ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane(MtG)

登録日:2012/06/08 Fri 16:02:17
更新日:2024/04/10 Wed 10:23:17
所要時間:約 11 分で読めます




「森の血族は誰の手も借りないわ。」


概要

ニッサ・レヴェインはマジック・ザ・ギャザリングに登場するプレインズウォーカー
ゼンディカー/Zendikar出身のエルフで女性。自然魔道士で扱うマナは緑だが、黒マナも使用できる様子。
ジョラーガ/Joragaと呼ばれる大規模な一族を率いており、彼らを呼び出し共に戦う。
次元の力である「力線」からマナを引き出すのが切り札。故に自然が少ないラヴニカのような次元は苦手。

性格は誇り高く、エルフこそが頂点に立つべき種族と考えている。若干レイシスト気味。
また、緑の宿命かガラクと同じく割と脳筋で、話すよりも先に行動する。
若いころから様々な次元/Planeを旅しており、その際に金属次元で囚われの身になったり吸血鬼に怪我を負わされたり割りと酷い目にあっている。その所為か吸血鬼が苦手。また、蛇も嫌い。

外見は一目で言えばメスゴリラ可愛い。長いエルフ耳に後ろで縛った濃茶のロングヘアー。瞳は緑に発光する
スタイルもよく衣装の隙間には谷間が見えるグラマー。PW女性はみんな巨乳説。ただその所為で規制に引っ掛り、PCゲーム「Duels of the Planeswalkers」では胸の露出が控えめになるように修正されている。
外見年齢は28歳程度。

ストーリーでは、ニッサはもともと幻視の持ち主で、母を除いて一族が死に絶えていた。別の部族に身を寄せていたのだが、ニッサの幻視の力を危険視されて部族を追い出す話が出てしまい、ニッサは母を置いて一人で旅に出る。追いかけてきた友人とともに「ゼンディカーそのものが見せる、助けを求める幻視」を頼りに旅をつづける。その旅の終着点で、ゼンディカーが苦しむ原因である「エムラクール」に対峙、それが見せた狂気の波によってプレインズウォーカーの灯がともる……というストーリーのはず*1
エルドラージの封印が綻びているゼンディカーにて黒の吸血鬼のPWソリンに助けられたことから、エルドラージ封印のために行動を共にするようになる。旅の最中に良いとこの坊ちゃんで貴族であるソリンさんにナメクジを食わせようとしたりする*2。ニッサたんマジ蛮族。

冒険の末、ウギンの目/Eye of Uginに辿り着く。ソリンはエルドラージの封印を強固にすることを目論んでいたが、ニッサは故郷であるゼンディカーにエルドラージが封印されている事を快く思っていなかったため、エルドラージが他の次元に逃げていくだろうという考えからエルドラージの封印の重要なパーツである面晶体/Hedronを粉砕。結果、エルドラージは完全に解き放たれ、ソリンは勝手な行動をしたニッサを「もう知らん」と言い放ち、ゼンディカーから去っていった。しかもエルドラージは少なくともウラモグとコジレックがゼンディカーに残留。ゼンディカーが滅びたら5割くらいニッサの所為。あと半分は三バカ(ジェイスチャンドラサルカン)の所為。
その後は、ゼンディカーを救うため次元の旅に出た模様。…まずイニストラードに行ってソリンさんに土下座すべきだと思う。
ともあれ、この一件がきっかけでエルフ以外の種族への偏見を捨てて一丸とならねばエルドラージには勝てないということも考えるようになる。

いくつかの次元を旅した後、ゼンディカーへ帰還したニッサは協力者のギデオン、ジェイス、チャンドラとともにプレインズウォーカーチーム「ゲートウォッチ」を結成。ゼンディカー次元の力線からマナを集め、ウラモグとコジレックを撃破する。
ゼンディカーを救い、更にイニストラードにおけるエムラクールとの決戦を終えた後は他のゲートウォッチとともにラヴニカのジェイス提供の屋敷で暮らしている。田舎出身者という描写がなされており、都会の目まぐるしさに疲れ果てたり、食事で出たトマトに喜ぶなどの素朴な描写が笑いを誘った。
同じ女性ゲートウォッチのチャンドラとは結成以来の友人関係、というか友情以上の感情を抱いているようですらあったが、後に公式があくまで単なる強い友情であると説明した

チャンドラの故郷であるカラデシュでの戦いを経て、アモンケット次元では他のゲートウォッチと同じくニコル・ボーラスに手痛い敗北を喫する。加えて自分のために仲間を利用したリリアナを許せず、ゲートウォッチを離脱。
しかしラヴニカへの侵攻を行うボーラスを見て見ぬふりも出来ず、最終決戦にはゲートウォッチとして参戦。
ラヴニカ次元の力線からマナを引き出すと、セレズニア議事会の本拠地である世界樹ヴィトゥ=ガジーを超巨大クリーチャー化し、ジャイアントロボの如く操ってボーラス軍を迎撃。
ヴィトゥ=ガジーは最終的にボーラスの切り札たる永遠神に倒されてしまうも、ヴィトゥ=ガジーが支配の象徴たるボーラス像を破壊したことがラヴニカの民衆に決起を決意させたことと、永遠神を投入した事自体が回り回ってボーラスの敗因の一つとなるため、無駄にはならなかったといえる。
なお、ニッサとセレズニアは別に懇意というわけでもないためたまたま目についた良さげな樹を無許可でクリーチャー化したことになる。ニッサたんマジ自由人。
とはいえさすがのニッサも他人様のシンボルを無断借用した挙句、壊してしまったことには罪悪感を感じた模様。ラヴニカではあまり顔を見せたくないらしい。
オトナになったね、ニッサ!

ゼンディカーの夜明けでは、ゼンディカーに眠る古代のアーティファクト「石成の核」の力を使えばゼンディカーを復興できる……という考えから、ゼンディカーの守護者を自負するナヒリとニッサはともに協力して宝探しを始める。
しかし大昔の発展した都市こそ戻るべき姿だと考える旧世代のナヒリに対し、自分たちが慣れ親しんだ自然あふれる乱雑な「今の世界」を守るために刃を交えることを決意する(ニュアンス的には「オトナ帝国の逆襲」とかを想像すればいいかもしれない)。
ナヒリの「強権的で独善的で直情的」「多少の犠牲をいとわない」「人の話を一切聞かない」という性格*3から繰り出される蛮行に対し、ニッサもニッサでコミュニケーション能力のなさを自覚しており、ナヒリを力づくで止めることしかできなかった。
2人とも自分の考えるゼンディカーこそ理想郷と一歩も譲らず、仲裁しようとしたジェイスにさっぱり耳を貸さなかった(それどころかニッサに至ってはジェイスを「分かってくれると思ったのに」と拒絶する始末)が、
最終的にゼンディカーそのものの体現であるエレメンタル「アシャヤ」がニッサに力を貸してナヒリを攻撃したことや、「石成の核」の力を使い果たしてニッサにとっての理想郷を復興したことを受け、ナヒリは自分の敗北を認めてその場を立ち去るのだった。


ゲームでの性能

緑の代表的なPWであり、ゲートウォッチにも加入したためカード化の回数は比較的多い。
初代こそエルフ特化だったものの、キャラの方向性がアレだったためか2度目のカード化以降は土地に関わる能力が多い。


Nissa Revane / ニッサ・レヴェイン (2)(緑)(緑)
プレインズウォーカー ― ニッサ(Nissa)
[+1]:あなたのライブラリーから《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》という名前のカードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
[+1]:あなたは、あなたがコントロールするエルフ(Elf)1つにつき2点のライフを得る。
[-7]:あなたのライブラリーから望む数のエルフ・クリーチャー・カードを探し、それらを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
初期忠誠度:2

ゼンディカーで初登場した時のニッサ。全てがエルフに関連する能力で、小プラスは下記の特定カードをサーチして場に出すものと、ライフのコントロールしているエルフの数の2倍分の回復。奥義はデッキの中のエルフを全て場に出せるというエルフに尖らせれば豪快そのものな内容。
…が、他のPWと毛色が違い、かなり個性的。まず、デッキを組む段階で特定カードにスペースを割く必要があり、トークンと違って最大数も決まってしまいがち。また能力が緑単通り越してエルフ単と言えるほど狭いためデッキをかなり選ぶのだが、緑のとはいえ特徴的クリーチャーであるエルフが軸のデッキに4マナは少々重い。また、他に有能なカードが多く、百歩譲ってニッサはともかくリクルートするためだけの低パワーカードにスペースを割くだけでもデッキのパワーが落ちがち。
なにより最大の問題は初期忠誠度が2であること。これでは出して即プラス能力を起動しても、当時使用率が非常に高かった《稲妻》(当時は《荒廃稲妻》も)一発で落とされてしまう。
上記事由からトーナメントで余り活躍できず、「プレインズウォーカーじゃなくてただの顔の広い人」とか呼ばれたりする。ニッサたんマジ不憫。

とはいえこのカード、出た当時は結構使われていた。
というのも「プレインズウォーカーというカード自体ある程度強い」という認識の時代だったため*4
さらにこの時期は《ラノワールのエルフ》《貴族の教主》などの強いマナクリに恵まれていたためマナを伸ばすのがたやすかった。
そのため、4マナから《野生語りのガラク》か《ニッサ・レヴェイン》を展開してビーストトークンやファンクラブ《ニッサに選ばれし者》で盤面展開して耐えながら戦うという「ニッサフレア」なるデッキが一時期流行していたのだ。
稲妻一発で死ぬPWという評判も、この時期に築かれたものである。


Nissa's Chosen / ニッサに選ばれし者 (緑)(緑)
クリーチャー ― エルフ(Elf) 戦士(Warrior)
ニッサに選ばれし者が死亡する場合、代わりにそれをオーナーのライブラリーの一番下に置く。
2/3

通称ニッサファンクラブ、またはニッサたん親衛隊。

見ての通り準バニラのエルフの戦士。ハッキリ言って単体だと弱い。素出しするには弱いし、死ぬとライブラリーの一番下に行くニッサとのシナジーのための効果も、デッキシャッフルを介すると運が悪ければ自己セルフドローロックを招きかねい性能。
おまけにニッサの能力は手札に来たこれを出せないため、余計に腐りやすい。できれば投入枚数を控えたいが、かといってニッサの性能を生かすにはフル投入したい…というジレンマに陥る。
ガラクとは違った形で盤面を展開する性質を作りたかったのだろうが、これが完全に仇となった。

一応擁護しておくと、素出しするにはかなり弱いのだが2/3というスタッツ自体は当時だと結構やり手。《噴出の稲妻》《見栄え損ない》なんかは耐えるし、ニッサがいる状態でこいつら相手に律義に単体除去なんて切りたくはない。緑の色拘束がきついが2マナなので弱いと言えど全く素だしできないわけでもない。
この地味ながらいやらしい性質に着目したのが、先述の「ニッサフレア」である。プラス能力でこのスタッツの疑似トークンを出せるのはなんだかんだ強い筈…という理屈から生まれたデッキなのである。

ちなみにこの「ニッサフレア」が実際に理屈通り強いかと言うと、はっきり言って弱い。ニッサフレアなんて名前を聞いたこともない人も多いのではないだろうか。
確かに強い動きをすることはあるのだが、それは大体「自分が優勢の時に勝ちを固めている」という動きになる。4マナという割と重いカードなのに《稲妻》や《荒廃稲妻》*5一発で沈むし、手札事故の原因になるファンクラブをデッキに数枚投入しなければならない。
これが上振れした時の理想的な動きと当時のプレインズウォーカー信仰によってうやむやになってしまったわけで、「ニッサフレアからニッサを抜いた方が強いのではないか?」という風説が定着するまでに少しの時間を要したのである。
《ニッサ・レヴェイン》が弱いPWであるというネタが妙に有名なのは、この時期の失敗があったからである*6。《悪鬼の血脈、ティボルト》が来るまでは最弱のPWとしてネタ人気が高かった。

お前らがせめて《ガラクの仲間》かラノワールのエルフくらいならまだ分からなかったのだが…。

ちなみに現在のニッサの設定を見ると「ジョラーガから追放されたのになんで選ばれし者なんて連れてるんだろう」となる。友達作るのもド下手な筈だし
これは初期のプレインズウォーカーの設定のブレである。最初期にはジェイスの身長が2メートルあったり、サルカンが瞑想の果てにプレインズウォーカーとして目覚めたりという設定があり*7、その中にニッサがエルフ至上主義という設定もあったのだ*8
これが人種差別に非常に敏感なアメリカではレイシストを思わせて不評*9、というか物議をかもしたらしく、現在の「友達を作るのが下手な田舎娘」「ジェイスどころかギデオン顔負けの脳筋メスゴリラ」という設定になってった…らしい。
ただし、この時期は小説の描写、フレーバーテキスト、設定を載せた記事の3つがまったく噛み合ってないなんてことがままあったし、それに加えて日本語翻訳も若干怪しいところもあったわけで、とにかく情報が非常に錯綜しやすかったのだ*10
そもそもアメコミは時代の流れとともになかったことになる設定とか多いし、当時はヴォーソスの存在なんてあんまり重要視されてなかったのでまぁ、多少はね?


Nissa, Worldwaker / 世界を目覚めさせる者、ニッサ (3)(緑)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
[+1]:あなたがコントロールする土地1つを対象とする。それはトランプルを持つ4/4のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それは土地でもある。
[+1]:森(Forest)を最大4つまで対象とし、それらをアンタップする。
[-7]:あなたのライブラリーから望む数の基本土地カードを探し、それらを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。それらの土地はトランプルを持つ4/4のエレメンタル・クリーチャーになる。それらは土地でもある。
初期忠誠度:3

基本セット2015で登場したニッサ。当時のヴォーソスなんて物好きしかいなかった(某店の記事「あなたの隣のプレインズウォーカー」もまだ連載されてなかったんじゃないかな?)ので、
「えっ!?ニッサだゾ☆とか言ってる稲妻一発で沈むエルフ至上主義者がどうして土地操ってんの!?」
と驚いた人もいるのではないだろうか。一方で原作(ナメクジ焼いて食べるやつ)読んでる人は「そうでもなかった」って言って人もいなくはなかったけど…。

能力はそれぞれ土地のクリーチャー化と疑似的なマナ加速。奥義も大規模なクリーチャー・土地の生成である。

特に土地をクリーチャー化させるプラス能力が土地を除去されるリスクこそあるものの強力で、
当時のスタンではジャンドカラーのコントロールデッキで採用された。


Nissa, Vastwood Seer / 巨森の予見者、ニッサ (2)(緑)
伝説のクリーチャー — エルフ(Elf) スカウト(Scout)
巨森の予見者、ニッサが戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから基本森(Forest)カードを1枚探してもよい。そうしたなら、それを公開してあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが7つ以上の土地をコントロールしている場合、巨森の予見者、ニッサを追放し、その後、これを変身させた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
2/2
↓変身後
Nissa, Sage Animist / 精霊信者の賢人、ニッサ
〔緑〕 伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
[+1]:あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それが土地カードであるなら、それを戦場に出す。そうでないなら、それをあなたの手札に加える。
[-2]:緑の4/4の伝説のエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークンの《目覚めし世界、アシャヤ/Ashaya, the Awoken World》を1体生成する。
[-7]:土地を最大6つまで対象とし、それらをアンタップする。それらはそれぞれ6/6のエレメンタル・クリーチャーになる。それらは土地でもある。
初期忠誠度:3

マジック・オリジンで登場したニッサで、他のオリジンのPW同様覚醒前の表面と覚醒後の裏面という構成。

表面は3マナ2/2と悪くないサイズであり、森をサーチするため手札を減らさない点が優秀。変身条件は土地を7枚戦場に出すことで、性質上長期戦を見据えたデッキで使うことになる。

裏面の能力はそれぞれ土地加速or手札補充、大型トークンの生成、土地のクリーチャー化。

単純に手札補充、クリーチャーの生成の両方が強力で、奥義もゲームを決めうる打点を用意できることから、緑の絡むミッドレンジ系のデッキでよく採用された。


Nissa, Voice of Zendikar / ゼンディカーの代弁者、ニッサ (1)(緑)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
[+1]:緑の0/1の植物(Plant)クリーチャー・トークンを1体生成する。
[-2]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。
[-7]:あなたはX点のライフを得てX枚のカードを引く。Xは、あなたがコントロールする土地の総数に等しい。
初期忠誠度:3

ゲートウォッチの誓いで登場したニッサ。

プラス能力はトークンの生成で、サイズこそ貧弱だが3マナのPWが継続的にトークンを生成できるのは貴重。
マイナス能力は全体強化であり、強化先を自身で生成できるため単体で完結している。ただ、やはり横並べするデッキで使いたいところ。

奥義はゲイン&ドロー。奥義としてはやや控えめだが単純にアドバンテージを稼げ、多生の延命も可能。
当時のスタンダードでは硬化する鱗*11との相性が良く、ローテーション後も横並べするセレズニアトークンなどのデッキで採用された。

自然の職工、ニッサ/Nissa, Nature's Artisan (4)(緑)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
[+3]:あなたは3点のライフを得る。
[-4]:あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードを公開する。その中から土地カードをすべて戦場に出し、残りをあなたの手札に加える。
[-12]:ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+5/+5の修整を受けるとともにトランプルを得る。
初期忠誠度:5

カラデシュのプレインズウォーカーデッキに収録されているニッサ。
プレインズウォーカーデッキ収録組共通のことだが、弱く、語ることも少ない。

Nissa,Steward of Elements / 自然に仕える者、ニッサ (X)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
[+2]:占術2を行う。
[0]:あなたのライブラリーの一番上のカードを見る。それが土地カードであるか、マナ総量が自然に仕える者、ニッサの上に置かれている忠誠(loyalty)カウンターの総数以下であるクリーチャー・カードであるなら、あなたはそのカードを戦場に出してもよい。
[-6]:あなたがコントロールする土地最大2つを対象とし、それらをアンタップする。ターン終了時まで、それらは飛行と速攻を持つ5/5のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それらは土地でもある。
初期忠誠度:X

アモンケットで登場したニッサ。アモンケットで試練を乗り越えた経験と開発の一時の気の迷いにより青を持っている。

マナコストにXを持つ初のプレインズウォーカーであり、これにより初期忠誠度を自由に変化させて着地できるのが特徴。
X=1,2で早めに出して[+2]や[0]で展開補助させたり、いきなりX=6以上で出して10点アタックを飛ばしたりと柔軟に扱える。
X=0で出すことも可能だが、呼び出した瞬間逃げられるので、何かしら初期忠誠度を上げる方法が別途必要になる。

[+2]と[-6]は癖がないのでどんなデッキでも使えるが、[0]はクリーチャーや土地の多いデッキでしか機能しない。
そのため、軽量クリーチャーが大多数を占め、残りはほぼ土地、というデッキや、土地が多い上に軽量マナクリーチャーも多いランプデッキでの採用率が比較的高い。

Nissa, Who Shakes the World / 世界を揺るがす者、ニッサ (3)(緑)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
あなたがマナを引き出す目的で森(Forest)をタップするたび、追加で(緑)を加える。
[+1]:あなたがコントロールしていてクリーチャーでない土地最大1つを対象とし、それの上に+1/+1カウンターを3個置く。それをアンタップする。それは警戒と速攻を持つ0/0のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それは土地でもある。
[-8]:あなたは「あなたがコントロールしている土地は破壊不能を持つ。」を持つ紋章を得る。あなたのライブラリーから森カードを望む枚数探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
初期忠誠度:5

灯争大戦で登場したニッサ。そのいかつい顔つきから通称はゴリラ。アングルが悪い
日本版限定イラストはひと和氏が担当している。こっちはまっとうな美人である*12
なんとMOだと値段が一時期32倍ほど違っていたんだとか…3.2倍じゃなくて32倍。やっぱ外国人もかわいい女の子の方が好きなんだね……

常在型能力はマナの追加生成。なお森タイプが付いていればなんでもよく、直前のラヴニカにはショックランド*13があるため、見た目以上に使いやすい。

プラス能力は実質3/3速攻警戒クリーチャーの生成。ついでにアンタップするためマナ加速としても使用可能。さらに警戒持ちのため攻撃してもマナを出せ、繁殖池*14を対象にすれば2マナの打ち消しを構えてターンを渡せてしまう。いろいろ盛りすぎである。

しかもこれがプラス能力のため確定除去でもなければ処理が困難で、その上処理できなければ次のターンにとんでもない値のX呪文*15を唱えられてしまう。

マナ加速として凶悪なだけでなく、単体でゲームを決められるだけのクリーチャーを生成できるという強力さから、登場直後から多くのランプデッキに採用。

後に緑デッキでもある食物デッキが台頭した時にもオーコと共に採用され、数々のパワーカードを叩き付ける列に並んだ。


Nissa of Shadow Boughs / 影さす太枝のニッサ (2)(黒)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
上陸―土地が1つ以上あなたのコントロール下で戦場に出るたび、影さす太枝のニッサの上に忠誠度カウンターを1個置く。
[+1]:あなたがコントロールしている土地最大1つを対象とする。それをアンタップする。あなたは「ターン終了時まで、それは速攻と威迫を持つ3/3のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それは土地でもある。」を選んでもよい。
[-5]:あなたはあなたの手札かあなたの墓地から、点数で見たマナ・コストがあなたのコントロールしている土地の枚数以下であるクリーチャー・カード1枚を、+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出してもよい。
初期忠誠度:4

ゼンディカーの夜明けで登場したニッサ。黒マナが使えるという設定をようやく思い出し拾われて活かした、初の黒緑。
キッカーを持つジェイスと同じくセット固有の能力を持つ珍しいPWだが、これは「PWのデザインには限りがあるため、セット固有のメカニズムを積極的に利用してデザイン空間を広げていくようにした」という経緯がある。

プラス能力は土地のクリーチャー化で、アンタップするためマナ加速にもなる。威迫を持つため打点としての信頼度は高いが、守りには使えずマナ加速と両立できない点は注意が必要。警戒で守りにも使えて出すマナまで増やすゴリラがおかしいともいう
マイナス能力はクリーチャーを踏み倒すか蘇生するもので、制限こそあるが上陸によって登場してすぐに使うことも可能。
クリーチャーのインフレも手伝って出すカードには困らず、カウンターが乗ることで主要な除去である《無情な行動》に耐性が付くのもうれしい点。
主にミッドレンジ寄りのデッキで使われるが、カルドハイム以降は環境の変化と同じマナコストで汎用除去の英雄譚である《古き神々への拘束》が原因で少々影が薄い。


Nissa, Ascended Animist / 向上した精霊信者、ニッサ (3)(緑)(緑)(緑/Φ)(緑/Φ)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
完成化((緑/Φ)は(緑)でも2点のライフでも支払うことができる。ライフで支払われた(緑/Φ)につき、このプレインズウォーカーは2個少ない忠誠(loyalty)カウンターで戦場に出る。)
[+1]:緑のX/Xのファイレクシアン・ホラー・クリーチャー・トークン1体を生成する。Xは、向上した精霊信者、ニッサの忠誠度に等しい。
[-1]:アーティファクトやエンチャントのうち1つを対象とする。それを破壊する。
[-7]:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは、あなたがコントロールしている森1つにつき+1/+1の修整を受けトランプルを得る。
初期忠誠度:7
「ファイレクシア:完全なる統一」で登場したニッサ。一緒に行動していたルーカがファイレクシアのケンタウロスをニッサノ制止も聞かずにエルーダで使役していたところ完成化し孤立したところで囚われ、ファイレクシア側の手駒にされ、次元壊しと呼ばれる各地への侵略経路を確保する役目を担わされてしまう。今回に関しては完全にルーカのやらかしの被害者である。

プラス能力は忠誠度依存のクリーチャー・トークンの生成。5マナで唱えて即起動しても4/4、7マナで唱えていれば8/8のサイズのトークンを出せる。
ただのファッティではあるが、ニッサがダメージを受けずに生き残れば、次のターンには更に一回り大きいトークンが出てくるので侮れない。
マイナス能力は-1能力は《帰化》。忠誠度-1でアーティファクトやエンチャントを幅広く除去していけるが、乱用するとプラス能力が弱まるので注意。
奥義はターン終了時まで、自軍クリーチャー全てにプラス修整+トランプル付与。
クリーチャーが並んでいる時に使えればほぼ勝ち。ライフを支払わずに唱えれば着地即奥義も可能ではあるが、修整値が森の枚数依存なので、デッキの色が多すぎると全然修整を得られなかったりするので注意。

スタンダードでは緑を含むデッキのフィニッシャーとして採用されることがあった。

イラストは通常版、ボーダーレス版、オイルスリック版の3種類が存在する。
ファイレクシアによる完成化の影響か、いずれも髪が抜け落ちてスキンヘッドになっている。また髪の話してる…


Nissa, Resurgent Animist / 復活した精霊信者、ニッサ (2)(緑)
伝説のクリーチャーー — エルフ・スカウト
上陸 ― 土地1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、好きな色1色のマナ1点を加える。
その後、この能力が解決されたのがこのターン内で2回目なら、エルフやエレメンタルであるカード1枚が公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上から1枚ずつ公開していく。
そのカードをあなたの手札に、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
3/3

仲間たちの治療の成果あって、かつての姿を取り戻したニッサ。いつのまにか髪も生えてきた
しかし、ファイレクシアが多元宇宙に与えた影響により、ほとんどのプレインズウォーカーはその灯を失ってしまった。ニッサも例外ではなかった。そのため、数少ない灯持ちの一人であるチャンドラの手を借りて故郷を目指すことになる。

性能としては、伝説かつ重くなった代わり、おまけの付いた《水蓮のコブラ》といった性能。
上陸能力は1マナを生む効果に加えて、エルフかエレメンタルであるカードをランダムで手札に引き入れられる。1回誘発すればとりあえず元は取れるだろう。
登場直後は優秀なフェッチランドが使用可能なことにより上陸能力を誘発させやすく、強力なエレメンタルが自然と入りやすいモダンでの活躍が主であったが、
「カルロフ邸殺人事件」で自分の墓地にある土地カードをすべて戦場に戻す《事件現場の分析者》《世界魂の憤怒》が収録されてからは、スタンダードでもよく見かけるようになった。




余談

ネット上などでニッサの語尾が「…なんだゾ☆」となってることが散見される。
これは公式コラムの記事でさまようもの浅原氏がニッサをこのような口調で書いたため。公式が病気。
…まぁ当時の公式コラムといえば、スーパークレイジーズーの伊藤敦氏がネタに困り果てて「イケメンパラダイス」なる紙束クソデッキ作ってたし。
浅原氏は「さまようもの王決定戦」「デッキ名:KTN(気は確かなの?)」をはじめ、勝つことだけを過剰に神聖視していた当時のMTGに「そういう楽しみだけじゃないんです」とばかりに様々なエッセンスを持ち込むタイプの記者だった。
そしてヴォーソス的には「原作の設定が情報源によってかなり違ってきちゃうこともあるからそういうネタに走らざるを得なかった」のである。



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最終更新:2024年04月10日 10:23

*1 もともと公開されていた設定がこれと少し異なっている。

*2 これは我々が考える小さなものを生で食ってるわけではなく、ファンタジー世界特有の巨大なナメクジの肉を時間をかけてこんがり焼いてみんなで食べるというレクリエーションを兼ねている描写である。同行した学者肌の吸血鬼アノワンは、恐る恐る食べて「人間の脂肪に似てる」という感想を残している。

*3 いわゆる「旧世代PWの正気の度合いは難しい」というやつで、この描写のせいでソリンの株が久々に相対的に上がった。特に第1話のニッサにとっては大事なエレメンタルを躊躇なく殺した後に「この次元が壊れゆくのを見過ごすなんてできないのよ!」と正義感から悲痛に叫ぶ描写は、この2人の絶対に相容れない思想差をうまく描写している。

*4 《黄金のたてがみのアジャニ》《野生語りのガラク》《遍歴の騎士、エルズペス》《復讐のアジャニ》《ソリン・マルコフ》など採用実績のあるプレインズウォーカーが多く、このほかのカードに至っても「書いてあることは強いがライバルがさらに強い」「スタンダードでは生かせないがレガシーやヴィンテージでは採用実績がある」などの事情があったため。まだプレインズウォーカーというカードタイプが登場して日が浅かったこともあり、この時期の独特の空気は実際に触れていないと説明が難しい。

*5 当時はプレインズウォーカーへのダメージ割り振りルールがあったので、プレイヤーに対しダメージを与える効果はプレインズウォーカー1体に対する火力としても扱えた。

*6 同期の《燃え立つチャンドラ》が弱いという風説はまったく有名ではないどころか、それを言うと「採用実績がある」と反論する人もいる。ぶっちゃけ当時プレイしたことがあれば「ニッサ以上に入るデッキを選ぶ上にものすごく弱いカード」だと分かるはずなのだが……。

*7 ロードオブヴァーミリオンIIのMTGコラボカードの設定テキストなどに当時の設定が残っている

*8 MTGのエルフには、ローウィンのようにレイシストを思わせる設定を持つものがあり、方向性自体はニッサに限った話ではなかったりする。ゼンディカーはローウィンの2年後、かつニッサ自身がローウィンで黒マナを学んだという設定もこの時期すでにあった

*9 アメリカのレイシスト(差別主義者)という言葉が持つ負のイメージは、単なる「特定の国嫌い」「外国嫌い」で済まされる日本のそれに比べるととんでもなく悪い。ただでさえ日本に比べて人種が多種多様なせいでイメージが非常に悪い上、悪意ある人に攻撃材料を与えてしまう。

*10 ゼンディカーの前後はこの情報の錯綜がかなり激しい時代。たとえばギデオン・ジュラの武器はスーラという名前がついているが、これは実在するインドの武器「ウルニ」から着想を得ている。そのためウルニと掲載してしまっている記事が「公式サイトの中に」ある、というかなりずさんな情報掲載形態だったのである。しかもヴォーソスは絶対数が少ないため、ネット上くらいでしか同好の士を募れない。そのためそのコミュニティで支配的な説に従うか、自分の説を認めさせるために攻撃的になるかする必要があり、触らぬ神にたたりなしとばかりに距離を置く人もいた。

*11 +1/+1カウンターが乗る時、その数を+1する

*12 でも奥義を打つとやたらいかつい海外版の顔をした紋章がぬっと出てくる

*13 基本タイプを2つ持ち、2点ライフを支払えばアンタップインできる2色土地

*14 緑青のショックランド=森でもある

*15 ちょうどドローと回復が可能なX呪文のハイドロイド混成体が前セットで出ていた