ニョロトノ

登録日:2011/11/16 Wed 23:42:44
更新日:2023/12/31 Sun 09:59:59
所要時間:約 5 分で読めます




3匹以上ニョロトノ集まると、かならず怒鳴るような鳴き声で合唱をはじめる。



出典:ポケットモンスター めざせポケモンマスター、2話『サトシVSカスミ!うみべのいっきうち!!』、
2023年1月13日~2023年3月24日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


ニョロトノとはポケットモンスターシリーズに金・銀から登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.180
分類:かえるポケモン
英語名:Politoed
高さ:1.1m
重さ:33.9kg
タマゴグループ:水中1
性別比率:♂50/♀50

タイプ:みず
特性:ちょすい(水タイプの技を受けるとそれを無効化し、HPが最大値の1/4回復する)
  :しめりけ(場にいる限り爆発技と特性「ゆうばく」を不発にする)
隠れ特性:あめふらし(場に出ると5ターンの間、天候を雨にする)

HP:90
攻撃:75
防御:75
特攻:90
特防:100
素早さ:70
合計:500

努力値:特防+3

進化:ニョロモ(レベル25)→ニョロゾ(「おうじゃのしるし」を持たせて通信交換)→ニョロトノ

■概要


初代から存在するニョロゾの分岐進化形として金銀から登場した黄緑色のカエル型のポケモン。
分岐先であるニョロボンとは対の存在。

ニョロボンの時は何故かおたまじゃくしのままだったニョロモ系列がついにカエルへ正統派進化した姿。
実はポケモンで初めて登場した「カエル」である*1

ニョロモやニョロゾの群れのリーダーであり、喉を膨らませて鳴き声を出すとニョロモやニョロゾ達が大量に集まってくる。
一喝することで皆怯えてその場に伏せる。
頭に生えている巻き毛は王者の証であり、長く綺麗に巻かれている程威厳があるらしい。

ニョロトノが三匹以上集まると怒鳴るような鳴き声で合唱を開始する。
とある作曲家はニョロトノの合唱にインスピレーションを受け、美しいバラードを作曲したという。

夜行性であり、月夜の池のほとりに現れたあと前述の怒鳴るような鳴き声で縄張りをアピールする。

頬にあるピンク色の丸は、性別によって大きさが違う。小さい方がメス。


■ゲームでのニョロトノ


前述の通りニョロゾの進化形だが、進化には地味にレアアイテムな「おうじゃのしるし」と通信交換が必要なため入手は若干面倒。

また主要のトレーナーの使用者もほとんどおらず、ストーリー的にはかなり地味な存在と言える。
初登場の金銀時代はふしぎなおくりもので友人やポケスタのオクルと通信していなければ図鑑に姿を載せることすら出来なかった。
同じ「おうじゃのしるし」もだいたい作中でヒントがある上に映画で知名度のあった「ヤドキング」に使っちゃうし、そんなわけでアニメで抜擢されるまでは割と影の薄いポケモンだったのである。

トレーナーではBW2Nが春の時に先発として繰り出してくる。
特性は「あめふらし」。

第五世代初期を遊んでいたプレイヤーには、このニョロトノ絡みの苦い思い出があるだろう。
詳しくは隠れ特性の項目へどうぞ。


■対戦でのニョロトノ


ニョロボンよりもやや特殊寄りの能力値を持つ。

やや特殊耐久に優れているが、それら以外の能力はニョロボン同様に全体的に横並びで種族値的には突出した部分も致命的な欠点も無いバランス系。

「さいみんじゅつ」「アンコール」「ほろびのうた」等、優秀な補助技をそこそこ覚えるのが特徴。


しかし競争率が異常に高い水単タイプにおいて一芸に特化できないというのはかなり厳しいものがある。第三世代で得た特性も、相手に依存しやすい「ちょすい」と完全に依存する「しめりけ」だ。
一応当時は「だいばくはつ」が強かったとはいえ、弱点が少ないことを除けば耐久力が並なポケモン相手に爆発したがるポケモンなんてそういるはずもない。
そのため第4世代までは、その中途半端な種族値と技のバリエーションのなさのおかげで他の強力な水タイプ達の影に隠れてしまう、極めてマイナーな存在であった。
種族値が完全に上位互換であるミロカロススイクンの壁が高過ぎるし、生命線となる催眠戦術が蛇蝎のごとく嫌われていたという事情もあってかなりいばらの道のポケモンだった*2。当時差別化を狙える技だったら「とびはねる」「ほろびのうた」くらいだろうか。
差別化のための技にこだわると「ほろびのうた」で交代を迫りながらの「きあいパンチ」のような錯乱した型が出来上がってしまう。差別化を狙いすぎて何もできないボンクラができてしまってはしょうがない。
かといって普通に使うんだったらもっといいポケモンはいる。たとえば耐久型で使う場合には技が足りない。アタッカーにするにしてもろくな積み技もなく、「C90でタイプ一致ハイドロポンプが打てる」程度ではさすがに戦いづらい。
他の水単ポケモンでさえ差別化や一芸特化に苦心していたような時代に、ニョロトノは何をやっても半端者になってしまうどうしようもないポケモンだったのだ。マイナー使いにも匙を投げられていたところがあり、だからこそ第五世代で大抜擢されたのだろう。
マジで第四世代以前ってどういう風に運用したっけ……?


しかし第五世代からは事情が一変。
隠れ特性としてカイオーガと同じ特性「あめふらし」を取得し、一気に要注意ポケモンの一角に君臨することになった。
ついに一般ルールで天候始動役が解禁されたのである。

雨パには必須の存在となり、キングドラやルンパッパラティオス等強力な雨アタッカーと組むのはもはやデフォルト。
恐らく第五世代から雨パをトップメタにまで引き上げた最大の要因。

当然雨によるサポートだけでなく、カイオーガ同様に雨で強化された水技も単純に強力で単体でもかなり脅威。
「かみなり」等を覚えない為カイオーガほど活かし切れてはいないが、
それでも雨により強化された「ハイドロポンプ」は威力だけならあのラティオスの「りゅうせいぐん」を上回るので並のポケモンは即死である。
第四世代で「ひでり」「あめふらし」が解禁されていなかった理由がなんとなく垣間見える。当時の基準ではさすがに火力が度を越えてしまうと判断されたのだろう。

また上記のように補助技も優秀で「ほろびのうた」による流し能力や、単純に強力な「さいみんじゅつ」、相手を固定して隙を作る「アンコール」等々、サポート・妨害にも隙は無い。

こうしてニョロトノはマイナー使いからも見放されるほどだったポケモンから一転、メジャーポケの一角へとのぼりつめることとなった。
ポケモンは非常に種類が多いことで有名になったゲームであり、やはり何らかの一芸があることが求められるということをこの上なく立証したのである。
ただ前述の種族値の微妙さそのものは全く変わっていないため注意が必要。無理すると意外に押し負けがち。

特に天候を雨以外に変えられると悲惨。タイプ相性的にもユキノオーなんかは天敵と言っていい。
またサブウェポン自体も標準的な水タイプの物であるため単純な水受けも苦手。
特に雨パの天敵として有名なナットレイは強く意識したい。
他にも「よびみず」トリトドン辺りが苦手。

「きあいだま」や「めざめるパワー」、控えのポケモン等で上手く対処したいところ。

世代当初は「こだわりスカーフ」スイーパー型、耐久振りアタッカー型、「みずのジュエル」型など、攻撃性能を活かした型が主流であったが、どれも自身が場に残ってしまうことで本命のキングドラを活かしづらくなるというジレンマを抱えた型であった。
それを解消したのが「だっしゅつボタン」型であり、天候を書き換えられる前に相手の攻撃に合わせて「すいすい」発動状態のキングドラをひとたび出せば、キングドラに後出しできる天候要員は当時存在しなかったため、そのまま全抜きかそれに近い大打撃を相手に与えることが可能であった。

第6世代では「あめふらし」等の場に出ただけで天気を変える特性が5ターンまでと弱体化したのが痛い所。
だが、雨パを組む際には依然として重要なポケモンであることに変わりはない。

第7世代ではペリッパーも「あめふらし」を習得しており、雨パの天候スターターの座を争うライバルとなった。
あちらは「ぼうふう」「とんぼがえり」「はねやすめ」「おいかぜ」、こちらは耐久力や「さいみんじゅつ」「ほろびのうた」「アンコール」等を使える点で勝る。
いずれにせよ一長一短なので、好みや構築論あたりで決めてしまえばいいだろう。

カエルポケモンではあるが、ガマゲロゲ系と違ってレベルアップでは「りんしょう」を覚えない。
特にこの技と相性が良いわけでもないので技マシンを使ってまで覚えさせるメリットもないのだが。

第9世代では碧の仮面で解禁された・・・のだが前作までと比べると採用率は大きく落ちている。
同時期に解禁されたトルネロスがあまごい以外の天候始動技を覚えてしまったことが原因。
交換から天候を取ろうとしても後から天候始動技で天候を書き換えられてしまう。
その結果「雨PTで使っても天候を取りにくい上、天候始動役としてもあまごいで一手取られるがトルネロスの方が確実」となり大きく評価を落としてしまった。
前作での主力技だったねっとうが剥奪されてるのも痛いところ。

■ポケダンでのニョロトノ


救助隊では「きたかぜのだいち」に出現。
フロア全体に効果があり、ヒットすると3ターン後に力尽きる『ほろびのうた』で多くのプレイヤーを絶望の淵に立たせた。
しかし、裏を返すとこれは味方に付けると心強いとも言える(それでも当たらない時は当たらないが)。
ちなみに、『ほろびのうた』で倒したポケモンからは経験値を得られないので注意。

散々嫌われたニョロトノは時闇で消された筈だったが、空の運命の塔にまさかまさかのサプライズ出現。
元から凶悪な技揃いだったが、ご丁寧にステータスも最強クラスに調整。
開発の悪ふざけじみた難易度へのテコ入れだろう。

そして北風の大地と違いレベル1ダンジョン、しかも運命の塔は救助も復活も出来ない特別仕様。

ポケモンによっては技や特性で対処出来る場合もあるが、
大抵のポケモンはいやしのタネがなければ問答無用で死亡であり、運命の塔深層はただの運ゲーと化してしまった。
…と思われていたが、案外わざの命中率に難を抱えていたり、かしこさで隙ができたりするので強敵感は薄かったとされている。

……蓋を開ければ上記の都市伝説に過ぎなかったニョロトノだったが、救助隊DXにおいてすごわざ「つうろひっちゅう」を獲得することにより、究極のバケモノへと覚醒。
自分から通路に入って、命中率100%のほろびのうたを放ちフロアの敵を3ターンで一掃する、最高の味方として存在感を放つのであった。
ただそれだけなら、ストーリー中に加入するアブソルや、クリア後ダンジョンに出てくる高レベルなムウマでも可能だが、こいつの場合はLv5ダンジョンで実践投入が可能。
こんなポケモンが敵でなくてよかった。

こうして、リメイク前のフーディンに代わる高速救助枠として活躍の場を増やしたという。
しかし、ほろびのうたで敵を倒すと仲間も経験値も増えず、ご丁寧にLv5ダンジョンには「ぼうおん」「だっぴ」「しぜんかいふく」持ちがそこそこに出現するため、
この技だけですべてを乗り切ろうとすると事故死のリスクがある。救助依頼に合わせてどこでどんだけ「バブルこうせん」「おうふくビンタ」も駆使して稼ぐかが課題。

■アニメでのニョロトノ


カスミがオレンジ諸島編でゲットしたニョロモが、後にニョロトノに進化した。
陽気な性格をしており、笑顔で拍手するように手を叩くことが多い。
トニョーロトニョーロ


■『ポケットモンスターSPECIAL』でのニョロトノ


第3章の主人公、ゴールドの幼なじみポケモンの1匹として登場。ニックネームは「ニョたろう」。
ニョロゾがシルバーのシードラとの通信交換によって進化した。
「うずしお」や「さいみんじゅつ」等で活躍する。
3章終盤では、なんと自滅覚悟の「ほろびのうた」でヤナギデリバードと相打つ大健闘を見せた。

それまでの主人公が集結する第6章でも、レッドニョロと共にガイル・ハイダウトとタッグバトルをしたりとゴールドの手持ちの中でも出番は多め。

■ポケモンカードゲームでのニョロトノ


ポケモンカードの現在のルールは「化石が「きぜつ」した場合もサイドカードを1枚取られる」というものになっており、アニヲタwikiの利用者層に多いポケモンカードGB時代とはルールが異なっている。
このルール変更の原因になったのが、ポケモンカードのADV~PCG時代*3の「化石を壁にする戦術」が大流行したため。特に当時は「なにかの化石」以外から進化するアノプス(ツメの化石)とリリーラ(ねっこの化石)が登場したことで化石の種類が増え、しかもHPが40と意外と高い(この後に「なにかの化石」もHP50になって再登場する)。
しかも「ツメの化石」は「相手からダメージを受けると相手に10ダメージ」という能力を持っていたためあらゆるデッキにフル投入された。相手に勝手に10ダメージを与えてくれて、サイドカードは取られず、こちらの任意のタイミングでトラッシュできるという万能カードだった。これを壁にしてベンチのポケモンを進化させていくのである。

その戦略を大成させたデッキのひとつが、「金の空、銀の海」で収録された「ニョロトノex」を軸にしたもの。
このニョロトノには「なぐってひっこむ」という本家のとんぼがえりのようなワザがあり、これによって「自分のターンでは化石をトラッシュしてニョロトノを出して殴ってひっこみ、相手のターンでは化石を盾にしてニョロトノをかばう」という戦術が成り立ったのだ。
このニョロトノは条件付きで120ダメージになるワザもあるので、優勢を築けたらたやすく攻めに転じられる。この「化石ニョロ(化石ニョロトノ)」というデッキは当時の化石の利点を徹底的に利用した、いわば流行戦略の集大成のようなデッキだった。

この戦略を大成させたもうひとつのデッキ(「ヌケテッカ」「化石ヌケテッカ」などと呼ばれる)の方は守勢に回ってじっくり戦うことをもくろんでおり、あまりに守りが固いのでTODを狙うこともできたという。
こういったデッキの流行を受けて、化石のルールが変更された。つまりこのニョロトノ、ルール変更の立役者の1匹だったというわけ。


ついきしゅうせいの ようぼうは アニヲタの たしなみだ。しっかり おもしろく まとまっている きじほど アニヲタの そんけいを あつめると いわれている。



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最終更新:2023年12月31日 09:59

*1 こいつが出てくるまでニョロボンは一応カエルになってるのかオタマジャクシのままなのかで派閥があった。

*2 ちなみに当時の催眠型で好まれた持ち物が「こうかくレンズ」。さいみんじゅつに加えて「ハイドロポンプ」などの命中率も上げられて無駄がないのだ。

*3 ポケモン本家で言うと第三世代。現在はスタン落ちではなく互換切りされているため、公式サイトで検索しても出てこない。見に行きたい場合は有志サイトがあるのでそちらをどうぞ。