ヴィンセント(コードギアス)

登録日:2011/01/16(日) 01:00:31
更新日:2023/07/10 Mon 12:20:52
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「こいつか……イレギュラーは!」

「ふざけるな。スザクじゃあるまいし、戦略が戦術に潰されてたまるものか!」


出典:コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN2 「日本 独立 計画」 毎日放送、サンライズ、コードギアス製作委員会 2008年4月13日放送より





【目次】




【概要】


ランスロット量産計画、通称「ヴィンセントプラン」で開発されたランスロットをベースにした量産機の総称。
資料などではランスロットと同じ第7世代機相当とされている。

皇暦2017年頃、黒の騎士団をはじめとした反ブリタニア勢力に強力なKMFが現れ始め、神聖ブリタニア帝国のKMF開発における優位性が揺らいでいた。
そこで帝国はエリア11において高い戦果を挙げた嚮導兵器ランスロットの量産計画を発動。
計画はランスロットを開発した特別派遣嚮導技術部を解消発展させたキャメロットを中心に進められ、
各部隊の精鋭パイロットにランスロット・トライアルなどの試作機を配備すると共にそれらの実働データを収集していき、皇暦2018年に量産試作機としてこのヴィンセントが完成した。


幾つかのバリエーションが存在するが、基本は額にあるV字に分かれた角のようなパーツとツインアイ、左右に大きく広がった肩部を持つのが特徴。
量産を視野に入れた機体であるが、ランスロットを元にしているため機体出力や運動性はサザーランドグロースターなどの前世代機を大きく上回る。(先行試作機の劇中での恐怖の活躍は主に搭乗者のギアスのおかげだが……)

ランスロットのものを上回る光学測距離能力を持つ新型ファクトスフィアを両肩に内蔵。使用時には肩前面の装甲が開閉しファクトスフィアを露出する。
更にランドスピナーは脚部だけでなく両肩の先端部にも仕込まれており、壁面上昇時の効率化など、より立体的な動きをとることが可能となっている……らしいが位置が位置であるためかあんまり使われない。
武装面でも機体出力の向上により、MVSなど前世代機では運用し難かった高出力武装を採用してる。
また、量産に向けた機体だけあって元型機には無かった緊急脱出装置もきちんと搭載。
駆動系サクラダイトへのゲフィオンディスターバー対策も講じられ、弱点らしい弱点も無くなっている。


……だが、ベース機自体高性能過ぎて常人には扱い難い代物だったため、一部とはいえその性能を受け継いだヴィンセントもまたエース級パイロットでも機体出力に振り回されかねないピーキーな機体に仕上がっていた。
ハイエンド量産機として開発されてしまったがために、そのままの仕様ではサザーランドなど現行主力機の互換機とするには機体性能が高過ぎたのである。
そのため、まず先行試作型としてヴィンセントが一部の精鋭を中心に支給され、その後運用データを生かした正式配備型のヴィンセント・ウォードが開発されるに至っている。



【基本武装】


  • 強化型スラッシュハーケン
腰部に2基装備されており、機体をハーケンで持ち上げ跳躍することで、既存のKMFでは有り得ないような動きをすることも可能。それは元となった機体が証明済み。
無論、通常の攻撃武器としても強力。

  • ニードルブレイザー
両肘に内蔵された隠し武器。ブレイズルミナスを応用したエネルギー場を展開して肘打ちの要領で対象を打ち抜く格闘用装備。
格闘ゲーム好きには裡門頂肘(りもんちょうちゅう)といえば大体イメージできるだろう。
攻撃以外にも相手の攻撃に当て相殺し盾代わりに使うことも可能だが使いこなすには相応の腕前が必要。

  • 連結型メーザーバイブレーションソード(MVS)
コックピットブロック下部に柄を収納した状態でマウントされている斬撃武器。
柄の部分を伸ばして連結させ両刃の槍として使用ことが多いが、ランスロットのように二刀流にして使うことも可能。
ランスロット・クラブのものと同型。


この他、アサルトライフルや対KMF用大型ランスなど、サザーランドやグロースターの装備も使用可能である。



【バリエーション】


■初期試作機

ヴィンセント(初期量産試作型)

型式番号:RPI-212
所属:神聖ブリタニア帝国→黒の騎士団
分類:第七世代相当KMF
全高:4.44m
重量:6.99t
推進機関:ランドスピナー
飛翔滑走翼
武装:連結型MVS×2
スラッシュハーケン×2
ニードルブレイザー×2
ハンドガン(恐らく暁からの流用)



データ収集のため少数ながら各地の部隊に試験配備された機体。
ヴィンセントの中でも最初期に完成した先行生産モデルで、基本形態ともいうべき物。
『R2』本編に登場した機体はメインカラーは金色
エリア11の政庁の正規部隊に配備されていたが、機密情報局の権限でロロ雑巾に貸し出される形で登場する。

元来の運動性能の高さに加え、ロロのチートギアスとそれ抜きでもジークフリート相手に一矢報いられるほどの技量によって、劇中ではディオ・ブランドーのような強さを発揮した。あ…ありのまま今起こったことを(ry
出番は少ないが……というか、こんなやつの出番が増えたら物語が破綻しかねない。
時間を止めるなんてラスボスクラスのみに許される能力だろjk


バベルタワーでの一件の後、1度は正規部隊に返却されていたが、ルルーシュがC.C.を引き渡す約束を守るかどうかを見張る為、TURN4でロロが正規搭乗者のトーマス・キンメル卿を殺害して機体を強奪。
キンメル卿になりすましルルーシュを見張る……が、彼の奸計にはまり『優しく攻略』されてしまい、以降は「強奪された」という体で黒の騎士団所属となる。
また、飛翔滑走翼の翼部分だけを装備することで飛行能力を獲得した。

その後は機情局の管理する水族館に秘匿され、情勢の変化も手伝って長らく出番は無く、半ば空気化していたが、ロロの凶行への断罪を決意したルルーシュによって密かに爆弾を取り付けられ、その状態でギアス嚮団襲撃任務に投入される。

「シャーリーへの弔いとして、ロロの命を捧げる! 償わせてやる!」

更に嚮団本部で遭遇したジークフリートを仕留める為ロロ諸共特攻兵器にされかける。
結局これは横槍が入って未遂に終わるが、この戦闘で脚部を破壊されてしまったことで本編からは退場した。


このロロ機以外にも白ロシア戦線などに試験配備された別機体が存在し、ルキアーノなどが試験運用を行っている。



ヴィンセント(指揮官専用型)

型式番号:RPI-212A
所属:神聖ブリタニア帝国
開発者:ロイド・アスプルンド
全高:4.44m
重量:7.13t
推進機関:ランドスピナー
フロートシステム
武装:連結型MVS×2
スラッシュハーケン×2
ニードルブレイザー×2
アサルトライフル



指揮官専用機として少数実戦配備された、薄い紫色を基調とした機体。
外見上色以外は初期量産試作型と変わらないが、情報処理能力とECCMへの耐性が強化されている。
装備面では初期量産試作型と同じ内蔵武装の他、量産用のフロートユニットを標準装備している。

何故かギルフォード機にだけは超優秀な脱出装置がついている。

初登場の回に紅蓮可翔式の収束型輻射波動砲弾の直撃を喰らって爆散しても
フレイヤ(ギアスの世界での核みたいなもの)に巻き込まれても



やっぱりブリタニアだ
100回撃墜されてもd(ry・・・
   ∧∧∧_∧∧∧
  (゜∀゜)´Д)-_-)
  ∧∧ ∧_∧∧∧
 ('A` ) ゜Д゜)・ω)
`∧_∧ ∧_∧∧_∧
(`∀´(´∀`)・∀・)
(   (   )  )、
しし´ し⌒J`JJ
||三三三三||   |
||三三三三||  /
||三三三三|| /
||三三三三||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
  _______
 /|:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
./ |:|  ギル  ||
| |:|フォード卿||
| |:| 行方不明 ||
| |:|_____||
`\| ロ┌──┐三|
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ∧∧
       (  )
   / ̄旦 ̄(_ 丶
  /     \_)
  L二二二二二二」
  ┃|    |┃

こんなんだからプラモも投げ売りされて、ROBOT魂でも指揮官機が限定に回されるんだ。

ROBOT魂の指揮官機は機体色が間違ってるし、MVSの色も訳のわからんオレンジ色だ……。


最終決戦ではガレスと共に普通に量産され、すっかりやられ役に。
デザインはカッコいいのに……。

この他にも




ヴィンセント
(グラウサム・ヴァルキリエ隊機)





ヴィンセント(ロイヤルガード)

等があるが本編では基本空気である。
前者蜃気楼を捕縛する役割を担うも紅蓮聖天八極式に全機瞬殺され、後者は完全なる背景であった。

それでも元のデザインが良好である為、やはりカッコいい。



ヴィンセント・グリンダ

型式番号:RPI-212/G

外伝作品『双貌のオズO2』に登場。
マリーベル・メル・ブリタニアが指揮する「リドールナイツ」が使用する赤いヴィンセント。全88機。
外観は通常の試作ヴィンセントと大差ないが、大型ランスやフロートユニットを使用する。
旧グリンダ騎士団のエース四人の実戦データを元に最適化されたバトルプログラムを搭載しており、並以下のパイロットでもエース級の戦闘を行うことが出来る。
更にパイロットはマリーベルのギアスによって操られ一切の躊躇なく敵を殲滅する。

尚、大グリンダ騎士団に本来存在しない秘密機体であり、実質マリーベル私兵とも言うべき機体。
これはマリーベルが一総督としての権限を越えた力を保持していることを意味する。



◆ヴィンセント・グラム

型式番号:RZX-7Z-01C
所属:神聖ブリタニア帝国 大グリンダ騎士団
分類:第七世代相当KMF
全高:4.43m
重量:7.22t
推進機関:ランドスピナー
武装:MVS×2
スラッシュハーケン×2
ブレイズ・ルミナス
シュロッター鋼ブレード
ルミナス・コーン
ハドロン・ブラスター
ウルブストゥース

搭乗者:ライアー


こちらも『双貌のオズO2』に登場。
マリーベルの新たな筆頭騎士ライアーの搭乗機。
初期量産試作型ヴィンセントの一つをライアー用にカスタマイズしており、ライアーの要望で搭載する全ての武装を内蔵し、両手を武装で塞がないようになっている。
本機はブリタニア軍の兵器運用思想とは異なる「単騎特化」がコンセプトとなっている異色のKMFでもある(ラウンズ機は別枠)。

本機の装備は多彩であり、左腕のブレイズルミナス発生器に取り付けたシュロッター鋼ブレードとルミナスコーンはランスロット・グレイルのデータがフィードバックされたおかげである。また、ルミナスコーンは後に同系列に相当するパーシヴァルへ採用されている事を考えると本機はそれらの中間点に位置すると思われる。
他にもランスロット・コンクエスターにも搭載されいてたハドロンブラスターを小型化して採用されている。
また、独自装備としてウルブストゥースという攻撃用補助アームを持つ。

ランスロット系統の機体であるためグレイル同様ブラッドフォードゼットランドとの合体・連結が可能。
しかもグラムの武装は全て内蔵式であるため分離後の戦闘力低下というグレイルが抱えていた問題を克服している。

なお、敵対勢力等からは「白マスク」と呼ばれているらしい。
確かに、あの白兜に仮面を被せた見た目なので無理もない。



◆グラムノワール

型式番号:RZX-7Z-01C2
所属:神聖ブリタニア帝国 大グリンダ騎士団
分類:第七世代相当KMF
全高:4.44m
重量:7.22t
推進機関:ランドスピナー
武装:MVS×2
スラッシュハーケン×2
ブレイズ・ルミナス
シュロッター鋼ブレード
ルミナス・コーン
ハドロン・ブラスター
ウルブストゥース

パイロット:ヨハン・シュバイツァー


これも『双貌のオズO2』に登場。
ライアーが去ったあと大グリンダ騎士団に配備されたKMF。
破損し放棄されたグラムを回収・修復したもので、グラムとほぼ同型であるが、名前のノワール(黒)が示す通りグラムとは対照的なブラックカラーの機体となっている。また特徴的だった頭部も他の試作ヴィンセントと同型のものに換装されている。
マリーベルに操られたシュバイツァー将軍の乗機としてエリア24の決戦に参加するもハイグレイルによって撃破された。



◆ヴィンセント(プルートーン仕様)


またまた『双貌のオズO2』に登場。
特殊部隊「プルートーン」の1人アマクサが搭乗するヴィンセント。
同部隊に所属する他の機体同様黒と紫に塗装されている以外ノーマルタイプのヴィンセントとの外見的差異は無く、カスタマイズされているかは不明。
抹殺に現れたオルフェウスの烈火白炎と戦い左腕を切り落としたがその隙を突かれ撃破された。



◆ヴィンセント・スナイプ

型式番号:RPI-212/KKC01
全高:4.44m
重量:7.10t

『白の騎士 紅の夜叉』に登場。
コノエナイツの一人シュネー・ヘクセンの専用機。
白に紺のアクセントを加えたカラーリングが特徴。
頭部には大型の高精度センサー、右肩にヴィンセント・グラムと同型の折り畳み式ハドロン・ブラスターを装備しており、遠距離狙撃を得意とする。
その他は通常のヴィンセントと同装備。



◆ヴィンセント・ブレイズ

型式番号::RPI-212/KKC02
全高:4.44m
重量:7.32t

こちらも『白の騎士 紅の夜叉』に登場。
コノエナイツの一人レド・オフェンの専用機。
ダークグレーに紺のアクセントを加えたカラーリング。
両肩にはブレイズルミナス発生器を装備しており、これを取り外して両手に保持することで大型ナックルとして使用出来る。
また、撤去された両肩のファクトスフィアは旧来のKMFと同じ頭部へ移されている。



■制式量産機

ヴィンセント・ウォード

型式番号:RPI-212B
所属:神聖ブリタニア帝国
分類:第7世代相当型KMF
全高:4.44m
重量:6.89t
推進機関:ランドスピナー
フロートシステム
武装:スタントンファ×2
連結MVS×2
スラッシュハーケン×2
アサルトライフル
ロケットランチャー

搭乗者:ブリタニア軍一般兵


これまでの試作ヴィンセントのデータをフィードバックして生産された制式量産機。メインカラーは青。

生産性向上を目指し、試作タイプから各部を簡略化。
頭部は角やツインアイを廃し単眼とスリットタイプのセンサーとなり、他の機体に比べると「顔」の意匠は薄い。
扱いが難しいニードルブレイザーはサザーランドなどと同型のスタントンファに変更。肩部のランドスピナーもオミットされた。
一方で新型ファクトスフィア、MVS、脱出装置などは試作タイプから引き継がれた装備も多い。
量産タイプのフロートユニットも装備可能で、第五世代機を上回る性能を保ちつつ一般兵でも扱えるよう配慮されている。

でも脱出装置は全く仕事をしてくれない気g(ry……


グロースターに次ぐ量産機として、『R2』中盤の中華連邦戦などに登場。
以降も増産が進められ、ルルーシュが皇帝となる頃にはガレスと共にブリタニア軍の主力を担う機体となった。
しかし、その分やられ役となる場面も多く、フジ決戦では地上部隊はルルーシュが仕組んだフジ鉱山の噴火により壊滅
空戦部隊も火山弾を喰らった他、フレイヤの爆発に巻き込まれたりして相応の数が撃破されている。


簡略化されてもヴィンセント系の例に洩れずデザインは良い。
しかし、カッコ良さだけでは戦いに勝てない……残念。

スタッフには量産型にももう少し愛を注いで欲しかった。
元々ロボットはおまけみたいなアニメなので仕方の無い気もするが……。


映画「復活のルルーシュ」にも戦闘シーンこそないものの登場。
サザーランドⅡへの機種転換が済んでいないのか、かなりの数が黒の騎士団の揚陸艇から出撃する場面が存在する。

【関連機体】


ランスロット

ランスロット・トライアル

ランスロット・グレイル

ヴィンセントシリーズの原型機。

パーシヴァル

ヴィンセントをベースに開発されたナイト・オブ・テン専用機。

◆ブライトン

型式番号:PRI-213

ヴィンセントの本格量産化に伴い同時運用を前提に指揮官用のハイグレード機として開発された機体。
かなり特異な外観だが、各部にヴィンセントに通じる意匠を備える。



こちらキンメル。追記・修正に問題無し。

ヴィンセント、いけます!


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最終更新:2023年07月10日 12:20