ユベントス

登録日:2011/09/02 (金) 00:58:29
更新日:2023/03/10 Fri 19:45:28
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昔、あるところに、とても美しく誇り高き貴婦人がいました。人々は彼女を羨み、敬意の眼差しで見つめ、偉大なる人物だと称えました。


しかしある時、彼女の名声や美しさ、華やかさは、インチキや汚い手を使って手に入れたモノだと言うことが皆に知れわたってしまいました。

それから人々は、彼女を蔑み、妬み、罵り、卑怯者だと叫びました。

貴婦人は全てを失いました。そして、同時に誓いました。今度は自力で這い上がってやると。もう一度、今度は自分の力で、あの華やかさを、名誉を、そして誇りを取り戻そうと。貴婦人の、ゼロからの戦いが始まりました。



それから7年が経ちました。イタリアの貴婦人ユベントスは華麗な復活を遂げ、次はもっと大きな舞台へと挑戦する。かつては手にした栄光をもう一度掴めるのだろうか…



ユベントスはイタリア、セリエAに所属するサッカークラブ。
イタリア全土に大勢のファンを持つ、名実共にイタリアを代表するクラブである。

スクデット29回
コパ・イタリア9回
チャンピオンズリーク2回
UEFAカップ4回
トヨタカップ2回
スーペルコパ5回
インタートトカップ1回
UEFAスーパーカップ2回
を誇る名門クラブである。





しかし、その名門クラブは10-11シーズンまでは厳しい状況に置かれていたが(理由は後述)、11-12シーズン、12-13シーズンとセリエA 2連覇を成し遂げ完全復活を遂げた。


それでは新シーズン、ヨーロッパの舞台での復活を目指すイタリアの恋人達を紹介しよう。


カルロス・テベス
FWの得点力不足の改善が求められていた移籍市場の解禁直後にマンチェスター・シティから1200万ユーロで電撃加入。
だがサポーターは背番号10番という発表に困惑の様子。しかし会見での「10番を纏う責任は負う」との発言から得点力不足の改善に大きな期待ができそうだ。

フェルナンド・ジョレンテ
2013年1月24日、シーズン終了後の7月からの4年契約でユヴェントス移籍が決定した。
2012年にビルバオとの契約延長を拒否し移籍を志願したことからユヴェントスが獲得すると思われたが、ビルバオは放出を拒否し12-13シーズンはほとんどの試合で干されるという屈辱を味わう。

クワドォー・アサモア
2012年6月、同僚のマウリシオ・イスラとともに、ユヴェントスに共同保有で移籍が決定。
主に左のWBで起用され豊富な運動量と圧倒的なフィジカルで移籍後すぐにレギュラーの座を獲得した。
2013年6月、ユヴェントスはアサモアの残りの保有権を900万ユーロで買い取り、完全移籍が決定した。
2016年9月のイタリアデルビー、インテル戦では敗戦に繋がる失点に繋がるミスをした。

アンドレア・ピルロ
イタリアが誇るベテランのレジスタは、10年過ごしたミランに別れを告げ、新たに白と黒のユニフォームに袖を通す。
ライバルチームからの移籍であることや前年の不振から獲得には疑問の声が上がったが、その声を振り払うかのように全盛期を彷彿とさせる活躍を見せチームの絶対的存在として無敗優勝の立役者となった。
また、この活躍によって、UEFA.comのシーズンレビューで年間最優秀選手に輝いた。

アルトゥーロ・ビダル
バイエルン行きが濃厚だったが、土壇場でユーベが獲得。
チリ代表の万能型センターハーフは、ピルロ、マルキージオと共に中盤を支える大黒柱としてとして活躍している。

クラウディオ・マルキージオ
ユヴェントスの下部組織出身であり生まれついてのユヴェンティーノである。その事から多くのユベンティーノに愛されており、デル・ピエロに続くバンディエラとして期待されている。
また前線への飛び出しも素晴らしく11-12シーズンでは重要な試合でゴールを決めるなどシーズン10得点を達成しスクデット獲得に大きく貢献した。

ポール・ポグバ
2012年の8月に名門マンチェスター・ユナイテッドからフリーでユベントスに加入した。
移籍後のナポリ戦で見事なボレーシュートを決めてチームの勝利に貢献した。
2013 FIFA U-20ワールドカップでは主将を務め、優勝に貢献。大会最優秀選手にも選ばれた。
しかし移籍の際にクラブの許可なくユベントスと交渉を進めていたことが発覚し、ファーガソン監督を激怒させるなど素行の面で問題がある。

レオナルド・ボヌッチ
2010年7月に移籍金1550万ユーロでユベントスに移籍。
移籍後はゴール前でミスを連発し不安定なプレーが多く見られたが、3バックの中央に置かれてからは安定した守備を見せチームに大きく貢献している。
2012年には素手で銃を持った強盗を撃退したというニュースが話題になった。

ジャンルイジ・ブッフォン
既にピークは過ぎたが、彼が未だに世界の五指に入るGKである事に異論を挟む者は居ないだろう。今シーズンも最後尾からチームを支える。実はヘビースモーカーでもある。





【カルチョ・ポリ】
90年代から00年代にかけて栄華を極めたイタリアの貴婦人。ロベルト・バッジョ、ジネディーヌ・ジダン、フィリッポ・インザーギ、ディディエ・デシャン、リリアン・テュラム、パヴェル・ネドベド、ジャンルカ・ヴィアリ、ダビド・トレゼゲ、エドガー・ダビッツ、ズラタン・イブラヒモビッチ……
歴史の中で幾人ものカンピオーネ達が栄光に華を添えてきた。しかし、ユーベ栄光の時代は突如として終わりを迎える。
それがイタリア全土を巻き込んだ一大スキャンダル、通称カルチョ・ポリである。

これはユベントスのGMだったルチアーノ・モッジとが、一部の審判に賄賂を渡したり、脅迫まがいの行動を行い、ユベントスに有利な判定を行うように働きかけた審判操作事件だ。
さらにサッカー協会や他クラブの役員なども関与していた事が発覚。欧州サッカー界全土で大問題となった。
この一連のスキャンダルで、ユベントスはセリエB降格と、2年分のスクデットを剥奪された。更に多くの主力が他のクラブに移籍。名門の威厳とプライド地に落ち、恥辱にまみれた。そして文字通り、ゼロからのスタートとなった。

厳しい再スタートが予想されたが、デルピエロ、ネドベド、カモラネージ、トレゼゲ、ブッフォンの五英雄に導かれ、06-07シーズンのセリエBを圧倒的な強さで制し、一年での帰還を果たす。

【近年のユーベ】
セリエA復帰後は、07-08シーズンに3位、08-09シーズンに2位と、徐々にかつての地位を取り戻しつつあるかに見えた。
しかし、フロントの迷走が、ユベントスの妨げとなった。
熱意を持って名門再建に挑み、一年でチームをセリエAに導いたデシャン、限られた戦力で結果を出したラニエリを立て続けにクビにすると、チーロ・フェラーラ、アルベルト・ザッケローニ、ルイジ・デルネーリを招聘し迷走する。
現場とフロントの意志疎通すら怪しいレベルのやり取りで、チームは二年連続の7位という不本意な結果に終わり、ファンを落胆させた。

そして来るべき新シーズン、かつて選手として活躍したアントニオ・コンテを招聘。そう、マテラッツィにボーナスでカツラを買えと言われ、今は植毛の時代だと言い返し、マジで植毛したあの人。
ファンはかつての英雄の帰還に熱を上げた。

そして11-12シーズンは新スタジアムやアントニオ・コンテ新監督の運動量を生かした戦術のおかげもあって23勝15分で無敗優勝するという快挙を達成し、セリエA復帰後初、9シーズンぶり28回目の優勝を果たした。
12-13シーズンのCLでは前回王者チェルシーをまさかのグループリーグ敗退に追い込み、ベスト8まで進出するもバイエルン・ミュンヘンの圧倒的な強さの前に2試合合計5-0という夢スコアで敗北する。
しかし国内リーグでは抜群の安定感見せつけセリエA 2連覇を成し遂げて29回目の栄光を手にした。


【補強の失敗】
だが同時に、現地のファンから今シーズンの補強は完璧ではないとも見なされてもいる。ユーベは完成したばかりの新スタジアム、スタディオ・オリンピコで新シーズンを迎える。
カルチョ・ポリにおける裁判が決着し、一連のスキャンダルが完全に過去のモノとなった今、新スタジアムで新たなスタートを切るユーベは、新たなチームの象徴となる選手を欲した。
それがセルヒオ・アグエロだ。だがアグエロの獲得に失敗し、第二候補だったジュゼッペ・ロッシにもフラれると、希望を抱いていたファンは落胆を隠せなかった。
もうかつてのようにビッグネームのスター選手を惹き付ける魅力が、今のユーベにはないのか、と。
また、守備陣の強化を目指していたが、移籍期限ギリギリまで交渉したブルーノ・アウベスの獲得は失敗に終わり、更に余剰戦力の整備も進まなかった。

そして今夏に獲得したばかりのサイドバック、レト・ツィーグラーがいきなり「監督に信頼されていない」とコメントするなど、不安と不満を抱えたまま、ユーベは新シーズンを迎えようとしている。
しかし11-12シーズンからはアンドレア・ピルロ、アルトゥーロ・ビダル、ステファン・リヒトシュタイナー、ポール・ポグバなど多くの逸材を獲得し補強を成功させている。
12-13シーズン、またその後の移籍市場でもフェデリコ・ペルーゾ、クワドォー・アサモア、フェルナンド・ジョレンテ、カルロス・テベス、アンジェロ・オグボンナなどを獲得し補強に関しての、かつての悪いイメージを完全に払拭した。




【近年在籍したレジェンド達】

ダヴィド・トレゼゲ
EURO2000ファイナルで決勝ゴールを決めたストライカーは、翌シーズンにユベントスに移籍。当初は大ブーイングを浴びたが(EURO2000の決勝はフランス対イタリア)、ゴールを決めることで周囲を黙らせた。デルピエロとのコンビでゴールを量産。美しいシュートフォームが印象的だった。


パヴェル・ネドベド
2003年度のバロンドール受賞者。中盤のあらゆるポジションでハイレベルなプレーを披露。
ブロンドヘアを靡かせながらパワフルかつエネルギッシュに走り回り、高精度のミドルを何度も突き刺した。
現在は引退し、ユーベのフロント入りしている。


アレッサンドロ・デルピエロ
イタリアの正当なファンタジスタの系譜を受け継ぐ名選手。精度の高いキックで数多くの得点を記録。
ゴール前左45度からのシュートを得意としており、このエリアは「デル・ピエロ・ゾーン」と呼ばれている。
ベテランの域に達してもその得点力は衰えることはなく、2007-08シーズンにはセリエA得点王に輝いている。
2012年には19年間在籍したユベントスを退団。現在は豪州のシドニーFCでプレーしている。




追記、修正お願いします。

追記・修正は悪夢道場で99引退キャラを作ってからお願いします。

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最終更新:2023年03月10日 19:45