プロト(ロックマンエグゼ)

登録日:2011/10/04(火) 00:31:00
更新日:2024/04/09 Tue 08:23:08
所要時間:約 6 分で読めます






ヴォォォォォォォォ!!



プロトとは『ロックマンエグゼ3』のラスボス
シリーズの舞台となるネットワーク社会の開始時に開発された初期型インターネットで、
『ロックマンエグゼ』世界において史上最初に確認された「バグでもある。


出現エリア:プロト
無属性
HP:2000



以下、ストーリーのネタバレを含みます


概要

本編の十数年前、熱斗の祖父でありネットワーク社会の礎を築いた科学者である、光正が試験的に造り上げた初期型インターネット。
ネット上に生じた無数のバグにより少しずつ異常が発生しだし、バグによる侵食が臨界点に達した時にインターネットそのものが原始的な自我を会得した。


暴走したプロトに取り込まれた他のプログラムはプロトに侵食、分解されプロトの一部になってしまう。


自我を会得したプロトは「全ての物を自分に取り込み、一体化する」という本能のみで行動し、後に『プロトの反乱』と呼ばれる史上最悪のネット事故を起こした。

当時のあらゆるプログラムを取り込んだが、全てを取り込み一旦落ちついた所を科学省の手により、
ガーディアンと呼ばれる究極の防御プログラムにより封印され、科学省の電脳世界に厳重なロックをかけて安置された。
そして万が一封印が解かれた事を考え、ギガフリーズと呼ばれる究極の凍結プログラムを開発し、インターネットの隔離されたエリアに置かれていた。


本編ではネットワーク社会を快く思わないワイリーの手によってプロトを持ち去られ、再解凍して世界中を恐怖に沈めようとした。

解凍され活動を再開したプロトはプロトバグと呼ばれる自分の分身をばらまき、全データの再吸収を始めた。

しかし、ガーディアンが健在だったため完全な覚醒はできておらず、不完全な状態だった為、
ワイリーは『プロトの反乱』で科学省を追われたフォルテを唆してガーディアンの破壊に成功する。

完全な覚醒をしたプロトはフォルテとワイリーをも取り込み、ワイリーの悪事を止めるために来た熱斗とロックマンと対立した。


通常のプロトはコアをもった巨大なプロトバグの頭部のような姿(脚のないイエローデビルのような感じ)をしているが、戦闘時にはコアを被うようにアーマーが現れ、2本のガントレットが装備される。

ネットナビでもなければウィルスでもない・・・インターネットそのものと戦うという今までのラスボスに比べ、非常にスケールの大きいラスボスとなっている。



◆プロトの反乱

ある時、初期型インターネット「プロト」に接続していた電子機器が誤作動するという事件が起こった。
誤作動を起こした電子機器はやがて破壊されてしまい、当時の科学省は原因を究明し、
事件の原因は世界初の完全自立ナビであるフォルテの仕業だと断定した(科学省の多くの人間や他のナビ達がバグの報告をしてくるフォルテを煙たがっていたのも大きな要因ではある)。

開発者のコサックの抗議も虚しくフォルテのデリートは決定事項となり、科学省の総力をあげてフォルテを駆逐した。

しかし、フォルテが消えた後も事件は治まらず、そこで科学省は事件の犯人は初期型インターネットそのものだと認識した。
だが時すでに遅く科学省が気付いたのとほぼ同時期にプロトは自我に目覚め、事件はさらに悪化し科学省の対抗虚しく当時のネットワークほぼ全てを食らいつくされてしまった。
全てを食らい尽くしたプロトは活動を緩め、その隙に科学省はプロトを封印。ようやく事件は鎮静化した。


だがその時点ではデリートはできなかったため、光正は保険として究極封印プログラム「ギガフリーズ」を開発。
ギガフリーズは存在するだけでネットワークそのものをフリーズさせる危険性があったため、
通常のネットワークとは遠く離れた電脳世界の底の底へと厳重に保管されることになった。
このために作られたのが後のウラインターネットである。

このように、プロトは作中殆どの事件の元凶になっているのである。



◆戦闘でのプロト

敵エリアの中央から全く動かずに、デビルハンドを3回繰り返した後それ以外の攻撃をするという行動をひたすら繰り返してくる。
このワンパターンな行動にもプロトが本能のみで活動しているということがうかがえる。
また相手エリアを奪うことはできないが物を置くことはできる。

本体であるコアは 赤いカバーで覆われており、20ダメージずつ受ける度にカバーが削れていき、青いコア剥き出しになればダメージを与えられるようになる。
ただしカバーは時間経過で少しずつ復活していく。
このため使いにくいと言われるウッドスタイルのチャージショットが極めて有効。
他にはガッツスタイルの場合、ガッツマシンガンを使うのもあり。

…ちなみにこのコアの性質上、プロトにはナビに基本存在している無敵時間というダメージの後のショートインビジ仕様が存在しない上、上記のように全く動かない。
その為ゼータキャノンのようないつもだと微妙扱いされる連続系P.Aや相手に向かって降り注ぐランダムメテオみたいな連発攻撃が異常に有効である。
この弱点を突くとかなり簡単にダメージを稼ぐことができる。
さすがにドリームウイルスグレイガほどは弱くはないが、ラスボスというには弱い部類に入る。
そのせいで次回作とその次のラスボスがとんでもなく強くなってしまった気がしないでもない。

とはいえフォルテと連戦且つフォルダ編集も出来ずダメージも回復しないため、そこそこ厄介。
リカバリーを組み込んでおくかフォルテ戦はノーダメージくらいの気持ちで挑んでおこう。

加えて、オーラ状態でフィールドを動き回りながら広範囲攻撃をかましてくるフォルテと、その場を動かずに自軍マスに攻撃してくるプロト、タイプが違うボスと同じフォルダで連戦することになる。
フォルテのオーラ対策には一発の威力が求められる一方で、次に戦うプロトには威力よりも連撃が重要になるため、両方の要素を兼ね備えたフォルダを用意しなければならない。
このため、バトルより準備段階で苦戦するタイプのボスとも言えよう。
慣れるとランダムメテオ*1を筆頭に何とでもなっちゃうが


戦闘時における登場はエグゼシリーズを通して唯一かつ独自の演出が用いられている。
プロト以外のラスボスはウイルスやネットナビと同じように登場演出であるにもかかわらず、
プロトだけはプロトが空けた穴→ガントレット→プロトのボディ→プロトのコアと段階を経て登場する。
元々エグゼ3がエグゼシリーズ最終作の予定だったことを考慮しても、電脳世界の根幹に関わるインターネットそのものであるプロトを他と差別化する為だと思われる。



●使用技

・デビルハンド
プロトの基本攻撃、ブレイク属性。
ロックマン目掛けて上→横の順にガントレットを飛ばしてくる。
なお横の攻撃は置物の設置と同義らしく出現位置に別の置物がある場合出現しない*1ので置物でロックしていれば前後移動で完全に避けれる攻撃である

・リバースバルカン
両肩をバルカン砲に変形させてロックマンを銃撃する。
この攻撃は攻撃を受けても無敵時間が発生しないので、動き回らないと連続ヒットする。
無敵ものけぞりも一切発生しないので、いつの間にかこれでダメージが蓄積していて負けたりすることもあるのである意味一番厄介な攻撃。
HPが半分以下になると下記のプロトアーム2種と入れ替わる形で使わなくなる。

・レッドアイズデリート
強力なレーザーを放ち、ロックマンのエリアの最前列と横中央の列に衝撃波を発生させる。
攻撃範囲のパネルはヒビが入る他、プロトの目の前に物を設置していた場合は耐久性、対ブレイク性能関係無く破壊されてしまう。
ちなみに致命的な弱点がありこの攻撃を二度すると穴が開きふさがるまでの間この攻撃の衝撃波が出てこない状態になる、これを利用してポーンなどの置物を設置してからのパネルアウトで遊んだプレイヤーも多いだろう

・プロトアームΩ(オメガ)
プロトのHPが半分以下になると使用する。
巨大かつ強力なロケット弾を発射する。ロケット弾は着弾すると周囲1マスに爆発が広がり、
何にも当たらなければ、画面端で大爆発してロックマンのエリアの後方二列に爆発が広がる。また、着弾にはブレイク属性がある。
技の使用中は無敵で、使用後はコアを守るカバーが初期状態になる。
ちなみにカワリミ一枚でノーダメでやり過ごせる

・プロトアームΣ(シグマ)
プロトのHPが半分以下になると使用する。
電極を発生させ、横中央の列、横上下の列に攻撃することを10回高速で繰り返す。
人によっては一番回避しにくい場合もある技。
技の使用中は無敵で、使用後はコアを守るカバーが初期状態になる。(実は破壊可能。HP:500)



◆プロトSP


出現エリア:プロト
無属性
HP:3000

タイトル画面で表示される全7つの星を全て集めると通常のプロトの変わりに戦うことになる真のラスボス。
HPと攻撃力が大きく上昇している他、ゴッドハンドという強力な新技を使用する。
一撃で一気に削ってくるようになった関係上、リバースバルカンの脅威が増している。
ただし弱点である移動無し・インビジ無しは変わっていないので、対策は殆どノーマルと同じものが通用する。

初めて勝利した場合に限りホワイト版ならプロトアームΣが、ブラック版ならプロトアームΩを入手することができる。
※エンディング後タイトル画面に戻るが、その後再び再開するとリュックの中に入っている。

数少ない配信無しで入手することができるラスボスのチップである。(他には5DSぐらい)

・ゴッドハンド
金色のデビルハンド。
攻撃パターンと攻撃力はデビルハンドと同じだが、上から来るガントレットにはこちらのパネルを奪う効果があり、
横から来るガンレットはパネルをヒビ、氷、毒沼に変える能力を持つ為、非常に厄介な技。
ん?金色でゴッドハンド…?



◆プロトバグ


プロトの体から発生した分身であるウイルス。いわば小型のプロト。
プロト復活前から『プロトの反乱』の時の生き残りと思われるものが活動しており、作中では赤青黄の三種類と紫色のプロトバグSPが登場。

初登場はよかよか村のおんせんライオンの電脳にて赤色の????(HP100)という謎の敵として登場。
ただしここはシナリオ上必須な場所ではないので素通りの人もいるかもしれない。
シナリオでは終盤のむじんせんしゃの電脳で青色(HP140)と強制バトル。
ここでも戦闘時は????表記だが、戦闘後の科学省職員との会話でプロトバグについて説明される。
WWW本拠地にて最上級の黄色(HP180)が登場。ここでようやく名前も「プロトバグ」表記となる。

戦闘時は自エリア内を何度か瞬間移動した後でこちらに飛び付き、ロックマンを捕縛して一定時間ダメージを与え続ける。
ギリギリで回避に失敗した場合は少しダメージを受け、移動先でマヒ状態になりこちらもしばらく動けなくなる。
更に飛び着きを回避してもプロトバグが着地したパネルに水たまりが発生し、ロックマンはしばらくの間そのパネルに移動出来なくなる(物を置くことは可能)。
加えてダメージを与えてもゆっくりとHPを回復していく能力を持つ。最下級の赤なら強化したバスターの連射で倒せないこともないが黄色は回復が早くなかなか厄介。
チャージショットやチップ攻撃で早めに決着をつけてしまおう。

ちなみにバグであるためかチップデータを持たず、戦闘報酬が必ずチップになるコレクターズアイを付けて倒すとNO DATAとなり何も得られずに終わってしまう。


アニメ版

ロックマンエグゼシリーズでは物語の始まりともいえる存在だったが、何故かアニメ版では全く登場することはなかった。
BEASTではプロトエリア01というサイバーワールド誕生時に作られ、今は老朽化して廃棄されたエリアが登場している。
グレイガビーストを閉じ込めたが、ファルザービーストになったロックマンにエリアの壁を壊されてしまった。



漫画版(鷹岬版)

フォルテを主役とした番外編として「プロトの反乱」が描かれたのが初出。

ゲーム版同様暴走した初期型インターネットの筈だったが、何故か闇の力をもったナビが現実世界に現れるための中継ポイントとして使われていた。
終盤で体内からフォルテGSが現れ、フォルテGSの攻撃に巻き込まれて大破した。


……出番たったのこれだけである…


全く出番の無いデューオよりはマシかもしれないが、登場したラスボスの中で唯一戦闘せず、ただの闇の力の出入り口という道具的扱いである。

フォルテGSとの戦いをメインにしたかったのだろうが、どうしてこうなった…フォルテはプロトに何の恨みが…大アリだよ!




あさだみほ版

こちらではまともに対決することになる。
ゲーム版とは設定が微妙に異なり初期型インターネットそのものではなく、それをより良い状態へと管理するシステムということになっていた。
暴走により「インターネット上のあらゆる物を吸収し取り込むことがインターネットを良くすること」と解釈するようになった。

ワイリーの手により復活し、ネットワーク社会を次々と同化して回る。
ただ本能のままにデータを喰らうだけでは無く、ワイリーの姿を真似た画像や音声データを使用して作った虚像で、
WWWの連中を操るなど知略に長けている印象があり、他にも設定変更のため「インターネットに安らぎを」という台詞を繰り返し使っている。

最終的に光正の助言(恐らく本家同様、プロト内部にあった人格データ)により胸のコアが弱点であると判明し、
バリアブルソードの一撃を喰らい撃退されるも、余波により世界中のネットワークが一時的に麻痺することとなった。 



◆その他

英語版では名前がプロトから「アルファ」(Alpha)に変更されており、それに伴いプロトバグも「アルファバグ」(Alpha Bug)となっている。
これはブルースの英語名である「プロトマン」(ProtoMan)との混同を避けるためと思われる。
ちなみにプロトマンという名前自体は初代シリーズのブルースの英語名が元だが、エグゼシリーズでは特にプロトタイプという設定がある訳ではない。

憶測の域だがプロト内にバグが発生している事に関してフォルテも報告していた可能性がある
フォルテは以前から科学省に対してミスや不備を指摘・報告している為、プロトのバグにも気づいていなかったとは考えにくい。

しかし、プロトがバグによって自我に目覚めて暴走した際、科学省はフォルテを犯人と断定
自律型ネットナビと言う点や電脳シールドから抜けだしていた理由から彼は科学省に追われる事になった(この間もプロトは絶賛暴走中である)。

結果的に濡れ衣を着せられたままフォルテは行方不明、真犯人にたどり着いた時には手の施しようの無い自体に陥る事になる。
人とナビのすれ違いさえ無ければプロトの暴走も無く、フォルテもまた普通のネットナビとして活動していたのだろうか。



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最終更新:2024年04月09日 08:23

*1 敵エリアにランダムで隕石が降り注ぐ連続攻撃…なのだがよりにもよって威力100でフォルテのオーラを破れてしまうため、どちらにもよく効く