モビルフォースガンガル

登録日:2012/02/12(日) 21:24:38
更新日:2024/04/24 Wed 14:27:09
所要時間:約 3 分で読めます




「冥殿父さん、ガンダム買って来てくれたよね!」

「おう、もちろんさアイン!コイツだろう?」

「いやったぁー!これこれ、ガンダ……ム……」

「……どうした?」

「貴 様 は ガ ン ダ ム で は な い !」





ガンガル──その昔、ガンプラのパチモンとして名を轟かせた伝説のプラモ……

しかし今ではマニアの間でも注目され、プレミアはなおも上昇中!!


つーわけで、俺も欲しーんだよね♪



モビルフォースガンガルとは、1980年に東京マルイから発売されたプラモデルシリーズ。

1980年、プラモ業界はバンダイの炎に包まれた……!

あの『機動戦士ガンダム』のプラモデルの人気が爆発。所謂ガンプラブームの幕開けである。
その当時としては高かったクオリティ等から売れに売れていたガンプラ。
他の会社が飛びつかないはずがない。
当時は著作権関係はそれほど意識されなかった時代。
玩具屋に大量のパチモンが溢れかえったのである。
モビルフォースガンガルも、そのひとつであった。
値段は1つ50円。そのまま市販されることは珍しく、駄菓子屋などでクジの景品として配布されることが殆どだったという。
出来はお世辞にも良いものとは言えなかった……。

なお、これには原型が存在し、元々の名前は『超メカモデルシリーズ』。
パッケージデザインをガンダムっぽい絵柄に変更したマイナーチェンジ商品であった。

目次


●プラモ一覧


ガンガル

主役機らしい人型メカ。
原型は間違いなくガンダム
胸に2連の黄色い砲口を持ち、背部に大型の赤いウィングを背負って、黄色い六芒星マークのベルトをしている。
デザイン的にはむしろガンダムカラーのマジンガーZのような何か。
元は「超合人グレンダー」なるプラモなので、グレンダイザーがモデルかも知れない。
1/250のスケール表記があるが、実寸の表記がどこにもないので何が1/250なのかは完全に不明。
(ただし、実物を持つ有志によって、Gアーマーのキットに付属する1/250のガンダムと背丈や体格がとてもよく似ていることが判明している。)

強化新型ガンガル

強化されたらしい。
左手がドリルになった。
謎の鳥形ヘッドが付属しており、換装が可能。お得!
スケールが1/177に変わっているが、相変わらず実寸が不明なので意味はない。
元は『ミニロボット戦団シリーズ』の「ドッキングチェンジロボ ミニバードラーG」なるプラモで、なんと正規の商品はしるレッドバロン」が元。

量産型ズク

量産型らしい人型メカ。
名前や機体カラーからパクリ元は一目瞭然。
左手はもちろんドリルである。
元は「UFOファイター」なるプラモ。
1/250スケール。

強化改良型ズク

強化改良されたズク。
赤いが3倍早いとかいう設定はない。
っていうかパイロット設定がない。
左手はドリルからペンチアームになった。
……武装減ってないか?
ガンガルと同じく謎の狼頭にチェンジ可能。
元は『ミニロボット戦団シリーズ』の「ドッキングチェンジロボ ミニジャガーランダー」なるプラモで、「空とぶレッドバロン」が元。
1/177スケール。

旧型ゲルグ

先に言うが、新型はない。
デフォで鳥頭の巨大なウイングが生えた赤い機体。
元機体はまぁゲルググだろう。
足に羽が収納できる。お得!
なぜか飛行ポーズでキット化。設定上は飛行形態に変形出来る可変機のようだ。
元は「チェンジメカ ジェットイーグル」なるプラモで、勇者ライディーンのゴッドバード形態がモデル。
1/250スケール。

ジドム

ジムなのかドムなのかはっきりしろ!
まあカラーリングを見た限りではドムなんだろうけど。
黒と紫を基調とした謎のキングゴジュラスのような地上戦闘用の何か。
ついに人型であることを放棄した
あれ? 似たようなのが某揚げに出てきたような……
元は「超ロボ獣 ガイラ」なるプラモ。
1/250スケール。

アッカム

アッガイなのかアッザム(MA)なのかはっきり(ry
四足歩行型の戦闘用青い犬メカ。まあ青いからアッザムなんだろうけどな。
あれ?似たようなのが某種に出てきたような……
元は「超メカ パンサーラ」なるプラモ。豹だったのか…。
1/250スケール。

ザイック

ついに名前をパクることすら放棄した
ズゴックなのかゴッグなのかジュアッグなのかアッグなのかアッグガイなのかはっきり(ry)
メカサイ。以上。
元は「超メカ獣 サイガロン」なるプラモ。
1/250スケール。


●ガンガルのその後


パチモノのくせに、そのインパクトから今日に至るまでに各方面で比較的認知されている。

『こち亀』では両津勘吉「本物より有名なパチモノ」と言わしめた。
さすがにそれは買い被り(?)すぎではないのか

本家ガンダムシリーズを制作しているアニメ会社、サンライズが手掛けたTVアニメ『ケロロ軍曹』には、ガンダムのパチモンとしてダンガルという物が登場する。
(原作漫画では普通にガンガルがそのままの姿で登場している)
…つまり、ガンダムの本家が、かつて自分たちを模倣して造ったパチモン商品にわざわざ気を遣い、商標の都合でパチモンのパロディをしているというトンでもない事態となった。

バンダイが制作に協力しているアニメ『ナイツ&マジック』ではガンガルが元ネタと思われるプラモ『ガーンガルダブルエックス』が登場している。ポージングから背景はガンガルのまんま、見た目のグレードが上がっている。バンダイさんノリが良いのか心が広いのか。

二次創作では、設定をきちんと作った小説やゲームが出る始末。
挙句にMOSAIC.WAVが楽曲名として使用した。

ガンガルは本物には勝てなかったが、パチモノとしてはこれ以上ないほどに愛されていると言えるだろう。

因みに、現在ではプレミアがついて本家より高価になっている。
……と思いきや、2020年代のコロナ禍に入ってからのガンプラブームで中古店におけるガンプラの相場が高騰。
ものによっては現行のはずのガンプラのほうがガンガルよりも値段が高い、という光景が復活することになった。



なお、これを発売したのはかの東京マルイである。

そう、あのモデルガンメーカーとして業界首位の東京マルイである。
現在は立派な大企業となった会社であるが、当時はまだ創業15年の足場固めの終わっていない時期。
このようなグレー商売に手を染めざるを得ない台所事情だったのであろう。
まさに人に歴史あり、企業に歴史ありである。


追記・修正は50円でパチモンを買ってからお願いします。

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最終更新:2024年04月24日 14:27