カマキラス

登録日:2011/04/08(金) 12:12:08
更新日:2022/07/17 Sun 11:16:30
所要時間:約 4 分で読めます





カマキラスとは、東宝が製作した特撮映画シリーズ『ゴジラシリーズ』に登場する蟷螂の怪獣である。




◆『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』のカマキラス


別名:かまきり怪獣、両刀怪獣
身長:50m
体重:2,800t
飛行速度:マッハ0.5


南海の孤島・ゾルゲル島に生息していた牛程の大きさオオカマキリが、気象コントロール実験の失敗による合成放射能と異常高温の影響によって生態構造に変異が生じて巨大・怪獣化したもの。
劇中では大・中・小の三体が出現した。

普通の蟷螂と違って顎の構造が動物のようになっているのが特徴的。
名付け親は実験隊に無理矢理同行したフリーの記者・真城伍郎。


右の前肢が槍のような形状に変化していて、これと左の前肢を鎌を武器として振るう。また、こんな手先の割に岩を投げつけたりと案外器用。
マッハ0.5で飛行することが出来るが、正直あまり速くない。

虫だけに防御力は総じて低く、小型に至ってはゴジラに地面に叩きつけられて脚が取れてしまった程。
耐熱性は個体差が激しく、大型は顔面に熱線を受けても逃げる程度には耐えたが、中型・小型の個体は一撃で燃やされてしまった。


上記のお世辞にも高いといえない戦闘能力と生まれたばかりのミニラを集団でいじめる小物っぷりから、どうもかませ犬臭(蟷螂だが)というか雑魚臭が漂う哀しいヤツである。



【劇中での活躍】

実験失敗による異常高温が引いた後、真城と楠見博士の前に初めてその姿を現す。

失敗の原因となった妨害エネルギー(正体はゴジラを呼ぶミニラの脳波)の発生源に引かれて岩山に埋まっていた卵を掘り起こし、
一晩掛けて卵を割って産まれたばかりのミニラをいじめるが、そこに現れたゴジラには三匹がかりでも手も足も出ずに瞬く間に中型と小型が放射能火炎で焼き殺され、一匹が逃走する。

その後は島を徘徊して実験隊やサエコを襲ったりミニラをいじめているところをゴジラに追い払われたりしていたが、
ミニラがクモンガに襲われているところに運悪く出くわしてしまい、相手が悪いことを本能的に悟ったのか真っ先に飛んで逃げようとするが糸で絡め捕られて失敗。
動きを完全に封じられたところを毒針で刺されて命を落とした。

しかしカマキラスがやられている間にゴジラが駆け付け、ミニラは間一髪で助かったので物語的には結果オーライであった。



【余談】

  • 「お風呂マット」に使われる「ハードスポンジ」を貼り合わせて造型された。3遠近感を表現する為に大・中・小の3サイズが作られたが、
    撮影で中と小が焼却されてしまった。撮影で燃やされなかった大のサイズの着ぐるみはゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃に使用された。
  • 有川監督によると、一体につき3人で操るのが基本だったらしい。
  • 造型は安丸信行。人が入る着ぐるみではなく、ピアノ線による操演で動かされる。
  • 電飾で点灯する目玉が夜間シーンで効果的に使われている。
  • 人間を襲うシーンでは実物大の前足が使用されている



◆『オール怪獣大進撃』のカマキラス


ライブフィルムでの出番が殆どだが穴に落ちた一郎を除くシーンだけ新撮だった。



◆『ゴジラ対ガイガン』のカマキラス


クボタが怪獣島を語るシーンに1カットのみ登場。



◆『ゴジラ FINAL WARS』のカマキラス


体長:90m
体高:40m
鎌の長さ:20m
体重:20,000t

X星人に操られる怪獣。旧作版と違って両腕とも鎌になっており、体色は緑色になっている。必殺技は鎌で切り裂く「ハーケンクラッシュ」
ハエのような猛烈な羽音を出しての高速飛行と保護色を用いた擬態で相手を翻弄する戦法を得意とする。

劇中では三度登場し、一度目の出現はフランスのパリで地球防衛軍の空中戦艦エクレールと激突するが、
友好を装ったX星人によって消されたように見せかけられる。
二度目もパリに現れ、どうやったのか既にエクレールを撃破した後だった。
三度目はゴジラを倒す為に真鶴に放たれるが今作のゴジラはあまりにもチートだった為に殆ど相手にならず、
投げ飛ばされた先にあった鉄塔の残骸に突き刺さってあっさりと落命した

地球防衛軍の空中戦艦を破壊できただけ一番活躍できた作品だろう。


デザインは西川伸司。

検討稿では富士の裾野でラドンアンギラス、キングシーサーとともにゴジラを迎え撃つことになっていた。
アンギラスボールを打ち返すというシーンが用意されていたため、両腕が鎌に変更された。
デザインを担当した西川は、単体での登場であれば槍でも良かったと述べている。



◆『大怪獣総攻撃』のカマキラス?

金子修介によれば、今作の敵怪獣は当初カマキラスだったらしい。
だが、飲み会で友人に「今度、ゴジラとカマキラスが戦う映画を作るんだ」と話したところ、
「カマキラスって何?」と返され、知名度に問題がありすぎると判断して諦めたという。

その後、アンギラスバランを登場させようと考えたものの、紆余曲折あって最終的には知名度の高い派手な面子に落ち着いた、というのは、多くの人が知るところ。



◆『ゴジラアイランド』のカマキラス

ゴジラアイランドの隣島・マタンゴ島に生息する怪獣。
マタンゴ島にX星人ザグレスが100匹もの宇宙怪獣を差し向けたため、ゴジラアイランドに避難してきたと言う。
_が、それはザグレスの手下に成り下がったカマキラスが打った芝居であり、ゴジラ(とトレマ)をマタンゴ島に閉じ込めるための嘘であった。
ゴジラがメガロデストロイアにより洞窟に閉じ込められたことを知るとザグレスはメカキングギドラ(完全改造)を差し向けてゴジラアイランドを蹂躙。
これ見よがしにカマキラスはゴジラアイランドの怪獣たちを扇動して人類を裏切らせようとする。

しかしゴジラが危機を脱してゴジラアイランドに帰還したことによって怪獣たちがメカキングギドラの総攻撃に移ると、
もう用済みとばかりにメカキングギドラを見捨てて逃走してしまう。
その後登場することもなく、これと言ってお咎めなしという歯切れの悪い終わり方を見せた。



◆『GODZILLA 怪獣惑星』のカマキラス

イベントで配布された設定資料に登場。
前日譚である小説版『GODZILLA 怪獣黙示録』では詳細が描かれている。

人類が最初に遭遇した怪獣というなかなか重要な立ち位置。
出現場所は、マンハッタン島とかいう人類が一番攻められたくない場所のすぐそば。
南西の海上に出現したあと、ワールド・トレード・センタービルを鎌の一振りで両断し、72時間かけて北東へ330km移動
最後はボストンで地中貫通爆弾・バンカーバスターの一斉攻撃により撃破される。
当然通過点のマンハッタンは綺麗に壊滅し、推定死傷者数はなんと250万

小説にはこの「成虫」と思しき個体(全長60mとされている)とは別に「幼虫(?)」と思しき小型個体も登場しており(大きさは電車1両=約10m位)、
地下鉄を切り刻んで脱線させ、乗客を食おうとしたが、乗客たちの機転により蒸気パイプを切り裂いて爆死した。

いい感じに大都市に出現できたこと、人類にとって初めての怪獣で対策が全くされていなかったことなど幸運な点もあったが、
同一資料に登場するオルガによるスコア犠牲者が115万人であったことを考えると、なかなかの暴れっぷりと言えよう。

条件さえ整えれば核兵器でない実在現代兵器で撃退できたあたりは噛ませな面も否めないが、
バンカーバスターは(あちらは現実にない一応の超兵器枠だったとはいえ)命中さえすればかのシン・ゴジラにも効果絶大だった代物であることを忘れてはいけない。
実際、作中でも「たいていの怪獣でも当たれば大ダメージ」と軍人が答えており、明確に「バンカーバスターが通じない」とされたのはカメーバ(の甲羅)とゴジラくらいである。

◆余談

1997年「高校生クイズ」の中で、親チームが他チームと被らない答えを出せという地雷クイズの中で、
「ゴジラ映画で出た怪獣を一つ出しなさい」という問題に親チームはカマキラスと回答。
結果、他チームはメカゴジラ、ビオランテ、キングギドラなどメジャー級の怪獣ばかり回答し、無事地雷を踏まずクイズを突破した。知名度…






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最終更新:2022年07月17日 11:16