蟲惑魔(遊戯王OCG)

登録日:2013/11/04 Mon 11:30:30
更新日:2024/04/20 Sat 11:20:41NEW!
所要時間:約 31 分で読めます




蟲惑魔(こわくま)とは遊戯王OCGに登場するカテゴリの一つである。



【CONTENTS】



【概要】

「JUDGMENT OF THE LIGHT」で登場したカード群のひとつ。
「条件を満たした罠カードの効果を受けない」と言う共通効果と、「ホール」「落とし穴」通常罠に関連する効果を持ったテーマである。
ほぼ全員がレベル4・地属性植物族昆虫族で構成されている。
また、彼女達のステータスはリンクモンスターを除いて攻守の合計が2800で統一されている。
例外であるリンクモンスター達も下三桁は必ず800になっている。

カテゴリ名は「蠱惑(こわく)」と「小悪魔(こあくま)」を掛けている……だけでなく「蠱」と「蟲」の字が似ていることにも掛けられている。
故に「惑」という造語であることに注意しろよ蟲野郎!!
公式漫画でも誤字ってたのは秘密だ!


当初はどこぞの「バウンサー」よろしくいわゆる「出し逃げ」の3枚しかないテーマだったのだが、その時からかなり人気が高いカード群であった。
なぜならイラストが美少女だから。もう一度言う、美少女だから
「出し逃げ」時代のトリオン・アトラ・カズーラの3体のイラストからして、植物はともかく昆虫のイメージとは違ってどれも可愛らしく人気。
イラストデザイナーが「霊使い」と同じ人という報告もある。納得の萌えであろう。

その人気故か現在に至るまで細々とカードが追加されており、一時期はストラクチャーデッキのテーマ候補にまで躍り出た事もあるほどの人気を誇る。
そして遂に2022年に「ストラクチャーデッキ 蟲惑魔の森」として本当にストラク化することが決定した
パッケージが大人のおもちゃにしか見えないと話題にもなった


…ちなみに、なぜイラストが虫や草っぽさが皆無な美少女なのかといえば疑似餌だから
要するに
  1. :蟲惑魔「そこのお兄さん方!道にお困りでしたらついてきてくださいな♪(クスクス…)」
  2. :俺ら「ウオオオオ!あの女神様に続けーっ!」
  3. :蟲惑魔「こちら肉食生物の縄張りになりまーす♪ざーこざーこ♡」
  4. :俺ら「うぎゃああああ! 助けてええええええ!!!」
……《蟲惑の落とし穴》のイラストがまさにそんな感じである。

この構図が
  • 自我を持たないマジの疑似餌(中身は完全に虫か草)
  • 一応『少女』であるのは本当(亜人、モンスター娘)
  • 『少女』と虫、草の部分で独立して連携(同族、共生、使い魔、ペットetc…)
…のどれかはさておき、美少女で釣った哀れな野郎共を虫か草の部分が獲って食糧にしている生態なのは間違いないようだ。

ただ単なる疑似餌という割にはしっかりオシャレしていたり、一部のイラストでは疑似餌だけがくつろいでいる様子も見せたりしている。
本体側の全身像が不明なイラストが多いため仕方ないかもしれないが、もはやどっちが本体かわからない状態となっている。
ファンイラスト等でも疑似餌が表情豊かに喋っている事が多い。
公式漫画に出演した時も疑似餌のみが登場し、本体の方は無視されていた。
ただし疑似餌達は表情が多少変わることはあれど目のハイライトは基本的にない
2024年2月発売の設定資料集「遊戯王CARD GAME ART WORKS」によると疑似餌達は割りと表情豊かである事が判明した。と同時に植物だから脳がないのかもとか言われたりもしている。ひでぇ!

ちなみに実は《大落とし穴》に落っこちてる連中と《蟲惑の落とし穴》含む「蟲惑魔」関連の罠に落ちてる連中は同じ面子。
落ちた先が彼女たちの餌場だったのか、単に学習しない連中だったのかは大いなる神のみぞ知ると言うところだろう。


外部作品での主な使用キャラは『遊戯王ZEXAL』に登場する小鳥の友達「サチ」がゲームで使用。
とはいえ当時は最初の3人しかいない為ファンデッキ止まりであるが。
また『遊戯王OCGストラクチャーズ』の登場キャラ「遊佐アゲハ」(25歳)も使用している。小学生時代からの愛用らしい。
…それだと少なくとも13年前から使用している計算となるが、「蟲惑魔」が登場したのは2013年。
つまり(このエピソードが語られた2020年から見て)7年前なので明らかに矛盾している。サバ読んでるのかな?
なお仮に13年前から出ていた場合、2007年頃となるためOCGでは【ライダー】デッキが全盛期なくらいとなる。
この時期での【蟲惑魔】はたしかにパワーカードまみれであろう。そもそもエクシーズ召喚そのものがパワーだが*1


マスターガイド4では一人称が「私」の動植物学者が異常な数の行方不明者(恐らく全員男)を出す森へ調査に行き、「蟲惑魔」たちを発見。
上記の生態から、彼女(?)たちに『蟲惑魔』と名付けた。
《アトラの蟲惑魔》に見つかってしまい危うく自分も喰われかけたが、《トゲトゲ神の殺虫剤》を使い何とか逃げ延びた。
アトラを追い払うどころかその場の「蟲惑魔」の半分くらいが死滅するんですがそれは。
また、ストラク付属の紙製プレイマットの裏面で更なる設定が解説された。
曰く「蟲惑魔」達は基本的に仲がよく、縄張り争いをしないどころか協力して獲物を取るとの事。
それと命懸けで彼女達を調べる研究者が何故か後を絶たないとも。
世界観上は謎の多い新種の種族であるようだ。
食人族に好んで接触する物好きも殆どいないので研究も進まなかったが、近頃は上記の通り熱心な研究者達の体を張った調査が実を結んだことで徐々に解明されつつあるらしい。

またOCGとは別ジャンルのゲームである『遊戯王クロスデュエル』にもアトラとカズーラが実装されている。
そちらの仕様で登場モンスターカードは通常モンスターとしても存在するため、新たにフレーバーテキストが設定された。
どちらでも基本的に「少女のようなモノ」と表現されており、彼女達が単なる少女ではない事を表している。
ゲーム上のモデルでも生気が感じられないようにも見えるなどかなり凝っている。
あとパンツは履いてる事が判明したりした



【蟲惑魔のカード】

【効果モンスター】

全てのモンスターが「このカードはモンスターゾーンに存在する限り、『ホール』通常罠及び『落とし穴』通常罠カードの効果を受けない。」という永続効果を持つ。

●トリオンの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1600/守1200
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合、
相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動する。
その相手のカードを破壊する。
(3):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
銀髪の美少女、その正体は巨大なアリジゴク。「アントリオン」。アリジゴクなのに《底なし流砂》とかには普通に引っかかる辺り案外ドジっ子。
《蟲惑の落とし穴》では相手を牙でガブリ。

召喚時に「ホール」「落とし穴」通常罠をサーチ、特殊召喚時に相手の魔法・罠を1枚割る効果を持つ。

召喚でも特殊召喚でもアドバンテージを取れるため、メタビート気味になる【蟲惑魔】デッキでは必須とも言える存在。
昆虫族故にレベル3のモンスターをエサに《孵化》から引っ張れるので、【インゼクター】などのデッキにも採用できる。
というかデッキに「ホール」「落とし穴」を数枚仕込むだけでだいたいどんなデッキでも活躍できる。
ぶっちゃけ蟲惑魔以外でも使える汎用カードの1枚。イラストアドだけのカードと見てたら痛い目にあうぞ!
またどちらの効果にも名称ターン1制限がなく、やろうと思えば何度でも使えるのもポイント。
(2)の効果で相手の伏せカードを一網打尽にする戦法も強いが、後述の《蟲惑の園》の登場でまさかの2枚サーチも可能となった。

しかしその性質上、相手の《死者蘇生》等で利用されてしまうこともある。
また相手の魔法・罠破壊は強制。《やぶ蛇》を踏んでも泣かない。
逆に言えば相手のフィールドに特殊召喚すれば自分の《やぶ蛇》を踏ませる事も可能といえる。

昔は《巌征竜-レドックス》という最高に相性の良いカードが存在したが、彼は禁止カードになってしまった。MDでは復活したが果たして…。
攻撃力が800の倍数なので、《ブラック・ガーデン》とも相性が良い。

そこそこ高い攻撃力、使いやすい上に登場時期の関係上ターン1制限がない2つの効果。扱いやすいレベル4ということで蟲惑魔の切り込み隊長と言える。
実は10年以上活躍している貴重なカードの1枚である。


●アトラの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1800/守1000
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分は「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードを手札から発動できる。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の通常罠カードの発動及びその発動した効果は無効化されない。
不気味な笑みを浮かべた青髪の美少女、その正体は巨大な蜘蛛。「シドニージョウゴグモ(アトラクス-ロブスタス)」。
《蟲惑の落とし穴》では相手を蜘蛛の糸で簀巻にしている。

「ホール」「落とし穴」通常罠を手札から発動できるようになる効果と、通常罠への無効化を防ぐ効果を持つ。

手札からの「ホール」「落とし穴」発動はハまればかなり強力。
こいつが立ってるだけで、伏せなしの状態でも「落とし穴」が発動しかねないというプレッシャーを与えられる。
「手札からトラップだと!?」は対策が恐ろしく難しいため、これを普通に扱ってくるのは結構鬱陶しいのだ。
特に手札に《墓穴ホール》があれば、セラや《蟲惑の誘い》等にブッ刺さる手札誘発を先攻1ターン目から防ぐ動きも可能である。

通常罠への無効化を防ぐ効果もありがたいのだが、こちらは相手次第なところもある。
《王宮のお触れ》下でも一方的に罠を使えるなどのメリットでもあるが、アトラが居ないと罠メタカードが足を引っ張るため加減が難しい。
メインデッキの「蟲惑魔」の中では攻撃力最強なので、アタッカーとしての活躍もそれなりに見込めるかもしれない。

ちなみにクロスデュエルのフレーバーテキストはこんな感じ。
蠱惑的な仕草で旅人を樹海の奥へと誘い込む少女のようなモノ。
その白痴美に魅了されると胸がチクッとして息ができなくなってしまう。

本家での採用率は低めであるが、最初に登場した蟲惑魔3人衆の中で彼女のみ字レアだったり、デュエルリンクスやクロスデュエル双方に出ている事からコナミ的には彼女が蟲惑魔の顔であるらしい。


●カズーラの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/植物族/攻800/守2000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
(2):自分が「ホール」通常罠または「落とし穴」通常罠カードを発動した場合に発動できる。
デッキから「カズーラの蟲惑魔」以外の「蟲惑魔」モンスター1体を選び、
手札に加えるか特殊召喚する。
明るいオレンジ色の髪をした美少女、その正体は巨大な植物。「ウツボカズラ」。
《蟲惑の落とし穴》では相手を足元の水溜りに引き摺り込んでいる。

「ホール」「落とし穴」通常罠の発動に反応して「蟲惑魔」モンスターをサーチかリクルートする効果を持つ。

攻撃力が低いため、落ちる「落とし穴」が少なく共通効果部分が腐り気味。
ただし後半の効果は優秀。トリオンなどでも好きな方を使えるようにできる。
状況に合わせて手札か場に必要な「蟲惑魔」を引っ張ってこよう。
先攻1ターン目でも発動できるホールティアの登場により、条件が満たしやすくなり使い勝手が向上した。
セラよりも発動の条件範囲は狭いが、守備力2000と高めな上に手札に引き込むことが可能な為相互互換と言えるか。

こちらも攻撃力が800の倍数であるため《ブラック・ガーデン》で蘇生できる。

またクロスデュエルのフレーバーテキストはこんな感じ。
小悪魔的な色気と甘い香りで誘惑する少女のようなモノ。
食べられちゃいたいほど可愛いと思わせる、それこそが落とし穴だ!


●ティオの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/植物族/攻1700/守1100
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地の「蟲惑魔」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードが特殊召喚に成功した時、
自分の墓地の「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを自分フィールドにセットする。
セットしたカードは次の自分ターンのエンドフェイズに除外される。
(3):このカードは「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
寝転がった姿がセクシーな黒髪おさげの美少女、その正体は巨大なハエトリグサ。学名を「ティオナエア・ムスキプラ」。
捕食手段は恐らく、誘った相手を自分ごとガブリ。
後ろにガイコツが転がっている辺り、イラストは食後でお疲れなのだろう。(ハエトリグサは葉っぱをイタズラして閉じさせるとと消耗して枯れやすくなる)

「PRIMAL ORIGIN」で追加された4人目の「蟲惑魔」。トリオン同様に召喚・特殊召喚時にそれぞれ対応する効果を持つ。

召喚時の効果は墓地の「蟲惑魔」の蘇生。
守備表示なので攻撃には使えないが、「蟲惑魔」は全てレベル4なのでエクシーズ召喚が狙える。
更に呼んだ「蟲惑魔」の効果は無効にならないため、「落とし穴」にかからないし特殊召喚時効果も使える。
特にトリオンを蘇生することで、伏せを除去しつつエクシーズをする理想的な流れが出来る。攻撃力の低いカズーラを守備表示で出せるのも利点。
「蟲惑魔」であればエクシーズモンスターも蘇生できるのは覚えておこう。

特殊召喚時の効果は墓地から「ホール」「落とし穴」通常罠をセットする効果。
こちらもアドバンテージを得られるが、相手には筒抜けのため除去の的にされやすい。
除去されるなら墓地に戻るだけだが、スルーされて発動できずに終わると次ターンのエンドフェイズには除外されてしまう。
とは言え牽制に役立つ効果ではあるのであって困るわけではない。《トリオンの蟲惑魔》の方と違いタイミングを逃すことには注意。
こちらも釣り上げ先を墓地に用意できるホールティアの登場で使いやすくなった。


●ランカの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1500/守1300
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「蟲惑魔」モンスター1体を手札に加える。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
(3):1ターンに1度、自分フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのセットされたカードを持ち主の手札に戻す。その後、自分の手札から魔法・罠カード1枚をセットできる。この効果は相手ターンでも発動できる。
綺麗なピンク色の髪をしたツインテールの美少女、その正体は巨大なハナカマキリ。別名が「ランカマキリ」。
カマキリということで、捕食手段は恐らく鎌で捕まえてそのままボリボリと……。

「CODE OF THE DUELIST」で追加された6人目の「蟲惑魔」。

召喚時に「蟲惑魔」モンスターをサーチする効果を持ち、【蟲惑魔】の安定性を高めてくれる。
また何気にサーチ先や1ターンの発動回数に一切の制限がないため、《蟲惑の園》などで召喚権を増やせば連続でサーチすることも可能。
登場当初はサーチした「蟲惑魔」に展開力のあるモンスターが少ないのがネックだったが、ジーナやキノにより展開力が増したことで一転して初動としての価値が向上した。

もう一つの効果はセットされた魔法・罠の張り替え。ただし特筆がないのでセットしたカードはルール上そのターンは発動できなくなる。
残念ながら「ホール」「落とし穴」を張り替えて即座に発動、というプレイングはできない。
相手の除去から伏せカードを守ったり、ティオでサルベージした「ホール」「落とし穴」の除外を防ぐというのが現在の使い道となる。
中々に扱いの難しい効果ではあるが、できることは多く決して弱い効果ではないのであって損はない。
魔法・罠なら何でもセットできるので、相手の全体除去に対して「アーティファクト」や《ナチュルの神星樹》などを伏せてアドを稼ぐという手もある。
また魔法・罠さえ伏せていれば使える効果なので、同じカードをセットしなおすだけでもセラの効果を起動したりといったコンボも可能。
直近だと《三戦の号》で持って来たカードを強引に使える様にできたりする。自身の効果に《灰流うらら》を打たれやすいので割と現実的。


●リセの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/植物族/攻1200/守1600
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
(2):このカードをリリースして発動できる。
自分のデッキ及び墓地から1枚ずつ、
「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カードを選んで
自分フィールドにセットする(同名カードは1枚まで)。
この効果でセットしたカードはフィールドから離れた場合に除外される。
白髪の編み込みツインテの美少女、その正体は巨大な植物。「ゲンリセア属」。
地下に逆Y字で管状の捕虫器を伸ばす食虫植物の一種。
小さな捕食器の中には返しが付いていて戻れない道が続いており、奥の消化袋にたどり着いた獲物を食べてしまうというもの。
つまり彼女に誘われてしまうと恐らくは頭から丸呑みにされ、戻ることもできず死への道をただ往く事となる…。

設定画によると「演技派」。
そして捕食部は後頭部にある二口女らしい。

海外TCGにて先行登場した「蟲惑魔」。「WORLD PREMIERE PACK 2020」で来日した。

効果は非常に強力で、墓地とデッキから1枚ずつ「ホール」「落とし穴」通常罠を直接セットできる。
ただし自らのリリースが必要な上、セットできるのもそれぞれ別のカードというのが若干キツい。
今までの「蟲惑魔」達のように「普通のデッキに入れててもそれなりに活躍する」ようなものではなく、使いこなすには若干の専用構築が必要。
しかし墓地に落ちやすいホールティアの登場により発動がしやすくなり、デッキから好きな「ホール」「落とし穴」を持ってこれるようになった。

なお日本版にはイラストが2種類存在しており、海外版の絵そのままの物と日本用に露出が増えたものがある。


●ジーナの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/植物族/攻1400/守1400
このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドにセットされた罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
(3):自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在しない場合、
墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを自分フィールドにセットする。
水辺に寝そべる黒髪の美少女、その正体は巨大なモウセンゴケ。その一種「ムジナモ」
動物のムジナの尾を連想することからムジナモという和名が付けられた逸話がある食虫植物。
ちなみに捕食手段は、水中版ハエトリグサとも呼べるトラバサミ式。現実のはかなり小さめなのでミジンコやボウフラ程度しか捕まえられないけど。
もっとも、彼女の従える(あるいは本体の)超巨大水中ベアトラップに捕まろうものならば…。

「LIGHTNING OVERDRIVE」で2021年早々に登場した新たな「蟲惑魔」。

基本的に他の力を借りなければ自慢の展開力を発揮できない「蟲惑魔」に遂に現れた、自分自身を特殊召喚できる効果を持つモンスター。
条件も「セットされた罠カードを墓地に送る」事と比較的軽い。ただし破壊ではないので破壊をトリガーとする罠カードを利用したりはできない。
「セットされた罠カード」なら何でもいいため、使うタイミングを逃したカウンター罠や永続罠、《ブレイクスルー・スキル》等の墓地効果持ちをコストにするのも悪くない。

更にその際コストにした罠カードが「ホール」「落とし穴」であれば、もう一つの墓地効果で本人がそれを回収できる。
……もっとも発動条件である「自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在しない場合」は考えようによってはピンチなのだが。
こっちはどちらかというと不利な盤面からの逆転に向いた効果である。


●プティカの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/植物族/攻 900/守1900
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「蟲惑の園」1枚を手札に加える。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
次のスタンバイフェイズに、相手は除外されている自身のモンスター1体を選んで特殊召喚できる。
(3):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
カズーラとよく似た姿の幼気な美少女、その正体はもう一種のウツボカズラ。学名を「ネペンテス・プティカ
カズーラとは別種のウツボカズラなのだが、なんとこいつは2022年に認定されたばかりの新種。最速の「蟲惑魔」化である。
「恥ずかしがり屋なウツボカズラ」という学名の通り、捕虫袋を地面に埋め込むという珍しい成長の仕方をする。
ストラク付属の資料でも「カズーラと似ており、姉妹か近縁種の様な関係なのだろうか」と記載されている。
ランカと仲が良いらしく、お互いに協力して獲物を捕らえているとか。

『蟲惑魔の森』で登場した新顔の一体。トリオンやティオのように召喚時と特殊召喚時で異なる効果を持つ。

召喚時の効果は後述する「蟲惑魔」サポート用フィールド魔法のサーチ。
サーチ先の効果を考えると実質的に「召喚したターン『蟲惑魔』を追加で1体召喚できる効果」であり、【蟲惑魔】の展開始動として強力。

特殊召喚時の効果は一時的な除外。だが《亜空間物質転送装置》などと異なり除外されたモンスターを特殊召喚させる形で戻す。
一見地味な効果だが「メインの『蟲惑魔』が持つ除去効果」かつ「既に盤面に存在するモンスターへの除去効果」というのがポイント。
既存の「ホール」「落とし穴』」では対応の難しかった部分を埋めてくれるうえ、セラで除去ができるようにもなったのだ。
特殊召喚させるため特殊召喚に制限のあるモンスターであれば完全な除外になり、そうでない場合もアルメロスやシトリスの効果で無力化できる。
ただし相手が特殊召喚するモンスターはこの効果で除外されたモンスター以外も選べるので、除外を多用するデッキ相手の場合は注意が必要。
効果も無効にしないので特殊召喚時効果も使われてしまう。
とはいえ特殊召喚されたならされたで各種「ホール」「落とし穴」の発動を狙えるため、そちらでケア可能。


●キノの蟲惑魔
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1300/守1500
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「蟲惑魔」モンスターが存在する場合、
自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は昆虫族・植物族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
「ホール」通常罠及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
(3):自分の魔法&罠ゾーンにセットされたカードはそれぞれ1ターンに1度だけ効果では破壊されない。
光る蒼白い雫の奥で無邪気に微笑む美少女、その正体は羽虫とその幼体。グローウォームこと「ヒカリキノコバエ(の幼虫)」。
体当たりが上手いと言われるのは別のゲームの方。
ハエの幼虫でありながらクモの様にネバネバな雫の付いた糸を張り巡らせ、糸や自分の体を光らせて虫を引っ掛けるというアグレッシブな生態を持つ。
なお自分の成体も掛かることがある模様。
設定資料集によると「キノ本人はくっつかない」らしい。アティプスをくっつけて驚かせたりしているシーンが有るため他の蟲惑魔にはくっつくのだろう。
…そして蟲惑魔以外の獲物が何も考えず近づけば背後に控えた巨大イモムシに噛みつかれ、獲物へ向ける嘲笑の笑みが最期に見る風景となるだろうか。
幼虫モチーフではあるが他の「蟲惑魔」に幼体がいるかは謎。シトリスは「たくさん食べたから大きくなった」と説明されているが…。

『蟲惑魔の森』で登場した新顔の一体。

「蟲惑魔」モンスターがいる場合の手札から特殊召喚できる。ゆるゆるの展開効果であり言うまでもなく強力。
ランカからサーチし、セラに変換してこのカードを特殊召喚するだけで一気にデッキが回り始める。
さらにこの効果はよくある起動効果ではなく、メインフェイズなら相手ターンにも使える誘発即時効果である。
そのため先に《増殖するG》を打たれていた場合、あえて相手ターンに特殊召喚してセラの効果を起動するといったことが可能。
ただしこれを使ったターンはEXからの展開に制限が入る。「蟲惑魔」なら問題無いが汎用ランク4などを採用している場合は注意。
メインデッキの方には制限が入らないのは混成デッキを組む際には憶えておくと良い。

そしてもう一つの効果はなんと自軍のセットされた魔法・罠への破壊耐性付与。
《ハーピィの羽根帚》等が辛かった【蟲惑魔】には非常にありがたい効果である。
特殊召喚効果が相手ターンでも使えるため、全体除去にチェーンして魔法・罠を守るといった小回りがきくのも優秀。



【エクシーズモンスター】

全てのモンスターが「(エクシーズ)素材を持ったこのカードは罠カードの効果を受けない。」永続効果を持つ。
また、カードイラストでは自身が登場するまでに登場した「蟲惑魔」モンスターが一緒に描かれている。

●フレシアの蟲惑魔
エクシーズ/効果モンスター
ランク4/地属性/植物族/攻300/守2500
レベル4モンスター×2
(1):X(エクシーズ)素材を持ったこのカードは罠カードの効果を受けない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、「フレシアの蟲惑魔」以外の自分フィールドの「蟲惑魔」モンスターは戦闘・効果で破壊されず、カードの効果の対象にならない。
(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、発動条件を満たしている「ホール」通常罠または「落とし穴」通常罠カード1枚をデッキから墓地へ送って発動する。この効果は、その罠カード発動時の効果と同じになる。この効果は相手ターンでも発動できる。
ピンク色のロングヘアーで誘うようなポーズをしている美少女、その正体は世界最大の花。「ラフレシア」。
ただ現実のラフレシアも虫を誘いはするが、目的は捕食の為ではなく授粉のために油状の花粉を塗りたくって逃がすため。
つまり彼女だけは肉食系女子(物理)ではなく(性的な意味)の方なのかもしれない。
周りに(物理)の方々がスタンバってるので結局無事ではいられそうにないが。
しかも元ネタ的に実は男の娘で、性的な意味というのもそっち方面という可能性が
周りにはトリオン・アトラ・カズーラ・ティオ達4体の「蟲惑魔」達がいる。どうやら同族の仲は良好な様子。
トリオンはともかく、アトラはカズーラとティオから少し離れた方が
なお彼女の放つ匂いは脳に来るいい香りらしく、他の蟲惑魔が群がってくる様子。
ちなみに他の蟲惑魔は時期的にまだ未登場なので出演していない。はぶられたわけじゃない
この仲の良さが好評だったのか、以降に登場した蟲惑魔エクシーズのイラストにも他の蟲惑魔疑似餌が写り込んでいる。

「DIMENSION OF CHAOS」で追加された5体目の「蟲惑魔」にして初のエクストラデッキのモンスター。
素材縛りのないランク4というお手軽なエクシーズモンスターである。
自身が存在する限り他の「蟲惑魔」に耐性を付与する効果とデッキから「ホール」「落とし穴」通常罠を墓地に送ってその効果を使用する効果を持つ。

いずれも強力な効果であり、特に「ホール」「落とし穴」コピー効果は相手ターンにも発動できる。
そのため相手にしてみれば、2回限定だがいつでも無から「ホール」「落とし穴」罠が飛んでくるという、とてつもない脅威となる。
しかもこの効果は罠カードと同じ効果を得るだけであり、罠カードそのものを発動させるわけではない
故に《王宮のお触れ》《人造人間-サイコ・ショッカー》などの罠封じで妨害されないという利点まである。
ただしその一方でモンスター効果扱いであるため、《禁じられた聖杯》や《スキルドレイン》《天罰》で潰されうる。
アトラの効果で守ることもできず、カズーラの効果トリガーにも出来ないので注意。
また、ややこしい話だが「罠カードの効果を受けない」モンスターにも「モンスター効果である」フレシアのコピーした罠の効果は通じてしまう。
ミラーマッチやフレシアの効果で《狡猾の落とし穴》を使う際には注意しよう。

他の魔法・罠カードと同じ効果を得る事のできるカードはOCGにおいても以前から存在したが、永続的にフィールドに残るカードでこの効果を持つものは珍しい。
2022年現在でも他に該当するのは《ヌメロン・ネットワーク》くらいである。

「蟲惑魔」EXモンスターに共通する「罠カードの効果を受けない」効果も、相手にしてみると非常に厄介。
対象を取る効果は勿論、対象を取らない効果や《激流葬》《スキルドレイン》といったフィールド全体に効果を及ぼすものも全て通じない。
…だが《スキルドレイン》は先に貼られてると耐性効果ごと無効化される。不思議。
他にも《拮抗勝負》や《御前試合》といった「プレイヤーに選ばせて除去させる」罠カードは通じてしまう為注意しよう。


●アロメルスの蟲惑魔
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/昆虫族/攻2200/守 600
レベル4モンスター2体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):X素材を持ったこのカードは罠カードの効果を受けない。
(2):このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
自分の墓地から昆虫族・植物族のレベル4モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(3):自分のカードの効果で相手モンスターがフィールドから離れ、
墓地へ送られた場合または除外された場合、
このカードのX素材を1つ取り除き、そのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
赤いロングヘアーの美少女、その正体は無数のアリ。「アロメルス・デケマルティクラトゥス」
このアリは植物に営巣し茎に網状の穴を掘って罠を仕掛け、そこに止まった獲物を磔にして生きたまま食べるという生態を持つ。通称『拷問アリ』。
その様はなかなかにグロテスクなので、実際の映像を見るのならば覚悟をした方がいいだろう。*2
ちなみに拘束役が必要な都合上群れていないと狩りができないため、彼女だけ疑似餌1人に対して捕食する本体がが複数いることになる。
恐らく足元の穴に無数のアリが待機しており、そこから手足を牙で掴まれてジワジワと貪り食われるのだろう。うわぁ…。
容姿が少女風だった他の「蟲惑魔」達に比べて若干大人っぽく、まさしく「蠱惑的」な印象を与える。
またイラストの後ろにはランカとセラがおり、フレシアの時にいなかった2人も晴れて別イラストに登場することとなった。

「ETERNITY CODE」で2020年に新年早々登場した新しいエクシーズ「蟲惑魔」。
近年よく見られる素材指定が「以上」で、任意でX素材を増やせるエクシーズモンスターでもある。
素材2つ消費で昆虫族・植物族のレベル4モンスターを蘇生する効果と、自分の効果で墓地・除外へ行ったモンスターを素材1つでゴヨウする効果を持つ。

……見ての通り「ホール」「落とし穴」に関連する効果を全く持たない。なんなら「蟲惑魔」指定の効果も持たない。
ただ名指ししていないだけで蘇生対象はメインの「蟲惑魔」全てが当てはまるし、破壊・除外は「ホール」「落とし穴」の十八番である。
「蟲惑魔」エクシーズ共通の罠カード全体への耐性もあるので、「落とし穴系に落ちない」という特徴もちゃんと持っている。
名称上も「蟲惑魔」であるため、ティオやセラでちゃんとサポート可能。
逆に言うとレベル4を主体とした【昆虫族】に入れると活躍が見込めるかもしれない。

植物族は自前の蘇生手段を多く備えているため、蘇生効果は主に昆虫族デッキで活躍することになる。こいつ自身も昆虫族である他、ガード・マンティスや早撃ちのアルバレストなどの存在でランク4が立てやすいのも追い風。
一方ゴヨウ効果の方は自分のカード効果による破壊・除外なら何でもいいため、除去を飛ばせてランク4が立てられるデッキなら採用の余地はある。

3つ以上素材がないと蘇生効果とゴヨウ効果は両用しにくいが、墓地に蘇生対象が居なくても活躍できる、用途の広いモンスターとなっている。
ちなみに蘇生効果は対象を取っていないため、墓地に他の「蟲惑魔」がいれば(2)のコストで墓地に送った素材の「蟲惑魔」も蘇生できる。

攻撃力も「蟲惑魔」の中では高い方なため、蘇生手段の多い【蟲惑魔】においてアタッカーとしても役に立つ…と言いたいが、打点だけなら下の《シトリスの蟲惑魔》に越えられてしまった。
しかし彼女は能動的にエクシーズ素材を0枚に出来る事で、ランク3、4に重ねてエクシーズ召喚できるが素材が0枚でないとエクシーズ素材に出来ない《エクシーズ・アーマー・フォートレス》を始めとした「アーマード・エクシーズ」関係と相性が抜群なのである。
先行なら《フル・アーマード・エクシーズ》 を構えて相手ターンに《FA-ダーク・ナイト・ランサー》を出して妨害回数を増やす。
後攻であればそのまま《FA-ダーク・ナイト・ランサー》を出し《アーマード・エクシーズ》で1キルを狙える…と至れり尽くせりである。



●シトリスの蟲惑魔
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/植物族/攻2500/守 300
レベル4モンスター×2
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):X素材を持っているこのカードは、
このカードがX素材としているモンスターと同じ種族のモンスター(このカードを除く)が発動した効果及び罠カードの効果を受けない。
(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「蟲惑魔」モンスター1体を手札に加える。
(3):元々の持ち主が相手となるモンスターが効果で、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。
その内の1体を選んでこのカードのX素材とする。
どこか陰のある笑みを浮かべ、髪で隠した片目からは涙を流す銀髪の美少女、その正体は巨大なスミレ似の植物。「ムシトリスミレ」。
なおその隠された片目は空洞…というよりであり、流れているものは涙ではなく涎である。最近止まらなくなっているとか。
葉や茎に粘着性を持つ消化液を貯める食虫植物。彼女の涙や坐する葉の椅子と周囲に咲く巨大な花からドロドロと流れているのがおそらくその消化液。
捕まれば恐らく抵抗出来ないまま溶かされるものと思われる。
よく見ると後ろにはジーナとリセもいる。

「蟲惑魔の森」で新登場したエクシーズ「蟲惑魔」。
素材を消費してのサーチ効果と相手の墓地送り・除外されたモンスターを素材として吸収する効果を持つ。
またエクシーズ「蟲惑魔」共通の耐性は、罠に加えて素材として持っているモンスターと同種族が発動した効果も含まれている。

サーチは言うまでもなく便利。
もう一つの効果はアロメルスと異なり相手の効果で落ちたものも吸収できるため、プティカと組まなくても妨害として使えるのがポイント。
さらに特筆すべきは「蟲惑魔」モンスターで最大の攻撃力と胸囲を持っていること。
ホープラインの攻撃力のおかげで一番の強敵となる《人造人間-サイコ・ショッカー》を素の打点で処理できる*3のは貴重と言える。
アティプスの効果も合わされば打点3500のゴリラへと変貌し、並大抵のアタッカー程度なら「落とし穴」すら使わず殴り倒すようになる。
ただし耐性効果の都合上味方の効果も弾きやすい点には注意。また発動した効果限定なので永続効果には無力。
もっともその抜け穴のため「蟲惑魔」を素材に持っていてもアティプスやフレシアの恩恵は受けられるのだが。

【リンクモンスター】

全てのモンスターが「リンク召喚したこのカードは罠カードの効果を受けない。」永続効果を持つ。

●セラの蟲惑魔
リンク・効果モンスター
リンク1/地属性/植物族/攻800
【リンクマーカー:下】
リンクモンスター以外の「蟲惑魔」モンスター1体
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):リンク召喚したこのカードは罠カードの効果を受けない。
(2):通常罠カードが発動した場合に発動できる。
同名カードが自分フィールドに存在しない「蟲惑魔」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
(3):このカード以外の自分の「蟲惑魔」モンスターの効果が発動した場合に発動できる。
デッキから「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。
他の「蟲惑魔」達よりかなり幼く見える緑色のツインテな美少女、その正体は粘着性の葉を持つモウセンゴケ。学名を「ドロセラ」。
ストラクで明かされた設定によると自身の縄張りに粘着性の葉を忍ばせており、迷い込んだ獲物の足止めを行う事を得意とするらしい。
捕まると葉っぱで絡め取られてジワジワと溶かされてしまうのだろうか…。

「LINK VRAINS PACK 2」で新たに現れたリンク「蟲惑魔」。
前述の通りリンクモンスターという性質上、今までの「蟲惑魔」が持っていた「ステータスの合計値が2800」という特徴は無くなっている。
リンク1がそんなステータス持ってたら暴動ものである。*4
通常罠に反応して「蟲惑魔」をリクルートする効果と、「蟲惑魔」の効果に反応して「ホール」「落とし穴」通常罠をデッキからセットする効果を持つ。

元々それなりの展開力を持っていた【蟲惑魔】だったが、彼女の登場で更に極まった。
(2)と(3)の効果がそれぞれ大きなシナジーを持っており、ハマればどんどん「蟲惑魔」と「ホール」「落とし穴」が増えていく。
また発動条件が「通常罠カードの発動」であるため、「ホール」「落とし穴」以外の通常罠でも発動する。
例えば《強制脱出装置》をセラを対象に発動すると、(1)の耐性でセラはバウンスされることなく効果を発動できる。
つまり相手フィールドに何もいなければ腐るはずの《強制脱出装置》が実質フリーチェーンの「蟲惑魔」リクルートカードと化す。
そしてこの効果、相手の罠でも発動することが可能である
手札から《無限泡影》してもリンク召喚されたセラには通じないどころか特殊召喚を誘発してしまう。意外とやりがちなので相手する場合は注意。

初手で「蟲惑魔」1体と《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》または《ホールティアの蟲惑魔》があれば、
「蟲惑魔」召喚→セラをリンク召喚→罠モンスターをセットして発動→罠発動でセラの効果も発動しデッキから「蟲惑魔」を出す→ランク4エクシーズ。
とここまで展開ができる。
ただしランク4エクシーズでちょうど《原始生命態ニビル》が落ちるようになるためケアは忘れずに。
幸いランク4でフレシアを出せばニビル効果に対して《墓穴ホール》をデッキからコピーして止められる。

彼女も攻撃力が800の倍数なので《ブラック・ガーデン》で特殊召喚できる。
ただしリンク召喚以外で召喚された場合は罠カードへの耐性効果が無くなるため、「ホール」や「落とし穴」に落ち《激流葬》なども効いてしまう事には注意しよう。
また植物族なので《ブラック・ガーデン》の蘇生効果の破壊に巻き込まれるのにも注意。

ちなみにセラの効果は「発動」がトリガーのため、《無限泡影》等で別の蟲惑魔の効果を封じてもセラはサーチやリクルートができる。
そして「発動」できればよいため、「王宮のお触れ」などで効果だけが無効になっていてもトリガーを満たせる。
それどころか(2)の効果や《墓穴ホール》を誘発してしまう可能性があるので注意しよう。


●クラリアの蟲惑魔
リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/植物族/攻1800
【リンクマーカー:右/下】
昆虫族・植物族モンスター2体
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):リンク召喚したこのカードは罠カードの効果を受けない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分が発動した「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードは
発動後に墓地へ送らず、そのままセットできる。
(3):自分エンドフェイズに、自分の墓地の「蟲惑魔」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
ウサギのような部分が特徴的な美少女、その正体はウサギゴケ。学名を「ウトリキュラリア・サンダーソニー」。
サンダーの綴りは「sander」なので雷族とは関係ない。万丈目も関係無い。
モチーフ元も見た目は名の通りうさぎの耳のようなものが生えた可愛らしい植物だが、その正体は食虫植物である。
小さい袋状の罠を地中に作り、微生物サイズの獲物を引っ掛けて捕食している。
「蟲惑魔」である彼女の場合は、周囲に従えた小さなうさぎ型の物体が相手に殺到するものと思われる。
実際設定資料集によるとこのうさぎ型の物体が本体とのこと。

「LIGHTNING OVERDRIVE」で2021年早々に登場した2体目のリンク「蟲惑魔」。
発動した「ホール」「落とし穴」通常罠を再セットする効果とエンドフェイズに「蟲惑魔」を蘇生する効果を持つ。

素材が比較的緩くリンク2としては珍しくマーカーが右方向に向いているが、効果の関係で【蟲惑魔】くらいでしか使えない。
しかし彼女がいる限り、全ての「ホール」「落とし穴」通常罠が《くず鉄のかかし》よろしく使用後もフィールドに残るようになる。
とはいえ「セット」なので同一ターンに再度の発動はできない。しかし本来墓地送りになる罠が再び使えるのは大きいアドバンテージとなるだろう。

もう一つの効果は自分エンドフェイズでの「蟲惑魔」モンスターの蘇生。
タイミングは遅いもののトリオンやランカを蘇生して効果を発動したり、カズーラを蘇生し相手ターンの動きを封じる事が可能。
嫌がらせなら彼女の右に出るものはいない。

リンク素材が昆虫族・植物族のため、最悪の場合使い所を逃した《増殖するG》等も使える事は意識しておきたい。


●アティプスの蟲惑魔
リンク・効果モンスター
リンク3/地属性/昆虫族/攻1800
【リンクマーカー:左/右/下】
昆虫族・植物族モンスターを含むモンスター2体以上
(1):リンク召喚したこのカードは罠カードの効果を受けない。
(2):自分の墓地に通常罠カードが存在する限り、
自分フィールドの「蟲惑魔」モンスターの攻撃力は1000アップする。
(3):1ターンに1度、自分フィールドの昆虫族・植物族モンスターの数まで、
相手フィールドの表側表示のカードを対象として発動できる。
そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。
その後、以下の効果を適用できる。
●自分の墓地から通常罠カード1枚を除外し、対象の表側表示のカードの内1枚を選んで破壊する。
蜘蛛に捕まって助けを求めている様にも見える美少女、その正体は巨大な地蜘蛛(ジグモ)。学名を「アティプス」。
《地雷蜘蛛》ではないし、ましてや名蜘蛛は全く関係ない。
巨大な牙を持つ地下棲の蜘蛛で、土に接した壁際等にヒョロヒョロと伸びた巣を作り、その中で上に止まる虫を待ち伏せる生態を持つ。
ちなみに糸は出すがそれに引っ掛けることはせず、巣の中から直接噛みつく。
日本でも割と普通に見つかる蜘蛛であり、葉っぱ等で突いてからかうと虫と勘違いして簡単に釣れてしまうチョロインでもある。
その為か設定資料集では《キノの蟲惑魔》に驚かされたり《アトラの蟲惑魔》と笑顔の練習をしたりと、他の蟲惑魔より表情豊かな一面が見られる。
おそらく近寄った瞬間疑似餌は引っ込み本体の蜘蛛の方が獲物に飛びかかるのだろう。
単なる色仕掛けに限らずあれこれ手を変えてくるところが実に恐ろしい。

「蟲惑魔の森」で新登場したリンク「蟲惑魔」。
「蟲惑魔」モンスターのパンプアップ効果と相手フィールドを荒らす効果を持つ。

パンプアップ効果は全体付与であり、【蟲惑魔】に不足していた打点を補える。
1000アップはこの手の数値としては破格で、トリオン等の打点高めの下級が普通にアタッカーとして機能するようになる。
自身も含むため攻撃力は実質2800とリンク3モンスターとしてはかなり高打点。
適用条件である「墓地に通常罠」いうのも【蟲惑魔】なら容易に満たせる。ただし永続罠などではダメな点に注意。

もう一つ効果も相手のカードの無効化+墓地の通常罠カードをコストにした破壊ということで優秀。
先に無効化から適用されるため破壊耐性持ちも除去可能。最初に全部を対象にとるため対象に取れないものはどうしようもないが。

リンク3だがストラクで展開力が伸びた【蟲惑魔】ではちょっと重いくらいなので出しやすい。
問題はどちらの効果も先攻1ターン目で出す旨味が無いこと。打点アップを生かして返しのターンそのまま削りきる役として使いたい。
またいずれの効果も《狡猾な落とし穴》との兼ね合いには注意。

なお、素材は昆虫族・植物族を含みさえすればなんでも良い。
「蟲惑魔」+適当なモンスターで《崔嵬の地霊使いアウス》をリンク召喚し相手の墓地から《増殖するG》を蘇生、といったルートでも出せたりする。
効果も昆虫族を使用して通常罠さえあればデッキを選ばないため、昆虫族リンクモンスターの候補不足に悩まされていた【ビートルーパー】などにも注目されている。





【罠カード】

●蟲惑の落とし穴
通常罠
このターンに特殊召喚された相手フィールド上のモンスターが効果を発動した時に発動できる。
その効果を無効にし破壊する。
正確には「蟲惑魔」カードではないが登場時期とイラストの関係で関連罠カードとして扱う。
イラストではアトラ・カズーラ・トリオン…の「本体」が前述した《大落とし穴》の面子を襲っている。

簡単に言えば「特殊召喚に成功したターン限定で発動できるノーコストの《天罰》」である。
特殊召喚限定とはいえかなり強力な効果であり、特に奇襲性の高いアトラとの相性が非常に良い。
……しかし、だいたい「煉獄か奈落でOK」に落ち着くのは秘密。
この2種と違い攻撃力に左右されないのは利点だが、出たターン限定があるこいつを使うメリットが他に比べ薄いからである。
どちらかと言えばサイド寄りのカードではあるだろう。
ストラク発売後はフレシアが立てやすくなったのでピンでの採用も増えてきた。なんだかんだで「無効にして破壊」は便利である。


●トラップトリック
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「トラップトリック」以外の通常罠カード1枚を除外し、
その同名カード1枚をデッキから選んで自分フィールドにセットする。
この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は罠カードを1枚しか発動できない。
こちらもイラスト関係。
恐らく《蟲惑の落とし穴》の直前。ティオとランカが誘い出し、アトラとトリオンが食らいつこうとしている模様。

デッキから直接罠カードをセットするカード。特定の通常罠に依存するデッキではサーチとして非常に便利。
だがメタビ気味で罠を多用する【蟲惑魔】においては「発動後、ターン終了時まで自分は罠カードを1枚しか発動できない。」という制約がかなり痛い。
デッキの「ホール」「落とし穴」の消費が激しくなるのもキツめ。
採用するならできるだけ最後に発動するべきだろう。


●狂惑の落とし穴
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手がモンスターの特殊召喚に成功したターン、
相手フィールドの攻撃力2000以上のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後、自分の墓地に「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カードが存在する場合、
相手の墓地からモンスター1体を選んで除外できる。
「蟲惑魔」が映ってる「落とし穴」その2。「蟲惑魔の森」で新規登場した。
いつものゴブリンみたいなモンスターが今度はプティカとランカの本体に襲われている。美少女達は例に漏れずしてやったりの冷笑。
しかし懲りないなお前らも。

条件を満たしていれば特殊召喚成功時でなくても打てて、さらに墓地のモンスターも除外できる「落とし穴」。
効果対象と効果だけだと奈落でおk……となりそうな性能だが、こちらは条件を満たせばフリーチェーンで打てる点がミソ。
「召喚・特殊召喚時に効果を発動できない」「カードの効果に対してチェーンできない」といった今までの「落とし穴」の天敵であっても除去できる。
また追加効果の墓地のモンスターを選んで除外する効果も、破壊処理とは別に行うため地味ながら嫌らしい。
時の任意効果である破壊時効果はこれだけでタイミングを逃すうえ、破壊時効果持ちを破壊直後に除外することで破壊時効果を発動させないことも可能。
もちろん破壊したモンスターとは別のモンスターを除外し、破壊時の蘇生などを防ぐといったことも可能。
こういった点から、今までの「落とし穴」のまさしく穴をケアする効果と言える。
難点はやはり攻撃力制限と効果は無効にしない点。


●ホールティアの蟲惑魔
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
このカードは手札から通常罠カード1枚を捨て、セットしたターンに発動する事もできる。
(1):このカードは発動後、通常モンスター(植物族・地・星4・攻400/守2400)となり、
モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「蟲惑魔」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
黒い鱗の様な体表を持つ蠱惑というより禍々しい印象を抱く物悲しげな女性、その正体は本当に「蟲惑魔」なのか。
キバナツノゴマ、学名を「イビセラ・ルティア」。
葉の表面に粘液を分泌して虫が捕まる様になっているが、実は単にベタベタしているだけで、捕まえても消化できずにそのままなんだとか。
その為、厳密には食虫植物ではない。
このあたりが「『蟲惑魔』の名前を持つものの、モンスターとしての効果を持たない扱い」という形で反映されているのだろうか。
実の刺々しい形から通称「悪魔の爪(角)」とも呼ばれる。禍々しい容姿はこの辺りを意識しているのだろう。
言葉も話せない「なりそこない」であり、基本的に大きな葉の下に隠れている。

「蟲惑魔の森」で新規登場した通常罠。
今までいそうでいなかった、そして使い手の誰もが欲しがっていたの罠モンスターの「蟲惑魔」。しかも「ホール」名称付き。
「ホール」と付いた通常罠かつ、発動後はレベル4の「蟲惑魔」なので「蟲惑魔」のサポートの恩恵を100%受けられる様になっている。
ちなみに「幻影騎士団」式のモンスターの間は罠扱いにならない罠モンスターなので、ティオやリセの除外デメリットを踏み倒せたりもする。

また通常罠1枚という追加コストこそ必要なものの、セットしたターンに発動して特殊召喚できる。
これが非常に優秀で、トリオンからサーチすればそのまま展開に繋げられるようになった。
前述した通りそこから展開を繋げることでカズーラ・ティオ・リセの効果も十全に活用できるようになる。
なおアトラがいて手札から直接発動可能な場合は手札コスト無しで即座に特殊召喚できる。地味に便利。

墓地効果についても蘇生効果なので当然優秀。しかも罠の効果なのでフリーチェーンで相手ターンでも打てる。
キノを蘇生して魔法・罠に耐性付与したりトリオンやプティカで除去したりと様々な動きが可能。
セラが居ればそこから更に「ホール」「落とし穴」を用意できる。
またコストで自身を除外するため、《狡猾の落とし穴》の条件を邪魔しないのもありがたい。
ただし当然だが2つの効果は1ターン中にどちらか1つしか使えないので取捨選択には注意。

ちなみに罠モンスターという自身を特殊召喚しないといけないため、《フレシアの蟲惑魔》の効果では墓地に送れないという裁定が出ている。
無理やり墓地に落として蘇生効果を使うということはできないので注意しよう。



【魔法カード】


●蟲惑の誘い
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):昆虫族・植物族のレベル4モンスター1体または通常罠カード1枚を手札から捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
(2):墓地のこのカードを除外し、除外されている自分の、
昆虫族・植物族のレベル4モンスター1体または通常罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキの一番下に戻す。
手招きするフレシアとその傍らで寝息を立てるキノ。
……勿論、後ろにはキノの本体がスタンバっている。

「蟲惑魔の森」で新規登場した通常魔法。
特定の手札を1枚コストにしたドローソース。更に墓地効果として除外カードをデッキに回収する。

「落とし穴」以外のカードを引き込めるドローソースはありがたい。
しかし【蟲惑魔】に入るカード墓地効果を持つカードはあまり無いため、《灰流うらら》を打たれると途端に苦しくなってしまうのがネック。
どちらかというと墓地で効果を発揮する通常罠を多数抱えるデッキで輝くカードだろう。
バージェストマ」あたりであれば能動的に墓地を肥やしつつドローできて相性が良い。


●蟲惑の園
フィールド魔法
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに「蟲惑魔」モンスター1体を召喚できる。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分の昆虫族・植物族モンスターは、それぞれ1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
(3):自分フィールドのモンスター1体を除外して発動できる。
自分の手札・墓地から「蟲惑魔」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
開けたモウセンゴケの群生地に一人佇むセラ。
陰うつな密林のイメージとは真逆に、輝くモウセンゴケの雫が神秘的ですらある。
といっても、迂闊に踏み込んだら即食べられてしまうのだろうが。というかもう目の前に葉っぱが…

「蟲惑魔の森」で新規登場したフィールド魔法。
長らく《ナチュルの神星樹》や《ブラック・ガーデン》住まいだった「蟲惑魔」達にも遂にホームグラウンドが追加された。
「蟲惑魔」モンスター限定の召喚権追加、特定種族への戦闘耐性の付与、フィールドのモンスターをコストにした展開効果を持つ。

召喚権追加と戦闘耐性は展開と戦闘が苦手な【蟲惑魔】の弱点をシンプルにカバーできる非常に強力な効果。
指定が緩めなので「蟲惑魔」純正だけでなく他の植物・昆虫族との混成でも使いやすい。

展開効果は味方モンスター除外のコストは重いものの墓地からの蘇生も可能。特殊召喚に反応する蟲惑魔ならそのまま次の展開に繋げられる。
効果を使い終わるなどして場に持て余した「蟲惑魔」や、アロメルスで奪った相手モンスター等を上手く活用したい。



【ホール・落とし穴一覧】

「蟲惑魔」とは切っても切れない関係にある罠カードのみなさま。
落とし穴(遊戯王OCG)の記事も参照。
あくまでここでは【蟲惑魔】での使い方を述べる。

  • 《異次元の落とし穴》
通常罠
相手がモンスター1体を守備表示でセットした時に発動する事ができる。
セットしたそのモンスター1体と自分フィールド上のモンスター1体を
破壊してゲームから除外する。
セットされたモンスター…となぜか自分のモンスターも破壊除外する「落とし穴」。
一応《月読命》や《月の書》とコンボできるが…。
セットを多用する【ゴーストリック】や【シャドール】等には刺さるかもしれない。でもやっぱり自分も除外するのは痛い。

イラストでは《セコンド・ゴブリン》が落っこちている。どうやら《もけもけ》に突き落とされた模様。

  • 《大落とし穴》
通常罠
同時に2体以上のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。
フィールド上のモンスターを全て破壊する。
2体以上の同時特殊召喚に反応して全モンスターを破壊する「落とし穴」。
普通に使えば《激流葬》の下位互換。【蟲惑魔】としても《奈落の落とし穴》が複数破壊できるので優先する理由がない。
一応差異として大量展開終了後に全て破壊する事も可能だが…。
極めつけは《落とし大穴》と名前がややこしい。機会は無いだろうが宣言時には注意しよう。

何度も述べてきたとおりイラストのモンスター達は他の「蟲惑魔」関連カードでも痛い目を見ている。
だが実は、こいつらはそれより前にもそれぞれが別の「落とし穴」の被害に遭っていたりする。

  • 《落とし穴》
通常罠
(1):相手が攻撃力1000以上のモンスターの召喚・反転召喚に成功した時、そのモンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃力1000以上のモンスターを破壊する。
除去罠カードの最古参にして「落とし穴」の開祖。
特殊召喚に対応しない弱点はあるが、登場した頃は通常召喚が主流だったのであちこちでモンスターが落ちていた。
とはいえ現代の遊戯王においても「通常召喚」の占めるウェイトは意外と重い。
奈落を全て使い切ったと安心して通常召喚したときに、普通の《落とし穴》に落とされた相手デュエリストのショックは計り知れないだろう。
【蟲惑魔】だとフレシアでデッキからコピーできるのでピンで入れても面白いか。

原作においては「攻撃してきたモンスターを破壊し、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える」という《炸裂装甲》と《魔法の筒》の両取りのような効果だった。

余談だが実は「ホール」「落とし穴」関係で唯一の制限カード経験者
しかも《サンダー・ボルト》《ブラック・ホール》と並んで、制限カード制が導入されてから初の規制であった。
違和感があるかも知れないが、当時は本当に最強の罠カードだったのだ。
…まぁ次の改正であっけなく制限解除されてしまったのだが。

イラストでは《大落とし穴》の面子の内、肌色の鬼っぽいやつが被害に遭っている。

  • 《狡猾な落とし穴》
通常罠
自分の墓地に罠カードが存在しない場合に発動できる。
フィールド上のモンスター2体を選択して破壊する。
受動的な効果が多い「落とし穴」には珍しい、能動的に発動できる「落とし穴」。
フリーチェーンでノーコストの2枚除去は確かに強いが、自分の墓地に罠カードがあると発動できないというキツすぎる発動条件がある。
勿論このカードも罠カードなので、一度発動した場合墓地のをどうにかしないと2枚目以降を発動できない。
しかし元々罠カードは遅い故に採用枚数が少なく、フレシアは汎用ランク4エクシーズであるため、これとフレシアだけが出張し罠カード採用率トップに躍り出た事もあった。

現在では他にも強力な罠が増えているので出張カードとしては評価が下がった。
【蟲惑魔】においては唯一のフリーチェーン「落とし穴」としてティオで使いまわす「狡猾軸」というタイプがたまに環境に顔を出している。

イラストではゴブリン2体が落っこちている。地味に《大落とし穴》の奴らとはデザインが違うので別個体のようだ。

  • 《蟲惑の落とし穴》
  • 《狂惑の落とし穴》
通常罠
(1):このターンに特殊召喚された相手フィールドのモンスターが効果を発動した時に発動できる。
その効果を無効にし破壊する。

通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手がモンスターの特殊召喚に成功したターン、
相手フィールドの攻撃力2000以上のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後、自分の墓地に「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カードが存在する場合、
相手の墓地からモンスター1体を選んで除外できる。
上記を参照。

  • 《深黒の落とし穴》
通常罠
レベル5以上の効果モンスターが特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
そのレベル5以上の効果モンスターをゲームから除外する。
シンクロやペンデュラムの切り札に刺さる「落とし穴」。
エクシーズやリンクには無力なので、素材に刺さってくれることを祈ろう。
名前のルビは「しんこく」だが「しんくろ」とも読める。登場時期やイラスト的にもシンクロメタとしてデザインされていると思われる。

イラストでは《ゴヨウ・ガーディアン》が落ちている。だがゴヨウはこれの登場前に御用されたので実際には落とせなかったりした。

通常罠
(1):相手が攻撃力1500以上のモンスターを
召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。
その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。
長年にわたり「落とし穴」界のエースを務めてきた1枚。
蟲惑魔登場時はトリオンでとりあえずこれをサーチしておけば間違いないくらい強力だった。詳しくは個別項目にて。
この系列で唯一の準制限カードだったが、現在は無制限。
だが第10期辺りからは攻撃力1500未満のモンスターを並べて、いざ高ステータスカードが出たら破壊耐性がある…等の理由で意外と発動できない事も増えてきた。「破壊し」という一文も余計。
メインモンスターが軒並み低ステータスの【魔弾】相手などで腐る可能性も無視できず、枚数が絞られることも増えてきた。
だが攻撃力1500以下を対象とする《断絶の落とし穴》が出てきたことによりフレシアを絡めればどんなモンスターでも除外できるということで再び注目されている…か?

イラストでは《大落とし穴》の面子の内、緑色のゴブリンっぽいやつが被害に遭っている。
だがアニメ出演時の演出より、単なる被害者では無い疑惑も出ている。

  • 《粘着落とし穴》
通常罠
相手がモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
そのモンスターはフィールド上に表側表示で存在する限り、元々の攻撃力が半分になる。
言うなればタイミングが限られる代わりに永続する《収縮》な「落とし穴」。
だが《収縮》の利点はダメージステップに発動できる事にあるので、タイミングが限られるこちらは使いづらい。
破壊せずに相手を拘束するだけなので女の子モンスターを落とした妄想するくらいにしか使えない。
でも「蟲惑魔」達は落ちてくれない。

  • 《硫酸のたまった落とし穴》
通常罠
(1):フィールドの裏側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを表側守備表示にし、守備力が2000以下の場合は破壊する。
守備力が2000より高い場合は裏側守備表示に戻す。
GB版ゲームではお世話になったデュエリストも多いであろう「落とし穴」。
だがOCGでは非常に使いにくい効果となっている。残念ながら裏守備モンスターを破壊するのならもっと有益なカードがある。
一応リバース効果を能動的かつフリーチェーンで発動できる利点があったが、裁定変更でそれすらも出来なくなった不遇のカード。
リバースモンスターを多用するデッキのメタには使える…かもしれない。

イラストでは《大落とし穴》の面子の内、鎧を着た兵士が被害に遭っている。

  • 《煉獄の落とし穴》
通常罠
相手が攻撃力2000以上のモンスターを特殊召喚した時に発動できる。
その攻撃力2000以上のモンスター1体の効果を無効にし破壊する。
特殊召喚全てに対応し、効果も無効にする強力な「落とし穴」。
破壊耐性や誘発効果を持っていても無意味にできる。
破壊耐性を外部から付加される等の理由で破壊できなくとも、効果の無効はできるため相手の計算を崩す事ができる。
攻撃力2000以上の条件がネックだが、現状特殊召喚される切り札のほとんどが当てはまる。
奈落の落とし穴》とは素材かエースのどちらを狙うかで使い分けよう。

イラストでは「氷結界」の三龍が落とされている。「落とし穴」では珍しい背景ストーリーに関わるシーンのカード。
また「煉獄」罠カードなので一部のインフェルノイドカードでサーチできる。だから何?と言われたらそれまでだが。

  • 二重の落とし穴(デュアル・ホール)
通常罠
再度召喚した状態のデュアルモンスターが
戦闘によって破壊された場合に発動できる。
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
名の通りデュアルモンスターに関連した「落とし穴」。
効果は強力だが、発動条件が厳しすぎる。そもそも現在デュアルモンスターが出てくる可能性が低すぎる。
しかしこのカードのルビ故に「蟲惑魔」の対象に「ホール」が追加された…のかもしれない。

「ホール」に対応していない《ゴブリン穴埋め部隊》では発動を防ぐ事ができないので注意。
イラストでもゴブリンの部隊が被害に遭っている。

  • 《ホワイト・ホール》
通常罠
相手が「ブラック・ホール」を発動した時に発動する事ができる。
自分フィールド上に存在するモンスターは、その「ブラック・ホール」の効果では破壊されない。
ブラック・ホール》へのピンポイント過ぎるメタカード
現状《ブラック・ホール》は3枚投入できるので、サーチして設置すれば相手の使用を躊躇させる事ができるかもしれない。
が、「蟲惑魔」は「ホール」と名のついた通常罠の効果を受けない…ということでこのカードの効果も受けず、破壊される
なので《ブラック・ホール》を防ぎたいのであれば、素直に《スターライト・ロード》等を入れよう。
実際に伏せカードの一斉除去が天敵な【蟲惑魔】ではそっちは割と採用圏内。

  • 時空混沌渦(タキオン・カオス・ホール)
通常罠
(1):自分フィールド上の「ギャラクシー」と名のついたエクシーズモンスターが、
相手モンスターの攻撃または相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
相手フィールド上に表側表示で存在するカードを全て破壊し除外する。
また、このカードが墓地に存在する場合、
自分のドローフェイズ時に通常のドローを行う代わりに、
墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の墓地から「ギャラクシー」と名のついたエクシーズモンスター1体を選択して特殊召喚する。
「ホール」「落とし穴」というより、「ギャラクシー」関係のカード。
しかしルビにが「タキオン・カオス・ホール」のため一応カテゴリ入りしている。
故にこれの効果で相手フィールドの「蟲惑魔」の破壊除外はできないので、使用する際は注意しよう。

破壊効果は強力だが効果が受動的かつ【ギャラクシー】のエクシーズは数枚を除いて高ランクしか存在しない為、実質的に発動できるデッキはかなり限られる。また「破壊」にしか対応していないので除外やバウンスには無力なのも注意。
一応「蟲惑魔」ならこのカードをサーチ・サルベージできるため、【ギャラクシー】にトリオンを入れて召喚時効果でサーチするくらいのサポートなら可能。
逆に「ギャラクシー」のカードは高レベルサポートが多いため【蟲惑魔】とは相性が良くないと思われた。

しかし【P.U.N.K】を採用し《緊急テレポート》を絡め、海外で登場しマスターデュエルでも先攻実装された《魔螂ディアボランティス》を出して《ゴキポール》を捨てて《トリオンの蟲惑魔》をサーチ。
《No-P.U.N.K.ディア・ノート》でレベル8モンスターを墓地から蘇生し《魔螂ディアボランティス》とオーバーレイさせ、ランク8の【ギャラクシー】カードをエクシーズ召喚した後《トリオンの蟲惑魔》を通常召喚し《時空混沌渦》をサーチするという方法を取れば両方のカードを活かせる。
ここで召喚するギャラクシーエクシーズは高いステータスに魔法を封じる効果を持つ《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》、モンスター効果を封じる《No.90 銀河眼の光子卿》辺りがおすすめ。特に前者なら低ステータスの蟲惑魔、特に《セラ》を戦闘破壊から守ることが可能。
とはいえ見せ札として使ってしまうと相手に意識させてしまうので、何なら《トリオンの蟲惑魔》で《ホールティアの蟲惑魔》をサーチしそのまま《フレシアの蟲惑魔》をエクシーズ召喚しデッキの中に潜ませるという手もありかもしれない。
他にもセンチュリオン等でレベル8を2体用意できれば選択肢になりえるだろうか。


  • 《串刺しの落とし穴》
通常罠
(1):このターンに召喚・特殊召喚された相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃モンスターを破壊し、
そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。
前述の通り原作とOCGでは《落とし穴》の効果が違うので、混乱を防ぐ為にアニメで作られた「落とし穴」。
城之内が使用し《メタル・デビルゾア》を破壊した。
なかなか強力なカードだが、発動タイミングが限られており意外と使いづらい。
攻撃前に割られたり、召喚したモンスターの効果でこのカードを剥がされどうしようもなくなったり…。
ただフレシアで発動できるので、むざむざ攻撃してきた相手を不意打ちしたりはできる。

ちなみにアニメの城之内は普通の《落とし穴》の方も所持しており、そちらはデュエルクエスト編で使用した。

  • 《時空の落とし穴》
通常罠
(1):相手が手札・エクストラデッキからモンスターを特殊召喚した時に発動できる。
手札・エクストラデッキから特殊召喚されたそのモンスターを持ち主のデッキに戻す。
その後、自分は戻したモンスターの数×1000LPを失う。
登場時期的にペンデュラムメタとして出た「落とし穴」。
大量に戻すとライフがごっそり持って行かれる上、条件を満たせば奈落や深黒でも一掃できるので立場がない。
こちらの利点は能動的にライフを減らせること、デッキバウンス故に破壊耐性を無視すること、落とすモンスターに制限がないことの3つ。

  • 《姑息な落とし穴》
通常罠
(1):相手がモンスターを守備表示で特殊召喚した時に発動できる。
その守備表示モンスターを除外する。
守備表示メタの「落とし穴」。
「超重武者」の他、《戦線復帰》など守備表示で呼び出すカードへの対策となる。
リンク召喚全盛の現在ではちょいと生かしにくいが、素材を揃える過程で《ジャンク・シンクロン》などを使う可能性はある。
サイドデッキに仕込むといいだろう。

ちなみに「姑息」と聞くと遊戯王ファンなら某白い盾の人が浮かぶだろうが、本来の意味は「その場しのぎ、一時しのぎ」。
「卑怯な、卑劣な」という意味は元々誤用だったのだが、現在は両方の意味が併存している、というか後者が圧倒的に多い。

イラストでは狡猾で落ちていたゴブリン2体が穴から這い出しているが、また別の罠に引っかかりそうになっている。

  • 《底なし落とし穴》
通常罠
(1):相手がモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
この効果で裏側守備表示になったモンスターは表示形式を変更できない。
召喚に反応する《砂塵のバリア -ダスト・フォース-》といった趣の「落とし穴」。
バトルフェイズまで待たなくても良い代わりに多くのモンスターを封じるのは苦手。
奈落などと同じく「同時に特殊召喚されたモンスター」なら全てを裏守備にできるため、大量展開デッキや墓地送り時の効果を持つ相手には非常に便利。
ペンデュラム召喚や《ソウル・チャージ》、《ヌメロン・ダイレクト》、《ジャンク・スピーダー》等が格好の的。
弱点は守備表示にできないリンクモンスター。他にも裏守備モンスターも素材に出来る融合主体のデッキには通じない事も多い。
しかし「対象を取らない」「タイミングを逃さない」「裏守備にして放置するというほぼ抵抗手段が無く再利用も難しい無力化」という対処のしにくさ。
特に《拮抗勝負》や《無限泡影》、【クシャトリラ】といった「フィールドにモンスターorカードがない状態で発動できるカード」にはめっぽう強い為に、2023年現在の蟲惑魔ではトップクラスに優先したいカードと言える。
ただし融合、アドバンス召喚主体のデッキには弱いので注意しよう。


  • 《電網の落とし穴》
通常罠
(1):相手がデッキ・墓地からモンスターを特殊召喚した時に発動できる。
そのモンスターを裏側表示で除外する。
蘇生・リクルートに対応した「落とし穴」。
召喚を防ぐだけでなく、その後の再利用も完全に防げる優秀なカード。
《煉獄の落とし穴》比べると攻撃力2000より下も除去できるが、手札・エクストラデッキ・除外ゾーンからの特殊召喚には対応していない。
《時空の落とし穴》とは手札・エクストラデッキからの召喚を防げる対のような関係。
デッキに両方あれば、フレシアで除外ゾーン以外からの特殊召喚をシャットダウンできる。

  • 《絶縁の落とし穴》
通常罠
(1):リンクモンスターがリンク召喚に成功した時に発動できる。
フィールドのリンク状態ではないモンスターを全て破壊する。
リンク召喚メタとなる「落とし穴」。
《激流葬》に近いカードで、リンク先に気を付ければ自分のモンスターを守れる。
一方でフレシアの効果でコピーした場合モンスター効果になるので、リンク状態でないと自爆してしまう事に注意。
自分がリンク召喚しても発動できるため、攻め込む時に使うべきだろう。

  • 連鎖空穴(チェーン・ホール)
通常罠
(1):魔法・罠・モンスターの効果の発動にチェーンして
相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。
その効果を無効にする。
その後、相手はこの効果で無効にされたカードと
元々のカード名が同じカード1枚を手札・デッキから選んで除外できる。
除外しなかった場合、自分は相手の手札をランダムに1枚選んで除外できる。
効果発動にチェーンしてきたモンスターの効果を無効にする「ホール」。その上相手のカードを1枚除外することができる。
上手く行けばハンデスすることも可能で、そうでなくても相手の動きを阻害することが可能。
また、自分のに限らず相手が相手の効果にチェーンした時にも発動可能なので、地味に厄介なカード。
《蠱惑の落とし穴》と同じく、フレシアでコピーすれば一種の無効化効果持ちモンスターとして運用できるのもポイント。

このカードが登場するまで「ホール」通常罠は【蟲惑魔】とのシナジーがどれも皆無であり、名称指定の意味があまり無かった。
だがこのカードの登場で、【蟲惑魔】において「ホール」を能動的に組み込む意味が初めてできた。

  • 《墓穴ホール》
通常罠
(1):手札・墓地のモンスターまたは除外されているモンスターの効果を相手が発動した時に発動できる。
その効果を無効にし、相手に2000ダメージを与える。
最近数を増やしている手札誘発や墓地・除外ゾーンからのモンスター効果。それらを無効化できてダメージまで与えられる素晴らしい「ホール」。
「落とし穴」の効果はどうしてもフィールドへの干渉に偏るため、フィールド「以外」に干渉できるこの効果は《連鎖空穴》と合わせて貴重。
このカードの存在により、「フレシアが立っているだけで手札誘発を抑えられる」状況を作り出すことができる。
フィールドに干渉できないという唯一にして最大の弱点も、フィールドに干渉する「落とし穴」と好きに使い分けできるフレシアがいれば解決する。
ちなみに「『発動した効果』を無効化する」というテキストなので、チェーンでそのモンスターを蘇生・帰還されても問題ない。覚えておこう。

なお「蟲惑魔」の耐性はフィールドでしか適用されないため、《ジーナの蟲惑魔》等の手札・墓地効果は無効化されうる。
ミラーマッチでは特に注意が必要なカードである。

イラストは《墓掘りグール》《墓穴の指名者》《浅すぎた墓穴》と言った墓穴軍団が穴を掘りまくっているというもの。非常にコミカルである。

  • 《断絶の落とし穴》
通常罠
(1):相手が攻撃力1500以下のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。
その攻撃力1500以下のモンスターを裏側で除外する。
第12期早々に登場した落とし穴。《奈落の落とし穴》の対となるカードであり、こちらは攻撃力1500の小粒モンスターを裏側除外できる。
素材となりがちな低ステータスモンスターは自己蘇生や召喚が安易な為、それを裏側除外というほぼ再利用が不可能な状態にできるのは非常に大きい。特にペンデュラムにはぶっ刺さる。
とはいえそこまでならフィールドに残って相手の邪魔になる《底なし落とし穴》でも問題ないかもしれないが、《断絶の落とし穴》はリンクモンスターも除去できるのが大きい。「破壊」が絡まないのも地味な利点。
これと《奈落の落とし穴》があれば理論上どんなモンスターでも除去できる!…と言いたいが、正直蟲惑魔が一番欲しいのはフリーチェーンの落とし穴、ホールなので、今更こんなのが来ても…という意見が多かった。強力なカードなのは間違いないが

  • 《タイム・ディメンションホール》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分のデッキをシャッフルする。
その後、自分のデッキの一番上のカードをめくる。
めくったカードが通常召喚可能なモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚する。
違った場合、または特殊召喚できない場合、めくったカードをデッキの一番上か一番下に戻す。
フリーチェーンで打てるホールでありかつ成功すればモンスターの頭数を増やせるカード。
…だがギャンブル性が強すぎる
最初にデッキをシャッフルするために確実にモンスターを召喚する事はできない上に、蟲惑魔は罠カードの比率も多めになりがちなので活用は難しい。
これなら確実に頭数が増やせてかつ墓地に送られても問題ない《ホールティアの蟲惑魔》の方が確実に有効
敢えて採用する価値を見出すのであれば【ほぼモン】にトリオン辺りと一緒に入れてエッセンスにするか、《フレシアの蟲惑魔》でフリーチェーンで打てるホール罠カードとして使うかくらいだろうか。
ただしこちらは蟲惑魔以外も召喚可能で特殊召喚時の効果の使用も可能なので【春化精】等とモンスターが多くなりがちな混合デッキなら採用されるかもしれない。尤もそういうデッキは《狡猾の落とし穴》が主体なので罠が多くなると困っちゃうのだが
地味に手に入れにくいカードの為に自慢に使うのが一番の使い道とか言わない。




  • 余談:通常罠以外の「落とし穴」「ホール」罠カード
《セイバー・ホール》はカウンター罠なので「蟲惑魔」でも普通に落っこちる。
《落とし大穴》は海外ではかつては《Dark Trap Hole》と名前に「ホール」が入っていながら「蟲惑魔」には関係ない特殊な裁定となっていた。
が、2013年に《Darkfall》に改名された。
《機動砦 ストロング・ホールド》は過去は通常罠だったのだが、現在は永続罠にエラッタされているので残念ながら対象外となってしまった。



【蟲惑魔デッキ】


デッキテーマ・カテゴリの類としては中の上くらいのカード群。
罠カードを中心としたデッキである性質上、先攻を取れた時の強さは環境レベルだが後攻の場合は何もできないという非常にピーキーなデッキ。

特に「蟲惑魔」1枚とブリガンダインかホールティアがあるだけでフレシア+「落とし穴」「ホール」二つは確実に用意できる動きがあるのは大きい。
運よくジーナやエクレシアがいれば《FNo.0 未来龍皇ホープ》まで出せる。
そこまでいかなくとも先攻を取れれば、各種罠とセラによってかなり制圧気味に動ける。高いポテンシャルを誇ると言えるだろう。

カード単体で見た場合、彼女達は「1つ1つは弱くはないし優秀なのだがちょいちょいパワーかなんかが足りてない」というテーマではある。
特に打点・攻撃力不足が気になるところ。とはいえ全員が通常召喚できるレベル4でステータスも著しく低いわけではない。
しかし現環境においては「ホール」「落とし穴」カードの性能…というか発動条件の微妙さが一番のネックとなっている。
《墓穴ホール》《狡猾な落とし穴》といった光るカードはあるものの、それ以外のほとんどがタイミングが限られすぎているというのが現状である。
「『蟲惑魔』の効果を最大限に活かすには『落とし穴』を多く入れる必要があるが、『落とし穴』を入れれば入れるほどデッキとして弱くなる」
というジレンマを抱えていると言えるだろう。
この辺りはストラクチャーデッキによって「蟲惑魔」側の動きが円滑になったためかなり改善された。

さらに《ハーピィの羽根帚》や《ライトニング・ストーム》といった「伏せ全除去」1枚で壊滅するというのも常に付きまとう。
こればかりは【蟲惑魔】というより【罠ビート】全体の弱点なので、対処無しで打たれたら諦めるしかない。
キノや《天獄の王》《やぶ蛇》等のそれなりにケアできるカードが増えてきてはいるが、無い場合のケアも考えなければならない。

2022年4月現在、【罠ビート】全体が環境の主流から少し離れた場所にいるため、意外と環境の「地雷」になりえる。
が、逆に言うと将来【罠ビート】が環境で増えたりすると対策も増え、自動的に【蟲惑魔】にも逆風となってしまう。
明確な弱点となるカードが多いがメタられるかどうかは環境次第という、本人たちの強さに関わらず不安定な位置取りにいる。

と否定的な事ばかり述べたが、デッキの自由度はかなり高めなため、別テーマの力を借りたりプレイングで十分カバー可能である。

基本コンセプトは「通常召喚を主軸にモンスターを展開し、相手の展開は『落とし穴』で防ぐ」というもの。
EXデッキからの召喚に依存しているわけではないので、基本どんなカードでも入るだろう。
ただ他のカードと組み合わせているうちにアトラとかカズーラ辺りが抜けそうになるかもしれない。ここからは愛の見せ所。
ここもストラク…特にホールティアの登場によりだいぶやりやすくなった。

他環境デッキと絶望的な差があるわけではない強いテーマなのは間違いなく、デュエリストの腕前が問われるデッキの一つと言えるだろう。

またその性質上ミラーマッチになると酷い泥沼試合になりがち。
頼みの綱の「落とし穴」が効かず、その分他のモンスターが即座に除去されてしまうため、貧弱な「蟲惑魔」達でペチペチ殴り合うしかやることがない。
前述の通りフレシアの効果でエクシーズ・リンクモンスターに狡猾等を通すか、アロメルスやアトラの高い攻撃力でなんとかするか。
もしくはトリオンで相手の伏せを破壊して先に強力モンスターを出すか、セラを出される前に「落とし穴」以外の罠カードで初動を潰すか。
いずれにせよプレイングが勝利の鍵となるだろう。



【相性のいいカード】

2022年12月現在はストラクチャーデッキの登場により純構築でもかなりのパワーを出すことが可能となったが、それまでは個々の能力を最大限に活かせる点と点をつなぐ線のようなモンスターが足りなかった。
そのためずっと「蟲惑魔」を支えてきた他のカテゴリにサポートを頼んでいた歴史がある。
なので少し情報が古いのは留意願いたい。


地属性の植物族・昆虫族をリリースすると、逆の種族のモンスターを蘇生する永続罠。
墓地に落ちたティオやトリオンの効果発動に役立つが、特にカズーラと相性がよい。
攻撃力の低い彼女をコンバットトリックでカバーしたり、逆に特殊召喚して強力な効果を使用したりできる。

  • 《ブラック・ガーデン》巣その2
出てきたモンスターの攻撃力を永続的に半減することが可能な上、フィールドの植物族を全破壊して自分の墓地から攻撃力の合計が同じなモンスター1体を蘇生する効果も持つフィールド魔法。
自前でも攻撃力半減時に「ローズ・トークン」という攻撃力が800のトークンを出せるため、攻撃力が800の倍数であるトリオン・カズーラ・セラの蘇生ができる。
裁定が非常にややこしく使いにくいカードだが、ハマれば相手の動きを阻害し自分はジャンジャンモンスターを特殊召喚できる強力なカードである。
ただし《ブラック・ガーデン》のサポートカード達は【蟲惑魔】とはあまり相性が良くないので投入枚数は考えたいところ。

  • 《パラレルエクシード》非常食のウナギ
リンク召喚に成功した時に特殊召喚でき、デッキから同名カード1枚を引っ張ってくるモンスター。
自身の効果で特殊召喚されるとレベル4になるため、ランク4エクシーズが行いやすくなるサポートカード。
【蟲惑魔】はメインデッキに入るモンスターが全てレベル4で、かつ特殊召喚条件となるリンク召喚をしやすいセラがいるため非常に相性がいい。
こいつを採用する場合はランク4エクシーズモンスターをジャンジャン展開、相手の展開は各種「落とし穴」に任せる戦い方になるだろうか。
しかし素のステータスは貧弱なレベル8モンスターなので、リンク召喚が出来ない状況や手札に2枚来ると腐ることに注意したい。

  • 《フォーマッド・スキッパー》非常食のハゼ
EXデッキのカードの情報をコピーしてリンク召喚に使えるモンスター。リンク素材になると高レベルサイバース族のサーチもできる。
セラやフレシアを指定すれば「蟲惑魔」の振りをしたカードとなり、更に前述の《パラレル・エクシード》がサーチできる。
エクシードを使い切ったあとでも最悪セラになれるので仕事はできる。
《パラレル・エクシード》を採用するのならこちらも入れてみると面白いかも。

最近話題の大食い娘。一緒にごはんですね!
食いしん坊同士でフレーバー的にも「蟲惑魔」に合うが、彼女の最大の魅力はEXデッキのモンスターが居るだけで特殊召喚できるお手軽展開能力。
つまりセラを出すだけで出せる
ここからでかいヴェーラーもとい《教導の騎士フルルドリス》に繋げば【蟲惑魔】に不足しがちな火力を増強できたり、《ドラグマ・パニッシュメント》をサーチして除去したりなども可能。
手札に「ドラグマ」を加える効果を使用しなかった場合は単なる素材としてランク4エクシーズにつなげることも可能である。
「ドラグマ」ギミックを組み込まない場合は、同じくレベル4でもっと出しやすい《白の聖女エクレシア》の採用もあり。
連続召喚や伏せ破壊をされるとジリ貧になりやすい「蟲惑魔」達のサポートにも使える上に、シンクロギミックも仕込める。
ただし《ドラグマ・パニッシュメント》は強力だが、EXのモンスターに頼りがちな【蟲惑魔】にとってデメリットは大きいので使い所に注意しよう。

レベル4モンスターになる通常罠カード、いわゆる罠モンスター。墓地に罠が無ければセットしたターンにも発動できる。
通常罠なこのカードのおかげで、先攻1ターン目からセラの効果が使用できる。
勿論墓地に罠カードがあれば単なる遅いタイミングで出る弱小モンスターになるのだが、それでもランク4エクシーズに使えるので決して無駄にならない。
とはいえそれだけではどうしようもない状況も割と多いのだが。
なおモンスター化した後は罠カードとして扱わないので、サイクロンなどに阻害されないのは大きな利点。

後に似たような効果のホールティアが登場したが、「蟲惑魔」は手札1枚が割りと重いので、カードの消費無しで使えるこいつもまだまだ出番がある。
両方採用した上で素引きできればこちらを、中盤以降で引いて腐った場合はホールティアのコストに、とすれば無駄が無い。

罠カードを大量に使う関係上、セットが多くそのセットカードを狙われると手も足も出ない。
そういう時に役立つのが魔法・罠ゾーンにセットする形となる「アーティファクト」の面々。
ただしレベルや属性が違うためどちらにも使用できるサポートがそれほど多くなく、構築バランスが非常に難しい。
しかし《アーティファクト・デスサイズ》を通せば相手の動きをかなり阻害できる。
最悪の場合そのまま押し通すことも可能な為、狙ってみるのも良いかもしれない。
海外ではこれにギラグのカード《アイス・ハンド》と《ファイヤー・ハンド》を組み合わせた【HAT】が一時期環境で活躍していた。
2022年現在は「アーティファクト」はともかくハンド系は相手依存で少し遅いためは活躍は難しいか。
ストラクチャーデッキには《アーティファクト・モラルタ》と《アーティファクトの神智》、そして上述のハンドモンスターが再録されている。
見覚えの無い《サンダー・ハンド》とかも居る
どうやら公式もかつての【HAT】の活躍を把握しているようだ。

カードが縦列に2枚以上並んでいると手札から特殊召喚できる効果を持つ、サイキック族主体のテーマ。
伏せ主体の動作に加えて簡単に出せるセラの存在からすぐに縦2枚となり、「ジャックナイツ」の特殊召喚条件を簡単に満たすことが可能。
攻撃力は最大2500止まりだが、打点不足および手数不足がネックの【蟲惑魔】にとってこのサイズを手軽に展開できるのは結構有り難い。
出張要員としては互いをサーチ可能で手札を補充し続けられる《紫宵の機界騎士》と《蒼穹の機界騎士》辺りが優秀。
リンクモンスターの《明星の機械騎士》も組み合わせると「星遺物」系のカードもサーチ可能になる。
ほぼ《死者蘇生》と同等の効果の《星遺物を継ぐもの》等、優秀なカードをピンポイントで引き込める。
どうでもいい話だが、この2種の混成デッキは【JK蟲惑魔】というなんとも危なっかしい名前で呼ばれることが多い。
こちらもストラクチャーデッキにて《紫宵の機界騎士》と《蒼穹の機界騎士》の出張セットが再録されている。

自分のターン中に手札から相手のエンドフェイズ時まで公開することでセットされたカードを破壊から守る大型モンスター。
さらにセットカードの発動時に自身を手札から特殊召喚できる。
ステータスは攻守3000と非常に高く、セットカード頼りな所が多く打点に乏しい【蟲惑魔】にはうっうてつけ。
公開と特殊召喚は1ターン中どちらかしか出来ないが、相手ターンに「落とし穴」を使って妨害していくデッキなのであまり気にならない。
公開中に自身の効果で特殊召喚に成功した場合、デッキから任意の魔法・罠をサーチしてセット可能というオマケつき。
使わなければ次ターンのエンドフェイズに除外されてしまうが、ランカの効果でバウンスすれば問題なし。
上の「ジャックナイツ」共々、レベルが高いので《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》の素材にすると強力な耐性を得られる。

実は「蟲惑魔」には他のテーマとは違いカテゴリの魔法カードが存在しない。
ストラクチャーデッキで関連魔法は登場したが、厳密にはカテゴリ無いではない。
サーチも各「蟲惑魔」だけで可能な為、魔法カードは入れなくてもかなりの動きができる。
となるとこれらのカードで魔法カードを防いでしまっても、自分よりも相手に突き刺さるだろう。
【蟲惑魔】が苦手とする伏せ除去魔法や【閃刀姫】に対する明確な対抗札となってくれる。
《魔封じの芳香》は相手が次ターンに使おうと伏せたカードをトリオンで次々破壊できるため相性も良い。
魔封じで伏せさせて次ターンで使ってきた《ハーピィの羽根帚》を《王宮の勅命》で封じれば、相手の心は折れたも同然だろう。
相手が魔法・罠を使わないデッキだった場合でもジーナのコストに使用できる。
ただし「蟲惑魔」だけでは発動したこれらを自前で除去できないため、その辺りだけは注意しよう。

…しかし勅命は2022年4月から禁止カードとなる。
魔封じの方は以前無制限カードなので、魔法・罠カード除去に悩まされているのなら採用してみてはいかがだろうか。
また魔法を封じたいのであれば、豊富なレベル4を使用した《No.39 希望皇ホープ・ダブル》→《No.99 希望皇ホープドラグナー》からの
《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》という手もある。
魔封じに加えコイツを出されたら、魔法主体であれば非常に辛い展開にできるだろう。

新カテゴリ「ラビュリンス」のメイド2人組。
罠カードで相手モンスターを除去したときに1ドローできる効果は、【蟲惑魔】に足りないドローソースとなりえる。
また同じレベル4である上に互いにサーチや特殊召喚できる効果を持つため、これまた【蟲惑魔】に足りない少ない枚数からの切り返しが可能である。
他にも《ウェルカム・ラビュリンス》を組み込んで《白銀の城のラビュリンス》を召喚し打点補強するのも面白い。
ただし彼女たちは「通常罠」というより緩い条件がトリガーとなっているため、下手したらデッキを乗っ取られかねないが。
とはいえ召喚権を使うことや《ウェルカム・ラビュリンス》のデメリット効果などが噛み合わずロマンコンボ寄り…だったが、手札戻しのデメリットが蟲惑魔ではペイできる《ビッグウェルカム・ラビュリンス》の登場で割りと現実的になった。

  • 《迷宮城の白銀姫》 ノウハウを学びに来たポンコツお嬢様
そんな「ラビュリンス」のお姫様の戦闘形態。
通常罠カードを使うだけで攻撃力3000守備力2900かつ条件付きで耐性持ちのモンスターが降臨する。
それだけでなく通常罠カードを発動させた際にそれとは違う好きな罠カードをセットできる効果まで持っており至れり尽くせり。
【蟲惑魔】の欲しいもの全てを背負ってやってきた。
【蟲惑魔】は初動が通常召喚からなので、それを食わない特殊召喚可能モンスターというのもまた魅力的。
しかし特殊召喚は守備表示のみの為、天獄さんのように追撃はできないので注意しよう。

  • 《ディメンション・アトラクター》赤ずきんならぬ黒ずきん
手札から捨てることで相手の墓地に行くカード全てを除外する、生きた1ターン限りの《マクロコスモス
【蟲惑魔】はティオやジーナで墓地利用することも少々はあるが完全に依存しているわけではなく、墓地を封じられてもそれほど痛くない。
むしろ後攻での動きに非常に弱い【蟲惑魔】にとって、墓地を絡めて制圧してくる近年の環境デッキを封じられるこのカードはまさしく救世主と言える。
また《狡猾な落とし穴》のトリガーである「墓地に罠カード0」も満たしやすい。
反面フレシアの「落とし穴」代用効果が発動できなくなり、ジーナは「落とし穴」が効かないだけバニラと化してしまう。
他にも《ドラグマ・パニッシュメント》が単にEXゾーンからの召喚ができなくなるだけのカードとなるのがキツイ。
エフェクト・ヴェーラー》など一部の手札誘発も発動できなくなる。
影響が少ないとは言え皆無ではない辺りには注意しよう。
そして何より初手に来なければ腐るというこのカード自体の問題はついて回る。
バージェストマ・ディノミスクス》辺りの手札コストが必要な通常罠カードでも入れてケアするか、いっその事そういうもんだと諦めてしまおう。

こいつと相性悪い奴を探すほうが難しいかもしれないが、【蟲惑魔】にとっても彼はとても頼りになる。
というのも【蟲惑魔】に欠けている能動的な破壊効果・打点・フィールドを素材を使わない展開の全てを兼ねそろえているからだ。
また【蟲惑魔】は展開力は中途半端にある為《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が出しやすい。
セラ→ブリガンダインの展開を《灰流うらら》などで止められたのちにアナコンダにつなぎケアする動きもよく見られる。
弱点としてはそのアナコンダさんがOCGでは禁止カードなので素材カード2枚が初手に来るだけで機能不全に陥るあたりだろうか。

逆に敵に来た場合は非常に困る。どうにか墓地で効果を発動した際に《墓穴ホール》をぶち当てたいところ

前者は植物族同士、後者はレベル4同士ということで相性がいい。
特に2カテゴリ共に通常召喚権を使わない展開方法を持つため、初動が通常召喚に頼りがちな【蟲惑魔】と召喚権を食い合わないことが魅力的。
「六花」の展開力、「エクソシスター」の墓地封じ+除去は双方とも【蟲惑魔】に欲しいもの。
逆に「蟲惑魔」側は彼女たちの弱点である相手ターンでの対抗が可能であるため、各カテゴリの弱点をうまく補い合っている。
また蟲惑魔はティオやジーナなど墓地に触れる効果も多いため《エクソシスター・マルファ》を刺激できる。
予め落とし穴、ホールを墓地に落としておいて罠カードである《エクソシスター・バティス》を使いマルファを出しつつセラの効果を誘発→ティオを特殊召喚し落とし穴を墓地から回収→マルファの効果発動と動けば相手にとったら辛い戦いになるだろう。
この3つを組み合わせたデッキがトップ環境で結果を残したこともあり侮れない。

  • 《ナチュル・ビースト》 蟲惑魔ズ・ペット・ライオン
ターン1制限がない魔法封殺効果を持つが、チューナーと非チューナーの両方に地属性縛りを持つシンクロモンスター。
メインデッキの「蟲惑魔」は全て地属性のレベル4なので、レベル1の地属性チューナーを用意すれば出せる。
チューナーは自分フィールドに効果モンスターがいない場合に手札から特殊召喚できる《天威龍-アーダラ》や《シンクロ・オーバーテイク》によるリクルートに対応している《スーパイ》などがオススメ。
2023年4月より《グローアップ・バルブ》がまさかの釈放と相まったのでより出しやすくなった。

  • 《竜咬蟲》 蟲惑魔ズ・ペット・ドラゴン
召喚成功時に手札から昆虫族「蟲惑魔」を特殊召喚できるレベル4チューナー。
そのままレベル8シンクロやランク4エクシーズへと繋げられる。

  • 《サークル・オブ・フェアリー》 自家用車
レベル7のシンクロモンスター。
植物族または昆虫族の召喚権を追加できるため、召喚時の効果が多い【蟲惑魔】との相性は良い。
チューナーは墓地に植物族または昆虫族がいれば特殊召喚出来る《円喚師フェアリ》がオススメ。

  • 《騎甲虫アームド・ホーン》 自家用車その2
昆虫族を汎用的にサポートする「ビートルーパー」の中でも【蟲惑魔】と一番相性が良い一枚。
召喚権を追加出来るためランカやトリオンで更にサーチできるようになる。
リンク2と出しやすく、また墓地から蘇生もできるため更なる高リンクにも繋げられる。
上手くいくとアティプス三連打とかできるそうな。
ちなみにランカとの組み合わせは【ビートルーパー】においても強い。

  • 【蕾禍】 森に新しくやってきた仲間
昆虫族・植物族・爬虫類族版の鉄獣めいた新テーマ。黒い泥、或いは蔓で形作られたジャパニーズホラーな面々。
墓地の三種族の除外、または逆に除外されている三種族をデッキに戻す事で特殊召喚を行ったりするカードが多く、別アプローチからの展開手段が増えるため蟲惑魔との噛み合わせも良好。
何よりテーマ内罠である《蕾禍大輪首狩舞》は好きなタイミングで撃てる除去効果持ち通常罠であり、それをサーチできる《蕾禍ノ御拝神主》も蟲惑魔の展開ルートで簡単に出せる。
削ってしまった墓地リソースは《蕾禍ノ矢筈天牛》で回復しつつさらなる展開も狙え、サーチ効果のある永続魔法《蕾禍繚乱狂咲》は打点補助のオマケがついていたりと、蟲惑魔の色んな部分を補ってくれる優秀なサポートとなる。


極論を言うと初動が通常召喚でないカード、テーマであるのなら基本的に相性がいい
《蠱惑の園》《時を裂く魔瞳》と言った召喚権を増やすカードも駆使できれば更にシナジーが増える…かも?

【このデッキの弱点】

まず罠主体なため、《ライトニング・ストーム》、《ハーピィの羽根帚》を通した瞬間詰む。
また罠メタの《人造人間-サイコ・ショッカー》《王宮のお触れ》《レッド・リブート》も撃たれるとかなり厳しい。
更に展開もステータスが貧弱なセラが中心なので、先攻1ターン目でも相手の手札から《教導の騎士フルルドリス》なんかが出てきてくると一気に厳しくなる。
つまりこういうことである
  1. :蟲惑魔「こっちですよー! 私たちとイイコトしたい人はこっちですよー!」
  2. :サイコショッカー「(ピピッ)前方に無数の罠を確認。ついでに人造人間だから興味無いね。」
  3. :蟲惑魔「うぎゃああああ! 助けてええええええ!!!」
  4. ???「全くしょうがないなお前たちは」
  5. :蟲惑魔「あ、あなたは戦闘だとほぼ無敵のライトニングさん!!」
というかこの子達を助けてなんの得があるのか。恩を仇で返される末路を迎えると思うが……

ストラクの発売後はショッカー程度なら殴り倒すことも容易になったが、それでも火力をEXモンスターや出張カードに頼り切っている為、特殊召喚を封じられると機能不全に陥りがち。また効果を封じられてもきつい。
具体的には《サモンリミッター》《スキルドレイン》《御前試合》《センサー万別》と言った効果、展開を封じる効果は普通に刺さる。
これらはリンクやエクシーズモンスターでもなぜか無効化できない。
というわけでそれらを平気で封じてくる上に対策で伏せカード除去を環境に増やすエルドリッチ】は大の天敵と言えるだろう。
もっとも《スキルドレイン》がなければトリオンを使いまわすことである程度善戦できるのだが。

伏せカード全てを封じる《電光雪花》や召喚時に「落とし穴」が発動できなくなる《暴走魔法陣》、効果耐性をつける《幻創のミセラサウルス*5も辛い。
そして「相手ターンに効果を発動し盤面を整えていく」という都合上《倶利伽羅天童》は不倶戴天の敵である。

以上のように正直なところ弱点は多いと言わざるを得ない。
とはいえ意外とデッキの自由度は高いため、彼女たちを使うのなら逆風に挫けずに努力したいところ。
ストラクチャーデッキで火力や伏せ破壊についてもある程度自前でなんとかできるようになってきたので、これからの活躍にも期待が持てる。

尤も現状の蟲惑魔一番の問題点は「落とし穴、ホール」カードの性能が時代遅れということであるが…。

【デュエルリンクス】

スマホゲーム『遊戯王デュエルリンクス』にも登場している。
だが2021年3月現在実装されているのはアトラとティオ(と蟲惑の落とし穴)のみ。
元々デュエルリンクスは便利すぎるキーカードはあえて外して登場させるのだが、トリオンもいない現状では辛い状況と言わざるを得ない。
幸いにも各種「落とし穴」や《ナチュルの神星樹》は実装されているが、環境に顔を出すのはこれからの追加待ちと言えるだろう。
…と言いたいがデュエルリンクスはフィールドが狭くデッキ枚数も少ないため、《底なし落とし穴》や《狡猾の落とし穴》が通常のデュエル以上に刺さってしまう。
なのでそれらをサーチできる蟲惑魔達はOCG環境より強いので…よほどインフレしない限り出番は無いかもしれない。



ワイルドマン「フッ、軟弱な落とし穴なんざショッカー先生の手を煩わせるまでもないわ!(しかしこのウツボカズラ固いな…)」

カズーラ「マズイよトリオン!コイツ弱いけど落とし穴効かない!」
トリオン「ふふん、今どき罠の効かないモンスターなんて珍しくも何ともないわ!そういう時は魔法カード《ブラック・ホール》発動!」
アトラ「更に手札から罠カード《ホワイト・ホール》発動!『ホール』罠だからこれでカズーラの効果も発d……」

ティオ「ふぁーっ……自分の使った《ブラック・ホール》に《ホワイト・ホール》は発動できないよ……zzz」
アトラ&カズーラ「あっ」
一同「ぎゃあああああ……」

追記・修正は落とし穴をかわして蟲惑魔達を調べる自信のある研究者がお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 11:20

*1 それを除いても奈落の落とし穴が全盛期でありそれをサーチできるトリオンだけでも十分に強い。アトラやカズーラも当時いたらパワーカード過ぎる。ただし作中の時系列急に三年経過したりなどで現実とはかなり違うのは留意点である。

*2 ちなみに磔状態の獲物を別の昆虫に掻っ攫われることも珍しくないとか。

*3 《王宮のお触れ》や各種制圧カードはアトラの無効化耐性で抜けられるが、「発動を禁止する」サイコ・ショッカーの方はアトラでも通せなくなる

*4 ちなみに2024年2月時点でのリンク1モンスターの最高打点は、《シャルル大帝》の3000。

*5 うまく《墓穴ホール》できればいいが、ターン1制限が無いので2枚目が飛んでくることがある。要注意