キャットウーマン

登録日: 2011/11/24 Thu 01:00:10
更新日:2024/01/10 Wed 08:48:15
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  • キャットウーマン

「キャットウーマン(Catwoman)」はDCコミックスのキャラクターで1940年に初登場した「バットマン」のヴィランでありヒロイン。
初登場は『Batman Vol.1』#1。
猫を模したコスチュームに身を包んだ女盗賊。






【概要】

DCだけでなくアメコミ全体を代表する女性キャラクター。
初登場から既に半世紀以上も経過している事もあって、コスチュームや容姿だけでなく、立場や内面も時代によって大きく異なっており、
時にはバットマンに協力する等、一概には単純なヴィランとは言い切れない場合も多い。
シルバーエイジからは不殺設定・義賊設定やバットマンとの恋愛関係などからスーパーヒロインとしての側面を強調されることが多い。
しかしながら、初期からの 「殺人は行わない事を主義とする、凄腕かつセクシーな女怪盗であり、バットマンとは敵対しながらも強く惹かれあっている」という基本設定は継続されており、
バットマンに対しての態度は「元祖ツンデレ」とも言えるキャラクターである。



【人物】

本名…セリーナ・カイル(Selina Kyle)

その過去は時代ごとに異なり、
元スチュワーデスで旦那のDVから逃れる為に記憶喪失の振りをして盗みを働いていた(ゴールデンエイジ、シルバーエイジ)、
育児放棄気味の両親の死後、路上生活などで盗賊としての腕を磨き、売春街で客をだましていた(『ポストクライシス』、『DC Rebirth』)、
両親を知らず孤児院で盗みの腕を鍛えた後、市の職を得るが過去の記録を消され殺されかけた(『New 52』)、
かつてゴッサムを支配した大物マフィア、レックス・カラブレーゼの娘で、彼に捨てられ情報屋ローラに育てられた(『DC You』)、
など様々でこういった悲しい過去が盗賊としての人生を歩むきっかけとなった。
また義賊としての活動や不殺主義はバットマンと盗賊としての腕を磨いた貧困街からの影響が大きい。

猫のコスチュームを着始めたきっかけも、
盗賊として素顔を隠すため(ゴールデンエイジ、シルバーエイジ)、
バットマンに影響されたため(『ポストクライシス』)、
猫にインスピレーションを受けたため(『ポストフラッシュポイント』)など様々でデザインもいろいろ。

性格は基本的に自分本位で気まぐれだが、弱者や愛する人間のためならどんなことでもする強い信念を持つ。

盗賊として高いスキルを持ち、それを活かして自分のため、他人のため、時には無意味に盗みを働いている。
またその過程でヒーローやヴィランと戦うことも多く、彼らと渡り合える格闘術や鞭の腕前を持つ。
その高いスキルは敵対するヒーローやヴィランなど様々な人物に知られており何かと頼られることも多い。



【主な活躍】

【ゴールデンエイジ】

1940年の『Batman Vol.1』#1で初登場。この時は他人に変装して活動しており『ザ・キャット』と呼ばれていた。
その後は『キャットウーマン』の名と猫の覆面やネコミミのついたマスクに胸元の開いた紫のドレスを使って活動しバットマンとロビンを苦しめ続けた。
いくつもの戦いを経て更生の機会を得た彼女は犯罪から足を洗い、ペットショップを営むようになった。

シルバーエイジではこの時代のセリーナはマルチバースの1つ『Earth-Two』の人物として登場。
スケアクロウ絡みの事件でバットマンと協力しプロポーズをされたセリーナはそれを受け入れ、ブルース・ウェインと結婚した。
彼との間に一人娘ヘレナを授かったセリーナは平穏な人生を歩んでいたが昔の仲間から強請りを受けるようになり、独力で解決しようとした末に命を落とした。
この事件はブルースとヘレナに衝撃を与え、ブルースはバットマンを完全に封印しヘレナはハントレスとしてヒーロー活動を開始することになった。


【シルバーエイジ】

1954年の『Detective Comics Vol.1』#254で再びキャットウーマンになるも、そのセクシーさが災いしてか12年間活躍が描かれなかった。
その後1966年の『Superman's Girlfriend, Lois Lane』#70で緑色のレオタード姿で再登場しバットマン以外のヒーローとも戦うようになった。
コスチュームは2度変更され最終的にゴールデンエイジと同じ紫のドレスに落ち着いた。
そして1980年前後からはバットマン/ブルースと関係を持ち、良き友人として犯罪と戦うことが多くなった。


【ポストクライシス

バットマンのオリジンを描いた『バットマン:イヤーワン』で早くも登場。
以降紫や灰色の全身タイツに身を包みゴッサムを中心に世界中で盗みを働きながら、バットマンや彼の仲間たちのサポートをしていく。

『ノーマンズ・ランド』では一時ゴッサムを離れニューヨークで活動するも、いろいろあってバットマンを手伝うこととなった。
ゴッサム復興に伴い帰還するも、ゴッサム市警に狙われるなど数多くのトラブルに見舞われ最後にはデスストロークの襲撃を受け姿を消した。

ベテラン私立探偵スラム・ブラッドレイに発見されたセリーナは再び姿を消すも、かつて住みかとしていた貧困街イーストエンドの守護者となることを決意する。
コスチュームをゴーグル付きの黒いレザースーツに変更し友人ホリー・ロビンソンとスラムの力を借りて町の浄化に努めていく。
時を同じくしてバットマンと再会したセリーナは彼から正体と想いを告白され恋人関係に発展した。
しかしその想いが敵の策略が原因と思ったブルースから別れを切り出され関係は終わりを迎え以前のように良き友人となった。

イーストエンドを守る戦いの中でブラックマスクとの因縁が深まったセリーナは、彼が妹マギーやホリー、スラムに危害を加えたこと
そしてかつて自分が他のヴィランのように犯罪を重ねていたことを思い出したのが引き金となり、ブラックマスクを殺害した。

それから1年後、セリーナはスラムの息子サムとの間に娘ヘレナを授かり出産、キャットウーマンの名をホリーに譲りイーストエンドを離れ
イレーナ・ドノヴァンとして生きていこうとしていた。しかしキャットウーマンとしての人生はセリーナに生きがいと不幸をもたらし続け、
最終的にセリーナはブルースとザターナの力を借りてヘレナを安全に養子に出し、キャットウーマンとして生きていくことを決断した。
この一件を機にセリーナとブルースは再び思いを寄せるようになった。

その後はストリートの守護者として活躍し、ハッシュに心臓を奪われる事態に陥るもブルースに助けられた。
ブルースが姿を消すとハーレイ・クインとポイズン・アイビーと組んで活動したほか、因縁の相手カーマイン・ファルコーネの孫キトリーナをサイドキックに迎えるなどした。
ブルースが戻ってくると彼に誘われ『バットマン・インコーポレイテッド』に参加した。


【ポストフラッシュポイント

前述の通りオリジンが変更され、バットマンとは肉体関係にありながらも彼の正体を知らずにいる。

ゴッサムを中心に盗みを働きながら友人の復讐や弱者のために戦い、バットマン絡みの事件に巻き込まれていく。
その一方で盗みの腕とバットマンとの関係性を買われ政府の対『ジャスティス・リーグ』チーム、『ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ』に参加し活躍した。

バットマン:エターナル』で父レックスの頼みと荒れる裏社会の犠牲者を目にして、キャットウーマンを引退し『カラブレーゼ・ファミリー』を率いていくことを決断する。
そしてブラックマスクのファミリーとしのぎを削り、新たなキャットウーマンで日系ヤクザの娘ハシガワ・エイコと関係を深めていが、最後はファミリーを去りエイコとの関係も悲劇に終わった。

その後、盗みではなく237人の大量殺人の罪(後に友人ホリーの罪を被っていた告白)で『アーカム・アサイラム』に収容された姿で登場。そしてバットマンの正体がブルースだと知っている。
ブルースの頼みでサンタ・プリスカ襲撃ゴッサムに現れたベインとの戦いに協力、そしてブルースから想いと過去を告白され婚約に至った。

しかしバットマンに恨みを持つベインの策略によるジョーカーやホリーの言葉に気持ちが揺らぎ、結婚式当日に手紙で別れを告げた。
気持ちを新たにするのと自分に扮した犯罪者の存在からコスチュームを新たにし、裏社会との戦いを再開させた。



【セリーナ以外のキャットウーマン】

  • ホリー・ロビンソン
『ポストクライシス』で就任。セリーナの売春街時代からの友人。セリーナ同様ベテランヒーロー、ワイルドキャット仕込みの格闘術が武器。
出産を機に引退したセリーナの後を継いで活動していたが、ブラックマスク殺害の嫌疑がかけられたため引退を余儀なくされた。

  • ハシガワ・エイコ
『ポストフラッシュポイント』で就任。日系ヤクザ、ハシガワ一家の跡取り娘。ハシガワ家で鍛えられた忍者のような格闘術が武器。
父親への反発とセリーナへの憧れから、『カラブレーゼ・ファミリー』を率いていくことになったセリーナの後を継いで彼女のサポート役を担った。
しかしキャットウーマンとして活動している間に父親がブラックマスクに殺害されたのを受け引退した。



【関連人物】








【主なメディアミックス】

  • ドラマ『怪鳥人間バットマン』
演…ジュリー・ニューマー(S1、2)/アーサー・キット(S3) 吹…来宮良子
1966年から68年まで放送されたドラマ作品。デフォルメされた世界観ながら高い人気を博した。
日本語版ではミス・キャットの名で登場した。

演…リー・メリーウェザー 吹…吉田理保子(ビデオ版)/佐々木優子(テレビ版)
上記ドラマの劇場作品。ジョーカーやペンギンと組んでバットマンに挑んだ。

演…ミシェル・ファイファー 吹…田島令子(ソフト版)/藤田淑子(テレビ朝日版)/山像かおり(テレビ朝日版追加録音)
1989年の『バットマン』から始まったシリーズの第2作。
デパートオーナーの秘書だったが、彼に突き落とされまるで猫の化身のように復活した。
ツギハギだらけの大胆なコスチュームと妖艶でいて、はかなく悲しげな演技が大きな話題を呼んだ。
スピンオフも企画されたが実現しなかった。

声…エイドリアン・バーボー 吹…高島雅羅
ポール・ディニやブルース・ティムが手掛けたアニメ作品。
動物保護に熱心な活動家にして盗賊。バットマンとは初遭遇以来、想いを寄せ合っている。
そのため彼の人質にされることもあった。

  • 映画『キャットウーマン』
演…ハル・ベリー 吹…本田貴子(ソフト版)/深見梨加(テレビ朝日版)
『バットマン』との世界観とは異なる単独映画。
本名はペイシェンス・フィリップスで『リターンズ』をなぞった流れでキャットウーマンへと変貌する。
悪役のシャロン・ストーンが厚化粧で攻撃をガードするという笑っていいのかどうか悩む展開と、ハルのエロい衣装ばかりが印象に残る怪作となり、同年のラジー賞を総ナメしている。
そしてハル・ベリーは基本的に受賞者は来ないラジー賞授賞式に普通に来た挙句自身がアカデミー賞を取った時のスピーチを盛大にパロディしたスピーチをぶちかまして株を上げた
本作で吹き替えを担当した本田貴子は『ザ・バットマン』や『バットマン:ブレイブ&ボールド』でもキャットウーマンを演じている。

  • アニメ『ザ・バットマン』
声…ジーナ・ガーション 吹…本田貴子
2004年から始まったアニメ作品。バットマンや他のヴィランを巧みに利用する悪女。
ただし根っからの悪人ではなく利害が一致すればバットマンと協力している。

  • ゲーム『バットマン:アーカムシリーズ』
声…グレイ・デリスル 吹…藤村歩(ナイト)
2009年の『バットマン アーカム・アサイラム』から始まったゲームシリーズ。
シティ』、『ナイト』に登場する。
『シティ』ではバットマンと助け合う関係でDLCでは彼女が何をやっていたのかが描かれる。
『ナイト』ではリドラーのサイドミッションに登場しバットマンと協力してリドラーに挑む。

演…アン・ハサウェイ 吹…園崎未恵
2005年の『バットマン ビギンズ』から始まったシリーズの第3作。
過去を消したがっている女盗賊で、そのために必要なプログラムのためにバットマンやベインに協力する。
公開前にネット上でバットポッドに跨っているハサウェイの画像がアップされた時には「何かダサい」と不安視している意見が大半だったが、いざ公開されると峰不二子的な魅力的なキャラクターに仕上がっており、映画に花を添えた。
ただし、劇中でのセリーナは『キャットウーマン』とは名乗らない。(新聞記事で[cat]と書かれているのみ)

演…キャムレン・ビコンドヴァ/リリー・シモンズ(最終話) 吹…佐藤美由希
バットマン登場前夜のゴッサムを描いたドラマ作品。
少女時代の姿が登場。子供の頃から盗み癖は健在で、ゴッサムシティの繁華街でスリを繰り返していた。
ウェイン夫妻殺害を偶然目撃したことで、少年時代のブルースやゴードン刑事と関わりを持つことになる。

  • 映画『ニンジャバットマン』
声…加隈亜衣
中世の日本を舞台としたアニメ作品。
『バットファミリー』とともにタイムスリップし、元の世界に帰るために協力する。

演…ゾーイ・クラヴィッツ 吹…ファイルーズあい
当時同時に進行していたDCエクステンデッド・ユニバースとは世界観を共有しない新シリーズ。
ゴッサムシティを抜け出して自由になる事を求める女盗賊で、バットマンと鉢合わせした事や恋人を誘拐された事を機に、なし崩し的に彼と行動を共にする事になる。
なお、こちらでも『ダークナイト ライジング』同様に『キャットウーマン』とは名乗らない。



【余談】

大昔のZ級SF映画で「月のキャットウーマン」という作品があるが、バットマンとは何の関係も無い。

我が日本においては北条司氏の漫画『キャッツ・アイ』の実写映画版で主人公の3姉妹のコスチュームが、
何故か原作漫画のレオタードではなく、キャットウーマンを模した様なボンテージスーツにアレンジされていた。
映画の出来は……お察しください。

2015年、FFシリーズなどでおなじみのデザイナー・野村哲也氏がスタイリッシュにアレンジしたキャットウーマンがフィギュア化されているが、
コスチュームがメカニカルで禍々しい戦闘服になっており、バイザーのようなマスクや装備も相まって、プレデターを彷彿させるデザインに仕上がっている。
ちなみに商品名が、
『ヴァリアント プレイアーツ改 DC Comics DESIGNED BY TETSUYA NOMURA キャットウーマン』




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最終更新:2024年01月10日 08:48