ファウード

登録日:2012/01/20 Fri 23:02:11
更新日:2024/04/18 Thu 22:33:06
所要時間:約 4 分で読めます




ファウードとは、金色のガッシュ!!に登場する巨大な建造物。

同時に、千年前の魔物編終了後の長編「ファウード編」の舞台である。
このファウード内部及び外部、又はその周辺で数多の想い渦巻く闘いが繰り広げられることとなる。

ある時、人間界に巨大な建造物が現れる。

その事はニュースで放映されたが、その後は姿を消しており、その筋の人々には魔界絡みである事は一発で分かった。
ゼオンは建造物が姿を消す前に直にそれを見たが、流石の彼も人間界に無い筈の物が存在する事には驚いてる。
その後、ゼオンは昔読んだ本の記憶を思い出す事で、それがファウードである事を確信する。









以下ネタバレ









ファウードは巨大な建造物と思われたが、実は魔界から人間界へと転移した巨大な魔物であった。
その真の呼び名は「魔導巨兵ファウード」であり、かつて魔界で作られた存在。
いわば巨大な人造人間、いや魔物造魔物?である。
なお、誰が作ったのかは不明。現在は魔界にもその製造方法は残っていない。
27巻の口絵部分に製作者らしき人物の後姿が描かれているのみ。
魔導の術によって誕生し魔力で活動するが、人間と同じように内臓や消化器官などを持ち、飲食や排泄も行う。
口や尻から侵入・退出できるが体内は要塞や迷宮の様になっており、また様々なトラップや体内魔物による迎撃が行われるため、体内の探索は困難。
また脳にはコントロールルームがあり、そこでファウードの一切をコントロールできる。

世界を滅ぼすほどの力を持っているため、魔界に存在していた頃から魔界の極地に封印されている。
封印状態では岩に覆われており、一見しただけでは勘が良くない限り人造人間とは気付かない。
封印が解かれた直後に腹ごしらえのためか鯨を丸呑みしている。


以下本編ネタバレ















前述の通り封印された状態で魔界の極地に封印されていたが、リオウの一族により人間界に転送される。

そしてファウードの絶大な力を我が物にしようとする魔物リオウが、封印を解くための力を集め始める。

リオウはファウードの強大な力をちらつかせ、その力を我が物としようとする魔物を味方…というか自軍に加える。
これはファウードの封印を解くのにディオガ級の術(またはそれに相当する強力な術)を持つ魔物が複数必要だったため。

強力な術を持ちながら自分に協力しない魔物に対しては、その魔物のパートナーに呪いをかけ、実質人質状態にして協力を強いた。
そして遂にファウードの封印の解除に成功し、リオウはファウードをコントロール下に置く。
だが清磨の作戦により、ファウードをその全長の数倍以上あるケルマデック海溝に沈められてしまう。

作戦は成功、後は魔界に還す帰還装置の発動を待てばファウードは魔界に還る…はずだった。

しかしファウードが泳ぎ始めるという清麿にとってもリオウにとっても想定外の事態が起き、作戦は失敗。
怒ったリオウは、ファウードで清麿の故郷である日本を破壊すると言い出し、日本へ向けて進行を開始。
ファウードの力で日本を破壊せんとするリオウと、それを阻止しファウードを魔界に帰そうとするガッシュチームとの闘いが幕を開け

「初めまして…になるかな?リオウ。イヤ、オレのこの瞳と髪には見覚えがあるか?」

邪魔なガッシュ清麿を撃破して調子こいてたリオウの元に、本ファウード編の実質ラスボス・ゼオンが襲来する。
リオウは文字通り赤子の手を捻るように倒されてしまい、ファウードはゼオンのコントロール下となる。
あ、この時リオウは魔界に送還されてます。

その後、ゼオンはファウード内のリオウに協力した魔物を配下に置き、ガッシュチームと闘いを繰り広げる。
様々な罠、体内魔物との死闘、ゴデュファの契約により強化された魔物との戦いで、一人また一人と仲間達が倒れていく。
しかし辛くもゼオンとの戦いに打ち勝ったガッシュ達は、ゼオンとの和解を果たし一件落着になるかに見えた…。
だがコントロールを失ったファウードは暴走。ビームを乱射し暴れ始める。
日本近海まで接近するが、ゼオンの雷の結晶で極限まで強化されたバオウ・ザケルガで黒焦げとなる。
更に清麿が仕掛け、アースカルディオが死守したファウードを魔界に帰す装置が作動し、魔界に帰った。

ちなみに作者のブログでガッシュが魔界の王になった後、他の魔物とともにガッシュに新しく人間サイズの肉体を与えられ、魔界で平和に暮らしていると述べられた。
ファウードは作られた魔物・・・いわゆるフランケンシュタインのような人造人間ならぬ魔物造魔物かな?しっかりと命は持ってるのです。
でも、大きすぎる力故、みんなと遊べないのを不憫に思ったガッシュ王は、普通の魔物のサイズの体を与え、ガッシュ達と仲良く学校に通っています。
ウンコティンティンは・・・ほら・・・鬼太郎の目玉のおやじみたいな感じで・・・新ファウードの体のどこかにくっついてるよ(笑)

造られた魔物とは言え、命や意思は独立してあるらしい。
実際ディカポルクにびびったり、巨大バオウを見た際に焦ったりと、意外と感情をみせている。
他の体内魔物の方は不明…だがガッシュが彼らだけ特別扱いする理由もないので、恐らくは同じように復活し平和に暮らしているのだろう。




【ファウードの体内魔物やその他諸々】


  • ウンコティンティン
胃袋に座していたファウードの門番。
外見は巨大な恐ろしい髑髏顔の怪物で、巨大なウィンチを持っている。ちょっとベルギム・E・Oに似ている。
自らを「知の門番」と称し、ファウードの体内に侵入した者の知能を試すことを使命としていた。
封印状態のファウードの体内に向かう者に試練を与え、敵を排除する役割を持つ。
…のだが、名前からも想像がつくかもしれないが、コイツは雷句作品恒例のカオスギャグキャラ。
試練の質問が謎なぞだったりアンケートだったりかけ算だったり…
かと思えば唐突に数学界最難問であるフェルマーの最終定理を「メルメルメ~」しか言えないウマゴンに出したりした。
だが清麿にお前も解けないだろと指摘され、涙目になって問題を再考。
執拗に恵へセクハラを強いたり*1、清麿の顔芸にビビりまくったり、非常に適当なカンジ。
なお、この時に清麿が大層気にくわなかったようだ。なんというか、相当器が小さい。
またフェルマーの最終定理なんて大層な難問を振りかざしておいて、自身は基本的な四則演算も危うい有り様。
ネットかなんかで聞き齧った難問をどや顔で披露してるようなイメージ。
尤も、コイツがフェルマーの最終定理を証明出来たとしたら 清麿たちはその時点で時間的に詰んでいたのだが。

このようにふざけた性格の魔物であるが、「知の番人」らしく狡猾な戦略を得意とし、キャラに反して戦闘力は高い。
ファウード復活後は、二足歩行が可能となったハイパワーウンコティンティンへと変貌。
股間には千切れても再生する声真似が得意な謎のアヒル「フェニックス」が付き、ウィンチは腹に格納されている。
そのカオスっぷりは維持しながらも、皆を守るべく一人殿を務めんとするウォンレイと激戦を繰り広げた。

袖に多くの強力な武器を隠し持っており、これによりウォンレイを一方的に叩きのめした。
だがリィエンの命の恩人である清麿を馬鹿にされたウォンレイが怒りにより再起。
更にリィエンが壁越しで見えないウォンレイを、声の指示で術を出してサポートし、一時は形勢を逆転される。
だが股間のフェニックスによる声真似でリィエンを攪乱。無駄な術を打たせることで隙を突いて再び一方的に蹂躙する。
しかし度重なる戦いにより、二人には目を瞑っていても互いの背中が見えるほどの絆が出来ていた。
この「真の力」を認め、自身の卑劣な戦略にめげず、守るべきものの為に身を挺して戦うウォンレイに「お前、男じゃねえか」と評価。
ウォンレイとの真っ向勝負を受けて立つ。

最終的にウォンレイ脱落の一因となったが、このときのウォンレイは非常に漢でかっこいい。

股間のフェニックスをの前で羽ばたかせたい無念を残して敗北……

だが最期の最後でウォンレイ達を道連れにすべく自爆を決行。
ウォンレイだけでなく、壁の向こうにいるリィエンやティオ達まで消し飛ばそうとする。

なおアニメ版でもハイパワーになるがバリーにあっさり倒され胃液の海でのたうち回っていた。

後に多数の腕を持ちコンピュータ操作に特化したウンコティンティン2世も登場した。
が、清麿のかけたロックは解除できず涙目になっていた。

  • 心臓の体内魔物
棍棒でファウードの心臓を叩いてファウードの活動を補助している老人風の巨大な魔物。
ウンコティンティンと違いこちらには名前はない。
封印によって身体機能を制限されているファウードに代わり、心臓を叩いて生命活動を継続させる役割を担う。
ずっと体内で心臓を叩いていたため、ファウードが人間界に召喚されたことさえ気づいていなかった。
やってきた清麿たちにファウードの帰還装置やコンピューターの部屋などの情報を教えた。
…もっともファウード完成後からずっと心臓を叩いていたので、彼はそんなものがあるとは知らなかったが。

その後「心臓を止めてしまえばファウードを倒せるのでは?」と考えたガッシュ達から攻撃を受けた。
だが実は心臓を叩いてる無防備な状態をカバーするため、魔力を無力化するシールドを纏っており術を受け付けなかった。
心臓自体も同じ機能で守られているため、原作ではこの時点の彼を倒そうとするも無駄に終わっている。

ファウード復活後は完全体となり、ファウード体内の異分子を排除する役割を担った。
これに伴いシールドが無くなったが、腕が増え、背中から複数のパイプを生やし、自由に行動できるようになる。
このパイプを壁や地面に接続し、そこから回復液を吸収することでダメージを常時回復できる。
心臓を叩いていた棍棒による攻撃の他にも、最後の手段として体を無数の強力な炎の鞭に変える能力も持つ。
ゼオンの命令でファウードを魔界へ帰す装置を破壊しようとし、それを止めるアース・カルディオと交戦。
驚異的な生命力で回復を繰り返し、一時は帰還装置を半壊させアース達を追い詰める。
だがカルディオの捨て身の攻撃で凍り付いたところを、アースの剣に砕かれ敗れ去った。

  • 免疫系の魔物
リンパ節に当たる器官から数限りなく生み出される、ファウードの免疫となる魔物。
鋭い牙や爪、皮膜状の羽根の付いた腕が特徴で、侵入者を撃退する役割を担い体内の壁や床から無尽蔵に生成される。
弱い術では撃破は不可能という高い戦闘力を誇り、口から強力な酸を吐く能力を持つ。

  • デゴスミア
キースとファウードの首で待ち構えていた三つ首の恐竜の様な魔物。
戦闘力を重視し、凄まじいパワーとスピード、タフネスを持つが致命的にバカ。
キースが丁寧に指示してもそれを即座に無視して、援護に放たれたキースの術に自ら当たりに行く程のバカ。
だがキースのギガノ級の直撃を受けても無傷だった…が、バリーに秒殺される。

  • ファウードの回復液
ファウードを動かしている魔力を含んだ血液から養分だけを抽出した液。
体力はもちろん、心の力もすぐに戻る。(Byバニキス)
千年前の魔物編での月の石の欠片と同じ役回りの物。
飲むだけでなくアンプルで注入したり、風呂のように体を浸す事でも回復できる。
浸す方が回復力は高く、瀕死の清麿の回復にも使われた。
回復液自体は肝臓の水槽で作られるが、血液同様全身に巡らされている。






【ファウードの機能】

その巨体による直接攻撃だけでも十分すぎるほどの驚異だが、それに加え様々な武器や機能が搭載されている。
ゼオンによる日本攻撃のイメージでは、巨大な剣を装備していた。
ちなみにくしゃみをしただけで目の前にあった小さな島が吹き飛んでいる

  • 鍵たる石
ファウードを操作する為に必要なカギ。リオウの一族が持っていたもので、王を決める戦いでリオウに託された。
リオウの額にあった宝石のような飾りであり、裏側にある鋲状の針を額に直接突き刺す事で装着する。痛そうに感じるが意外と気持ちいいらしい。
これを装着した者だけがファウードを操れ、身につけると操作方法や機能が直に脳に伝わってくる。
コントローラー自体でもあり、破壊されるとファウードが暴走状態に陥ってしまう危険がある。

  • 主砲
主の「ファウードよ、放てぇ!」の号令と共に、口から撃ちだすビーム砲。
リオウによれば大陸を吹き飛ばす程の威力がある様だが、流石に連発は出来ない。

  • 十指砲(カーファーロウ)
指先から撃つビーム砲。主砲ほどの威力は無いが、口径から考えると相当の威力があると思われる。
また暴走時には肩や肘、足の付け根にある穴からも同様のビームを撃っていた。

  • 高速移動形態
背中に内蔵した大型バーニアを点火させ、ジェット噴射による高速移動を行う。
ニュージーランドから日本まで約1時間で移動可能という驚異的な速さを誇る。

  • 角の剣
首元に付いている角のようなもの。外して剣にする事ができる。

  • 瞬間移動装置
人間界を短距離移動できるワープ装置。人間界に転移した直後のファウードを僻地に移動させたりした。
後にその機能を応用した清磨により、海溝に沈めかけられた。
尚、ファウード内には人や魔物をファウードの各部屋にワープさせる装置が118ヶ所にある。
この装置は脳からプロテクトを解除する事で、ファウード外部へ転送することができる。

  • ゴデュファの契約
ファウードの肉体に手を触れて「ゴデュファ」と唱えた者に、ファウードの細胞を与えることで桁違いの力を分け与える。
肉体や術の強化をもたらす代償に、力に溺れるようにファウードとその支配者に服従するよう精神が変質する。
ただし変質には個体差があり、絶対服従する者もいれば「昔友達だった気がするから争いたくない」程度で済む者もいる。
肉体自体も変質し、見た目が大幅に変わる者もいれば、身長が大きくなる程度の変化しかしない場合もある。
更に肉体強化の術が禁呪のように変貌する。また例え力を得たとしても強い意志を持っている魔物は服従しない
ただしファウードの主に反旗を翻した場合、肉体が崩壊したり、或いは変異した肉体の一部が自らを傷つけるようになる。
それでも逆らい続けた場合、死に至る。

  • 透明化
結界によって外部から存在が見えないよう透明化する機能。

  • 絶対魔力防壁(マジック・シールド)
ファウードが封印されている間、脳や心臓などの重要機関を守るために張られている防護シールド。
魔物の術などの魔力を無効化する性質を持ち、これにより体内魔物も保護されている。
ただしファウード自身の魔力も無効化してしまうので、封印が解けると解除される仕組みになっている。

  • 透明な壁
ファウードの首にある部屋に仕掛けられた罠。
侵入者側の術は一切通さないが、脳側からの術は普通に貫通する性質を持つ。
この壁は床下まで伸びており、モモンの「アグラルク」でも通過はできない。
また、壁横に設置されたボタンを押すと高密度のエネルギーの滝に変わり、ゆっくりと侵入者を追い詰める。
このエネルギー流に飲まれれば逃れる事はできず、捕らえた者を滅ぼすまで離さない破壊光線となる。
更に破壊光線は魔物の術を無効化するため、防御呪文で防ぐ事も出来ない。
ただしこの破壊光線は対象を貫通しないので、遮蔽物があればその下をくぐる事で安全な向こう側に抜けられる。
もっとも破壊光線に耐え続けるだけの強度の遮蔽物でなければ防げない為、単なる物質で遮る事も不可能。
また一度捕らえられたとしても、その上に新たな遮蔽物が発生した場合は脱出が可能となる。

メインコントロールルームに無数に立つ柱で、内部に意識を失った魔物や人間を閉じ込める機能がある。
この部屋の内部の設備は魔力を通さない特殊な材質で出来ており、この柱も同様に術で破壊することはできない。
柱に閉じ込められている状態では呪文は届かないのはおろか、閉じ込められた魔物の呪文も発動しない。
拘束を解除するためには、閉じ込められた者の下部にあるスイッチを押さなければならない。
ただし術では柱に触れた瞬間消滅してしまう為、物理的にどうにかして押す必要がある。

  • ファウードを魔界に帰す装置
これだけがファウード完成後、後付けで作られたもの。
リオウの一族が後から取り付けた装置らしく、人間界と魔界の間を移動する。
タイマー機能がついており、無人状態でも自動転送が可能。エネルギーは心臓から得ている。
脳のコンピューターにもリンクされており、清磨は逆ハックしてファウードの攻撃設定を変更した。
心臓を打つ魔物に半壊され機能が停止したが、木材と釘と金槌というアースの大工仕事で修復された。
まかいのかがくってすげー
ちなみに続編ではこの装置に似たものが登場している。


追記・修正は、ファウード体内探索を終えた方のみお願いします。

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最終更新:2024年04月18日 22:33

*1 アニメ版では清麿に謝罪を求める流れに変更。こちらは清麿が「フェルマーの最終定理を解いたらいくらでも謝るから解いてみろ」と凄まじい剣幕で迫られ号泣し撤回している。