アマルルガ

登録日:2013/11/01 Fri 17:44:20
更新日:2023/12/02 Sat 14:23:41
所要時間:約 11 分で読めます




ひし形の 結晶で 氷の 壁を 瞬間的に 作り 敵の 攻撃を 防ぐのだ。


ポケットモンスター』シリーズにX・Yから登場したポケモン


■もくじ


■データ


全国図鑑No.699
コーストカロス図鑑No.67
分類:ツンドラポケモン
英語名:Aurorus
高さ:2.7m
重さ:225.0kg
タマゴグループ:怪獣
性別比率:♂87.5♀12.5

タイプ:いわこおり
特性:フリーズスキン(ノーマルタイプの技がこおりタイプに変化し、威力が1.2倍になる)
隠れ特性:ゆきふらし(出現時に天候をあられにする。5ターンまで継続)

HP:123
攻撃:77
防御:72
特攻:99
特防:92
素早さ:58
合計:521

4倍:かくとうはがね
2倍:くさみずいわじめん
1/2:ノーマル/こおり/どくひこう

努力値:HP+2

アマルスが夜の時間帯にLv.39で進化


■概要


竜脚類の姿をしたポケモンで、頭から首にかけて生えているオーロラのようなヒレと、体についている青い菱形の結晶が特徴。
その結晶からマイナス150度の冷気を吹き出して敵を氷漬けにしたり、氷の壁を作ったりする。
「リフレクター」や「ひかりのかべ」「バリアー」を覚えるのもこの設定を意識してのものだろう。
ヒレは感情によって色が変化し、ポケパルレでなでられて喜ぶと、悲しいと、技を出す時はとなる。


アマルスはおっとりとした性格をしており、戦いはあまり好まない。
ルンパッパコバルオン同様、おっとり以外の性格の個体もいるのでご心配なく。
ガチゴラスなどの凶暴なポケモンのいない寒冷地に生息していた。

アマルルガに進化を遂げてもとても大人しく優しい性格だが、その分一度怒らせてしまうと辺り一面を氷漬けにしてしまう恐ろしい一面も持っている。

恐竜らしさを残しつつも優雅なネーミングセンスもあって、発売前から好評だった。そしてかわいい。
色違いは体が白に、首の前面からの水色部分が濃い青に。こちらもまた綺麗。
モチーフはおそらく中生代白亜紀前期、今のアルゼンチンに生息してしたアマルガサウルスであろう。
数ある恐竜の中からこれを選ぶとは、なかなか面白いチョイスである。


■ゲームでのアマルルガ


いわゆる化石ポケモンで、ガチゴラスと対になる。
「ヒレのカセキ」から復元することで、進化前のアマルスを入手することができる。


発売前に紹介された技「フリーズドライ」は威力70のこおり技で、本来こおり技を半減するみずタイプに抜群を取れる。


自力技である「しぜんのちから」は旅であれば「ハイドロポンプ」「エナジーボール」「だいちのちから」「パワージェム」など強力な特殊技となり、
タイプ一致の範囲もあって、攻撃範囲には困らないだろう。
室内(対戦)では特性でこおりタイプと化し、1.3倍の補正がかかった「トライアタック」も使える。


覚える技に「でんじは」や「10まんボルト」などでんきタイプの技が妙に多いが、
これはオーロラの発生が太陽電磁波と関係してるからや、アマルガサウルスが所謂「雷竜」とよばれるアパトサウルスと似た姿をしているから等の説がある。
はがねに等倍を取れるが、タイプ一致の「フリーズドライ」と範囲が被っているため、実質エンペルトエアームドピンポイントか。


トレーナーではジムリーダーザクロがアマルスを、チャンピオンカルネがアマルルガを繰り出してくる。
特にザクロのアマルスは、特性で「とっしん」が馬鹿に出来ない威力になっている上に、
「でんじは」を使われると、ひるみ技メインの後続のチゴラスがきつくなる。つまり2匹がかりでまひるみコンボを使ってくるのだ。


また、倒したときにもらえる経験値が極めて少ないことで有名。
XYでの経験値稼ぎポイントである三ツ星レストランの最終戦で出てくるのだが、同じ所のペラップ以下バクオング半分以下なのである。
稼ぎ中に必ず相手にするだけに、印象に残っている方も多いだろう。
さらに言うと、一般的な1進化ポケモンの6割程度しかなく、全進化系ポケモン中 ワースト2位 という酷さ。
ちなみにワースト1位は同世代のブロスターである。それでいいのかカロス地方……
と言うかカロス地方には態々レストランに行かなくてもバトルシャトーと言うもっと効率良く経験値が稼げる場所があるのは内緒


■対戦でのアマルルガ


先に言っておこう。
このポケモン、タイプ耐性はぶっちゃけ最低レベルである


まず、弱点6の時点ですでにきついのに、そのどれもがメジャータイプ。
「○○対策の為に入れておいたこの技が、こいつにもグッサリ刺さった」なんて事態が頻発するのが目に見えていた。
さらに4倍が2つもある。その2つとは、かくとうとはがね。先制技が合わせて3種類もこれらのタイプに属している。
つまり、バレパン持ちなどが相手だと逃げるしかなくなるのだ。
耐性は4つあるが、そのうち2つはノーマル・どくといったマイナー寄り。
一致技の攻撃範囲は広くメジャータイプに突き刺さるため、
速攻型種族値であればマニューラプテラのような活躍が出来るようなタイプでもあるのだが、見た目はどう見ても鈍足系。

他にも前述の「フリーズドライ」と共に紹介されたにもかかわらず、このポケモン自身みずが弱点だったり、
一部から「ガチゴラスと対で特殊アタッカーなのはわかるけど、特性とシナジーするノーマル特殊技少なくね?」と言われるなど、
前情報の時点ですでに不安要素まみれであり、「見えている地雷」扱いされることが多かった。
その一方で、デザインアドの高さから「超鈍足で攻撃特攻の高いトリパ専用アタッカーになってくれれば……」
「せっかくフリーズスキンがあるのだから、しんそく覚えないかな……?」
と、淡い期待を抱くトレーナーも少なくなかった。


……しかし、現実は厳しかった。


こいつ、タイプや特性の利点を全て相殺するやや鈍足耐久型種族値だったのだ。
上記の種族値を見ればわかるとおり、HP以外見事に中途半端な数値。
素早さはトリパアタッカーにするには少し速く、スカーフで130族を抜ける70にもほど遠い。
せっかくの攻撃範囲を活かそうにも、特攻は僅差で100にさえ届かない。
発売前の不安は見事に的中したどころか、特攻の数値のせいでさらに下を行くことに。

受難はこれだけに終わらない。
相性のいい技をことごとく覚えないのである
タイプ一致の先制技である「こおりのつぶて」、今作で強化された貴重な特殊いわ技の「パワージェム」を覚えず、
遺伝技もタマゴグループ怪獣なのに、「ぜったいれいど」「りゅうのまい」「あくび」などの有用な技を遺伝できない。
「しんそく」など夢のまた夢。歯がゆい……
そのせいで特攻>攻撃というステータスなのに、「おんがえし」>「トライアタック」、「ストーンエッジ」>「げんしのちから」と、両方とも物理が勝ってるというちぐはぐっぷり。
さらに、ステータス的には『とつげきチョッキ』と相性がいいが、「しぜんのちから」は変化技として扱われているので併用できなくなってしまう……

このように、経験値の件も含めて悪い意味で絶妙な調整が目立ち、不遇と言われる事が多い。
しまいには「ラプラスにフリーズドライを遺伝する要員」と言われる始末。


どうしてこうなった……


しかし、技レパートリーがかなり豊富なのは事実である。
攻撃技は「10まんボルト」「ラスターカノン」「あくのはどう」「サイコキネシス」「ミラーコート」。
変化技は「でんじは」「めいそう」「ロックカット」「バリアー」「アンコール」「リフレクター」「ひかりのかべ」。
特に変化技になかなか魅力的な技がそろっている。
めざめるパワー」はか格闘が使いやすい。

そしてなんだかんだ言ってフリーズスキン「はかいこうせん」の威力は特筆すべきだろう。
「はかいこうせん」はフリーズスキン補正・タイプ一致で威力が292.5という、文字通りのロマン砲である。
性格補正なしC252振りだけでHD252振り性格補正ありのマルスケカイリューが確定1発となる。
ここに『こだわりメガネ』を持たせれば実質的な威力は443.25。相手がダイマックスを使用していない場合、等倍以上が取れれば大抵の相手を一撃で落とせる。


HPの高さに加えて特防が何気にバンギラスレジロックに匹敵する数値なので、砂パに入れるのもいいだろう。
また、地味にタイプだけで天候ダメージを両方無効化できる貴重なポケモンである。
相性補完は4倍弱点であるかくとう・はがねを半減以下にできるヤドランブルンゲル、通常ロトムあたりがおすすめ。
しかし前者2匹はくさ弱点が被っているので、それに強いポケモンも用意しておこう。
ちなみにタイプのせいで脆い脆いと言われるが、幸いHP種族値が高いお陰でガブリアスの「じしん」レベルを耐える調整くらいならさほど難しいレベルではない。

ORASから教え技で「ハイパーボイス」「だいちのちから」、「ステルスロック」を習得。
「ハイパーボイス」は能力や特性と噛み合い、「だいちのちから」は今まで太刀打ちできなかったはがねへの有効打と、かゆい所に手が届くようになってきた。
また、最近では後述の隠れ特性と合わせて、「ステルスロック」や「でんじは」などのサポート技で相手の場を荒らすタイプが増えている模様。

ダブル・トリプルバトルでは、「りんしょう」パーティと相性がいい。
後続「りんしょう」をタイプ一致込みの威力234に引き上げられる。
その上、「最初にこの技を使ったポケモンの直後に攻撃できる」という仕様から、素早さをカバーできる。
トリル下で使う場合も、こいつが発動した後に中速高火力ポケモンの行動順を引き上げることも可能。

2015年3月に開催されたインターネット大会「燃えよ!ドラゴンタイプ!」の参加賞として解禁された隠れ特性は「ゆきふらし」。
何故ドラゴンメインの大会でドラゴンが苦手なこおりタイプの隠れ特性を解禁するのか
言うまでもなく強力な天候変化特性だが、耐性が優秀なユキノオーがいるのが気がかり。
さらにユキノオーはメガシンカを得た上に、そもそも今作から天候特性にもターン制限が付いたので以前ほど強力でないのも逆風かもしれない…
しかしほのおタイプ(特にファイアロー)に出しやすく、「でんじは」を撒いたり、壁を張れるあられ要員というのは唯一無二のものである。
但し一致火力は『フリーズスキン』の方が僅かに上。「ハイパーボイス」習得がここに来て2択を迫ってくるとは…。
勿論前述の通り「ゆきふらし」自体も強力な特性なので、火力を取るか天候を取るかでパーティを考えると良いだろう。
現在はGTSで人から貰わなければ入手できない。

深く考えずに使えば確実にサンドバッグだが、他のポケモンにはない要素も少なくはないため、
使い手次第ではかなり強力な性能を発揮する上級者向けのポケモンである。



なお、通常特性も隠れ特性も周囲を凍りつかせると言う図鑑設定が比較的忠実に再現されている。


ちなみに極めて限定的なルールだが、さかさバトルでは評価が上がりそうなポケモン。
ここでは半減以下6、一致技の抜群6となかなか。……と思われていた。
蓋を開けてみれば抜群3、半減以下なしの壊れ性能になるノーマル技だけでなく、ファイアローやゲンガーといった強豪の多くに弱くなるという罠。
というかいわ全般がこいつらのせいで不遇。せっかく耐性そのものは優秀になったのに、報われない話である。


そして第七世代に入ったわけなのだが……何も悪さなどしてなかったのに逆風にさらされている
新たにアローラキュウコンが特性「ゆきふらし」を獲得し、アマルルガは一気にあられ発動要員としてマイナーに落ちぶれる。
彼らの劣化にはならず、技やタイプで十分に差別化できているのがせめてもの救い。アローラキュウコンも「アンコール」を覚えるけど
相変わらず「パワージェム」も習得できない。今作でようやく「パワージェム」の扱いが改善されたと言うのに……
さらにイメージにも特性にもマッチする新技「オーロラベール」も習得できない
もっともこれに関しては、(差別化要素があるとはいえ)仮に覚えても同じ特性で圧倒的に素早いアロキュウの方に分があっただろうが。
そしてトドメにスキン系特性が1.3倍から1.2倍に弱体化メガボーマンダニンフィアなど前作で暴れてた連中のことを考えるととばっちり以外の何物でもない
おかげで威力が「ふぶき」>スキン「ハイパーボイス」になり、ダブルで輪唱パに採用するのでない限り通常特性を使うメリットがほとんどなくなってしまった。

ただ、スキン「はかいこうせん」の威力は補正が下がっても健在で、第七世代でもD特化マルスケカイリューをHP満タンの状態から確定で落とせる。



剣盾ではDLC『冠の雪原』解禁に伴い復活。駅を出てすぐにアマルスと遭遇できる。
野生での登場の為オシャボが解禁された。

技の方面では新たに「メテオビーム」「ウェザーボール」等を習得。
残念ながら「パワージェム」はもらえなかった。

そして待望の「オーロラベール」を習得可能に。
これにより唯一「オーロラベール」と「ステルスロック」を両立できる貴重なポケモンになった。
実は何気にダイジェット」を半減で受けられる唯一の「オーロラベール」使いだったりする。
前述の「メテオビーム」があるとは言え純粋なアタッカーに仕立てるには心許ない為、変化技を活かした立ち回りを意識したいところ。


■アニメでのアマルルガ一族


アニメ『ポケットモンスターXY』23話「オーロラの絆!アマルスとアマルルガ!!」に登場。
化石から甦ったポケモンであり、2匹は化石研究所の低温ルームで飼育されていた。
天敵の少ない環境に生きていたため、警戒心が薄く、とても人懐こい性格。
サトシ一行にじゃれつき、いっしょに遊ぶアマルスが大変かわいらしい
しかし冷えた体を温めるため低温ルームから出た隙に、アマルスがロケット団にさらわれてしまう。
寒冷地に生息するポケモンで、常温下では弱ってしまうため、一刻を争う事態に。


この回でアマルスは、鳴くことでオーロラを発生させる能力があることが明かされた。
おかげでアマルルガとサトシ一行は、ロケット団の位置を突き止めることができた。
アマルルガも、ゲームでは素早さのせいであまり活かされなかった「氷の壁を瞬時に作る」という能力を発揮し、ピカチュウのピンチを救った。
また、伝説以外種族名で鳴く事の多いアニメのポケモンでは珍しく、ゲームにかなり忠実な鳴き声となっている。しかも美声


劇場版ではアマルスが短編映画『ピカチュウ、これなんのカギ?』と『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』に出演。
前者ではチゴラス達と共に寒冷世界に、後者はネーベル高原に生息するポケモンの一匹として登場した。



アマルルガ「この不遇ぶり…私が何をしたって言うんだ…」

パッチルドン「先輩、泣かないでください」

ウオチルドン「先輩は可愛くてふつくしいから良いじゃないですか!」

フリーザードン「氷タイプの恐竜さんの不遇は今に始まったことじゃないから安心するドン」

アマルルガ、パッチルドン、ウオチルドン「誰だお前!?」


追記・修正は弱点を減らしながらお願いします。

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最終更新:2023年12月02日 14:23