バアルモン

登録日:2011/08/26 Fri 01:35:56
更新日:2023/03/28 Tue 01:02:02
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『バアルモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。
ここではバアルモンが転生したクロスウォーズ版ベルゼブモンについても触れておく。


【基本データ】

世代 完全体
タイプ 魔人型
属性 フリー
必殺技 カミウチ
手にした武器“打神鞭”で強烈な雷撃を放つ技。
特に神聖系のデジモンに高い効果がある。
得意技 ギルティッシュ
護符を様々なものに変化させて攻撃する技。
リークインフォメーション
あらゆる知識を持つ博識にして、『気高き王』の異名を持つデジモン。
その身につけたマントは古今東西の護符を積層して作られており、その護符にはあらゆる攻撃の対処法が記されている。
ただ、護符に頼らずともその豊富な知識であらゆる攻撃をすべて防ぐことができるとも言われる。

また、自身の全ての知識を記した「アッピンの紅い本」も所持している。
バアルモン自身はどんな謎にも答えてくれるが、必ず一緒に試練を与えるという。
そして、その試練を乗り越えられなければ求める答えは与えられず、魂を奪われてしまう。
本自身も意思があるのか、こちらは閲覧者の魂と引き換えに1ページ分の知識を与えてくれるという。

一説では、「とある魔王型デジモンのもう一つの姿という噂も……」。
とあるが、モチーフである悪魔バアルベルゼブブの異名であるため、名前でバレバレ。
まあ、ナイスなネーミングとも言えるかもだが…。
というか、アニメでの登場当初からベルゼブモンに似ていることが指摘されていた上、銃がもろにベルゼブモンのベレンヘーナだったため視聴者には早々に感づかれていた。

なお、『手にバアルのようなもの 打神鞭を持つ賢人』ということから、中国の伝奇小説『封神演義』等に登場する太公望の要素もある。

英語名は“Reapmon(リープモン)”。
“Reap”には「刈り取る」という意味があり、『命を刈り取るもの』=『バグラ軍の死神』を意識した命名であろうと推測される。
また、バアルは元々作物を司る農耕神・植物神が悪魔に落とされた経緯があるため、穀物の収穫の意味もあるのであろう。

クロスウォーズから登場したデジモンのため、例によって世代・属性は無かったが、2020年10月2日に転生したベルゼブモン共々設定された。
特筆すべきは属性が「フリー」であること。
これは、アーマー体や古代種関連を除けば、バアルモンとスパーダモンくらいにしか設定されていない。
世代設定後はバイタルブレスのDimカード「ダイナスティ オブ ザ エビル」等でインプモンの進化系譜に組み込まれている。


【関連作品でのバアルモン】

アニメ『デジモンクロスウォーズ

CV:岸尾だいすけ(日本語版) / マシュー・マーサー(英語版)

『バグラ軍の死神』の異名を持つ謎の刺客。
正式にはバグラ軍ではなく、雇われの傭兵。その上、三幻士の様子を裏から探るなど怪しい行動を取っていた。
ただ、暗殺者らしい行動は第10話で一度タイキを襲っただけで、13話でもうタイキに惹かれ始め、14話で死亡→ベルゼブモンに転生し仲間になった。

このエピソード自体は評価が高いものの、バアルモンが敵役として活躍した回数が僅か一話な上、

タイキを気に入る→死亡→転生→仲間入り

が二話で全て終わるという駆け足展開だったため「もっと時間をかけるべきだった」という意見が多い。
まあ、ここに限らずクロスウォーズには「もっと時間をかけたら良エピソードだったのに……」というケースが多々あるのは事実だが…。

元はサンドゾーン出身で、エンジェモン率いる『女神の戦士たち』の一人だったが、女神像に認めて貰えず悩んでいた過去がある。
その『女神の戦士たち』は何者かによって催眠術にかけられ暴徒と化し、催眠を免れたバアルモンは襲いかかる仲間をやむを得ず殺害。
この事件で心に傷を負っており、仕組んだ犯人を探すためバグラ軍に潜り込んでいたのである。

この話をタイキに話した後、リリスモンが犯人と判明。銃を向けるが速攻で左手の毒爪を受けて瀕死に

視聴者「リリスモンの毒爪って右手じゃなかったっけ?」
公式「旧来のリリスモンとは別種族です」

その後、同じ催眠術で仲間を洗脳されても諦めず仲間を取り戻そうとする上、更に敵である自分を助けようとして不利な状況に陥るタイキに心打たれる。
そして『戦士の本当の意味』を悟り、最後はピンチのシャウトモンX4Kを助けるためにハイムゲンドラモンの攻撃の盾となり、散った。

視聴者「10年くらい前に似たようなシチュで散った魔人型デジモンがいたような…」

…が、(女神像の力なのか)ベルゼブモンへの転生を遂げる。
ちなみに、タイキはバアルモンの戦い方を見て「死神というより堂々とした戦士だ」との感想を述べていた。

◆女神像

女神の戦士達が崇める像。被り物がもろベルゼブモンの仮面。
ベルスターモンではない。
タイキ曰く「なんて気高そうな女神像なんだろう」とのこと。
「なんて美しい~」ではないのはやはりその仮面のせいか。
神殿にあったはずが、なぜか岩壁の中からこんにちは*1
崖から落ちてもなんともない頑丈さを誇る。

ちなみに、手を掲げて像と自身の身体が輝けば女神に認められたことになる。
おかげで なんの脈絡もなく 手を掲げるタイキの姿が女神像のおっぱい揉もうとしてるように見えた人が多発したとか。
ちなみに巨乳。


アニメ『デジモンゴーストゲーム

第53話「知識王」にて登場。(CV:櫻井孝宏

本話では、設定どおりの「知を持つ賢人」の側面が強調されている。
古くから人間世界にいることが示唆されており、普段は京都の鷺ノ川(さぎのがわ)神社*2の社内で、本の姿を取っている。
そこへ、偶然修学旅行で訪れて、同級生へ博識さを披露する清司郎に興味を示し、夜中に使者を送り、『知識比べ』を挑む。

「我は知識の泉を司る者。学問の神なり!!」

初日は勝負に勝ち、新しい『知識』を手に入れた清司郎だった。
が、勝負を繰り返すにつれ敗戦が多くなり、次第に『知識』≒記憶や経験を失い、瑠璃や宙、ジェリーモンのことすら忘れてしまう。

そんな状態でも更に知識比べに向かう清司郎…と、それを追う宙達。
瑠璃の口車 提案で、宙らの問題にバアルモンが正解できなければ清司郎に奪った知識を返す、という変則形式で勝負を行うことになる。

…が、実態は『知識』というより、雑学・豆知識クイズ。
苛立ちながらも律義に「知らぬ」という答えと奪った知識を返すバアルモンだが、さすがにベテルガンマモンの問いとその答えにはブチ切れて、必殺技の連撃を叩き込む。

「知識とは神羅万象の根源に迫ろうとする気高き営み!!」

ワイズモン「これこそが、我が知識の喜び!!」
バアルモン「お前は前作に帰れ」

いや…アンタはよく我慢したよ。

最後は、宙らのお陰で意識と知識を取り戻した清司郎の手で、ジェリーモンがテティスモンへ超進化。
バアルモンへキツい一撃を叩き込むが、力勝負ではなく、あくまで「知識勝負」を申し込む。
そして、『知識のアップデートは、知の探究者にとって重要である』という事実を突きつけられたバアルモンは敗北を認め、奪った知識をすべて清司郎へ返し、京都へ戻るのであった。

なお、使者の二体はデジモンではなく、ガチモンの死者(霊魂)である=ホログラムゴーストが関係ない純粋な心霊現象が存在する、という事実を宙と視聴者に最後に突き付けていった。


余談だが、本話でバアルモンが使役している霊の内の一体(稚児の方)の声優は、初代デジアドで光子郎役を演じた天神有海氏。
これにより、天ノ河宙役の田村睦心氏(tri.、ラスエボ)、エスピモン役の小林由美子氏(アドコロ)と、歴代の光子郎が揃い踏みを果たした。
そこにテントモンを務めた櫻井氏も加わり《知識》対決を行う…というシチュエーションの話が本話である。
なお、これは偶然ではなく、狙ってのことであると、角銅博之*3氏のブログ『錆びた館分館』で語られている。
というわけで、歴代光子郎とテントモンの声が揃った回でした。
エスピモンがでたところでプロデューサーが二代目三代目光子郎が出てるのでこうなったら初代もだせませんかね、と言ってきたので本人に連絡してみたところ前向きな返事いただき、短いセリフですが出ていただきました。
そこまできたらゲストデジモンはテントモンでと。知識の話だし。


【派生種】

バアルモン(X抗体)

世代 完全体
タイプ 魔人型
属性 フリー
必殺技 ザイカミウチ
打神鞭と一体になった左腕を鋭く敵に打つ技。
トゥーリブラスト
右腕のショットガンで広範囲の敵をまとめて撃ち抜く技。
アブソマーク
「アッピンの紅い本」から放たれる、敵を取り込み本の1ページとして吸収する技。
X抗体を得たことで、護符によって抑えていた内なる力が一部解放された。
右腕の二連装ショットガン(notベレンヘーナ)が解放され、左腕は打神鞭と一体化している。
また、「アッピンの紅い本」に意思が芽生え、知識を問われし者が答えを間違えば、主より先に裁きを下すという。
フリー種のデジモンはX進化するとフリー種ではなくなる事が多いが、このデジモンはフリー種のままである。


【関連種】

ベルゼブモン(クロスウォーズ版)

世代 究極体
タイプ 魔王型
属性 ウィルス種
必殺技 デス・ザ・キャノン
腕の巨大な銃『ベレンヘーナSDX』から放たれる技。
ダークネスクロウ
相手の願いを叶える代わりに金縛りにしてしまう技。愚か者に与えられる最後の褒美と囁かれている。
クロウとは一体…
上述通り、バアルモンが転生した姿として初登場。その後準レギュラーとなった。

巨大な翼、右腕と一体化した巨大な銃…と外見はブラストモードと酷似しているが、細かい部分が異なる。(瞳の色も赤である)
デジモンウェブのデジモン図鑑でも「(2010アニメ版)」となっており、公式設定も全く異なるため、元々のベルゼブモンとは別種として考えるべきであろう。

無口で他人に無関心であるため冷静な性格と見られているが、その実、誰よりも闘争を好み、恐るべき破壊力を持つ孤高の魔戦士。
挑まれた戦いに背を向けるようなことは皆無。
とはいえ、「もっとも強いデジモンの一人」とされているベルゼブモンの姿を見て戦いを挑む者は愚か者以外にはいない。

左足のホルダーには銃の『ベレンヘーナ』が収納してある。
右腕と一体化した巨大な銃『ベレンヘーナSDX』は威力自体も危険だが、神速とまで言われる早撃ちの技も危険で、それだけで倒された敵も少なくない。
なお、SDXを外した時の右腕はバルカン砲になっている。
また、相手の願いを叶える代わりに金縛りにしてしまう「ダークネスクロウ」で身動き出来なくなった愚か者は、息絶えるまでベルゼブモンの早撃ちの標的にされることになる。

バアルモン共々、2020年10月2日に世代・属性が判明した。
なお、こちらはフリー種ではない。


◆デジクロス

メテオ・キャノン
ベルゼブモン+スターモンズで発動。
右腕のSDXとスターモンズが一体化し、銃口が展開される。

デス・ザ・キャノン・スパイラル
ベルゼブモン+リボルモンで発動。
左腕にリボルモンの砲身が装備される。

どちらも敵に構える姿は非常に格好良いのだが、前者は玩具で再現しようとしてもスターモンを載せるだけなので格好悪く、後者は玩具すらない。
やっぱり動画や外国の「Digimon Wiki」で実物を見た方が良い。

シャウトモンX4B
シャウトモンX4+ベルゼブモンで発動。
シャウトモンがメインのデジクロス。ケンタウロスのような姿の『神馬形態』。
正規のデジクロス(Xの後の数字が増えるもの)ではない、いわば武装バリエーションのようなものだが、「X4B THE GUARDIAN」という専用のテーマソングがあり、優遇されている。
2020年10月に設定された世代は完全体。シャウトモンX4(成熟期)よりは上がっているが、ベルゼブモンからだと世代が下がってしまう

シャウトモンX5B
シャウトモンX5+ベルゼブモンで発動。
シャウトモンがメインのデジクロス。シャウトモンX5にベルゼブモンがさらにパワーを与えた『天馬武神形態』。
X4B、X5共に専用のテーマソングがあるが、こちらには無い。
シャウトモンのデジクロスは、この形態で初めて究極体に到達する。

クロスアップ・メルヴァモン
メルヴァモン+ベルゼブモンで発動。
メルヴァモンがメインのデジクロス。


【関連作品でのベルゼブモン(XW)】

アニメ『デジモンクロスウォーズ

上述通り、バアルモンが転生した姿。声優も同じ。
転生直後はシャウトモンX4Kをサポートしてハイムゲンドラモンを倒すが、戦闘終了後はタイキたちの前から姿を消したのであった。

タイキ「きっとすぐ会えるさ……」

そして舞台は次のゾーンへ移るが、なんと普通についてきてるベルゼブモン。
すぐにも程があるだろ。

そして「オレはいつでもお前たちを見ている」と聞きようによっては危ないことを宣言。
クロスローダーに入らず姿を隠したままタイキたちの後をつけ、ピンチになったら加勢するというタキシード仮面様行動をとる。
ちなみに彼が忽然と現れると必ず黒い羽根が落ちてくる。

視聴者「一緒に行動しろよ」

ただ、ダストゾーン以降急に出てこなくなる。
一部のファンの間では『テイマーズの映画でベルゼブモンがロコモンにしてやられたから、グランドロコモンがいるダストゾーンには行きたくなかったんだ』と囁かれているとかなんとか。

その後は間隔を開けつつ加勢したりしなかったり。
単独行動中になにしているかも特に語られることはなかった。
バグラ軍の動きを探ってるかと思ったらそんなことはなかったぜ!

後半ではクロスハートメンバーが捕らえられた時に一緒に捕らわれ、救出されてからは普通に同行するようになる。

アニメ『デジモンクロスウォーズ ~悪のデスジェネラルと七つの王国~』(第2期)

終盤に差し掛かった第16話(通算第46話)・第17話(通算第47話)で、ブライトランドのヘルズフィールドで仲間の仇であるリリスモンとの死闘を繰り広げる。
1期第13話で真相が判明してから通算第47話目まで、話数にして34話を経由しての対決である。

この戦いにより重傷を負い、回復しないその傷や、メルヴァモンと急接近など「これで死ななかったら逆に恥ずかしい」レベルまで死亡フラグ を一挙乱立。
続く第18話(通算第48話)でゾーンを巻き込んで消滅しようと画策する魔獣リリスモン(ブラストモンとの強制デジクロスで巨大化した)の進撃を食い止めるために特攻…と相討ちになる形で消滅した。

ちなみに本人曰く「自分の命はバアルモンとして死んだ時に尽きていた」らしい。


なお、彼の退場については、その直前に退場したデッカードラモン共々『主役orライバルデジモンの強化形態用メンバー(=最終形態には入れない)』という立場だったため、
製作サイドが、最終形態が登場して出番が無くなりそうになったキャラを整理した
と穿った目を向けるファンもいた。

まあ、脚本の都合での退場かはともかく、単体でかなりの強さを持ち、ちょくちょく登場しては活躍し、最期に因縁の相手との決着という見せ場もあった彼は、ある意味優遇されていたとは思うが。
……デッカーさんは泣いていいとは思う。


だが、最終話でコードクラウンがタイキを選んだことで死んだ仲間や犠牲となった正義のデジモン達が無事に復活。
当然、ベルゼブモンも復活し、メルヴァモンは泣きながら飛び付き大いにデレるのだった。


アニメ『デジモンクロスウォーズ 時を駆ける少年ハンターたち』(第3期)

第23話(通算第77話)にて登場。
この時にはメルヴァモンの為にネネのクロスローダーに入っていたほど(第24話(通算第78話)でのシャウトモンの台詞から)である。
その後メルヴァモンとデジクロスしその一部になったりした。


漫画『デジモンクロスウォーズ

アニメ版と同様、クロスハートに所属しているが、出番は少なめで、台詞らしい台詞は全く喋らず、シャウトモン達とデジクロスすることはなかった。
バンチョーレオモン、アグニモンと行動を共にすることが多い。



追記・修正は女神のおっぱいを揉も……女神に認められた人にお願いします

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最終更新:2023年03月28日 01:02

*1 神殿が崩壊したとか、地殻変動に巻き込まれたとかであろうか?

*2 モデルは北野天満宮。学問の神様とも呼ばれる菅原道真公を祭っている

*3 デジアド、02のシリーズディレクター。本話では絵コンテを務めた