の青を赤に変えたもの、0120年時点では紫を基調としたカラー
  • 3号機:白を基調としたカラー


《機体スペック》

以下のスペックはミッションパックなしの状態のもの。
型式番号 F90
所属 地球連邦軍
建造 サナリィ
全高 14.8m
本体重量 7.5t
全備重量 17.8t
出力※ 3,160kW(1,580kW×2)
推力※ 74,760kg
装甲 ガンダリウム合金・セラミック複合材
武装 頭部バルカン砲×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
シールド×1
各部ハードポイント×15
※出力・推力は参考値。実験機故か資料によって数値にバラつきがある。(頻繁に改修を受けているためとも考えられる)


《型式番号》

本機隊の型式番号および名称である「F90」はサナリィの小型MS開発計画「フォーミュラ計画」に基づくもので、F9シリーズの1番目*1の機体を意味する。
F9シリーズは小型MSのうち高性能試作機を指すナンバーであり、それ以外にはF5シリーズ:AFV(装甲戦闘車両)型、F7シリーズ:中距離支援機がある*2


《搭乗者》

1号機 デフ・スタリオン(機動戦士ガンダムF90)
ベルフ・スクレット(フォーミュラ戦記0122)
ナナ・タチバナ(クライマックスUC)
ミノル・スズキ(鋼鉄の7人)
2号機 パッツィ・アンゲリカ(FastestFomula
リヴ・アンゲリカ(FastestFomula)
ディル・ライダー(FastestFomula)
ギデオン・ブロンダン(FastestFomula)
カナタ・サワメ(FastestFomula)
シド・アンバー(機動戦士ガンダムF90)
ナナ・タチバナ(クライマックスUC)
3号機 ディル・ライダー(FastestFomula)


《開発経緯》


本機はサナリィのフォーミュラ計画により建造された、次世代MSの方向性を探るための実験機である。

従来のMSは世代毎に大型化・多機能化を繰り返しており、その都度付属設備や兵站まで含めた軍事費は雪ダルマ式に高騰してきた。
アナハイム側からすればこの軍事費高騰は好都合であり、
連邦から小型MSの開発を依頼された際にもジェガンを縮小したのみのRGM-109 ヘビーガンを生み出すなどして、
開発費を抑えつつMSを小型化する流れに逆らう動きを見せていた*3

しかし、それは連邦軍・連邦政府としては望むところではなかった。
もともと連邦政府は一年戦争以降の戦乱で損耗した地球上の都市や宇宙コロニーの復旧のため戦災復興予算を捻出し続けており、いくら巨大な組織といえども軍事予算の余裕などなかった。
そして、第二次ネオ・ジオン戦争第三次ネオ・ジオン戦争から長らく大規模な軍事衝突が発生していなかったことで、
いよいよ本格的な軍縮へと舵を切ってきた。

つまり、軍事費の高騰を願うアナハイムと、軍事費の削減を願う連邦政府との間には、埋めがたい亀裂がすでに入っていたのだ

そして出来上がったヘビーガンによってサナリィはアナハイムが小型化(軍事費削減)に逆らおうとしていることを見抜いており、
連邦もヘビーガンの採用はしたものの、サナリィの提言もあって一時しのぎ的な扱いだった。

そしてU.C.0111年、連邦軍はより高性能なMSを求めて次期主力MSの競作を実施する。
その際提示されたのが「性能はヘビーガン比で維持または向上しつつ、小型軽量・調達容易なMS」という、無難な要求仕様だった。
繰り返しになるが、元々予算不足をどうにかするためなので、当時はジオン系紛争も鎮静化し長いこと戦乱から遠ざかっていて仮想敵ですらあまり想定できない状況だったこともあり*4、おかしくない要求仕様だろう。

これを受けたサナリィは従来と同じ18m級の「F89」を建造し、そこからダウンサイジングした本命の開発を進め、最終的に提出したのが本機、F90 である。



《次期主力MSの競作、そして…》


最終候補に残った本機はアナハイム・エレクトロニクス社ZIONIC事業部のMSA-0120(MSA-120ともされる)との比較が行われる。
データ上の一次試験の時点でMSA-0120が対弾性と最大出力を評価されたものの、F90は運用コストや機動戦力比等で高ポイントを稼ぐ。
そして、模擬戦形式の二次試験ではF90が完勝。これにより次期主力MSの開発はサナリィが受注することが決定した。
かくしてF90は以降のMS開発の主流となる「小型MS」の先駆けとなっていく。



《開発スタッフ》


当時サナリィの技術部門重役であり、元ホワイトベースクルーでもあるジョブ・ジョンが開発を主導した*13
彼が率いるサナリィ技術陣にサナリィ木星支社やアナハイム社から招き入れた技術者グループを加え、主任設計者にはアルマイア・グッゲンバイガー博士を据えている。



《開発方針》


グッゲンバイガーが提唱したのが「MSの原点への回帰」である。
素体となるMSの機能を最小限に絞り、各種装備の換装によりあらゆる状況・用途に対応させるという設計思想で、F90本体は格闘戦用MSとして設計されている。
武装は機体各所に設けられたハードポイントに固定されるほか、必要に応じて小型動力炉が内蔵されエネルギー不足を補う(Vタイプ等が該当)。
そうして本体側はジェネレーター出力や機内容積の余剰を極力減らし、動力系・駆動系までも徹底して軽量化するといった工夫をしている。
この方針のため制御系や装甲材*14に新技術を用いてはいるものの、
サイコミュ機器や新型兵器など特殊な機能・武装は全く持たず、換装システムを除けば非常にシンプルな(悪く言えば地味な)機体となっている。
開発初期には頭部バルカン砲までも廃する予定だったとか。
また、本機の前に建造されたF89と比べると小型化を優先するために妥協された部分もあるとのこと。



《U.C.初の本格的な小型MS》


本機はミッションパック換装システムや擬似人格コンピュータ等の数々の特徴を有しているが、本機を語る上で外せないその最大の特徴として、
小さいということが挙げられる。


そう、小さいのである。
どれくらい小さいかと言えば、前世代のνガンダムの全高が24mだが、本機は15mである。
並べて見れば、まさに大人と子供。圧倒的な身長差・体格差にも関わらず、ギラ・ドーガ(全高20m、出力2160kW)相手にもパワー負けしない。
特筆すべきは推力重量比で、いくつか並べて見ると

開発年 機種名 推力重量比
0079 ガンダム 0.925
0087 Sガンダム(ブースターユニット装備型) 9.72
0093 νガンダム 1.55
0096 ユニコーンガンダム(ユニコーンモード) 3.33
0105 ジェガン(J型) 2.27
0109 ヘビーガン 3.5
0111 F90(ミッションパックなし) 4.2
0122 F91 4.44

と、開発年代の違いもあるが従来の機体に比べて大きく向上している。
…なんかおかしな数字が見えた気がするが、そもそも比較対象に上げるべき相手でもないので気にしないように。
性能向上のスピードに注目すると、RX-78-2ガンダムが開発されたU.C.0079年からジェガンJ型の配備が開始されたとされるU.C.0105年までの
26年間における推力重量比の上昇は約1.3に留まっているのに対し、
そこから僅か4年後のU.C.0109年にヘビーガンが開発され約1.2上昇、
その後F90の試験運用が行われたU.C.0111年までの2年でさらに0.7上昇と、
MSの小型化が提唱された段階で劇的に推力重量比が改善されていることが見て取れる。



《ミッションパック換装システム》


F90に採用された換装システム。
単体で全領域に対応する万能機にはなれないという欠点もあったが、「連邦の主力MSが補給支援も無しにあちこち移動して戦う事態は起こり得ない」ということで了承された…という経緯があり、「一つの機体を頻繁に換装する」のではなく、「バリエーション機を作り易くする」システムと言えるもの。

MSの汎用性を飛躍的に高められる他、量産機として採用された場合には共通の素体部分を量産効果でコストダウンでき、余った機体を換装するだけで戦力の再分配も可能など調達・運用面の利点もあった。
ただし一個のMSとして見た場合多数のハードポイントは余分な機構であり、当然ながら同仕様で換装機能が無い場合に比べて重量・エネルギー効率といった面が若干犠牲になっている。

この換装システムが採用された背景にはシステムの有効性の検証以外にも、
当時まだ手探りの段階だった小型MSそのものの可能性を探るため、多彩な装備・仕様での試験を可能とする目的もあったと言われている。

最終的にF90の換装システムを採用した機体は量産されなかったものの、各仕様を元にいくつかの派生機・量産機へと発展していった。
また、ハードポイント自体もGキャノンF91にそのまま受け継がれており、
これらの機体にはF90用の装備を一部流用可能とする資料もある。
製造はサナリィの民生用宇宙機部門が担当したとのこと。

なお、一部のミッションパックを装備するにあたっては以下のようにF90本体の方のアップデートも行われている。
  • Nタイプ:この仕様に対応させるためにF90本体のOSが「Type-C.AⅢ」へアップデートされた。これにより、F90本体の性能も大きく向上している。
  • Vタイプ:ヴェスバーとビームシールドの稼働のため、F90本体のジェネレーターも高出力のものに換装された。
  • Iタイプ(木星決戦仕様):宇宙世紀0136年時点で既に旧式化していたF90を作戦に投入するにあたり、最新の技術による強化改修が行われた。

各種ミッションパックの詳細についてはミッションパック(ガンダムF90)を参照。



《A.RとC.A》

本機には豊富なミッションパックと共に、機体の主管制コンピュータに第5世代の「8000系ニューロコンピュータ」を採用し操縦サポートに擬似人格OSプログラムを採用している。
このコンピュータは基礎のシステムが異なる為それまでの学習型コンピュータのデータをそのまま流用できず、機体の動作を一から学習させることとなった。
1号機と2号機にそれぞれアムロ・レイシャア・アズナブルを元とした人格プログラムを設定し、記録に残っている戦闘を対戦シミュレーションという形で再現・経験させており、各々異なる特性を持つに至っている。
なおF91のバイオコンピュータ同様本機のニューロコンピュータも熱負荷に弱く待機時に格納庫で専用の冷却措置を採らなければならない物だった。
尚、Gジェネでの描写のせいで勘違いされがちだがこれ等が取り外し可能なプログラムチップモジュールである描写は原作展開当時には無い*15
また、SFC版以降は擬似人格プログラムが機能している描写は無く、廃止されたのか、描写が無いだけなのかは明確にされていない。
なお、3号機にはTYPE K.Bというプログラムが搭載されており、こちらはその名称や搭乗時のパイロットの反応などからを元とした人格プログラムだと考えられるが明言はされていない。

『A.R』
アムロ・レイをモチーフとした擬似人格プログラム。
1号機に搭載されており、従来の機体より小回りに長け、相手の動きをある程度先読みするなどの反応をする。
とっさの攻撃を自動で防御する等、比較的防御向けの調整がされてる模様。
ラストシューティングした方。

『C.A』
シャア・アズナブルをモチーフに(ry
2号機に搭載され、「通常MSの三倍の機動性」を発揮するらしいが、いくらなんでもソフトウェア一つでF90の三倍まで行くとは眉唾物である*16
「通常のMS」とはジェガンタイプの事ではないかと思われるが、それにしても厳しいところか。
更に機体との相性が多少悪いのかテスト時に各アポジやスラスターなどが不調を来していた。
ラストシューティングされた方。


《火星ガンダム》

オールズモビルが奪取したF90二号機は火星の基地で非常に大きな改修をされており、その外見はほぼ原形を留めていない。
F90 1号機との戦闘の末に大破した。
本機は奪還された後にサナリィの手で修復を兼ねて大幅な改修を施され、『ガンダムF90Ⅱ』として生まれ変わることになる(F90とF91の中間にあたる機体である)。


火星で生まれた事から「マルスガンダム」とも呼ばれる事も。というかナイトガンダムの赤F90がそう呼ばれている。



《劇中の活躍》


◯『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』(漫画)
宇宙世紀0112年。地球連邦軍第13実験戦団においてサナリィの試作MS「F90」の試験が行われていた。
1号機をチームA、2号機をチームBが担当し、それぞれ数多くのミッションパックを既存MSとの模擬戦でテストしていたが、その影には不穏な動きがあり…
主に2号機を主役とした作品だが、クラスターガンダムに改修される前のF90の状態の3号機も初登場。
当初から実際の運用試験や実戦投入が行われていた1,2号機に対し3号機は研究所内でのデータ収集・反映が主目的の実験機であったが、研究所が襲撃に巻き込まれた際に戦場に投入されそのまま主人公の搭乗機として運用されるようになった。

◯『機動戦士ガンダムF90』(漫画)
引き続きの試験のため、連邦のラー・カイラム級機動戦艦『アドミラル・ティアンム』に1号機と2号機が編入。
宇宙世紀0120年10月25日、F90のテスト運用中にオールズモビルによる奇襲を受ける。システムの不調、脱出装置の未整備、非武装等が重なり2号機を強奪されてしまう。
奪われた2号機を奪還する為、連邦軍はオールズモビルの拠点、火星へと赴く。1号機パイロットはデフ・スタリオンが担当した。
最終的に2号機はコクピットを、1号機は頭部を破壊され相打ちとなるが1号機は自力で帰還。
2号機も後に回収され、修理を兼ねたアップグレード改修が為されよりF91に近い姿となった。
この紛争は「第一次オールズモビル戦役」と呼ばれる様になった。

◯『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラ戦記0122』(SFC版)
宇宙世紀0122年、更なる試験運用の為、ラー・カイラム級戦艦『エイブラム』に搬入。その後再びオールズモビル残党の襲撃を受ける。
正規パイロット不在だったがベルフ・スクレットが強引に搭乗し撃退に成功。以降は彼の専用乗機となる。
宇宙、コロニー、砂漠、水中、雪上など様々な戦場を渡り歩いた本機の戦闘データは
途中で搬入されたF91の基礎戦闘プログラムに反映され役立てられた。
オールズモビルとの戦闘が終わるとベルフは艦を降り、F90とF91に別れを告げた。
こちらの紛争は「第二次オールズモビル戦役」と呼ばれる。

◯『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』(漫画)
F90が直接登場するわけではないが、第2章 クラスターガンダム編にてF90 3号機をベースにしたとされるクラスターガンダムが主役機として登場した。

◯『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』(漫画)
宇宙世紀0123年、コスモ・バビロニア建国戦争が勃発。
ナナ・タチバナが1号機(Vタイプ)と2号機(Lタイプ)に搭乗するも、2号機搭乗時に金色のベルガ・ギロス(パイロットは兄)を相手に苦戦を強いられる。
両者の間に複雑な家庭事情があった為決着は付かず引き分けとなった。

◯『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』(漫画)
宇宙世紀0136年、サナリィの倉庫で眠りに付いていたが、木星帝国の野望に対抗するべく既に旧式化していた本機を引っ張り出し、
コロニーレーザー破壊作戦「鋼鉄の7人」に編入される。改造したIタイプ装備を使用した。
わざわざこんな古い機体が引っ張り出されたのは、サナリィが連邦の目を盗んで動かせるMSだったため。
当時の技術による徹底的な強化改修とミノル・スズキの技量もあって、圧倒的な物量差の中で生き残り、同作戦に参加した機体の中で生還した二機の片方となった。
最も古い機体に乗った最も高齢なパイロットが生き残ってしまったのは皮肉としか言いようがない。
作戦後の行方は不明。


1号機は試験開始からオールズモビル、クロスボーン戦、更に時を経た木星帝国との戦闘…悠に25年もの月日が流れ、大きな損傷を受けることもなくパイロットもみな生還している。
サナリィにしてみればせっかく作った機体をできるだけ使い倒して経費を浮かせたい*17という意図もあったであろうし、F90の備える換装システムはそうした使い方に適した仕様であるが、それを含めてもこれほどの長期間、幾度も実戦を経た試作機というのはシリーズでも珍しいと言える。
一方で2号機は判明している限り二度大破してその都度パイロットも死亡しており、1号機とは逆に妙に縁起の悪い機体となってしまった。


《ゲームでの活躍》


◯フォーミュラ戦記0122
主役。A、D、V、Pタイプが登場。(Pタイプは大気圏突入デモのみで戦闘では使用不可)なおHとMが本作用に作り起こされたが容量等の都合で未採用に・・・。
ジェガン隊は序盤は時間稼ぎになるが、後半はお荷物。Gキャノンの偉大さが分かる作品でもある。
ゲームシステムの都合上仕方ないとはいえ、この戦いでのF90(=ベルフ)の撃墜スコアは300機近いとされており、
後のクライマックスU.Cにてエイブラム艦長ワイブル・ガードナーがこの時のベルフの働きを「八面六臂の活躍」と表現しているが、本当にそれだけの活躍を求められる難易度の高さでも知られている。
一応正史なはずだが、それ以降まるでお呼びが掛からない。パイロットのベルフもライバルのシャルルすらもGジェネで未登場。不遇。

◯Gジェネレーションシリーズ
専ら生産可能なのは一号機。素、A、D、S、M、V、フル装備等が作れる。
Vタイプとフル装備は別物と扱われ、残りは換装で出たり出なかったり。
WARS以降はまさかの素とフル装備のみ。何考えてんだ。
OVER WORLDではそれに木星決戦仕様が追加された。

◯スパロボα
隠し機体としてVタイプが参戦。
F91とほぼ遜色ない性能を持ち、かなり優秀な機体。何故か分身も持っている。
PS版では誰を載せるかが難点だが、DC版では実質デフォルトパイロットのセシリー*18を乗せないと合体攻撃が使えない。
そもそも別ルートならサザビー(とΖⅡとシャアザク)が手に入るという大問題もある。



《ガンプラ》


ガンプラについては「ミッションパック(ガンダムF90)」を参照のこと。



《余談》

  • 本機の名称は「F90」であり、ガンダムは開発時の愛称のようなもので、正式な呼び名ではない。
    またサナリィがF90を発表した後、アナハイムの重役は雑誌の取材に対して「あの機体(F90)をガンダムと呼んでほしくない」とボヤいていたとか。
    オリジナルである初代やMk-Ⅱを作ったのはアナハイムではないけどな。
    尤もサナリィ上層部も「ガンダムなんて愚連隊*19の象徴の様な機体デザインや名称は使うな」と言っており
    結局の所ガンダム式のデザインは「ジョブ・ジョンを含む開発チームの趣味(ゴリ押し)」だったりする。
  ただサナリィは連邦の組織であり、サンライズ監修のコミカライズ版「機動戦士ガンダム Twilight AXIS」での
  設定では破損したガンダムNT-1をガンダムAN-01トリスタンに改修したのはサナリィの前身組織であり、そのデ
  ータが脈々と繋がれているのとするならば本機も立派なガンダムの血統を持っている機体と言える。


  • 開発主任のグッゲンバイガー博士は本機の開発にあたり、機体重量の設計目標に対し10g毎にコーヒー、1kg毎に食事を賭け、部下から「F90より自分の体重を心配しろ」と顰蹙を買ったらしい。(1/100キットインストより。)
    この賭けについて細かくは書かれていないが、上記の内容を見るに「目標を下回ったら博士が食事を抜く」というものだろうと思われる。


  • 逆に当機の換装システム思想を受け継いだ子孫な部分があるのがハードポイントを機体各所に持つリガ・ミリティアのVガンダム系列やガンイージ系列、環境に合わせて外装を換装可能なGセイバー等であろう。

  • サナリィが主力MSの小型化を提案した動機は連邦の歳出削減に貢献することで自身の主業務であるコロニー開発へ予算を割り当ててもらうことであったのだが、サナリィ自身の主力MS開発への参入についてはサナリィ内部でも意見が割れていた。
    アナハイムの動きが鈍いため「言い出しっぺとしてMSの小型化を推進しよう」という建前はあるものの、元々アナハイムから市場を奪うことが目的ではないため自らMSを開発する意義は薄く、F90が勝利したコンペですら(MSが小型化され歳出削減が達成されるかぎりにおいて)アナハイムに負けたところで問題はなかったうえ「本格的に兵器開発を始めたら紛争に巻き込まれたり、テロの標的にされるのではないか」と危惧する声もあったとされている。
    他方、一部の職員は「ヘリウム輸送船団との付き合いで入手した機動兵器関連技術を試したい」という思惑を抱いていたとされ、少なくともジョブ・ジョン率いる技術陣は乗り気だったようだ。

  • 結果論ではあるものの、後々地球圏を守るために奔走してくれたとはいえ一連のMS開発に絡んでかなりの被害・損失を被ったことを思えば、
    ここで勝ったことがサナリィ自身にとって良いことであったかは微妙なところである。

  • 本機と次期主力MSの座を争ったMSA-0120はコンペにこそ落ちたものの、「蒸散式アップリケアーマー」や「ハイ・インパクトガン」、「メガブースト」など数々の新技術により耐弾性、火力、最大出力など優れた面を持ち、連邦軍はMSA-0120の長所をFシリーズに盛り込むことを要求したとされる。
    当のサナリィはコスト高に繋がるこの要求に難色を示したようだが、結局は要求に沿った形でVタイプを経てF91が生み出され、少数ながら制式化に至っている。

  • F91の項目でも触れているが、F90は元々F91の没デザインである。



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最終更新:2024年02月14日 08:34

*1 0から開始のため

*2 F6シリーズ:局地戦用格闘型、F8シリーズ:汎用量産機はコードナンバーのみで廃止

*3 ただ、アナハイム側からすれば当時既に年代物であったとはいえ主力MSの小型化で妥協すること自体はそこまでおかしな判断ではない。もっともヘビーガンの開発に5年もかけるなどそれ以上にやる気のなさや小型MSの限界を演出したい意図が伝わる。

*4 後付けでどんどん敵対勢力が出てきているせいでかなり疑わしくなってきているし、実際はもう少し警戒しておくべきものではあるが

*5 ある程度生産、配備、運用体制が整っていた。

*6 元はコロニー建設が主業務の民間企業だが、軍に買収されて以降は半官半民の戦略研究機関となっており軍との繋がりが深い。また後述の通り、コロニー開発を通じてヘリウム輸送船団やヤシマ重工から機動兵器関連技術を入手していたとされる

*7 上記のロトは正式採用されたとはいえ、特殊工作用の少量生産機であり配備数は主力機とは桁が違う。このため後にGキャノンの製造をアナハイムに委託せざるを得なかった。

*8 小型機の採用を打診したり仕様案をまとめるなどしていたため長い期間研究を続けていたように見えるが、どちらかといえば自ら開発・生産を行う必要は無かった。このためいざ競作が決まってからデータ収集用に急遽大型MSのF89を制作し、その後大急ぎでF90の開発に当たっており、後のF70キャノンガンダムの開発に至っても尚、性能重視でコスト面に難があったという指摘がある

*9 MSに関しては一年戦争の頃からジムのOEM生産を行っていてその後はもはや言わずもがなである。そもそも連邦がアナハイムの寡占状態を破るために元々はアナハイムに関与させない予定だったのだが、その計画を入手したアナハイムが割り込んで競作にしたとされている。それだけ連邦に対する交渉力と情報収集力があるということである

*10 実際、ヘビーガンは採用当初不具合が多発したが次第に改善されたとのこと

*11 社の方針が違っていたというだけであって、小型化という発想自体それほど珍しいものではない。F90の開発にあたりアナハイムからサナリィへ移った技術者がいたという事実からも、アナハイム内部で日の目を見なかっただけで技術者には小型化の構想があったと推測できる

*12 当時のアナハイムは組織の肥大化と秘密主義が重なって社内の新技術が埋もれてしまう等が日常茶飯事であり、総力を挙げての開発は望めなかったとされている

*13 後述するが、機体の外見がRX-78に近くなったのは彼の意向とも言われる

*14 ミノフスキー粒子で結晶構造を制御し、強度を増す新型ガンダリウム合金を使用したとのこと

*15 強化パーツアイテムにする為のGジェネ側のオリジナル措置である

*16 元ネタのシャア専用ザクの件はスラスター出力増加と宇宙空間における蹴りの反動を利用したもの+三倍というのも体感速度なので無理がある

*17 研究機関や企業が試作した装置を改造・転用して長年使い続ける…というのはよくある話である

*18 F90を取るとビギナ・ギナが手に入らない。

*19 エゥーゴやマフティーは勿論だがロンド・ベルや一年戦争時のホワイトベース隊すらそういう見方をサナリィ上層部はしていた。