超火炎合体スーパーファイヤーダグオン

登録日:2012/01/22 (日) 10:31:50
更新日:2024/04/12 Fri 10:50:00
所要時間:約 7 分で読めます




※推奨BGM:輝け!!ダグオン


合成宇宙人ゼルマー
これは、ワルガイア兄弟が生み出した最強の宇宙人です。

安心しろ。オレ新しい合体ができるらしいんだ。
それを使えばどんな敵だって…。

でも、その合体はまだ未知数です!
エンの身に何が起こるかわかりません!

しかし、みんなが危ないんだ!試してみるしかねぇ!

危険すぎますエン!!


次回、勇者指令ダグオン!


禁断の超合体


見せてやるぜ!スーパーファイヤーダグオンの力を!!





誰だろうと、オレたちの地球に指一本触れさしやしねぇ!


スーパーファイヤーダグオンとは、勇者指令ダグオンに登場するロボである。

【概要】

勇者シリーズ恒例にして最後のグレート合体ロボ。
最終合体だが、『勇者警察ジェイデッカー』のファイヤージェイデッカー同様、名前に『グレート』が付かない珍しい存在である。
なぜ『グレートファイヤーダグオン』でなく『スーパーファイヤーダグオン』なのかというと、ダグオンそのものが戦隊シリーズのオマージュであるためで、戦隊ロボの強化合体ででよく使われる『スーパー』を冠したとされる。


後期OPに登場しているが、本編への登場はたった3回のみとなっている。


合体構成ロボ】



融合合体!

ダグ!ファイヤァァァッ!!


ダグファイヤー

◆全高:10.8m
◆重量:20t
◆走行速度:200.0km/h
◆最大出力:32,000BP
初登場は第1話「誕生!勇者高校生」。
ファイヤーエンに変身(トライ・ダグオン)した大道寺炎が、パトカー型の専用ダグビークルであるファイヤーストラトスと融合合体(人型に変形して一体化)したロボ。
炎を操る技と火炎拳銃「ファイヤーブラスター」を利用した銃撃戦を得意とする。
飛行が得意なダグテクター形態とは裏腹に飛行能力皆無で、ライオソード、シャドードラゴン、キッドファイターの背に乗って、空中戦を行っている。
融合合体完了時の背景は他のメンバーと異なりパーソナルカラーが反映されない、光を散りばめた青背景となっている。
基本的にエンが乗り込んでから走行して融合合体のシークエンスに入るが、第6話では停車中のファイヤーストラトスを呼び出してそのまま融合合体のシークエンスに移行、第11話ではファイヤージャンボから飛び出るのと同時に融合合体を行なってファイヤージャンボの上に乗る(バンク省略)という変則的なパターンが見られた。

《装備・技》

○スターバーン
胸部から放つ炎をまとった星型の光線。

○バーニングスターアタック
胸部から放つ星形の光線で鳥の形をした炎をまとう。

○ファイヤーナックル
炎をまとったパンチ。

○ファイヤーブラスター
左右の腕外装に一丁ずつ格納された拳銃型の武器。火炎弾を撃つことができる。
合体形態と比べれば威力は低い武器だが、溜め撃ちと連射のどちらもこなせるスグレもの。
対デスコップ戦では合体を妨害されたため、合体する隙を作るためにファイヤーブラスターをフル活用。
二丁拳銃の乱射でデスコップを怯ませ、首を締め上げられたときはゼロ距離射撃で相手の首を狙って一時的に動きを止めた。
初期形態の必殺武器の割には有効打になった回数が多い。ガインショットとは大違いである。



火炎合体!

はあああああ……たあっ!


ファイヤァァァ!ダグゥゥゥゥオンッ!!


コイツはスゲェ……。コイツはスゲェや!



火炎合体 ファイヤーダグオン

◆全高:20.4m
◆重量:70t
◆走行速度:420.0km/h
◆飛行速度:マッハ5.5
◆最大出力:395,000BP
初登場は第2話「空中都市作戦」。
ジャンボジェット型のファイヤージャンボが胴体、その中に格納されている消防車型のファイヤーラダーと救急車型のファイヤーレスキュー*1が両腕、ダグファイヤーが胸部内に合体して完成する勇者ロボ。
合体シークエンス開始時にはファイヤージャンボからファイヤーラダーとファイヤーレスキューが飛び出し、そこからファイヤージャンボが変形を開始する。
ファイヤーストラトス格納時はファイヤーストラトスを先に外へ出して融合合体を行い、そこから火炎合体のシークエンスに移行する。

炎を扱う技と高い機動力を持ち、幾多の敵をなぎ倒した(第30話までの出撃15回のうちメインの敵を倒した回数11回)。

物語の中盤、第30話にてファイヤージャンボはアーク城へ特攻を行い大破。アーク城と共に海へと沈み、海底でボロボロになった物寂しい姿を晒していた。
第38話では最終決戦に必要だと判断したブレイブ星人が修復を行い復帰。その際の戦いは専用の挿入歌『炎の勇者! ファイヤーダグオン』(歌:石原慎一)が使用され、熱い。
今回はファイヤーラダーとファイヤーレスキューがダグベースで待機していたため、2台をダグベースから呼び出して合体シークエンスに移行するという変則的なパターンになった。
一度退場後、復帰して戦ったオマージュ元のジャンボーグAとは違い、……ロボとしてはこれが最後の戦いとなった。

《装備・技》

○ファイヤースターバーン
額の星から放つ、炎をまとった星形光線。
基本的に牽制用だが、第10話では石油タンクを吸収して人間爆弾と化したキラード星人へのトドメ技に使われた。

○ジェットファイヤーストーム
の4つのジェットエンジンから炎を放射する。

○ファイヤーホールド
フィニッシュ前に相手の動きを封じる抑え技。
ファイヤーブレード使用時は胸の鳥の口から放ち、ファイヤーライオソード使用時は全身でエネルギーをチャージしてライオソードの剣先から放つ。
劇中でこの技による拘束が破られたことはないが、逆にこの技を省略して必殺技を出そうとしたときは何度か破られている。
ファイヤーライオソード使用時の構え方は王道を行くサンライズパースになっており、全身が映る。
実は使用回数自体も少なく、使ったのは第2話と第8話のザゴス星人円盤ロボ、第5話のエレクトロ星人、第13話のワイルディー、第14話のロッド星人の円盤、第38話のシュラの計6回。

○ファイヤーブレード
右手首に装備されたブレード。相手にトドメを刺すときに使用されており、ブレードを展開後ホバリングで突進し、「フィニッシュ!」の叫びと共に相手を素早く十文字に切り裂く。
必殺武器ではあるのだが、物語前半での使用回数はわずか7回で、2回使用したエピソードが2度ある為、使用話数はたったの5話とやや地味。
その中で決め手となったのは第2話と第8話のザゴス星人円盤ロボと第5話のエレクトロ星人のみ。同じ相手を二度倒すというのは微妙な展開である。
第12話のアルマー星人戦では1体目には一切通用せず、2体目相手には折れてしまった。
第17話のフェニックス星人戦では倒しはしたが、後で復活されてしまった上、復活したフェニックス星人に再度使ったときは防がれて不発に終わった。
フェニックス星人戦以降は使用機会がなく、その後第30話でファイヤーダグオンは退場してしまった。
しかしファイヤーダグオン復活戦である38話のシュラ戦では久々にファイヤーブレードを使用。非常に熱い展開の中で決め手として使われた。
出番はかなり少ないが、最後の使用が非常に印象深かった必殺技である。
お約束のサンライズパースもあるが、この剣はパタの要領で前腕と平行に固定されている珍しいものなので、ポーズも独特なものとなっている。

○ファイヤーライオソード
宇宙剣士ライアンが変形したライオソードで叩き割るように両断する第2の必殺剣。
初使用であるアルマー星人戦では強靭な剣の力に依存しただけだったが、
次の回でエンがリュウから渡された木刀と朝日山校長の薪割りの教えから、使いこなせるようになった。
こちらはファイヤーホールドのシーンでサンライズパースになるため、必殺技を出すために剣を構えるシーンは剣先からファイヤーダグオンへとカメラの視点を移動させる演出となっている。

通算使用回数はファイヤーブレード同様に7回だが、2回使用したエピソードはない為、本当の意味で7回。
第14話では空中で技を繰り出したため、剣を引き抜いて構えるカットが新規作画になっている。ファイヤーホールドやライオソードを振るうカットは空を踏むような演出だとインパクトに欠けるためかそのまま。一応バンクとして作成されたカットだったようだが、空中で使ったのはこの1回のみ。
第21話で再生アルマー星人に技を繰り出したときは白刃取りにより攻撃を止められ、28話のパイダ星人には斬る前に動きを止められて不発に終わったこともある。
第22話のデモス戦は勝利こそ収めたものの、デモスと生命を共有するアンナも殺してしまい、これがファイヤーライオソード最後の決め手になってしまった。
同話ラストにて、エンが風に舞い上がるアンナの白い羽根を見て慟哭する場面は、「風に舞う白い羽根」というサブタイトル通り美しくもあまりに残酷すぎるものであった……。

○無限砲
ガンキッドが変形したエネルギー砲。その威力は1回の使用で1発のみながらも発射の反動で後ろ滑りしてしまう程に強力。
使用回数は5回で、第24話の初使用時はメカージュ星人の部下であった頃のガンキッドを脅して使用。
ガンキッドが正式に仲間入りしてからは、ガンキッドが精製したコネクタを腰に装備し、そこに無限砲を接続して使用するようになる。
第25話のアーク星人戦や第28話のパイダ星人戦のように、過度に接近すると厄介な相手に遠距離から高火力を叩き込むのが基本的な運用形態となる。
第27話のマウザーロボ戦では風穴を空けたものの機能停止までには至らず、トドメはシャドーダグオンに譲る形となった。
ファイヤーダグオン最後の使用となった第30話のアーク城戦ではライナーチームとシャドーリュウのダグビークルから与えられたエネルギーを用いて、
至近距離から放って大ダメージこそ与えたものの機能を止めるには至らず、爆発に巻き込まれて合体自体が解除されてしまった。
この結果、エンはファイヤージャンボの特攻という最終手段でアーク城を破壊するに至る。



今度はさっきのようにはいかねぇぞ!

オレの新しい力を…受けてみろ!!


剛力合体!


パワァァァッ!ダグゥゥゥゥオンッ!!


スゲェや……。体中に力が漲ってるぜ!



剛力合体 パワーダグオン

◆全高:20.2m
◆重量:72t
◆走行速度:370.0km/h
◆最大出力:395,000BP
初登場は第31話「剛力!パワーダグオン」。
アーク城へ特攻・大破したファイヤージャンボの代わりに、新たなるサポートメカであるファイヤーショベルにダグファイヤーが合体して完成する勇者ロボ。
ファイヤージャンボを失って苦戦するダグファイヤーを見たギャラクシールナが、規則違反になる可能性を承知で、現地のショベルカーを直接改造してファイヤーショベルを造り上げた。
2号ロボとしてはグランバード以来となる、サポートメカのパーツが一切分離しない構成となっている。*2

炎を使う技に加えて凄ましいパワーを誇り、自分の数倍はある敵をぶん投げたり、ロボット宇宙人の両手を握りつぶしたりした。長距離移動時は両脚をキャタピラに変形させてのパワータンクモードで走る。
飛行能力に関してはホバリングくらいしかできず機動力が下がったこと以外*3の戦闘能力は、ファイヤーダグオンを上回っており、その為、ファイヤーダグオン復活後もパワーダグオンが使用された。
後半は大いに活躍していたが、その一方で登場2話目にして早くも合体を妨害されるという、勇者シリーズ最速の合体阻止の被害記録を持っている。

勇者シリーズの2号ロボの中としては、1号ロボと同時運用できないタイプとして見ればかなり出番が多い部類に入る(第31話から第47話までで出撃12回、メインの敵を倒した回数7回)。
回数で見ればファイヤーダグオンに劣るが、割合で見ればファイヤーダグオンよりも出撃頻度は高い上、メインの敵を倒した回数も多い。

前半のファイヤーダグオンと後半のパワーダグオンの活躍を比較すると以下のようになる。
撃破数はタイトルコールのときに紹介されるメインの敵を倒した回数のみカウント。
撃破率は登場期間に対する撃破数の割合、勝率は出撃回数に対する撃破数の割合とする。
主役ロボとして見るとパワーダグオンの勝率は高くないが、後述するスーパーファイヤーダグオンでなければ勝てなかった相手がいたため、やむを得ないところだろう。
登場期間 出撃回数 出撃率 撃破数 撃破率 勝率
ファイヤーダグオン 第2話-30話(計29話) 15回 51% 11回 37% 73%
パワーダグオン 第31話-47話(計17話) 12回 75% 7回 41% 58%



《装備・技》

○パワーバーン
パワーダグオン版ファイヤースターバーン。やはり額の星から放たれる。
発射ポーズもファイヤーダグオンと似たものになる。

○パワーショベルアーム
右腕に装備されている第3の腕。回転させれば防御にも使える。
バケット、クロー、ドリルという3種類のアタッチメントが使用できる。

○パワークローアーム
ショベルアームの先をクローに取り替えて相手を握り潰す。
だが、基本形態のショベルと決め手になったこともあるドリルと比べ、印象深い見せ場は少ない。むしろ、玩具CMでの見せ方のほうが印象強いかも。

○パワードリルアーム
ショベルアームの先をドリルに取り替えて相手を攻撃。単独で使える近接戦闘用の技としては最も強力である。
必殺技として使うときはこの状態でホバリングして相手に突撃する。
当初は必殺武器になると思われていたが、他の武器や他のメンバーがトドメを刺すことも多かったため、決め手になったのは初陣となる第31話のクイーンザゴス戦のみだった。
使用回数は通算4回で、第35話のサバラス星人戦では牽制目的で使用、第41話のゼルマー戦では必殺技として使ったが相手が硬すぎて効果なし、第44話のゲドー戦では受け止められて不発に終わった。

○マグマブラスト
胸部の竜の口から吐き出すマグマのような炎。
サバラス星人戦ではトドメ技となったほか、それ以外でも威力がそこそこあって汎用性が高い飛び道具として多用された。

○無限砲
ルナがファイヤーショベルに改良を加えたことで使用可能になった。
ファイヤーダグオンと違い、肩から出現するコネクタに装備して使用。撃ち出す際はショベルアームのバケットの部分を地面に突き立てることでストッパーを掛けて反動を軽減させる。

使用回数はパワーダグオンの出撃12回のうち5回。ただし、ゼルマーには全く効かず、ゲドーは命中しても死ななかった。
戦況が激化して行ったため、残念ながら戦績自体は芳しくないのだが、射程が長く威力も高いため、機動力の低いパワーダグオンの主力技となった。
フィニッシュ技を決めるときは取り敢えず無限砲、というくらいよく使われている。
使わずにフィニッシュを決めたのは初陣の第31話、ガンキッドが戦闘不能だった34話、ダグサンダーが既に敵を弱らせていた第35話の3回のみ。
オープニング映像では、本編とは異なる撃ち方をしている。

○パワーライオソード十文字斬り
ライオソードを振るい、その名の如く敵を十文字に切り裂く。
殆ど無限砲による遠距離攻撃をトドメ技として使っていた上に、ライアンが一時戦線を離れていたため第44話でしか使用されなかった。
とはいえ、トドメをさした相手がワルガイア三兄弟のゲドーだったので印象深い。


なお、設定上はファイヤーダグオンとパワーダグオンは使い分け型であり、ファイヤーダグオンがパワーダグオンのバックアップ的な位置付けになっていたわけではないと推測される。
例えば第40話では陸路での移動が困難であったため、エンはファイヤージャンボで出撃してカイの応援に駆け付けている。
このエピソードでは仲間と共に応援に駆けつけるや否や敵のヒドーが退散したため合体する機会はなかったが、合体するとなれば当然ファイヤーダグオンが使用されるはずである。
第44話では難破した宇宙船を捜索するためファイヤージャンボに乗って移動していたが、怪力自慢のゲドーと戦うことになったためパワーダグオンで出撃している。

第39話ではエンが「ファイヤージャンボとファイヤーショベルがあるからライアンの面倒まで見切れない(俺たちに構わず仲間を探しに宇宙へ行って来いよという意味で、一種の照れ隠し)」と言っており、ファイヤージャンボも必要に応じて使う意思はあったと捉えることができる。
しかしながら、終盤戦ではとにかく火力やパワーの高い敵を迎え撃つ場面が多く*4、シュラ戦以外に機動力の高さで勝負を決める機会はなかったため、必然的にパワーダグオンが選ばれた形となる。
メタ的に言えばおそらく制作側は38話以外ファイヤーダグオンの登場回をどうするか事前に決めていなかったため、結果的に脚本家が誰もファイヤーダグオン登場回を書かなかったといったところだろう。

また、この2体の元ネタはジャンボーグAとジャンボーグA-2号ことジャンボーグ9
良く考えて欲しい、もしジャンボーグAとジャンボーグ9が合体をしたらどうなるか……。




その答えがこちら



超火炎合体光波、発射準備!

ファイヤージャンボ、発進スタンバイ!

……準備完了です。

OK。ファイヤージャンボ、発進!


超火炎合体光波……発射!!


超火炎合体!


たあっ!はあああああ……!!


ぬぅぅぅぅぅ……!はあああああっ!!


スゥゥゥパァァァ!ファイヤァァァ!!ダグゥゥゥゥオンッ!!!


何だ…?いつもと違う……!?



超火炎合体 スーパーファイヤーダグオン

◆全高:25.6m
◆重量:142t
◆走行速度:430.0km/h
◆飛行速度:マッハ10以上
◆最大出力:500,000BP以上

初合体は第41話「禁断の超合体」。
ファイヤーダグオンとパワーダグオンが超火炎合体した姿。
合体完了時のポーズはファイヤーダグオンとパワーダグオンを折衷したものとなっており、両手を開いて交差させるところはファイヤーダグオン、両手の間に顔をうずめるところはパワーダグオン、エンブレムが光る演出はファイヤーダグオン、カメラアングルはパワーダグオンに近い。
合体完了時の背景演出もパーソナルカラーを意識した恒例のものではなく、派手さを重視した独自のものとなっている。

あらゆる敵に対抗できるほどの力を持ち、劇中ではレオパルドンの如く直立不動の姿ですべての敵を撃破している。
勝率は100%であり、引き分けもないため、勇者シリーズのグレート合体としては一応最高勝率ということになる。

異常な火力に隠れがちだが、防御力も異常であり、劇中では山一つを消滅させたゼルマーの光線を腕一本で防いだ。

ファイヤーダグオンをベースとしており、パワーダグオンは角飾り・胸部・四肢・バックパックを構成。ファイヤーレスキューとファイヤーラダーは脚部内(ファイヤージャンボ時の格納ブロック)に収納という形で合体している。

パーツの組み変わりが複雑なためか、合体バンクは他の勇者ロボに比べると非常に特殊。

1.ファイヤージャンボがバックパックに変形してパワーダグオンに接続し、空中に飛び上がる
2.パワーダグオンの背面でファイヤージャンボが瞬時にファイヤーダグオンに変形
3.主役勇者ロボが背中合わせの状態から、炎に包まれ一瞬で合体を終え、エンの顔に重なるようにカメラアイが点灯する。
4.両腕に力を込めながら雄叫びをあげ、最後に名乗り。

巨大な鳥のオーラを纏ったファイヤージャンボを翼として舞い上がったパワーダグオンが、1号ロボのファイヤーダグオンと背中合わせになるという燃える構図となる。

これまでのグレート合体はおろか他の勇者ロボのバンクとも異なり、合体自体は一瞬で完了し、その構造はモニター画面で見せる形となっている。メカニックのアクションをスピーディーに描写した分、演出はとにかく力強く派手。
特にエンとスーパーファイヤーダグオンのシンクロを示すような画が多い。

合体完了時の決めポーズは動く背景、光を放って派手に輝く胸のエンブレム、効果音が合わさり、「これぞ究極の合体」と言わんばかりの重厚でド派手な演出がなされている。

勇者シリーズの恒例となっていたグレート合体だが、マンネリに陥ることなく特別な合体であることを大いに盛り上げた意欲的で斬新なバンクと言える。
合体バンク自体は1分程度と長くはないものの、その前にダグベースの起動、ファイヤージャンボの発進、超火炎合体光波発射など合体発動の要請と準備のプロセスを必ず挟むため、実質的にはかなり尺を取る合体である。

このため終盤のストーリーは尺の都合もあり、初回以外は短縮されたバンクが使用された。その代わり専用BGMはバンクが始まる前から流すという対応を取り、なるべく長く流せるようにしている。

ファイヤーブレードはなくなったが、ショベルアームが右肘にあり、パワーダグオンのときよりもリーチが長い。
登場話数の少なさもあって活用機会はなかったが、武器として使っていればパワーダグオンとはまた違う活用法を見せてくれたことだろう。

なおこのショベルアーム、本編で使用機会がなく、武器としての設定なども公開されなかったため、ゲームでも武器としてカウントされていない。


《必殺技》

○スーパーメガ光波
作品や資料ごとの表記の不安定さに定評のある技。
ファイヤーメガ光波、スーパーファイヤーメガ光波とも表記される事がある。
胸の鳥型エンブレムから発射される火の鳥型の超強力なエネルギー光波で、桁違いの威力を誇る。
劇中ではダグオンを壊滅の危機へ陥れたゼルマーをこの技一発で瞬殺することでその凄まじさを見せ付けた。
しかしあくまでも基本武装・技であり、ダグファイヤーのバーニングスターアタック及びスターバーンとパワーダグオンのマグマブラストを合わせたようなものである。
機体のスペックが極めて高いため、一回ぶっ放すだけで単純に強いだけの相手を瞬殺できるほどの威力を発揮する。
新世紀勇者大戦』ではマップ兵器版がファイヤーメガ光波、必殺技版がスーパーファイヤーメガ光波表記。

○トライアングルクリスマスビーム
スーパーファイヤーダグオン最強の必殺技。技名が致命的にダサいが、これは本編中の季節も放送時期も丁度クリスマス直前だったことによるもの。
玩具を集めた子供たちに対する、テレビの向こうからのクリスマスプレゼントといったところだろう。
劇中での設定としてはサルガッソを束ねるマドーがクリスマスプレゼントと称して放った、惑星破壊用の超光波に対抗する一手として使われたことに由来する。
スーパーファイヤーダグオン、ライアン、ガンキッドのエネルギーを収束させて放つ必殺の光線。
マドーが放った惑星破壊用の超光波を打ち破り、更にマドーが持つ攻撃吸収能力を上回るパワーを叩きつけることでマドーをそのまま撃破した。
ライオソードと無限砲はビームの威力を上げるために装備したが、ゲーム『ブレイブサーガ』シリーズおよび『新世紀勇者大戦』ではそれぞれ単独の武器*5としても使用可能。
なお、無限砲はファイヤーダグオン同様にコネクタを介して接続するが、立体化の都合もあって接続位置は左腰のやや下になっている。
(右側のショベルアームが重いのと、腕の長さ自体も変わる関係から、左側にして位置を調整しないとバランスが取れない)


《弱点》

しかし、強大な力には何処か弱点があるもの。このスーパーファイヤーダグオンは、その戦闘力以外の全てを犠牲にしている。

まず、自由な合体を実行することは出来ず、誰かが「ダグベース」を操作して超火炎合体光波を浴びせる必要がある。
これは超火炎合体が本来別動力のファイヤーダグオンとパワーダグオンを合体させて同時に使うというかなりイレギュラーな合体方法であり、合体システムが各機体を管理するダグベースに収められているからである。

そして、もう1つ致命的な問題を抱えており、その強大なパワーと引き換えに絶大なエネルギーを消費させる。
これはどういう事かと言うと、その莫大な力故に戦闘後には、エン自身が命の危険にさらされる。
初陣後はエンが倒れ、ダグオンチームに衝撃が走った。
そう、スーパーファイヤーダグオンはまさしくサブタイトル通りの「禁断の超合体」である。

とはいえ、絶対的で強大な戦闘力を持つ事は事実であり、ダグオンチームの切り札として使われた。
ちなみに初回はライが「危険が予測されるから使わないほうが良い」として最初は渋ったが窮地に陥ったため止むを得ず合体発動、2回目と3回目はエンの覚悟に押し切られる形で渋々合体要請に応えている。
いずれも「単に相手が強いから戦力アップを図る」訳ではなく「あまりにも強大な敵に対して危険を承知で賭けに出る」と言う演出であったため、スーパーファイヤーダグオン登場のシーンはいずれも熱く大きく盛り上がる展開となっている。


【劇中の活躍】

第41話、ライがダグベースに隠されていた合体システムを偶然にも発見。
試しに合体しようとするエンに対し、ライは「別々のシステムで動いている機体同士を合体させるので何らかの欠陥がある」と戒め、合体はお預けとなった。
その直後に合成宇宙人ゼルマーが襲来。多数の宇宙人の力を一体に濃縮したゼルマーの前にダグオンはこれまでにないほどの大苦戦を強いられる。
ありとあらゆる武器が通用せず、必殺の無限砲すらもあっさりと受け流され、反撃を喰らった一同はダウンして動けなくなった。
このためライもやむを得ないと判断し、最終手段として未知なる合体を決行。
ルナがファイヤージャンボを発進させ、ライが超火炎合体合体光波を発射し、パワーダグオンはファイヤージャンボとの合体を果たす。

ゼルマーが山一つを消し去る必殺光線を放つと、自ら右手で受け止めに行き、爆炎が上がる前から味方を唖然とさせていた。
そして爆炎が上がった瞬間、今度はゼルマーのほうが驚愕の表情を浮かべていた。
味方も息を呑んで見守る中、爆炎の中からスーパーファイヤーダグオンのシルエットが浮かび上がり、次の瞬間スーパーメガ光波を放ち、強敵であったゼルマーをたった一撃で粉砕する。
その際の姿は何処か神々しくそして鬼神のようでもあった。

勇者シリーズのグレート合体は「初陣で相手の攻撃を受けて爆炎に包まれ、味方は焦るが、爆炎が消えると中から無傷の勇者が仁王立ちで現れる」という展開がお約束である。
しかしシリーズ7作目ともなれば既に過去作で使い古された演出であったため、お約束の流れを踏襲しつつも割と捻った演出になっている。

この話の絵コンテ、演出は「コードギアス」などで知られる谷口悟朗氏が担当している。


続く登場は第45話、火星において、ワルガイア3兄弟の長男であり、宇宙監獄サルガッソを束ねていたマドーと対決。
マドーはエネルギー吸収能力を持っており、ダグオンのありとあらゆる武器は通用せず、それどころか攻撃する度に相手をパワーアップさせる結果となってしまう。
パワーアップしたマドーが作り出したマドー超光波は地球を破壊できる威力を持っており、
もう通常の武器では止められない言う状況に陥ったため、パワーダグオンは合体を要請。
ライもエンの説明を聞いてやむを得ないと判断したため、二度目となる超火炎合体を果たすことになる。
今回はパワーダグオンとファイヤージャンボだけでなく、ライアンとガンキッドも超火炎合体光波を浴びて合体。
ライオソードと無限砲も装備したスーパーファイヤーダグオンはエンが無限大の力を命懸けで引き出したことで、
マドー超光波をトライアングルクリスマスビームで打ち消し、エネルギー吸収の限界を上回るパワーでマドーを撃破した。

ちなみに今度の作画担当は柳沢テツヤ氏。ファイヤージャンボ復活回やOVAなどで作画監督を務めたお方でもある。


※以下、最終決戦のネタバレ注意














しかし、そのマドーも何者かに操られていただけだった。
その真の敵の正体とは、幽霊のようにあらゆるものに憑依して意のままに操る超生命体ジェノサイドであった。

ダグオンチームはダグベースと超融合合体を行い、サルガッソごとジェノサイドを撃破した。
……はずだったが、掃除用ロボットに憑依して、しぶとく生きており、ダグオンの地球帰還に便乗して地球に降り立つ。

そして、ジェノサイドはファイヤージャンボに憑依して、ファイヤーダグオンを乗っ取った

突然、平和な街中に現れたファイヤーダグオンに戸惑いを隠せない市民たち。ダグオンはジェノサイドの目的が「地球との融合」であることを思い出す。
その直後に、ジェノサイドは紫のエネルギー空間を発生させ、地球との融合を開始した。ジェノサイドに侵食されたエリアの人間たちは精神をコントロールされ、次々とジェノサイドの支配下へ置かれていく。

ライの操作でダグベースはダグ光波バリアを全開で起動。山海市だけはジェノサイドの侵食を免れた。
しかし、全開でバリアを展開することはダグベースに負荷を掛ける操作であり、そのバリアが破られるのも時間の問題であった。
また、バリアはエネルギー空間の展開を食い止める効果しかなく、外と中を物理的に謝絶することはできなかったため、ジェノサイドの支配下に置かれた人々がバリア内に入っては無事な人間たちをジェノサイド空間に引きずり込み、ジェノサイド化させていった。
ダグオンはバリアの中央にある山海高校に人々を避難させていき、スーパーライナーダグオンとシャドーダグオンは操られた軍隊から校舎を守るが、
相手が人間ゆえに本気を出すことができず、その間に学校内にもジェノサイド人間たちが侵入してきてしまった。

この窮地を打破すべく、エンが取った手段は、「パワーダグオンでジェノサイドと融合したファイヤーダグオンを抑えつけ、そのまま、スーパーファイヤーダグオンに合体する」ことであった。それはエンがスーパーファイヤーダグオンの内部からジェノサイドを押さえ込むということであるが、逆に言い換えるとジェノサイドとの融合ということであり、最悪の場合、ジェノサイドにスーパーファイヤーダグオンごと乗っ取られてしまうリスクのある、無謀な賭けを意味していた。

エンの固い決意を知ったライは超火炎合体光波を発射し、エンのパワーダグオンとジェノサイドのファイヤーダグオンはスーパーファイヤーダグオンに合体した。
その直後、ダグベースはオーバーヒートにより爆発四散。ライはサンダーライに変身して、間一髪脱出したが、ダグ光波バリアは失われ、山海市もジェノサイド空間に覆われ始めた。
しかし次の瞬間、一転してジェノサイドの力の影響が弱まり始める。
ジェノサイドと一体化したエンはスーパーファイヤーダグオンの絶大な力を使い、ジェノサイドの力をその機体の中に抑え込むことで侵食状態を解除していき、ジェノサイド化した地球を元に戻すことに成功した。
そして、エンはスーパーファイヤーダグオンを空高くどこまでも飛ばし、同時に精神世界にてジェノサイドと対峙する。
エンはジェノサイドの精神攻撃に苦しみながらも足掻き続け、支配を振り解いて機体を更に更に上空へと飛ばして行く。

精神世界での戦いの影響でスーパーファイヤーダグオンも破損していくが、エンはスーパーファイヤーダグオンを大気圏突破させ、
「スーパーファイヤーダグオンもろとも、ジェノサイドを崩壊させる」という、さらなる捨て身の戦法を決行。
大気圏との摩擦熱でスーパーファイヤーダグオンは崩壊しながらも飛び続け、ジェノサイドは機体諸共爆発四散して消滅した。
エンは咄嗟にダグファイヤーに分離して、爆発の中から飛び出したが、次の瞬間、ダグファイヤーも成層圏の光と消えるのであった……。


オレは……ダグオンだああああああっ!!!



【余談】

次回作の『勇者王ガオガイガー』を除き、勇者シリーズのロボットで頭部に口がない機体は喋るときにカメラアイが点滅するという共通仕様がある。
当然スーパーファイヤーダグオンも喋るときはカメラアイが点滅するのだが、スーパーファイヤーダグオンが喋るときにカメラアイが点滅した場面は冒頭のセリフを言ったときのみである。
初登場回はエンの独白以外にセリフなし、マドー戦で必殺技を放つときやジェノサイド戦では演出の都合上カメラアイの点滅がなかったためである。
グレート合体にも関わらず、登場回数自体が少ない上にセリフもかなり少ないという異例ずくめの存在と化してしまった。


また、続編OVA『勇者指令ダグオン 水晶の瞳の少年』ではダグビークルは登場せず、ダグオン達の力が具現化した姿として融合合体ロボが申し訳程度にしか登場しなかった。
エン以外のビークルはダグベースを失って管理困難になったものを宇宙警察機構が引き取っただけで、ライのサンダーシャトルも登場しなかっただけなので、登場の余地はあったかもしれないが、エンのビークルだけは自爆して失われているためどうしようもなかったのである。
続編が出ることなど予想出来ない状態で最終決戦の脚本が書かれたであろうことを考慮すると、OVAの限られた尺の中でダグオン7人のロボットを全て出したことは評価されるべきであろう。
また、具現化した融合合体ロボが1つに合わさって生まれた「ファイナルダグオン」はエンが事実上の主人格ということもあってか頭部は「ファイヤーダグオン」に酷似している。


PSソフト「ブレイブサーガ」には大破した本機の代わりに、デチューンされた2号機が登場。
性能は落ちたが合体プログラムの再調整が施され、本編のようにエンが昏睡状態に陥る事は無くなった。
本編のような圧倒的な強さは無くなっているものの、それでも十分強力なユニットとなっている。

PS2ソフト『新世紀勇者大戦』でも登場するが、こちらでもスーパーファイヤーダグオンのデメリットについては一切描写されない。
スペックは非常に高いのだが、グレート合体が終盤で一番遅く*6、シナリオ自体も『ジェイデッカー』がメインで、敵が諸事情でパワーダグオンをリンチしてくるため、超火炎合体を決意する流れで、更には原作でスーパーファイヤーダグオンが戦った3体は一切出てこないためかなり不遇となってしまっている。


立体物に関しては変形合体が可能なものに限定すれば当時の玩具のほか、ミニプラ、千値練のアクションフィギュアなどがある。
玩具は勇者シリーズの中だと比較的プロポーションが良好な部類で、ファイヤーダグオン、パワーダグオン、スーパーファイヤーダグオンのいずれも極端に胴体が太くなるような状態にはなっていない。
スーパーファイヤーダグオンの状態だとガッシリした上半身に対して腰が細いところと、後ろから見たときパワーダグオンの胴体部が大きすぎて不格好なところは少々残念ではある。だが、その辺りは子供向け玩具の安全設計とプレイバリューを重視したことによるものである。

これまでの勇者シリーズと比較しても合体の構造は着実な進歩を感じられる。グレートマイトガインやファイヤージェイデッカーでは1号ロボの前腕部に強化パーツを装着していたが、これだとゲタによって延長された足や前腕部のパーツに対して腕が細く短く見えるという欠点があった。スーパーファイヤーダグオンはファイヤーラダーとファイヤーレスキューを外してパワーダグオンの腕を丸ごと装着するため、腕の長さも伸びてバランスを損なわず力強い印象を与えることに成功している。

安全基準が比較的ゆるいミニプラやアクションフィギュアでは変形合体ギミックを重視しつつ劇中のプロポーション再現を概ね両立させている。
アクション性や見栄えを重視しているため一部の変形は独自の解釈になるが、パーツの差し替えは手先など見栄え重視のパーツに留まり、余剰なしでの変形を可能としている。


追記・修正は壮絶な最後を遂げた方がお願いします。


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最終更新:2024年04月12日 10:50

*1 消防車は英語で「fire engine」、救急車は「ambulance」である。

*2 グレート合体との兼ね合いから、グレート合体時に分離するパーツを2号ロボへの合体時にも分離させるパターンが多い

*3 第39話の疑似ブラックホール内は無重力に近いためほぼ飛んでいたほか、そこから脱出するときも飛んで出てきた

*4 第39話は宿敵アーク星人、第41話は未知の強敵だったゼルマー、第43話は一撃必殺で倒す必要があったボンバー星人、第44話は力自慢のゲドー、45話は最凶の相手マドー

*5 『新世紀勇者大戦』ではスーパーライオソード名義

*6 最速のファイヤージェイデッカーより10話近く遅い、なおエンディングまで合体しないゴッドライジンオー除く