捨てゲー

登録日:2012/02/23(木) 18:42:36
更新日:2024/03/24 Sun 19:28:22
所要時間:約 2 分で読めます




('A`)「あ〜あ、誰も乱入してこねぇしつまんねぇなぁ」


New Challenger!!


('A`)「おっ、きたきたどれいっちょやったるか」



('A`)「うわっ、厨キャラ使うとかないわ。ハメ技とかマジつまんね。萎えたし帰るか…」ガタッ



捨てゲーとはプレイ中のゲームを諦めて終了させたり、一切操作せずに放置する等、文字通り捨てることを指す。
捨てプレイという言葉もある。

主にコンピュータゲームのさまざまなジャンルで用いられる言葉である。




・主な捨てゲーの理由


様々な理由や動機があるが、主な理由を列挙する。



・初心者狩りと思われる行為に遭遇した


主に対戦式の作品にて、格下と思われる相手にだけ目をつけて勝利する行為である。
これは第三者からの目では判断がしづらく、たった一度二度の対戦数では判断出来ない場合も多いため、『それを初心者狩りとして確定判断する』というのは非常に難しいことである。
近年のオンラインシステムを用いたマッチングシステムでは同程度の腕前の組み合わせが自動的に行われる等で防ごうという土台があるが、経験者が新規データ等を用意することで簡単に行えるとも言える。
またアーケードにおいては、挑まれて負けた方が「この人には勝てないから他の台に移動して練習しよう」等の理由で台を移ったが、その後もすぐに何度も乱入のし直し等を行ってくるのであればそれはほぼ初心者狩りと思われる。
(※一部、対戦過疎地域において、データのために戦闘回数を増やす等の例外がある場合もある)
相手にすぐ負けてしまい、ゲームが楽しめないためにプレイを捨てる…というのが、捨てゲーする側の心理である。
重複になるが、あくまで『対戦を挑む側の意思の問題』に依るところが大きいため、一概に初心者狩りと決めきることが出来ないのが難しい。

なお上記の初心者狩りの心理を逆手に取り、CPU戦をプレイ中にわざとインストカードをガン見する、そのゲームに全く慣れていない振りをする等の、明らかに初心者だと相手に思わせる行為を行い、
乱入してきた相手を返り討ちにする「初心者狩り狩り」なんてケースもあったりする。



・乱入した相手があまりにも弱過ぎて、やる気を無くした。


上記の真逆のパターン。
アニメや漫画とかでよくある「つまらん。貴様の実力はその程度か。ならば戦う価値も無い。」というアレである。
あるいは戦っている内に弱い者いじめをしているような気分になってしまい、思わず可哀想になってしまったので捨てゲーした、というケースも有り得る。
捨てゲーした側としては温情のつもりなのだろうが、された側としては人によっては侮辱されたと取られかねない。



・相手が飛び抜けて反則的な強キャラを使ってきた


普遍的な対戦形式の作品にて起きうる現象。例としてストIIXの豪鬼、戦国BASARA X毛利元就、ガンダムVSガンダムのフリーダムガンダムetc…
極一部の作品に限定されるが、ゲームバランスを大きく逸脱したキャラクターを用いることで、多少慣れた程度の技術でも相手を容易に蹂躙することができるものがある。
熟練のプレイヤーをもってしても絶対に覆ることのない超絶圧倒的優位性が存在するダイヤグラムの対戦式作品というのも実在するため、この現象が発生する。
腕前よりも圧倒的性能差が何よりの盾となるため、いわゆる“初心者狩り”の一つの手段としても見做され、また嫌がらせとも言える。
これらは明文化されていない暗黙のルールのもとに成り立っている性質もあり、一律に「使用禁止」等のルール打ち出しやレギュレーションでもなければまず防ぎようがない。



・相手がバグ技やチート等を使ってきた


先の現象とやや似たものだが、特定の意図した行為を行うことで本来ゲーム内に予定されていない展開を引き起こすこと。
その技ありきでゲームバランス、ないしプレジャーが成り立っている作品もあるため、作品と行為内容によって大きく異なると言える。
例を挙げると、初代ストIIにてキャンセル必殺技はバグではあるが以降の格ゲーにおいてのスタンダードとなるほど認められている。が、同作品内の真空投げ、ヨガリセット等は身内同士の対戦でなければまず非難轟々ものと行っても過言ではない。
チートはオンラインゲームにおいて起きやすく、ゲーム側で対策が取られるまでは“絶対に勝利することが出来ない”ということさえ珍しくない(分かりやすい例として、対戦式テトリスにおいて棒だけが降ってくるようにチートを組むなど)。



・捨てゲー自体がメリットである/テクニックの一環である


特定の作品においては、プレイヤーのミス時の状況によって次回プレイ時の内容がより有利となりうる場合にこの現象が発生する。
対戦式作品の一部においてはそれがテクニックとして立派に認知されているものもあり(戦国BASARA Xなど)、また一人プレイ作品においても「このポイントで意図的にミスを起こすことによってゲームランク*1を下げ、仕切り直して進行する」といった攻略方法も存在し、グラディウス(コナミ)バトルガレッガなどのシューティングゲームが著名なほか、アクションゲームにも利用される。



・初心者や問題のあるプレイヤー等とのチーム/ペアになった


タッグ/チームプレイを前提とした作品に起きうる現象。
ランダムマッチングシステムによる組み合わせで、敵側ではなく味方側に問題がある場合に限定して記述する。
チームワークや相方との呼吸、連携が重要な作品において起きやすく、または自分の勝敗データに影響を及ぼすような場合などにこれによる捨てゲーが発生する場合がある。
具体的には、相方が初心者なため経験や技術が未熟なことによる「動き方がセオリーに則っていない」「ルールに抵触する」「自軍の戦闘可能ゲージが削られる」「支援のための攻撃が意図せぬ妨害と化す」etc…
意図して味方側を妨害して楽しむ等、悪意のある問題プレイヤーとの組み合わせになった場合はより悲惨なものとなる。



・クリア・スコアアタックにおいて、悪影響を及ぼす致命的なミスを犯した


アーケードゲームでよくある現象だが、各種ゲームのスコアアタックや、音楽ゲームにおいてのコンボなどがこれに該当する。
僅かなミス、乱数のズレが点数やコンボに直結するため、特に理論値*2を目指す場合においてこれらの理由による捨てゲーは全く珍しくない。
「一面番長」という言葉すらあり、もともとはスコアを突き詰めるために行っていた行為が1面にだけしか現れないプレイヤーを指す言葉だったが、それがいつしか「様々な理由によるランダム性の発生のため、特定の場面で得られるはずだった得点が得られないためにやり直す」ことをそう指す例がある。
その場合は速やかに自滅自爆行動をとって可能な限りすばやくゲームを終了させ、やり直す…というところまでがセットである。
ただ連コイン(追加クレジットの投入、連コとも)によって順番待ちの人がプレイできないという問題も起きうるため、一般的なマナーとしてプレイヤーは順番待ちの人が居ないかの把握が必要である。
また、対戦ゲームにおいてもスコアやコスト等の概念がシステムとして存在しており、なおかつそのスコアでおいて相手と差がつきすぎて逆転を諦めてしまった場合にも起こりうる。


・進行に影響のある想定外の事態が起きた


作品によって、プレイヤーの意思や行動に反し、進行に大きく影響のある『詰み(詰みゲー)』の状況が発生することもあり、その場合の捨てゲーによるリセットがこれに該当する。
それはバグによるもののみならず、開発者の予測不足による“ハマり”などもあり、これも様々である。
ひどいものでは「一切の操作を受け付けてくれない状況」が発生するものもあり、逆に『捨てざるを得ない』ものも存在する。
該当例は多くはないが、存在するのもまた事実である。



・時間や用事等の都合で席を外さなければならなくなった


プレイヤーに明確な理由がある場合。用事がある時間までサッと暇つぶしのためにプレイを始めたつもりが連続で乱入される→連勝に縛られてゲームが終わらなくなってしまった、体調が悪くなった、電話がかかってきた、トイレに行きたくなったなど様々。



・作品内においての研究や検証をする、あるいは完了のため


複数の条件と行動を組み合わせ、ゲーム内でどんな反応を示すかの研究検証を行う場合。
現在はこの例は極めて少なくなったが、古い作品ではよく見られた。
素早くリセットして新たな条件や行動の組み合わせのもとにプレイし直す。つまりトライ・アンド・エラーの一環とも呼べる。



・(アーケードゲームにおいて)プレイ中に内部設定が標準のものでないと判明したため


アーケードゲームにおいてゲームランクや難易度設定というものは不可視のものが多く、プレイを開始するまでは判別できないものが大半である。
いざプレイしてみたら残機1機設定、難易度ベリーハード、ノーエクステンドetc…だったことが判明した、といった場合に捨てゲーを行うことがある。
この場合は「希望したゲームではなかった」というのが大きな理由であり、また難易度設定の判明においては時間がかかる場合もある。



・降参すると報酬が貰えない/切断にペナルティがある


オンラインゲームのPvPでは勝ち負けに関わらず参加賞として報酬が貰えることが多いが、試合中に「降参」のコマンドを実行すると何も貰えないケースが大半。
また、通信を切断して強制終了すると報酬が貰えないばかりか、しばらくPvPに参加できないペナルティを伴うケースも非常に多い。
(以前は切断になると「切断された」側も無効試合となり迷惑がかかるケースも多かったが、近年はほとんどの作品で相手に切断された方は勝利扱いとなる)
そこで、明らかに格上の相手とマッチしてしまった、自分の実力が伴わない、もはや勝てる見込みがなくなったなどの場合はプレイングを放棄することで「降参・切断ではない普通の負け」にしてもらい、報酬だけ貰っていくというケースも多く見られる。
上記の「時間がない・離席しなければならない」などと理由が複合する場合も。



問題点など


一人プレイのゲームであれば基本的に他人に迷惑がかかることはないが、
対戦型のゲームの場合、相手からすれば対戦プレイを求めて乱入したのに実質一人プレイをさせられる羽目になるので、
いい顔はされないどころか、喧嘩っ早かったり頭に血が上りやすい人だった場合、直接文句を言いに来ることもあり得る。

『あからさまに初心者狩り目的のプレイヤーに乱入された』『同じ相手に何度も乱入されてうんざりしてきた』等、相手側に問題があって捨てゲーをする人もいるが、
明らかに悪意がある前者のようなタイプはまだしも、悪意がない後者のようなタイプであれば、正直に理由を話せばわかってくれることもある。

『急用ができた』『上司や取引先などの無視できない電話がかかってきた』等、自分の都合でどうしても席を外さないといけなくなった時は、
できる限り相手にその旨を伝えるなどして、相手側に不快な思いをさせないような気遣いをしよう。


どんな人であれ、誰しも貴重なお金と時間を割いてプレイしていることに変わりはない。
ルールはもちろん、マナーも守ってお互いに楽しいひと時を過ごせるようにしたいものである。



追記・修正は捨てゲーされてからお願いします。

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最終更新:2024年03月24日 19:28

*1 ゲーム中に難易度が変動するシステムのこと。ノーミスなど上手くプレイしているとランク(難易度)上がっていき、ミスをしたりすることでランク(難易度)が下がる。

*2 ゲームにおいては理論上出せる最高得点を指す。