地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン

登録日:2011/06/04 Sat 15:12:36
更新日:2023/12/17 Sun 22:01:15
所要時間:約 4 分で読めます




宇宙のわるもの怪獣をやっつけろ!


地球攻撃命令

ゴジラ ガイガン



『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』とは、1972年3月12日に公開されたゴジラシリーズ第12作目である。観客動員数は178万人。


前作 「ゴジラ対ヘドラ
次作 「ゴジラ対メガロ

【概要】
前作で確立したゴジラが敵怪獣を迎え撃つフォーマットを引き継ぎ、本作では新たに侵略者の存在と怪獣のタッグマッチという要素が追加された。
企画が二転三転しており、当初はバランや次作に登場するメガロの登場が予定されていた。
前作が暴走したせいか、監督は活劇に定評がありゴジラシリーズも経験していた福田純が就任した。

前作と同様に予算は低く、俳優は若手を中心にキャスティングし、特撮シーンでもキングギドラのシーンを中心に過去作から使い回すなど、様々な予算対策がなされている。(そのため、夜戦っているのに急に昼の場面が出てくるが気にしないように。)
また、本作の音楽は伊福部昭氏の承諾と監修の元、これまで伊福部氏が作った音楽を使い回している。メインテーマは大阪万博の映像用に作曲された音楽を使用している。

しかし、その甲斐あってか新怪獣であるガイガンはスーツの完成度は高く、胴体にはカッターが動くギミックも加えられた。

本作ではエンディングには歌が流れ、ゴジラアンギラスの会話には漫画のような吹き出しが出るといった子供向けの演出が目立つ一方、科学万能主義の宇宙人やその正体、劇中の台詞から行き過ぎた科学に対するアンチテーゼも含まれている。

何気にパンチラのある作品である。



【ストーリー】
ヘドラとの戦いから半年後、売れない漫画家の小高はマネージャーのトモ子が取ってきた、建設中のテーマパーク「世界子供ランド」の怪獣デザインの打ち合わせの仕事に向かうが、彼を出迎えたのはまだ子供にしか見えない会長と話し方が変な事務局長の久保田の奇妙な2人組であった。

後に子供ランドのオフィス前で、小高は女性とぶつかってしまい、女性の落としたテープを拾う。その女性はなぜか久保田に追いかけられていたようだった。

その夜小高は昼間の女性=マチ子とその仲間の高杉に捕まり、テープの返却を頼まれる。
2人によると、マチ子の兄は子供ランドで仕事をしていたが、そのまま行方不明になり、子供ランドが怪しいと思ったマチ子はそのテープを盗み出したという。
小高はとりあえずそのテープを再生してみたが、テープには奇妙な音が録音されていただけだった。

その後、子供ランドの管理者である会長と久保田の身元を調べた小高達は、2人が山で遭難したことを突き止めるが、久保田にテープは奪われてしまう。

2人の正体は子供ランドを隠れ蓑に地球侵略を企てるM宇宙ハンター星雲人で、テープは宇宙怪獣ガイガンとキングギドラを操るための物だった。

計画に気付いた者がいると考えたM宇宙ハンター星雲人は、計画を前倒しして宇宙怪獣を呼び寄せる。

同じ頃、奇妙な音により異変を察知したゴジラとアンギラスが日本に向かっており、トモ子の協力を得た小高達は、マチ子の兄を救出するためにMハンター星雲人の本拠地・ゴジラタワーに潜入しようとしていた。



【登場怪獣】
ゴジラ
『いそげ!』『いそげ!』『いそげよ!』

本作では怪獣島にアンギラスと共に住んでいる。仲間のアンギラスが防衛隊に攻撃されたため、現在の人類との関係はお互いに不干渉が基本である様子。
前述の通りアンギラスとは吹き出しで会話するのだが、せっかちな性格なのかアンギラスを事ある毎に急かしていた。
怪獣総進撃』から改修と補修を繰り返し使われ続けていたスーツも、本作では切れ端が飛んでいたりと、ボロボロになっている印象は否めない。
本作は『ゴジラ(1954)』以来スーツアクターを務めていた中島春雄氏の引退作となった。


『OK!』

ゴジラの相方として活躍。吹き出し付きの会話の内容から、ゴジラとは緩い上下関係の模様。劇中の台詞が「なんだい?」と「OK!」しかない全肯定イエスマンで、ゴジラの無茶振り染みた命令も即快諾する気さくな奴である。
本作では新技として、背中のトゲを利用した体当たりを披露した。
ガイガンとの戦いはゴジラ共々流血戦となった。


ガイガン
本作でデビューした生粋の悪役怪獣。詳しくは項目参照。
当時多かった生物兵器型の怪獣であるが、スマートでシャープなデザインで人気を集めた。都市破壊シーンで炎に照らされる姿はかっこいい。

キングギドラ
今回はガイガンのサポート役。
かつて複数の地球怪獣を同時に相手取った時の強さはどこへやら、単独でもアンギラス一匹相手に攻めあぐね、ゴジラとアンギラスのコンビには何も出来ずに敗北する。
一応本作の個体は二代目になってはいるが怪獣総進撃が未来の出来事(1994年)であることから同一個体とされる場合もあり、本作(1972年)に逃げ帰ってから22年後に怪獣軍団にフルボッコされて死亡したとの解釈もできる。
着ぐるみも飛び人形も初代以来の流用だが、飛び人形の操演はひどい出来で、首も翼も尻尾も微動だにしない。昔は着ぐるみ並みといわれるほどの可動を誇ったのだが。
飛び人形程ではないが着ぐるみの方もやはりかつてに比べると動きはぎこちなく、経年劣化による鱗のささくれが目立ってヨレヨレとしており、本作の戦績と合わせて衰えた印象を受ける。


ラドンモスラ(幼虫)、カマキラスゴロザウルスクモンガミニラ
「怪獣島の仲間」として、過去作品からの映像で登場。


【登場人物】
◆小高源吾(演:石川博)
主人公で売れない漫画家。たまたま入った仕事のせいで事件に巻き込まれる。
漫画家としての技術が最後に役に立つ。

◆志摩マチ子(演:梅田智子)
本作のヒロイン的存在。兄を助けるために奮闘する。何気にパンチラがある。

◆友江トモ子(演:菱見百合子(現:ひし見ゆり子))
小高のマネージャーにしてママゴンのモデル。巻き込まれるが空手が出来るので助かった。
演じた菱見百合子といえば『ウルトラセブン』のアンヌで有名な人であり、
後に気が変わったが当時は今作で東宝との契約が終了してそのまま女優を引退するつもりだった。

◆高杉正作(演:高田稔)
志摩兄弟の友人でマチ子を手助けしていた。ヒッピーの格好をしている。頭は切れる方。

◆志摩武士(演:村井国夫)
マチ子の兄でコンピューターの技術者。
計画の進行を早めるためにゴジラタワーに捕われていた。
インディ・ジョーンズの声。


◆防衛隊
本作ではアンギラスや宇宙怪獣の迎撃に動くのが早く、宇宙怪獣に歯が立たなくても、小高達と共にM宇宙ハンター星雲人を壊滅させており、比較的有能だった。

◇司令(演:清水元)
長年の経験で鳴き声で怪獣を判断できる。
途中からはゴジラ頼みになるが、小高達の話を信じて協力するなど、無能では無い。


◆M宇宙ハンター星雲人
世界子供ランドを隠れ蓑に地球侵略を企てる宇宙人で、戦力としてガイガンやキングギドラを使う。

地球人をユニフォームと呼び、残像を固定化して自らに定着させることで擬態している。本体は黒いアイツにソックリ。(実際に最期に正体をさらすシーンでは、本物が使われている。)
久保田の話では人間のような生物が築いた先の文明が滅んだ後に台頭したらしい。科学万能主義でコンピューターの指示通りに作戦を行う。
『ゴジラ対メガロ』に登場するシートピア海底王国とは親交があり、同盟関係にある。

◇会長(演:藤田漸)
地球にいた星雲人の平和計画のリーダー。写し取った姿が少年のものだったために小高に怪しまれていた。

◇久保田(演:西沢利明)
会長の右腕。写し取った体は山で遭難した中学校の英語教師のもので、その影響か「サボタージュ」などたまに外来語混じりに話していた。

◇ゴジラタワー
星雲人の地球での拠点。名前の通リゴジラそっくりに作られている。
実は宇宙怪獣を操る電波を発する司令塔であり、タワー自体も強力な青いレーザー光線を出せる。
実のところ、本作でゴジラが苦戦した最大の原因はガイガンやキングギドラではなく、コイツである。
小高達と防衛隊の作戦で中枢部を爆破されて機能を停止し、最後はゴジラに破壊された。



編集長「シュクラってなんやねん!」




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最終更新:2023年12月17日 22:01