クロノス十二神将

登録日:2012/06/29(金) 23:13:17
更新日:2023/05/11 Thu 09:22:08
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クロノス十二神将とは、漫画『強殖装甲ガイバー』に登場する秘密結社クロノスの最高幹部の総称である。
メンバー全員が獣神将(ゾアロード)と呼ばれる存在(一部除く)である事が特徴。




獣神将(ゾアロード)とは

地球人類の上位調整体但しワフェルダノスは例外であり、思念波による精神支配で獣化兵(ゾアノイド)を統率する指揮官型獣化兵が獣神将である。

獣化兵と同様、戦闘時には獣神将としての本来の形態である「戦闘形態(バトルスタイル)」に「獣神変(じゅうしんへん)」するが、その能力は桁違いであり、気象重力、それどころか空間をコントロールして戦い、その戦闘力は獣化兵はおろか、ガイバーをも凌駕する。
また獣化兵もガイバーも基本的には変身しない限りその能力を行使する事はできないが、獣神将は怪力やバリア展開など一部の能力は変身してない人間形態でも使える。チート。

いずれの獣神将も、額にその能力の源となっている「ゾア・クリスタル」という結晶状の生体組織が埋め込まれており、これが獣神将の弱点でもある。
大半のメンバーは簡易防具を兼ねたボディスーツとプロテクターを纏っており、全力を出す際はそれらを脱ぐ(というか全力を出すレベルの相手だと破壊され脱がされる)。

獣化兵に調製された者にとって獣神将は神にも等しい存在であるように、獣神将もまた創造主たる「降臨者(ウラヌス)」に対する「絶対的服従」が遺伝子に刻み込まれている。


クロノス十二神将

CVは全てTV版。

アルカンフェル

CV:松本保典
十二神将の長であり、クロノスの創設者にして総帥。降臨者によって創造された唯一の原初の獣神将(オリジナル・ゾアロード)であり、降臨者のデータを元にしてバルカスが調製した他の神将とは一線も二線も越えた実力を持つ「本来の仕様の獣神将」。
ガイバーⅠ、ガイバーⅢ(片肺)の三門のメガスマッシャーの斉射を跳ね返し自滅させるという絶大な力を見せ付けた。

イマカラム(村上)が見たアルカンフェルの記憶のヴィジョンでは、降臨者が地球生物を絶滅させるために衝突させようとした超巨大隕石をそのサイズに匹敵するぐらい巨大に展開したバリヤーによる体当たりで破壊しており、天体にすら干渉する力を持つ超絶的な存在である事が明かされている。

降臨者の設計仕様そのままの「箱舟」を運用するために自分を含めた12体の獣神将が必要だったため自らのゾア・クリスタルから胚核レプリカで他の神将用のクリスタルを作った事が明らかになっている。
その他の描写からも、他の獣神将の能力はアルカンフェルから振り分けられていると考えられる。

ある一定の期間を過ぎると休眠期に入るという致命的な弱点があり、この事はバルカスを初めとする一部の神将しか知らない。

リヒャルト・ギュオー

CV:有本欽隆
本編に最初に登場した獣神将。重力兵器を用いる「重力使い」の異名を持つ。
襲撃の際には律儀に挨拶をしてくる。
「おはよう諸君」
「こんばんは諸君」

登場初期はまだ獣神将の存在が明らかになっておらず、「なんか大きな権限を持つポジション」という事以外は謎に包まれていた。
OVA版ではネガポジが反転したかのような黒い瞳になっており、不気味さが強調されている。
実は強殖装甲の真の力を知っており、自身が支配者となる野心がためアルカンフェルに叛意を抱き、造反を企む。

獣神将は浮遊・飛行など大なり小なり重力操作能力を持つが、ギュオーはその中でも最強の重力使いであり、直接的な戦闘力ではトップに位置する。
指の付け根の重力球(グラビティ・ポイント)から撃ち出す「重力指弾(グラビティ・ブレット)」、高重力で対象を地面ごと圧搾し破壊する「崩地破砕(グラビティ・クラッシャー)」などが主な技。
さらに全身の主用重力球(グラビティ・ポイント)を射出し圧縮させて形成する「疑似ブラックホール」を切り札としている。
この疑似BHは放置しておくと自分でも制御できない「本物のブラックホール」になってしまうので、早い内に敵を呑み込ませてから「中和」し消滅させなければ命取りとなる諸刃の剣である。

外見は壮年の男性だが実は獣神将に調製されたのはメンバー中最も遅く、言い換えれば最年少の若輩者。
アルカンフェルへの謀反も、その威光を目の当たりにした事がなかったのが影響している。

遺跡基地での戦いでアルカンフェルにゾア・クリスタルを奪われ火山の火口に落下し死亡したと思われたが生存し深町達の隠れ家を探し出し新宿の辺りをうろつくホームレスになっていた。
その後、クルメグニク派に合流し再調整を受け、何らかの時限リミットのあるダミー・クリスタルを埋め込まれ試作獣神将(プロト・ゾアロード)と同レベル程度の能力になった。

  • ギュオー・クワドリガ
漢字では「獣将戦車」と書く。
合体能力を持つ特殊獣化兵「ウーヌス」4体をギュオーを中心に合体させた姿。
巨大な蜘蛛のような下半身となる。
ダミークリスタルによってウーヌスを文字通り手足のように操ることで高い機動力と格闘能力を発揮できる。
その戦闘力は超獣化兵が全く歯が立たないリベルタスが全く歯が立たないほどで、ガイバーⅡFを包囲していた獣化兵軍団を一瞬で壊滅させた。

ハミルカル・バルカス

CV:亀井三郎
クロノスのNo.2を勤める老人。最古参のメンバー。
「怪物頭脳」の二つ名で呼ばれる天才科学者で、降臨者の残したテクノロジーから獣化兵や獣神将を作り出した。

元は大航海時代にポルトガルからブラジルに船医として志願し旅立った老学者*1だったが、乗っていた船が嵐に遭い、当時アルカンフェルが眠っていたシラー島にただ一人流れ着いた。
そこでアルカンフェルと出会い、本能的にアルカンフェルこそ自分の主たる存在と直感し、アルカンフェルからゾアクリスタルを授けられ獣神将となった。

普段は眠っているアルカンフェルに代わってクロノスの実質的な運営の一部を行っている。
アルカンフェルへの忠誠心が非常に強く、またそれに応えるようにアルカンフェルからの信用も篤い。
敵対する反乱分子や組織内での不協和音に悩まされる、間違いなくクロノス一の苦労人。
メンバー中最も強い透視能力や思念波の持ち主。戦闘形態に関する情報はいまだ不明である。

シン・ルベオ・アムニカルス

CV:松本大
バルカスに次ぐ十二神将の古株でクロノス統制局局長。
アルカンフェルとバルカスの次に偉い立場にあると思われる人。本人の発言からアルメニア出身である事が作中で明かされている。

バルカスと同じくアルカンフェルに忠誠を誓っており、またバルカスの事も「バルカス翁」と呼んで敬っている。
十二神将の中でも屈指の人格者であり為政統治の手腕も確かなためかクロノスの実質的な組織運営を任されており
どこか似た者同士であるガイバーⅠ・深町晶からも「話が通じる相手」と信頼されるほど。

作中では派手な活躍こそしないが、親友が死んだり造反を企てる連中に翻弄されたりとバルカスに次いで苦労している。
何気に飛行速度がメンバー中最速という設定がある。間に合わない事が多いが。
現在戦闘形態はプロテクター装備状態で僅かしか見せていないが、31巻巻末設定資料によると全獣神将中最も広い範囲を覆える「広域バリア」や重粒子ビームを用いた広範囲・広域迎撃など、防衛向きの能力であるとの事。
劇中では街諸共ギガンティックXDを消し飛ばそうとする巨獣神カブラールの背ビレミサイルを半径2Kmにわたって撃墜した。
また広域バリアは範囲だけでなく短時間ではあるがギガンティックダークのギガスマッシャーを防げるほど強固であり、ギガンティックがXD化する時間を稼いだ。
獣神将の中でバルカスにより聞かされたアルカンフェルの秘密を知ってる一人。

フリドリッヒ・フォン・プルクシュタール

CV:土田大
天候を操る力を持った獣神将。ウィーンでバルカスに見出されたと発言しているためドイツ系の人と思われる。
シンの友人であり、共にアルカンフェルに忠誠を捧げている。その姿勢はシンと共にバルカスからアルカンフェルの重大な秘密を教えられる程。

クロノス統制局日本支部長。制圧後最もデリケートな地域である日本を任せられた事から、その為政能力の高さが窺える。
クロノスが支配する世界において、ガイバーは「地球侵略を狙うエイリアン」という扱いを受けているのだが、その情報操作を行ったのはプルクシュタールである。

ガイバーが無差別テロを行っているという情報を聞きつけて現場に向かい、同じく現場にやってきた晶と激闘を繰り広げる。
実はこれは反アルカンフェル派の策略で、実際に無差別テロをやらかしたのは彼らが用意した偽者だった。
そして消耗したプルクシュタールは口封じに反アルカンフェル派に暗殺されてしまう。
しかし、この場面を麻生と常盤平という2人のカメラマンが目撃しており、彼らが晶に協力するきっかけとなった。

戦闘形態では雷撃を自在に操ったり、レーザーを放射したり、敵のレーザー攻撃を吸収したりと遠距離の間合いでの戦闘を得意とする。
反面、格闘及び肉弾戦は苦手でそれらの防御は獣神将共通能力のバリア展開に依存しているのが弱点。
ギガンティックの重力拳(グラビティ・ナックル)で殴られて戦闘を続行できる時点で十分強い様な気もするが恐らくそのレベルでも
「獣神将の中では身体能力が低い方」という事なのだろう

ラグナク・ド・クルメグニク

CV:麻生智久
禿頭と褐色の肌が特徴的な偉丈夫。
現状の反アルカンフェル派の筆頭だが、それはギュオーの造反からアルカンフェルとガイバーに対し疑問を持った事が原因であり、それまではそれなりには忠誠を持っていた。
バルカスとシンの頭痛の種。

作中で目立った活躍はしていないが色々な策謀を巡らせてクロノスをかき回している。
最近では粛清を潜り抜けて生きていたギュオーを拾って再調製を施すなど、ますます手段を選ばなくなった。
獣神将形態は不明だが、球体になって魔神ジャービルの一部になる。

カブラール・ハーン

常に座禅を組んで宙に浮き、オリエンタルな衣服に身を包む妖怪ジジイ。飄々とした雰囲気の裏には他者の命を弄ぶ残忍性が隠れている。
クルメグニクと同じく、反アルカンフェル派。

作中では触れた物体を石化させる能力でアプトムを捕らえ、さらに自身の分身たる擬似脳を仕込んでアプトム救出にやって来た晶と速水を迎え撃った。

多数の獣化兵を吸収させたイヴィル・アプトムを用いて最初は優位を得るが、晶の機転により失敗。
それで完全にキレてしまったカブラールは本来の能力である「巨獣神変化(ドラゴニック・バースト)」を敢行。
巨大な脳髄を想起させる中間準備形態「ブレイン・モード」で思念波で調製を受けた一般市民を呼び寄せ、
彼等を「融合同化」して全長100mを超える「巨獣神(ドラグロード)・カブラール」に変身する。

巨獣神形態では背鰭をバリア貫通可能なミサイルにして放ったり、背中周りに生えているブレインモードの武器である「巨顔触手」を用いたり、口からあらゆる物を焼き尽くす「煉獄砲(プルガトリウム)」とその強化版「真・煉獄砲(ウェールス・プルガトリウム)」を放つ。
が、それを受けて同じく巨大化したギガンティックXDとの戦いに敗北。
済んでのところで本体のみの「遁走態(エスケープフォーム)」となって脱出するが、最期はオメガブラストに進化したアプトムに凍結破砕されて死亡した。

一見非力かつテクニカルなタイプに見えて、実際は巨躯と馬鹿力で強引に相手を叩き潰す戦法を好む獣神将屈指のパワーファイター。
制圧戦では周囲の獣化兵を吸収し巨獣神変化する事で戦術核の直撃すら凌いでいた。

ジャービル・ブン・ハイヤーン

CV:園部良徳
ターバン巻いたおっさん。反アルカンフェル派。
曲がりなりにも策謀を巡らすクルメグニク、実際にガイバーと戦ったカブラールと違いマジで何にもしない。
クルメグニクに付いているが、その行動に不安を覚えるなど完璧に小物。
なんでこんなのを最高幹部に選んだ……。

獣神将形態「魔神ジャービル」になると、TNT爆薬並みの威力を持つ「圧搾空気弾」、天候を操る「超巨大嵐雲(スーバーセル)」を使う。
ただ、能力を発揮するには球体になったクルメグニクの協力が必要。
自分の能力を他人任せとはどんだけ自信ないんだ……。

ワフェルダノス

長い髭と鋭い牙を持つ、獣化してもいないのにどこか獣を思わせる獣神将。
獣神将としての戦い方は、「臣毛」と称する特徴的な髭や剛毛を伸ばして操るもの。束になった毛はギガンティック・ダークの力でも引き千切れないほど頑丈で、破壊力もある。但し制限時間あり(後述)。


長い時間を孤島で無為に過ごしていた中、300年前にシラー島に似た雰囲気を感じ調査に訪れたバルカスに出会い、彼と対話し感心したバルカスによって獣神将に迎えられた。
広い世界にその真実と生き甲斐を与えてくれたバルカスには恩義を感じており、組織よりもバルカスのために戦っている節がある。
ギガンティック・ダークとの戦いに敗北するも、根の一部が回収され、本部に保管されている*2

()剡魋(エンツィ)

CV:四宮豪
両手足などが鋭い刃物を思わせる雰囲気の獣神将。伸ばした前髪で隠された片目は塞がっている。
東洋(というか中華系っぽい)文化圏出身だからか、獣神変の掛け声は「化獣神(ホアショウシェン)」、自身の技は「絶空斬(ジェガンヅァン)」とマザーランゲージによってネーミングされている。

空間上の座標にマーキングを施す事で構成された『面』を境に一切の事象を空間ごと切断する上、反対側の『面』をほぼ当人の自由な座標に配置を弄れるというチートもいいところな能力を持っていたが、ギガンティック・ダークに能力を逆用され敗北。
あまり見せ場の無い不遇幹部。

エドワード・カールレオン

プルクシュタール、エンツィ、ワフェルダノスのゾア・クリスタルを狙った謎の存在アポルオンに挑むもあっさり負けて自分のクリスタルを奪われた。
一応は生きているが、クリスタルが無いため極度の老衰状態。
クリスタルを奪われる前は若々しい長髪のイケメンだった。メンバーの中では早期に調製を受けたのかもしれない。

戦闘形態では「デバウァリング・プラズマ」という誘導能力のある光弾を用いるが、その最大の武器は「安全な虚数空間に身を潜めた状態で無敵の分身を実空間に投影し、相手にけしかける」というこれまた結構なチートスキル。
アポルオンはその事を知っている上で同じ能力で攻撃してきたから、噛ませ状態になったのは仕方ない面もある。

トゥアハ・デ・ガレノス

まるでひび割れた岩石のような表皮を持つ巨漢の獣神将。人間態でも人間離れしており、一斉攻撃の時はこの姿のまま口から熱線を吐いていた。
魁偉な容貌に反して出番に乏しく、影の薄い幹部。

イマカラム・ミラービリス

ギュオーのゾア・クリスタルを与えられた13人目の獣神将。
その正体はギュオーのプロトタイプであり、晶達と共にギュオーと戦った村上征樹。
ギュオーのプロトタイプだけあってギュオーと同じく重力操作系の攻撃がメインだが、アルカンフェルの用いる空間操作系の攻撃も一部使用可能となっている。

アルカンフェルが休眠している間、その護衛を行う特別な任務を与えられている。
試作獣神将時代の過去の記憶を有しながらそれを「塵芥に等しい」と言い切る程の人格改変操作を受けている為、頼れる仲間だった村上とは一変して冷酷で狡猾な性格になっており、アルカンフェルやバルカスにも無条件に従う。
また、この精神操作によってアルカンフェルの精神と繋がっており、アルカンフェルの過去と真意を知る数少ない存在。

イマカラムは「MURAKAMI」の逆さ読みであり、ミラービリスはラテン語で「驚異の」の意。
つまり、「イマカラム・ミラービリス」とは「ビックリ仰天!村上征樹は生きていた!?」くらいの意味である。





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最終更新:2023年05月11日 09:22

*1 ハンニバル・バルカの父とほぼ同じ名前だが、時代が違うので本人とかではない……はず。恐らく同姓同名だと思われる。

*2 とはいえ、この根からワフェルダノスを再生させる事は出来ない模様