ゲッターロボダークネス

登録日:2010/10/21(木) 02:33:41
更新日:2023/08/14 Mon 18:58:00
所要時間:約 7 分で読めます






奪われた全てを奪い返す……

オレ達は奪還者(GETTER)……

ゲッターロボだっっっ!!!



▽目次

■概要

原作 石川賢・永井豪
作画 西川秀明

元々はマガジンZに「偽書ゲッターロボDASH」という題で連載されていたが雑誌毎ドワォされたので、ヤングアニマル嵐に移籍してタイトルを「偽書ゲッターロボダークネス」に改めて連載された。
昨今の石川賢先生の影響から中々抜け出せないゲッターロボ作品達とは一味違い、西川色且つ「本気のマガイモノ」に染まってる作品。
時々、本誌のヤングアニマルにも載ってる。

ゲッターなので原作にはダイナミックプロのお二人が名を連ねているが、石川版よろしく両名とも名義貸しみたいなモン。

西川秀明先生がストーリー・作画を担当してるので、石川版ゲッターや石川的要素を取り入れたOVA版ゲッターを見た事がある人達には
「何だこのひょろひょろ野郎共は!? ゲッターってのはもっと逞しくて熱いんだよ!」
等と言われる事が少なからずあるが、漫画・アニメを問わない深いゲッターの知識や西川先生独特のバイオレンスさを孕んだキャラクター達、そして悪を砕くゲッターロボのカタルシス等、読み進めれば紛れもないゲッターの物語である事が分かる内容となっている。


■ストーリー

8年前、浅間山山麓で謎の大爆発が起こった。
その緑の光は多くの命を奪い、日本の国としての機能までも停止させた。
そして、爆発に包まれた場所は、動植物から有機物や無機物、総ての物質が蕩け混沌と化した。
その爆発の後――イデアと呼ばれる異形の生命体が現れ、人々を蹂躙していった。
その混乱の中に現れた巨大ロボ「ゲッターロボ」は人類の希望として、イデアに奪われた総てを奪い返す為に戦っていく。


■キャラクター

リョウ(了)
ゲッターⅠのパイロットにして、ゲッターチームのリーダー。
両手が義手の野生児系のショタであり、その容姿、怪力、大食いっぷり、そして純粋さは西川先生の漫画「ZMAN」の主人公――ナナシに似ている。
年齢は今のところ名言されていないが、明らかに10代前半の容姿をしている。
しかし、ゲッターのパイロットをしているだけあり、身体能力は常人のそれを遥かに凌駕し、素手でイデアを引き裂く、自分より遥かに大きな岩を投げる等々、最早どっちが化け物か分からん状態である。

考えて見れば、「了」ってイカレた銀髪の蜘蛛の本名と「デーモンハート」の主人公・時坂了と同じ名前、まさに西川先生と石川先生の世界が合致したこの漫画に相応しい名前と言える。

ハヤト
ゲッターⅡのパイロット。 得意技はドリドリと『目だ!!耳だ!!鼻!!』。 ポジ的には、「ZMAN」に出るナナシのライバル――イーデアハンター・ギャンザだが、容姿は全然似ていない。 寧ろ「デーモンハート」のアスモデウスに似ている。
一見厨二病全開な服装と言動のガラの悪いビジュアル系だが、革命組織『ハヤトの軍』のリーダーだった。
総てを奪われる前から文武両道の天才だったのか、ゲッターの操縦技量・適性は三人中トップである。
しかし、「革命の針」という物質を頭に打ち込んだ影響か、非常に狂暴な性格をしており、常に薬を服用して自我の暴走を抑えている。
その姿はまるでヤク中で、一旦暴走を始めたら、強制拘束帯で縛られ、精神安定剤を注入されるまで止まらない。
リョウのゲッター根性魂(ガッツ)注入で、暴走は何とか収まったものの、針は完全に消滅しなかった。
よって、いつ暴走するか分からず、三つの心が一つになればと言うには厳しい状況だ。

ムサシ
ゲッターⅢのパイロット。 このムサシ、美少女である。 美少女である。 大事な事なので二回(略)
緑髪、ツインテール、ナイスバディ、そしてピッチピチの戦闘服に「ZMAN」のヒロインの一人――アジャンタを思い出す人もいるではないだろうか。
これまでのゲッターの事を考えると、嬉しい仕様だと言えるだろう。
ゲッターチーム唯一の常識人。 しょっちゅう喧嘩をするリョウとハヤトを止めたり、司令官の達人にときめいたりとほぼ普通の女の子である。
実はイデアの科学者、イオナスに作られた634番目の「血肉の君」…つまり人造人間であるが、女を材料としか見ないイオナスへの愛は皆無に等しかった。
「血肉の姫」の失敗作にも涙を流し彼女等を家族の様に慕っていたが、彼女達が全滅した後、チーム・ゲッターに加わる。
出自の関係上、イデアに対する憎しみは強く、逃げ腰の相手にもドSな表情で攻撃を加える等容赦無い。
果たして彼女は、ゲッター3パイロットのジンクスを打ち破れるだろうか……?
その前に連載終了したために結果的にジンクスを打ち破ったと言える。

敷島博士
ご存知我等がマッドサイエンティスト。
ショタだったりヤク中だったり美少女だったりと呆気に取られている石川ゲッターファンが安心感を覚える程に、コイツだけキャラも見た目もそのままである。
更に今回のゲッターは敷島博士製であり、主人公サイドの拠点から兵器まで、その殆どを彼が作っている。

◆早乙女達人
チーム・ゲッターの司令官である男で、どうやらイデアの元締めである早乙女一家とは複雑な関係にある様だ。
当初はゲッターⅢのパイロットだったが、イオナスの移動要塞に囚われの身になった際、ムサシと出会い、彼女を庇って両眼を失明した。
ムサシの参加後、常にサングラスをしてブリッジでリョウ達に指示を送っている。
本作では神隼人ポジの彼だが、果たして達人のジンクスを打ち破れるのだろうか……?

◆イデア
本作の敵勢力。
生物とも機械とも取れる容姿で、それぞれが特殊な能力を持ち、人々を蹂躙する。
人語を解するが、人間を完全に下等動物と見做している為、対話による和平は不可能。
大きさも、人間大からゲッターより遥かに大きいものまで多種多様である。
やっている事はどいつもこいつも外道そのもの。 いずれも、普通の軍隊では全く敵わない戦闘力を持つ。
そんなイデア達は、「光のゲッター線」により変異した人間であり、「光のゲッター」を自称している。
イデア達の元締めは上に書いた通り、達人を除く早乙女一家である。


◆早乙女賢(早乙女博士)
8年前の事故を引き起こした元凶である男。 イデアからは、【光の創造主】と崇められている。
宇宙の果てに存在するゲッター線の源へ逝く事を目的としており、それに必要な生命ネルギーを集める為、イデア達に人間採集を命じている。
本作では、原作では無かった早乙女博士の名前を、原作者の名前と同じ「賢」としている。

◆早乙女ミチル
本作では、イデア達から「光の御方様」と呼ばれている早乙女賢の娘。
光と闇のゲッターについて語っているが、何故彼女が父親の計画に協力しているのかは不明。

◆早乙女元気
早乙女賢の娘であるが、達人とアスタルテの回想で名前とシルエットが出ただけ。

アスタルテ
上級イデアの一人で、エピソード3から登場している女性型人間大イデア。
かなり淫乱で、仲間のイデア達から快く思われてなかったらしい。
巨大イデアを自爆させて半径5km以内を消滅させた後、変身して生存者を装い、生存者の捜索に来たリョウの生命力を搾り取って殺そうとした。
結末に関しては項目参照

◆アバドン
大幹部イデアの一人と思われる巨大イデア。
金属製の巨体の中心に髭面の人間態の顔を有している。
直属の部下であるアベルトを、ハヤトの軍に潜り込ませていた。

◆アベルト
エピソード11からエピソード17までに登場した人間大イデアで、アバドンの直属の部下。 嘗ては「阿部」と名乗ってハヤトの軍に潜り込んでいた。
この世の全てを、「ゲッター線の力に比べれば矮小」と考えている。

◆イオナス
エピソード17から登場している人間大イデアで、達人の両眼を切り裂いた張本人。
自らを「美しき天才」と称しているが、本来は醜悪な顔つきをしている。
島程の大きさを持つ超巨大魚型要塞イデア「ラ・ムー」の背面に、ドームで覆われた豪華な宮殿都市を作り上げ、そこを拠点に部下のイデア達に多数の女性を捕獲させ、その女性達のパーツから愛玩用人造人間である『血肉の君』を創り出していた。
ムサシをその最高傑作として作ったものの、その浅ましさと醜さを罵られた事で廃棄するに至った。
*1
最期は心を取り戻した血肉の君達から今迄のしっぺ返しを受け、心臓を引き千切れられるという因果応報の末路を遂げた。

◆エリゴル
大幹部イデアの一人に当たると思われる女性型巨大イデア。顔には両眼しか存在しない。
背中から産み出す「死喰い蟲」で、聖地へ逃げ帰ったアスタルテを嬲り殺そうとした。

◆グール・ザザ
エピソード10に登場した、人間の頭部の様な形態の巨大イデア。
左腕に三本装備された先端にドリルが付いた鋼鉄の鞭をマッハ3の速度で振り回し敵を打ちのめし、背中から放つミサイルで止めを刺す。 他にも右腕に巨大な3本の爪を有している。
ロンドンを蹂躙し、ゲッターIを窮地に追い込むが、ゲッターIIに左腕の鞭を搦め捕られ、ドリルアームで刺し殺される。

◆ザンギ
始動編第1話に登場した巨大イデア。
両肩の竜から放つ摂氏3800度のマグマブレスで敵を攻撃する。
東京で部下を使ってイデアの支配に従わぬ人間を虐殺していたが、リョウに部下を殺された事に激昂し、復讐の為に自らリョウに襲い掛かったところをゲッターIIに阻止され、ゲッターIによって両肩の竜をもぎ取られ、叩き殺される。

◆ゾブリ
始動編第2話〜第5話に登場した、人間大のイデア。
常に円盤型の超巨大イデアに登場して行動しており、その中に人間採集用のタンク型イデアロボ、高速移動を得意とする戦闘型の巨大イデアを自らの部下として多数積載している。
ニューヨークでイデアになる素質のある人間を採集していたが、捕らえた人間全員を素質無しとしてミンチにした。
その後、ゲッターIIによって部下が皆殺しにされると、「発展的撤退である!」と言い訳しながら逃亡。
追撃して来たゲッターⅠを円盤の一部を切り離し自爆させる等して撒こうとするが、海中に逃げ込んだ所でゲッターIIIのゲッターミサイルに船体を破壊され、ゲッター・トルネードでトドメを刺される。

◆ズジ
エピソード1に登場した、巨漢の人間大イデア。リョウ曰く「トサカチキン」。
廃墟の中で女を犯し、惨殺していたが、その現場に現れたチーム・ゲッターに部下を血祭りにされる。
巨大イデアロボと融合するも、あっさりとゲッターIにトマホークで斬り刻まれ、ゲッターIに人間大の本体を握り潰されて死亡。

◆首相
始動編に登場した日本の首相。
良くも悪くも保守的な人物で達人からは「醜い」と軽蔑されているが、作中にて(大災害から8年経ってからであるが)ゲッターチームの要請で被災地区に救援隊を派遣して被災者を支援していたあたり、本作における権力者の中ではまだマシな部類と言える。*2

◆純
エピソード8.5に登場したホステス風の美女。
汚染地区となった港町でバーを経営しており、ナイスバディで容姿がどことなくアスタルテに似ている。
8年前の大災害で漁師だった夫と子供を失い、自身もゲッター線に肉体を蝕まれて現在に至る。
前述の経緯から、希望を持てずに退廃的な人生を送っていたが、作中で客として訪れた了に心を救われていた。*3


■主役メカ

◆ゲッターロボ
上記の通り、今回の敵であるイデアはゲッター線に魅入られた者達。
ゲッター線の強大な力に対抗すべく、本機は同じゲッター線でも正反対の性質を持つアンチゲッター線、「闇のゲッター線」とも呼ばれる宇宙線を動力に使用している。
勿論、ゲッターの名を冠しているので変形・合体能力を有しているが、本機の最大の特徴はその動力である。
アンチゲッター線はパイロットの負の感情――つまり怒りや憎しみに反応して増幅される。
そして、アンチゲッター線が最大に達すると機体が黒く変色し外観まで変わり、一時的にダメージを回復し、その能力を飛躍的に増加させる。

基本的にその形はアニメの初代ゲッターに似ており、やや現代風にアレンジされてある。 故に、そのアレンジされた部分を紹介しよう。

  • ゲッターⅠ
ウィング・トマホークは余り変わり無いが、ゲッタービームが一撃必殺の奥の手となっている。 なのでピンチの時しか出せない。
危なくなった時には上に書いた様に黒く染まり、頭部の装甲の奥の生体的に見えるキバが露になる。
その姿はえーと…ゲッターと言うより邪鬼王だなコレ。

  • ゲッターⅡ
ドリドリ
元のデザインよりやや青がかった色になり、シルエットもややいかつくなっている。
武器にはドリルとワイヤーの合わせ技「ドリルワーム」が付いた。 チェーンアタックではない。
ハヤトが暴走した時の為に、コックピットには強制拘束帯と精神安定剤がある。

  • ゲッターⅢ
水中担当。
水中以外では使えなさそうな、下半身はまるで潜水艦の様な形をしている。
そうなると必然的に出番が限られるので、この形態をどう活用して出番を増やすのかが気になる所。
武装はゲッターミサイルと、ポセイドンのゲッターサイクロンの様な『ゲッター・トルネード』。


「俺はゲッターが見たいんだ!」と叫ぶそこのあなた、絵柄等で好き嫌いせずに読んでみては如何だろうか?





追記・修正…

するっきゃねえなあ…ええ?

イデアさんようっっ!!!


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最終更新:2023年08月14日 18:58

*1 ムサシが作られた時点で血肉の君は634体に数十をも超える失敗作もいて、その後も何体も作り出した事から数え切れない程の女性が犠牲になったと思われる。

*2 ハヤト編の回想シーンで登場した都知事や自衛隊のリーダーは権力に溺れて堕落した俗物であり、どちらもハヤト軍に容赦なく惨殺された。

*3 エピソード8.5は了の視点で描かれているためか、普段と違って了が喋っている描写は無い。