陸奥圓明流

登録日:2010/10/07(木) 21:10:02
更新日:2023/12/13 Wed 22:59:19
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陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)』とは、漫画『修羅の門』及び『修羅の刻』に登場する架空の古武術。

目次


【概要】

地上最強を目指す殺人拳の流派。架空だが実際に使えそうな技もある。ただ真面目に再現するとヤバいことになる。(後述)


リアル陸奥

ダメ、ゼッタイ

多彩な拳技、蹴り技、関節技を持ち、それらを同時に行ったりもする。また投げ技は「投げる」と「極める」と「折る」を同時に行う。陸奥の技は格闘技ではなく人殺しの技と称している様に、急所打ちや複合による効率的な人体破壊が大半を占め、その性質を端的に体現している。
千年の歴史を持ち、その中で一度も敗けたことがないという不敗伝説を持つ。
竜造寺徹心は「圓明流で最も恐ろしいのは投げ技・関節技ではなく蹴り技」と言っているが九十九自身は「圓明流に得手不得手は無い」と言い、徹心の発言は徹心自身が蹴りのパイオニアだから恐ろしく感じたのだろうと思っている。

一部の技は習えば一般人でもできそうだが、幼少期からの修練や千年続いた血による面が大きく「陸奥に生まれない者は誰一人“圓明流”にはなれない」と言われている。
陸奥の名を継ぐのは一人だけで、兄弟の場合は戦って勝った方が代々伝わる小太刀とともに継ぐ。
分家に安土桃山時代に分かれた不破圓明流がある。
一族揃って地上最強にしか興味が無いために金銭的な蓄え等は皆無で、
どこぞの山中において猟師のような自給自足の生活を送ったり、意外とヒモ率(用心棒を兼任しているので現物報酬とも言えるが)が高い。

初期のモチーフはあきらかに極真だが、後期から関節技なども増えている。

また、史実でも宮本武蔵が吉岡一門に勝った後に「圓明流」を名乗っていたことがあるが、作中では南光坊天海の見解として武蔵の方が八雲から影響されたことが示唆されている。

◆陸奥

「強い奴と戦いたい大馬鹿」な血筋。独特な胴着と小太刀を持つ。
「富む者に恵んでもらったら感謝だけでいいが、そうでない者に恵んでもらったら恩を忘れるな」「人を助けると飯が食える」「人は無手で生まれてくるのだから無手の技を練れ」という家訓がある。
『修羅の門』世界では歴史上の有名人物の影に、しかし重要な存在として生きていたことが多い。


【技一覧】

◆雷-いかずち

簡単にいえば一本背負いとローキックの合体技。腕の関節を極めて折りながら投げ、落ちてきた頭に蹴りを入れる。
マジでできそうというか、極真の某氏が実際にやった


◆巖颪-いわおろし

相手の頭を掴んで押し倒しつつ、頭に膝を落とす。決まれば死ぬ。掌底との複合の場合もあり。
九十九は陸奥を決めるための戦いで、この技で兄の冬弥を殺めてしまったため、それから牙を失い、『人を殺すために』技を放つことができなくなった。
マネす(ry


◆牙斬-がざん

相手の拳の小指を目掛けて拳を放ち、小指の骨を折りつつ肉を抉る。
たかが小指と侮るなかれ。やってみればわかるが、小指に力の入らないパンチは効果的な打撃にはなりにくいのである。
作中の解説曰く「(小指に力の入らないパンチは)抜け殻になる」
極真や伝統派の壊し受けがおそらく元ネタ。



◆蔓落とし-かずらおとし

相手の拳を反らして自分の腕に巻き込み、襟を掴んで投げると同時に巻き込んだ腕を折る。


◆上腕蔓ひねり-かみうでかずらひねり

V1アームロックを極めた状態で投げ、相手の肩関節を外す。


◆弧月-こげつ

地面に手をついて逆立ちのような姿勢で蹴りを放つ。放った蹴りが外れても、戻して踵落としのように後頭部を狙う“裏”がある。


◆虎砲-こほう

拳を密着させた状態から放つ、身体を陥没させるほどの威力の当て身。
布団に拳が触れた状態で、布団を動かさず貫通できるように鍛えるらしい。
衝撃は1tにも及ぶ威力で利便性の高さから九十九はよく使う。
尚、第二部で飛田が耐えたのを称賛するまで名前は明かされず、
第一部のクライマックスまで神武館側はこれを後述の無空破だと思い込んでいた。


◆金剛-こんごう

日本に伝わった鉄砲に勝つために生まれた技。身体の筋肉を異様に収縮させて、弾を受け止めたり刺さった得物を絡めとる。
まさに“肉を切らせて骨を断つ”な修羅の技。
マネす……しないか。


◆獅子吼-ししこう

相手の放った拳をかわし、伸びきった腕を首を支点にカウンターで放った拳の内肘で叩き折る。見た目はクロスカウンターだが関節技。でも、顔面に拳も叩き込むので打撃との複合技。


◆指穿-しせん

強靭な指で相手の身体に穴を穿つ技。基本は密着状態から相手の肉を抉るため、投げ技対策の性質が強い。本来は鳩尾に一本突き入れるが、寝技等の密着状態でも使える。


◆紫電-しでん

頭部を狙った後ろ回し蹴りが、当たる直前に高さを変えて金的に降ってくる技。


◆蛇破山-じゃはざん

相手の腕に自分の拳をぶつけて、そのまま下に流しつつ踏み込んで鎖骨に肘を叩き込む。
この辺から北派中国武術風味になる


◆裏蛇破山 朔光-うらじゃはざん さくこう

表の蛇破山とは逆に腕を上に流し、突き上げるように鳩尾に肘を叩き込む。


◆旋-つむじ

蹴りを放ったあと、身体をコマのように回転させて逆の足でも蹴りを放つ二連蹴り。


◆斗浪-となみ

横蹴りで放った足が延髄に落ち、跳ね上げた逆の足で首を挟んで極め、そのまま身体を回して投げを打ち、頭から地面に叩きつける。ぶっちゃけ、首の骨が折れるのでマネす(ry


◆羽車-はねぐるま

転がした相手の腕を十字固めに極め、それを返そうとする相手の動きに合わせて身体を回転させて裏十字に極める。


◆飛燕十字蔓-ひえんじゅうじかずら

相手の腕をとり、飛び付いて十字固めにする。その際、首に絡める足で蹴りを入れる。


◆飛燕裏十字-ひえんうらじゅうじ

相手の腕を取って頭を跨ぎ、跨いだ足がそのまま跳ね上がって首を苅り、もう片方の足で相手の足を絡めてうつ伏せに倒し裏十字固めを極める。


◆雹-ひよう

物を投げるという単純な技だがかなり威力がある。鋭利な物なら相手を殺せる。
日本に伝わってきた鉄砲に勝つための練習台として生まれた裏の技で、無手の技である陸奥は実戦であまり使わない。


◆斧鉞-ふえつ

空中宙返りして右左の足をタイミングをずらして連続で下ろし、二連続の踵落としを叩き込む。当たって痛い方が鉞。


◆浮嶽-ふがく

相手の懐に潜り込み、頭の上に拳を乗せた状態で頭突きを入れ、さらにアッパーを見舞う。
虎砲の変化技で顎を砕く威力。


◆訃霞-ふがすみ

つぶてにした唾を相手の目に吹く目潰し。
たかが唾と侮るなかれ。かなりの衝撃でぶつかるため、まともに喰らえば少なくてもその仕合中眼が塞がることは避けられない。
本来は鉛玉、または含み針を吹く技であるらしい。恐らくだが後述の不破圓明流は暗殺の際にそれらを含んで用いていたと思われる。
“訃”は“死を繋げる”という意味。


◆膝蔓-ひざかずら

裏膝十字固め。


◆傾葵-なだれあおい

相手の拳打をしゃがんでかわし、相手の腕を引き込みながら足を払い、前のめりに倒して三角締めを掛ける。
傾葵は不破での名称で陸奥では別の名前かも。


◆葛風-くずかぜ

背負い投げから膝十字固めを極める。
葛風は不破での名称で陸奥では別の名前かも。


◆刈鋏-かりばさみ

相手の膝を両足で挟み、捻って相手を倒す。
柔道のカニ鋏みに近い。

◆浮身-ふしん

攻撃を受けた際、力の方向に自分から飛んで威力を殺す。


◆無刀金的破-むとうきんてきは

白刃取りと同時に金的を入れる。そんなに大した技じゃない。


◆狼牙-ろうが

訃の蔓。アームロックで腕を固め、投げると同時に顔に肘を落とす。決まるば死ぬ。
マネす(ry
九十九は陸奥を決めるための戦いで、この技で兄の冬弥を殺めてしまったため、それから牙を失い、『人を殺すために』技を放つことができなくなった。この技じゃないはず。


【奥義】

意思の力で人間の力を100%引き出す技。つまり意図的な火事場の馬鹿力。絶対にマネできない。

◆無空波-むくうは

動きは虎砲と同じだが、その本質は拳を高速振動させて発生させる“波”であり、身体の内部にダメージを与える。
衝撃波ゆえ回避防御不可という文字通り“必殺技”で振動する腕を抑え込み、威力を抑えるぐらいしか出来ない。


◆龍波-りゅうは

素早く動いて撹乱したあと、逆立ち状態で相手の首を両足で挟み込む技。しかし本質は高速で足を交差させて真空を生み出し、『かまいたち』を起こして頸動脈を断ち切ること。


【四門(しもん/死門)】

奥義の上に位置する技の総称。凄まじい精神力で人間の力を限界以上に引き出すので、本当にピンチの時に「使えるかどうか?」という不安定な技。
また、かけられた相手はもちろんのこと、技をかける側にも物凄い負担がかかるため、下手すれば両者相打ち、
万が一外せば自分だけ死にかねないという非常に危険な技。
奥義の時点ですでに相当現実離れした技だったが、それよりもさらにデタラメ。
人間の限界の上を引き出して凄まじい力を引き出し「4人に分身したように見える高速移動」をしたりそれができるほどの筋力増強を引き出す。*1
限界を超えてすごいパワーを出すこと、が四門を開くことで
四門を開いた上でそのパワーを活用した「攻撃技」が後述の四神である。
四門を開いても四神を使わずに他の技で戦うことも可能で、
九十九は「第弐門」終盤で四門による限界突破状態を維持しながら戦うという応用技を見せている。


◆朱雀(不破北斗戦)

分身で相手を撹乱して後ろに回り込み、相手の頭の高さまで跳躍。足で首を挟み込んで身体を一回転させて首を折りつつ、落下時に眉間に肘を乗せて落とす。
朱雀が空から獲物につかみかかり、地面に叩きつけつつ、首を折る。


◆玄武(レオン・グラシエーロ戦)

分身で相手を撹乱して仰向けに相手の足の間をすり抜け、両足で相手の足を絡めてうつ伏せに倒し、起き上がる勢いで相手の延髄に頭突きを入れる。
玄武が亀の頭で相手の足に食らいつき、尻尾の蛇が首に食らいついてとどめをさす。

ただし、この技のみ四門覚醒前にレオンから両腕を折られている状態なのには注意が必要。腕使えないから頭突きかましただけで本来は延髄への攻撃を手でやる物だった可能性がある。


◆白虎(ケンシン・マエダ戦)

片脚をとって前のめりに倒れこんできた相手の首を、もう片方の脚と股で絡め取って押えこみ、うつ伏せでガラ空き状態の両脇腹に飛びかかるような勢いで貫手を突き刺す。上記の指穿を5本の指、限界を超えた四門状態で放つ事を考えれば、その威力の恐ろしさはわかろう。
開門に至るまでの攻防の関係上、分身はしていない。
白虎が獲物に食らい付いて押さえ込み、両の爪で腹を裂く。


◆青龍(姜子牙戦)

分身から相手の突き手に合わせ、スウェーバック+金的狙いの外に開く前蹴りを繰り出す。
これを身を翻すように宙に跳んでかわした(もしくは敢えてかわさせた)相手の突き手を捉えて引き手(軸)とし、胴廻し回転蹴りのように腰を回して先の蹴り足で相手の頭を後ろから、残りの軸足で跳んで顔面を真上から挟み込む強烈なギロチンキックを放つ。
そしてそのままの体勢で衝撃を逃がさず地面に叩きつける。
龍の下顎が獲物を捕らえて動きを封じ、上顎で頭を噛み砕く。


なお、青龍を受ける前に姜子牙は四門解放の際の分身移動に素の速さでついてきているが、九十九は独白で「四門は迅く動く事ではなく、限界の門を開け、その限界を超える事」だと語っている。

【不破圓明流】

陸奥の分家。強敵との戦いを好む陸奥とは違い、暗殺が主。“陸奥は時代の影に、不破は闇に生きてきた”とされる。基本的に陸奥と同じ技を使うが、ひとつだけ陸奥にはない技がある。陸奥同様に千年不敗だったが、北斗が九十九と戦って敗れたため伝説に幕を下ろした。
暗殺や用心棒などの裏稼業で稼いできたためにそれなりに金銭的な蓄えが有るらしく、
裏の仕事が減った昭和の時代でも陸奥のような自給自足の生活はしていなかった。


◆神威-かむい

相手と組んだ状態で相手が上になるよう倒れこみ、足で虎砲を叩き込む。巴投げの体勢で足での虎砲を打つ技と考えていただくと想像に容易い。
体勢が崩れて密着した状態で攻撃するため、回避や防御は不可な鬼畜技で、九十九が吐血してダウンするほどの威力を誇る。
単純に腕で撃つ虎砲の3倍の威力+拘束による衝撃の不拡散の破壊力…と、考えるだに恐ろしい。
元々これは不破圓明流の奥義で、「陸奥(圓明流)も知らない」最後の切り札として伝えられ、磨かれてきた技。
そのためさすがの九十九も察することはできず、術中に嵌った。
「第弐門」になってからは九十九も習得しており、ボルト相手に不完全ながらも使用して一時的にダウンさせている。
ただし山田さん曰く、不破圓明流の技としての神威ではないため完全版には至らないっぽい。



アニヲタ延命流


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最終更新:2023年12月13日 22:59

*1 ケンシン・マエダは修羅を出した九十九でも外せないパワーで絞め技をかけて、(なぜそう思ったかは不明だが)四門は立っている状態でなければ出せないと思っていた。だが九十九は寝技をかけられた体勢のまま四門を開いて高まった筋力で絞め技を引き剥がした。