チェーンビート(遊戯王OCG)

登録日:2013/10/04(火) 16:34:55
更新日:2024/01/03 Wed 13:49:44
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チ キ ン と は

ほ め 言 葉 で あ る



チェーンビートとは遊戯王OCGにおけるデッキタイプの一種。

【CONTENTS】


【概要】


遊戯王において、いわゆる「○○のテーマ・名前で統一する」というデザイナーズデッキとは離れたデッキは多くある。
古くはスタンダードの典型ともいえる【サイカリゴーズ】等いわゆる【グッドスタッフ】が有名であろう。
それだけではスピードが足りないので、ハンデスや次元等メタ要素を詰め込んだタイプが主となっていった。
俗にいう【ハンデススタン】【カオススタン】【弾圧ワンフー】【アサイカリバー】等が有名だろうか。

しかし、それでも時代の高速化や禁止制限の変化にはついていけず、この手のデッキの多くがトーナメントレベルではなくなっていった。

そこに2012年の秋ごろに流星の如く現れてトーナメントレベルの地雷として話題になったのがチェーンビートデッキである。

ゼンマイシャークと魔界発現世行きデスガイドの来日で話題沸騰だったEXTRA PACK 2012。
そのパックに収録されていたゼンマイラビット、更にヴェルズよりヴェルズ・サンダーバードと言う相棒を引っ提げて「やり逃げビート」と言う地獄のような嫌がらせメタビが誕生した。



【構築】

「除去カード発動→一時除外効果をチェーンし自分モンスターをフィールドから逃がす→相手だけ除去を受ける」というのがコンセプト。
例えば、相手がモンスターを召喚する際に
  • チェーン1:《激流葬》を発動
  • チェーン2:《ゼンマイラビット》の効果発動
とすれば、逆順処理で
  • チェーン2の処理 :《ゼンマイラビット》の効果で自身をエンドフェイズまで除外
  • チェーン1の処理 :《激流葬》の効果でモンスター全破壊。《ゼンマイラビット》は除外されているので無事
と相手モンスターだけを破壊できる。

採用するモンスターが極端に少ないのが特徴で、最少ラビット3サンダーバード3カード・カーD2で8枚と言う報告もあるほど。
まあこれは極端な例でもあるのだが、それでもエフェクト・ヴェーラー込でも10枚ちょい程度で済む。
高額なエクストラにも頼らないデッキ*1なので、これも貧乏デッキの一種と言えるかもしれない。
もっとも、全盛期は必須カード達がそれなりのお値段になっていたが……。

モンスターカード


ゼンマイラビット
効果モンスター
星3/地属性/獣戦士族/攻1400/守 600
自分フィールド上の「ゼンマイ」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを次の自分のスタンバイフェイズ時までゲームから除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
また、この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。

ヴェルズ・サンダーバード
効果モンスター
星4/闇属性/雷族/攻1650/守1050
魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、自分フィールド上のこのカードをゲームから除外できる。
この効果は相手ターンでも発動できる。
この効果で除外したこのカードは次のスタンバイフェイズ時にフィールド上に戻り、攻撃力は300ポイントアップする。
「ヴェルズ・サンダーバード」の効果は1ターンに1度しか発動できない。

異次元の探求者
効果モンスター
星3/闇属性/サイキック族/攻1500/守 800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを次のターンのエンドフェイズまで除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

こいつらの効果を簡単に説明したら自力でスペルスピード2の亜空間物質転送装置を発動できると言う事。
これを全体除去や1:1交換の罠にチェーンしてぶっ放すことで相手だけ全滅させるのが基本戦術になる。

次に、それぞれの強みを書いていこう。

ラビットはゼンマイとのシナジーが薄いのだが、しかしそれでもサーチ手段などが豊富。
ステータスがかなり低いがリクルーターに対応してる強みともいえ、獣戦士なので炎舞対応なのがGOOD。
総じて初手にもって行きやすく、サンダーバードを出すまでの繋ぎに行きやすい。

サンダーバードは効果発動に条件があるのだが、なんかの速攻魔法か罠にチェーンすればいいので発動条件はかなり緩い。
ラビットの効果→チェーンサンダーバードでももちろん行けるので並ぶと除去がほんとにめんどくさい。
また、サンダーバードはラビットよりステータスがかなり高く、帰還した時にパワーアップするおまけつきなのも鬱陶しがられる。

探求者は緊急テレポートに対応するのが強み。あちらの自壊デメリットも自身を除外すれば踏み倒せる。
ただし帰還のタイミングが除外したターンの次のエンドフェイズと上記2体より遅れるのが難点。
あとラビットと同じく自身以外も除外可能。

罠カード

こいつらに対応する罠と言うのも当然癖が強いのが多い。

強制退出装置
通常罠
お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、
そのモンスターを持ち主のデッキに戻す。
このデッキの代名詞といってもいいカード。

このカードはお互いのフィールド上に一体以上モンスターが存在することが発動条件。
効果処理はお互いに自分のモンスター一体をデッキに戻すというもの。
自分のモンスターも選ばなくてはならず1:2交換と使いづらかった。

しかしラビットかサンダーバードで逃げれば相手だけデッキバウンスと言う胡散臭いカードに化ける。
これは「効果処理時にモンスターが存在しないプレイヤーのデッキバウンスは行われない」という裁定のため。

他にはつり天井や激流葬などの全体除去カードも採用候補筆頭に挙がる。
自身のモンスターを逃がせば相手だけ全体除去と嫌がらせに拍車をかけられる。
墓地利用はほぼしないに等しいので次元の裂け目やマクロコスモスと言った他のデッキでは採用しにくい無永続差別除外カードをメインから使える。




弱点

除外メタ

「除外」がコンセプトなのでこれを封じられるのはキツイものがある。
特に王宮の鉄壁これ一枚でコンセプトが完全に瓦解する。
また、逃げに走ったラビットサンダーバードを虚空海竜リヴァイエールでパクられるとかもしんどい。

罠カードメタ

闇のデッキ破壊ウイルス等で罠を宣言されたり、No.16 色の支配者ショック・ルーラーでモンスター効果か罠を封殺されたりも辛いものがある。
除去を大量に入れるとはいえ打点の低さ故に除去を思った以上のペースで使わされるので上手くテンポを掴めないとジリ貧になりやすい。

耐性持ちモンスター

除去のほとんどを魔法・罠カードに頼るのでそれらへの耐性持ちモンスターが出ると苦しい。
壊獣原始生命態ニビルでリリースしてしまうのもいい。
別の除去カードで処理すれば再利用される心配もない。



総じて一点特化デッキともいえるので、マストカウンターを食らうと立て直しが利かないと言うのはメタビらしい弱みともいえよう。

2013年の前期環境トップの【魔導】【征竜】でのメタカードががっつり刺さってしまう(対【魔導】用の闇デッキ、対【征竜】用の王宮の鉄壁)せいで、
2013年前期環境では結果をあまり残せなかったが、これらのカードがパワーダウンした今ではそれなりの結果を残せるだろうか。

また展開力が無いので、回ったときの六武衆とかは物量で勝てない事もあるので、つり天井でも打てないならもうあきらめよう……。



【余談】

生まれたコンセプトが変わっているとされている。諸説あるのだが。

もともとメタビなんて組む予定はなく、サンダーバードとゼンマイラビットの相性の良さに目をつけた【チェーンバーン】使いがこれをぶち込んでデッキを作ってみた。

「積み上げる幸福なども込みで決まったらサンダバラビット合わせてかなり増える為、2000以上のバーンが能動的に打ち込める。」

「ラビット→サンダーバード→連鎖爆撃だけでも1200のバーンが期待できる。」

ところが連鎖爆撃及びそれのサポートカードが事故になると発覚して、試しに強制退出装置等を入れてみたらあら不思議。
見事なメタビートが完成しましたとさ…と言う事。

実際に今でも引導火力に連鎖爆撃をチェーンビートに入れてる人は多く、名前の由来がここからきているという話であるそうだ。




追記修正は除外ゾーンに逃げながらお願いします

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最終更新:2024年01月03日 13:49

*1 ただし、戦略の選択肢としてあるに越した事はない。