ピノキオ(ディズニー映画)

登録日:2012/06/25 Mon 13:03:11
更新日:2024/01/02 Tue 21:33:13
所要時間:約 6 分で読めます





『ピノキオ』とはディズニー映画の一つで、その主人公の名前でもある。『白雪姫』に次いでディズニースタジオ二番目の長編アニメーション作品。
テーマ曲はディズニーを象徴する『星に願いを』(“When You Wish Upon A Star”)。この映画を知らない人でも曲は知っているというほどに有名。
なお、本作をディズニー自身でリメイクした実写映画『ピノキオ』が2022年に公開されているが、当記事では1940年公開のアニメ版についての解説を行うこととする。


【あらすじ】

小さいコオロギのジミニー・クリケットは、ある日とあるおもちゃ屋にたどり着く。
そこで彼が見たのは老人・ゼペットが木の人形ピノキオを作り上げて「この子が本当の子供になりますように」と願っているところだった。

ジミニーはバカバカしいと思ったがその夜、美しい妖精が現れてピノキオに生命を吹き込む。
本当の人間になるには誘惑に負けず、いつでもいい子にすること」。
ジミニーは妖精に命じられ、ピノキオの良心となり、彼を教育しようとするが……?


【登場人物】

☆ピノキオ
主人公である木の人形。ゼペットじいさんに作られた。
本当の人間になるために頑張ろうとするが、途中で様々な誘惑に負けてしまう。
未成年なのにタバコを吸ったり酒を飲んだりする描写がある。まぁ人形だから害は無いんだけどね!
最終的にはクジラに飲まれたゼペットを助けるために自分の命を犠牲にしたが、それを見ていた妖精により生き返り、晴れて人間の子供になった。
原作と比較すると、ぶっちゃけ全く別人(?)と言っていいくらいキャラが違う。

☆ジミニー・クリケット
ひょんなことからピノキオの「良心」になるコオロギ。妖精のような美人に弱い。
すぐ誘惑に負けるピノキオに手を焼くがそれでも懸命に力を尽くす。ピノキオが人間になった時、ご褒美として金のバッジをもらった。
吹き替えはスネ夫でお馴染みの肝付兼太氏。肝付氏は他にも『リトル・マーメイド』でスカットルの声を吹き替えている。
実はちなみに原作では固有の名前が無いばかりか、途中でピノキオに殺されてしまう可哀想なキャラ。

☆ゼペットじいさん
ピノキオを作った善良な老人。家には様々な仕掛けつきの時計がたくさんある。また、のフィガロと金魚のクレオを可愛がっている。
学校に送り出したが帰ってこないピノキオを心配して探しに出るが、道中人喰いクジラのモンストロに飲まれてしまう。

☆フィガロ、クレオ
ゼペットじいさんの項目にある通り彼の家族で、キノピオ捜索にも連れていくほど。二匹とも人語は話さないが表情豊か。なおフィガロはクレオを食べようとかしてはいない。

☆J・ワシントン・ファウルフェロー
詐欺師のキツネ。ピノキオには「正直ジョン(オネスト・ジョン)」と名乗っている。普通に服を着て人語を話し二足歩行しているが、作中誰もそのことにツッコまない。ガチムチ天使は関係無い。
ストロンボリと組み、ピノキオを「スターになろう」とおだてて誘惑し、ショーに出させ金儲けをたくらむ。彼の持ち歌『ハイ・ディドゥル・ディー・ディー』はテンポがいい。根っからの悪者ではないらしく、おもしろ島の話を聞いた時は震えていた。結局やっちゃったけど……。
なお途中から全く登場しなくなる。制裁を受けないヴィランズの一人。
吹き替えはルパン三世でお馴染みの山田康雄氏。
原作ではディズニー映画以上の悪者で、ピノキオを殺害しようとしたことがある
「出さんとぶっ殺すぞぉぉぉ!!」

☆ギデオン
ファウルフェローの弟分のドラネコ。眠たげな目をしている動物という点では『ふしぎの国のアリス』のヤマネに似ている。
また『白雪姫』のおとぼけと同じく一言も喋らないほか、かなりのドジで何度もフェローをぶってしまった。こちらも途中から出なくなり制裁も受けない。
ぶっちゃけフェローと同じく、御者やストロンボリの行いに比べたら彼らはまだマシ。
原作ではディズニー映画と違い、目が見えるのに盲目のフリをしたり、口に金貨を隠し持っているピノキオからそれを奪おうとして前足を食いちぎられたりするなど、病んだ悪者になっている。

☆妖精/ブルー・フェアリー
ゼペットの願いを聞き、ピノキオに命を吹き込んだ女性。かなりの美貌を誇り、彼女だけ明らかに作画が違うただし胸が全く無あれなんだすごく眩しry
ピノキオの鼻が伸びた時かなり考えさせられる。

☆御者/馬車屋/コーチマン
車で運び屋をしているおっさん。「おもしろ島」というところにたくさんの悪ガキを連れ込んでロバにし、売り飛ばそうとする。トラウマメーカー。密談中に顔が豹変するシーンは実に怖い。
こちらも途中から全く登場しなくなる。一番制裁を受けるべき悪人なのに受けない。
「人間だった時に好き勝手した報いだっ!」は深いセリフだが、実はこいつが一番好き勝手してるよな。しかしカプコンのゲーム版ではこいつを崖から突き落としてしまえる。

☆ランビー/ランプウィック
ピノキオがおもしろ島に行った時に友達になった不良の子供。ピノキオにタバコや悪いことを教えたが、最終的にロバになって狂いまくった。
その後は全く登場しなくなるためどうなったかは不明。原作では百姓の元で働かされ、過労死する。トラウマメーカーその2。

☆アレキサンダー
おもしろ島でロバに変身させられた子供の一人。御者に対して敬語を使うなど不良とは思えない……(島に連れてこられたのは全員勉強嫌いの悪い子供たち)。
もしかしたら、周りからの悪い誘いを断り切れずにおもしろ島に来てしまったのかも?

☆ストロンボリ
人形劇団の座長で下品で卑劣な大男。ジョンとギデオンからピノキオを受け取りスターにして金儲けをたくらむ。
ピノキオが客にうけると味をしめ、鳥かごに閉じ込めてしまう。用済みになったら薪にするつもりらしい。
ピノキオの「嫌だ嫌だ嫌だ!」に対し「いいのいいのいいの!」と返すシーンは必見。ピノキオに逃げられてからは全く登場せず、これまた制裁を受けない。
(原作ではディズニー映画とは違い、風貌は怖いが人徳者である)

☆モンストロ
人喰いクジラ。結構怖い。


【備考】

以下のことからトラウマ映画とみなす人が多い。

☆制裁を受けないヴィランズ
☆ピノキオのの描写
☆おもしろ島での一件が解決しないまま終わる
☆子供たちがロバにされて船に積み込まれるシーン
☆↑のシーンが人身売買を連想させる
☆未成年の喫煙描写
☆ランビーがロバになって狂いまくるシーン
☆全くディズニーらしくないシリアスなテイスト
以上のことから『ダンボ』のピンクのゾウ並みのトラウマを植え付ける。

だが、大人になってから見ると「勉強をサボっていたらロバにされて売り飛ばされる」という教訓がわかる。ヴィランズが全く制裁を受けないのもそのためなのかもしれない。


【余談】

東京ディズニーランドには、『ピノキオ』に関するアトラクションとして「ピノキオの冒険旅行」、カチューシャなどを売るショップとして「ストロンボリワゴン」、お菓子屋さんの「プレジャーアイランド・キャンディーズ」、軽食スタンドの「クレオズ」がある。
また、ディズニーパークで働くキャスト(従業員)を指導する立場にあるトレーナーには、ジミニーピンというバッジが与えられる。


【実写リメイク】

冒頭の通り、2022年にロバート・ゼメキス監督(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フォレスト・ガンプ』が有名)、トム・ハンクス主演で実写版が制作された。
当初は劇場公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響によりDisneyプラスによる独占配信へと変更されている。
原作小説(『ピノッキオの冒険』)ではなくあくまでディズニーの『ピノキオ』をリメイクしている為、大筋は同じ。
とはいえ80年越しのリメイクにあたり昨今の情勢を反映したのか、ポリコレ、多様性に配慮した変更・追加要素が多い。
特に金髪の白人女性であったブルー・フェアリーに黒人女性をキャスティングした事はアメリカ国内でも大きく話題となり、
賛否が分かれた(差別というよりも該当女優がスキンヘッドかつ精悍な顔立ちであり、ブルーフェアリーの役にはミスキャストではないか?という意味合いで)。
…まあ原作小説では容姿について「エメラルド色の髪をした女性」としか書かれておらず、リメイク前・後共に原作とは合っていないのだが。

ラストもピノキオが人間になったかはぼかされており、やはり多様性を認める形に変更されている。


追記・修正は人間の子供になってからお願いします。

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最終更新:2024年01月02日 21:33