デスマスク(聖闘士星矢)

登録日:2012/06/11 Mon 18:51:45
更新日:2024/02/27 Tue 21:02:18
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正義の観念など時の流れで変わる。


漫画『聖闘士星矢』に登場するキャラクター。

年齢:23歳
身長:184cm
体重:82kg
誕生日:6月24日
血液型:A型
出身地:イタリア
修行地:シチリア島
CV:田中亮一/谷山紀章


聖域(サンクチュアリ)の十二宮のひとつ、巨蟹宮を守護する蟹座(キャンサー)の黄金聖闘士。
全ての聖闘士の頂点に君臨する黄金聖闘士である、その中では力が最も弱い人。

過去に何の罪もない多くの人々を闘いの巻き添えにして精神能力と超能力で殺害しており、彼が守護する巨蟹宮は、そうした人々の成仏できない魂が無数の彼によって具現化された死に顔(デスマスク)となって浮かび上がり、埋め尽くされている。

デスマスクという名前もこの事が由来となってつけられたあだ名であり、本名ではない。
じゃあ本名なんだよ
名乗れない事情があるのでしょう
ちなみに蟹が「デスマスク」と呼ばれるのは
平家物語に登場するヘイケガニが由来
イタリア人なのにあだ名が英語
技は中国語由来
そこまで身元を隠そうとするとかえって感づかれるぞ

当の本人は「戦争ではわざわざ女子供を避けて爆弾を落とさない…」と言い、霊に対する追悼の意は欠片も持ち合わせていない。


だが、黄金聖闘士の位の通りその実力は本物。
十二宮編以前に一度、青銅聖闘士のドラゴン紫龍と激突しており、彼の蹴りを指一本で止めた挙げ句師である老師(天秤座の童虎)が陰森の小宇宙を放つなど、ムウの介入によってその場は的瞬間移動によって退いたものの、技の片鱗を遺憾なく見せ付けた。

そして十二宮編で双児宮を突破した紫龍と再び対戦する。

必殺技「積尸気冥界波」によって、紫龍を自らの庭とも言える冥界に吸い込むこと、亡者達を使役して攻撃。
これを一度は退けて現世に帰還した紫龍だったが、再び積尸気冥界波を浴びて冥界に送ちてしまう。

デスマスクも冥界に乗り込み、気絶した紫龍を片手で持ち上げ、黄泉比良坂へと通ずる穴に投げ落とそうとした時、五老峰で祈りを捧げる春麗の気を察知する。

これを「うっとうしい気だ」と言い放つと、あろう事か次元を越えた攻撃によって春麗を五老峰の滝壺に転落させる。

これが紫龍の逆鱗に触れる事となり、デスマスクは吹き飛ばされ、これまでにない猛攻を受ける。
一度は巻き返したかに見えたが、それでも形勢を逆転するには到らず、再び紫龍は窮地に陥る。


しかし、そこでデスマスクが使役しているはずの亡者達が彼を攻撃し始めた。

この隙に再び攻撃に転じる紫龍。デスマスクは亡者を振り払いこれを受けようとするが、聖衣のパーツが外れ、足の骨を粉砕される。

これを契機に聖衣のパーツが次々にデスマスクから外れていき、ついには丸裸となる。

彼の目に余る悪逆非道ぶりに、聖衣が自らの意志でデスマスクを見限ったのだ。

紫龍は「いくら同情の余地の無い敵とはいえ、丸腰の相手を倒すのは誇りが許さない」と、自ら聖衣を脱ぎ捨て、改めてデスマスクに対峙する。再び積尸気冥界波を浴びせようとするが、その前に紫龍渾身の「盧山昇龍覇」が直撃。

吹き飛ばされたデスマスクはそのまま黄泉比良坂へ通ずる穴に転落、十二宮編で最初の死者となった。

彼の死後、死者の魂は無事に成仏し、巨蟹宮を埋め尽くしていた死に顔(実はデスマスクの幻術)は全て消え去った。


冥王ハーデス編序盤では他の死亡した黄金聖闘士たちと共に冥闘士として復活。暗中に情報を伝っている。
その後の冥界の戦いではようやく集結した十二人の黄金聖闘士たちともに嘆きの壁を破壊し、仲間たちと共に消滅する。



【人物】


「正義や悪という概念は時と共に変化するもの」という持論から、現在の教皇が悪と知りつつ仕えていて共謀している卑劣漢。

紫龍には戦いの中で「こんな男が何故、黄金聖闘士に選ばれたのか」と、当然の疑問を抱かれていた。

頭が切れて機微にも敏く、人の本質を見抜く確かな眼力を持ってはいるが、その聡明さを良い方に作用させる事はなかった。

性格は邪悪かつ卑怯で狡猾。上述のように上司が悪と知りながら仕えたり、無関係の人々を巻き添えにしたことを意にも介さないなど、悪い意味で割り切った考えの持ち主。しかし情けない部分もよく見せるために読者にはいわゆるヘタレと認識されている。

目上には敬語を使い、のりぴ一語を巧みに使う。

猫のようなつり目と獨特な银髪と妖異感じのコスモをしている。


【必殺技】


  • 積尸気冥界波(せきしきめいかいは)
標的を冥界の入口に誘う、いわゆる「一撃必殺」系の技。
メディアでは指先から放たれた波が、ゆっくりと渦を巻いて進んでいく技として描写される。
乙女座のシャカが使う六道輪廻も敵を絶命させて六種類の来世のどれかに送り込むという一撃必殺系の技だが、同じような原理なのかどうかは不明。

他にも死の国の亡者を使役したり自らも冥界に移動する術を持つなど、その攻撃は霊的と精神的にな要素を使用した物が主となっている。

なお、積尸気とは、蟹座に囲まれているプレセぺ星団の中国語名。亡くなった人の魂がここを通ってあの世へ昇っていくと考えられていた。

  • 積尸気冥窮波(せきしきめいきゅうは)
「黄金魂」で使用。冥界波をさらに強化した技。
デスマスクによると相手を殺す事無く、永遠に生と死の狭間に閉じ込める技らしい。

【聖衣】


  • 蟹座の黄金聖衣
十二の黄金聖衣の一つ。
全体的に鋭角的でヘッドギアには蟹の足を模した角のようなパーツがついている。
上記の通りデスマスクの悪行を受け彼を見放しその身体から離れた。


  • 蟹座の神聖衣
『黄金魂』で神聖衣へと進化した蟹座の黄金聖衣。
装甲全体がより刺々しい形へと変化。背面には巨大な八本の蟹の足が生えている。


  • 冥衣
ハーデス編で一時的に冥闘士となった際に着用していた冥闘士の鎧。
蟹座の黄金聖衣を模しているが、装甲は黒く、細部がより刺々しくなっている。



追記・修正お願いします。



この項目が面白かったなら……\あじゃぱァーッ!/




さて、本題に入ろう。

これだけ書けば単なる悪役にしか過ぎない彼だが、その実態はいろいろツッコミ所の多い『聖闘士星矢』という作品を代表するネタキャラである。


紫龍との戦闘では確かに随所で高い実力を見せているのだが、攻撃を受けた際の断末魔が


「あじゃぱァーッ!!」

「うびゃあー!!」


……と、特徴的というにはあまりにアレすぎる。


さらに自らの素行の悪さから聖衣にも見離された挙げ句、遥かに格下の青銅聖闘士の紫龍に同じ土俵で勝負を挑まれて負けるという醜態を晒し、黄金聖闘士初の死亡者となった。


その後、ハーデス編では魚座のアフロディーテと共に冥闘士側の先鋒を務めるが、十二宮編から心身ともに大きく成長した星矢にまるで歯が立たず、その後のムウ戦に至ってはアフロディーテと2人がかりだったにも関わらず、手も足も出ずに瞬殺された。
さらにラダマンティスにもフルボッコにされ、命乞いまでするも、冥界に逆戻りする羽目になった。
しかもこの時、「うちの雑兵の方がまだマシ」とさえ言われている。

この時ハーデス軍についていたのは演技であり、本隊が来るより先にアテナに危機を報せることが目的だった。
しかし、相手の魂をあの世に吹き飛ばすという技の性質が冥界を司るハーデス軍の性質を彷彿とさせること、(シオンもそうだが)冥闘士時の言動が演技とは思えないほど板についた悪役っぽさだったこと、
そして何よりも十二宮編で全く改心しないまま戦死したその人格から、「実は本気で裏切ってたんじゃねーの?」と囁かれていた。

しかもこの頃、作者の車田正美が酒井法子のファンだったため「マンモス哀れな奴!!」「い~加減にしろっぴ!!」などのノリピー語を喋らされた(さすがに文庫版では修正された)。



劇場版第三弾『真紅の少年伝説』でもアベルの力で復活するが、アテナを見限りアベルに加担。
「アベル様の加護で黄金聖衣を外れないようにしてもらう」というなんともしょっぱい強化を果たし紫龍を追いつめるが、
紫龍が手加減をやめたことで今度は黄金聖衣を付けたまま敗北するという醜態をさらす羽目に……(ちなみにアフロディーテは瞬へのリベンジを果たしている)。


ちなみにFC『聖闘士星矢 黄金伝説完結編』では、腰を振りながら喋る。サタデーナイトフィーバーもする。そして、ダメージの受け方が明らかにおかしい。



星座カースト制度の全盛期、これらデスマスクの悪行によって蟹座生まれの少年の名誉は大きく傷つけられた。
彼らは己の出生を呪いながら、双子座や乙女座の同級生に虐げられる日々を送るのであった……

が、デスマスク自身も時を経るに従って「愛すべきネタキャラ」として受け入れられている。
しかし、『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』に登場したデストールはオネエキャラであり、ネタキャラ枠に逆戻りしてしまった……と思いきや彼は彼でかなりいいキャラをしており、読者からの人気は高い。


パチンコ台『CR聖闘士星矢』の確変中のバトルでは断末魔「あじゃぱァーッ!!」がしっかり再現され、黄金聖闘士でただ一人車田落ちを決めてくれる。

2017年に稼働開始したパチスロの聖闘士星矢-海皇覚醒-においては、天秤座の童虎、射手座のアイオロスを除いた10人の黄金聖闘士と共に「黄金VS海将軍激闘」という上乗せ特化ゾーンに登場。
このゾーンでは黄金聖闘士が海将軍に勝利し続ける限りARTのゲーム数が上乗せされるのだが、他の黄金聖闘士がパワー・スピード・バランスタイプに分けられる中、デスマスクのみ波乱タイプになっている。
10ゲーム上乗せ×2~3勝で終わることがほとんどだが、4戦目以降の勝利は100G以上ゲーム数が上乗せされるという、まさに波乱と呼べる性能になっている。


2013年にΩの時間で流れている『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』のCMでは、出てくる文字が「セイヤッソイヤッ」の中で彼の時だけ「あじゃぱー」である。


【きれいなデスマスク】


派生作品では彼の「けっこう良い奴」像が描かれることもある。

小説作品『聖闘士星矢 ギガントマキア』では弟子の盟にリスペクトされる程の「良い師匠」。弟子の目から見た姿は何だか文学青年っぽくも思えるし。


そして、「きれいな蟹」の最たるものはハーデス編で一端死んだ直後の設定である『聖闘士星矢 黄金魂』であろう。

生き返ってアスガルドに降り立った彼は、表面上は酒とギャンブルに溺れる享楽的な日々を送っていたが、花屋を経営する町娘のヘレナに惚れ、持病を抱えつつ幼い弟妹達を一人で育てる彼女の家にギャンブルで儲けた金を放り込んでこっそり援助していた。
しかしヘレナはアンドレアスやファフナーに騙されてユグドラシルの餌とされて瀕死の状態にされてしまい、彼女を助けられなかったことを悔やむ彼に蟹座の黄金聖衣はもう一度彼を装着者として認める。

これにより発奮した彼はアンドレアスに立ち向かい、そして神聖衣を発動し撤退させることに成功。
しかしヘレナは彼に援助の礼を述べつつ息を引き取り、彼の恋は悲恋に終わる。

スタッフのインタビューでは「性根が直って改心したわけではないが、ダメ人間が恋をして変わるような、人間味に溢れる部分を出したかった」と語られている。

「どんなに小さくても死んでいい命はないことを、ヘレナ達が教えてくれた」という作中の台詞は、女子供を巻き添えにすることになんの躊躇もなかった原作からいかに彼の価値観が変わったかを如実に表している。

【派生作品】

【EpispdeG】

エピソードGでは最初にアイオリアと対立する。
アイオリアの蹴りを受けながらも他の黄金聖闘士の誰にも気づかれないほどの一撃をきっちり返す実力を示す。
ちなみにこの時点で既に悪サガについている。
あとこっそりと巨人族を一柱積尸気送りしてるが活躍はそれだけと地味なイメージ。

【EpispdeG アサシン】

最初から一応味方として登場。
皮肉屋だがなんだかんだで手助けしてくれるツンデレ。
最初は異世界のアテナであるヨシノの護衛として登場したが、バルティンとの戦いで小宇宙を消費しすぎ冥府に引きずり込まれそうになってるシュラと帰還を阻止しようとするアイオロスの妨害を防いでたサガを助けるために冥府へと降りた。
合流しアテナエクスクラメーションで現世と冥府の境をこじ開けようとするもライトニングボイドで阻止されかけるが、天猛星の冥闘士であるラダマンティスの助力で何とか帰還する。

13巻で再び登場。
氷河の仮の娘であるナターシャを殺そうとし氷河と一触即発の事態となる。
というのもナターシャは元は巨蟹宮にあったデスマスクの一つであり歴代蟹座の黄金聖闘士の犠牲者の一人であった。
全ての死者は冥界に叩き落とすという信念の元、氷河と対立しかけたがヨシノの仲裁で事なきを得る。
その後、氷河とカミュとの戦いで無理やりコキュートスを現出させ生死の境界を曖昧にさせることでナターシャの魂に巣食う一兆もの絡みついた魂を瞬とシュラの助けを借りながらも見事に救った。

案外器用で陶芸を見様見真似で完璧にコピッている。
ヨシノの陶芸の出来を小ばかにしてたら自分の完成品を破壊され、更にヨシノの新しい作品の手助け(9割がた)を手伝わされている。
アテナの面影でも感じているのかヨシノに強く迫られると最終的に渋々ながら引き受けてしまう。
あとアフロディーテから薔薇の育て方を習って育ててるらしい。
案外家庭的な一面が。
ちなみに星矢と紫龍のお見舞いの時は生シラス丼を買ってきた。
双方の関係を考えればお見舞いに行くのが謎なくらいなのだが、どうやらお互い遺恨はないようだ。

【セインティア翔】

5巻で初登場。
グラード財団が設立したセインティアの養成所である聖アカデミーを襲撃しセインティア候補生を全滅させた。
一応エリスの残党が巣食い始めてたという建前はあったが、手っ取り早いからと言い残党に憑かれていない人間も諸共壊滅させたやり口にアカデミー出身のエルダから憎悪されることになった。
この後、時系列通り星矢たちの聖域の戦いで敗れ死んだのだが、9巻でアルテミスの神殿の門番であるカリストの放った矢にエルダのデスマスクへの憎悪とエリスのイビルシードが反応し仮初の体ながらも復活する。
この後、黄泉平坂でイビルシードが発芽し邪精霊・復讐のデスマスクとなりムウ&エルダと激闘を繰り広げる。
この際、エルダがアルテミス神殿で貰った月の簪をデスマスクの頭に叩きつけると、簪の持つ浄化の力でデスマスクに巣食ってた復讐のポイネが出現。
そのままエルダに取り憑こうとするも既の所で蟹座の黄金聖衣が出現しデスマスクへと装着される。
エリスとアレス(悪サガ)の作る世界を確かに楽しみにしてたはず言われつつもポイネを積尸気冥界波であの世に送り飛ばした。
最後にエルダ・ムウと言葉を交わし冥界へと帰っていった。

余談だが原作ではムウに瞬殺されたが、こちらでは戦いの場所がデスマスクのお膝元の黄泉平坂である事とムウの足手まといがいる事を差し引いてもかなり優勢に戦いを進めていた。
原作でやられたスターライト・エクスティンクションも積尸気冥界波で相殺されている。

追記・修正は蟹座生まれの方でお願いします。

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最終更新:2024年02月27日 21:02