スタンド能力チャート(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2012/09/04 (火) 17:49:26
更新日:2024/01/14 Sun 22:50:50
所要時間:約 7 分で読めます




スタンド能力チャート(便宜上こう呼ぶが公式ではっきりした呼称はない)とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第5部・黄金の風連載時に登場した企画・設定で、作中に登場する特殊能力『スタンド』の強さを

  • 破壊力
  • スピード
  • 射程距離
  • 持続力
  • 精密動作性
  • 成長性

の6つの要素に分け、それぞれA~Eまでの5段階で表したものである。

コミックスでは5~6部にかけて主に各エピソード間の余白ページに入る一種のおまけであり、チャートと一緒にスタンド名・本体名・能力の詳細に加えてスタンドビジョンの正面/背面図のイラストも描かれている。
じっくり細密に描き込まれたスタンドのかっこよさや、四角四面な能力解説に留まらない荒木先生のユニークなセンスが感じられる紹介文など魅力的な要素満載で、『これが楽しみでコミックスを買ってるんだッ!』というファンも多い。

5部より前のスタンドの能力チャートは長らく不明だったが、第5部完結後に出版されたジョジョの集大成的画集『JOJO-A-GO!GO!』内収録のスタンド図鑑『STANDS』で3~5部までに登場した全てのスタンド能力(小説・CDドラマのオリジナルスタンドを除く)にそれぞれチャートが公式に設定された。

ただ、このチャート非常にいいかげんなのである。
まずスタンド自体本体の精神状態によってその性能は大幅に変動する上、これらの強さは『ドラゴンボール』の戦闘力のような絶対的インフレ要素とは真逆の存在であり、状況や相互の相性によって力関係は千変万化する。

あくまでその能力の本体に相応しい適材適所の能力が発現しているのであり、『強い』『弱い』の概念はないというのが訓練されたジョジョファンの常識なのだ。
DIO「ノロイノロイ ザ・ワールドは最強のスタンドだ(ニヤニヤ)」 プッチ「えっ」

また、折角の5段階評価もスタンドそのもののスペックなのかスタンドの持つ特殊能力のスペックなのかが不明瞭で、いざ目を通してみて「こいつが破壊力B!?ありえねえ!!!」「いやいやいや、これで成長性Dとか無いわ…w」となることもままある。
特にスピードが顕著だが、同値のパラメータであっても格差がかなり開いてることもザラで、破壊力、スピードA同士で殴り合って片方が一方的に圧される光景もそう珍しいものではない。

以上のことを考慮に入れた上であまり本気にせずに、『スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?』的な感覚で読むのが正しい楽しみ方なのかもしれない。
事実、6部終盤あたりからスタンドが直接的パワーから離れ、概念的なものになっていくにつれ『なし』という項目が増え、7部以降はこれらの要素は撤廃され、スタンド紹介のおまけも大幅に簡略化されていくことになるのであった。
でもなんかサビシィーーーーーッ!

一応、8部初期までのスタンドの能力チャートは8部連載中に発売された画集『JOJOVELLER』に収録されているのだが、知名度は低い。

以下、チャートの各要素を解説する。

  • 『破壊力』
主にスタンドの持つ『物体を破壊する』能力の強さを表す要素。
純粋な突きや蹴りといった打撃の威力の他に、重いものを持ち上げたり引っ張ったりする力、生身の人間へ特殊能力を使った際の殺傷力が参考になっている可能性もある。
しかしその割に空間を削り取って対象を消滅させたり鉄をも溶かす炎を自由に操れたりするスタンドでもB止まりの場合がある。
あくまで基本は単純な腕力ということなのだろうか?

最高のA(超スゴイ)評価で岩石を軽く粉砕したり人体にワンパンで風穴を開けられるほどのパワー。
B(スゴイ)だと一撃で人間を骨折させたり、鉄骨をへこませたりできる。
C(人間並み)でも力づくで叩きつけるように攻撃することでけっこうな威力になる場合も。
逆にこの要素がE(超ニガテ)だと下手をすると髪の毛一本動かせないくらいの非力さになる。

基本的にスタンドのパワーと射程距離は反比例の関係になるので、破壊力が高いスタンドは自然と射程距離の要素はDやEが多くなる。
例外として遠隔自動操縦型スタンドは両方が極めて高くなるが、代わりに細かい命令を実行できないため精密動作性や成長性が著しく落ちる。

  • 『スピード』
スタンドの『パンチを繰り出す』などの挙動の速さ、移動(飛行や泳ぎなどを含む)の速さ、特殊能力の即効性などを表す要素。
Aの上位クラスともなると、光速や∞(無限大)にまで達するものもいる。
また『オラオラ』や『無駄無駄』のようなラッシュ技を使いたいならせめてB以上は欲しいところ。
特に触れることが能力発動条件の場合が多いので、これが敵より劣ると正面対決では実質能力自体が封じられたような状態になりうる。一方、奇襲や不意打ちによる一撃でその問題を解決できる場合もある。

その一方で、移動スピードという観点から見るとせいぜい上位でも自動車程度の速さで、飛行機に追いつけるほどのスピードで走ったり飛んだりできるスタンドは殆どいない。
これはあまり速すぎると人間が感覚的に操作しきれないことや、基本的に『そばに立つ(STAND BY ME)』存在であるスタンドが超スピードで移動できてもすぐに射程距離限界に達してしまい無意味になるからであろう。


  • 『射程距離』
スタンドがどれだけ遠くまで移動できるかを表す要素。時折特殊能力の及ぶ効果範囲と混同されている場合がある。
スタンドの使用やそれを用いた戦闘において最も重要な要素のひとつである。
感覚的にはE:2m以下 D:5m以内 C:10m前後 B:50m前後 A:それ以上 といった感じか。 

Cの『人間並み』が『人間の射程距離ってなんだよwww』的なツッコミを受けたからかは知らないが、後に5段階評価ではなく具体的な距離が直接記載されるようになった。

前述のようにパワーとは両立しないことが多く、数kmの射程を持つものもあるがそうした場合はかなり非力になってしまう。
また、特定のビジョンを持たないタイプのスタンドは本体から離れられないので当然判定はEである。

エコーズACT3とパープル・ヘイズのように、具体的な射程距離が明かされておりかつ同距離ということも判明していながらアルファベット評価だけが違うというケースもある。*1


そして前述したとおり、この射程距離、「スタンドの射程距離」「能力の射程距離」どちらをあらわしたものなのか、まったく統一されていなかったりする。
たとえばグリーンディは射程距離Aとされているが、これはカビの射程距離(散布範囲?)を現したものであり、グリーンディそのものは近距離パワー型とされていてスタンドが本体から数十mも離れて発現したような描写はない。キッスも同様で射程距離A評価であるが、スタンドはどうみても近距離パワー型であり、これはシールの能力の射程を表したものと考えるほうが自然である。

その一方でリトル・フィートは小さくなる能力の射程に限界がないと作中で明言されているにもかかわらずE評価をつけられていたり、スター・プラチナやザ・ワールド、メイド・イン・ヘブンなどはスタンドの射程距離は数m~10mのC評価とされているが、能力の及ぶ範囲は全世界(全宇宙)という途方もない広さでありA-Eの五段階評価程度ではとても表せない規模となる。

基本的に3部4部のスタンドはスタンドの射程距離、5部6部のスタンドは能力の射程距離を表す傾向にあるが、上記のようにぶれっぶれなので、各自の解釈にゆだねられている

  • 『持続力』
スタンドの持つ特殊能力がどれだけ持続するかを表す要素。これはスタンドそのもののスペックとはあまり絡まない。
ジョジョにおけるスタンド攻撃は『一度はまったら絶対に脱出できない』・『じわじわと相手を苦しめる』タイプが多く、(主に敵スタンドが)比較的Aが多くなりがちな要素である。

一方、直接的かつ強力な能力は持続時間も僅か数秒程度に限られる傾向がある。
これは本体が心のどこかで強すぎる能力にブレーキをかけているからで、それがなかったりできて当然と思い込むことで限界は伸びる。

しかしながらこの持続力、ほかのパラメータと違って作中での存在感ははっきりいって空気である。
なぜなら持続力の高さを生かして大暴れした、持続力の差が目立って決着がついた、といった例が作中でほとんどないからだ。
敵(スタンド)が息切れしたから勝てた、という結末ではイマイチ盛り上がりに欠けるということなのかもしれない。また持続力という強みを絵的に表現し辛いということもあるかもしれない。
いずれにせよ、不遇ステータスである。

  • 『精密動作性』
スタンドがどれだけ精密な動作を行うことができるか、あるいは特殊能力をどこまで細かく制御できるかを表す要素。
前者は『星の白金』の神技的精密作業や『銀の戦車』の剣さばきなどを除いてほとんど描写がないため、現在はほぼ後者の意味合いで判定されていると言ってもいい。

この要素の判定が高いほど優れた汎用性・応用性を持ち、逆に低いと大雑把なことしかできない。
……とあるが、この精密動作性、とにかく評価が低い事で有名。大半のスタンドがD以下であり、Aとなると各部に2体いれば多い方といった有様である。
ただ、あくまで「スタンド自体の性能」のため、修行や戦い慣れによる熟練によって向上する可能性もある。
特に道具の形をしたスタンドなどは、持ち主の器用さが精密動作性に直結するので、C(人間並み)というのも実はけっこうあなどれない。

  • 『成長性』
スタンド及びその特殊能力の成長の伸び代を表す要素。
本体の精神が未熟だったり好奇心やハングリー精神が旺盛だったりするなど、本体そのものの精神の伸び代や能力への興味の強さでもあったりする。
くだらない能力に見えてもこの要素の判定が高いときっかけ次第で一気に化ける可能性があり、成長次第では全く違う能力を複数発現させたりするケースすらある。
その一方で老年のスタンド使いの操るスタンドは精神的に成熟している一方で成長の余地自体は少ない為、成長性も低くなりがちである。
もっとも成長性が低いということはスタンド自体の完成度が高くそもそも成長の必要性が薄く、成長性の高いスタンドは逆に未熟で不完全なスタンドという解釈もできる。
6部のスタープラチナの成長性が『完成』とあるのは、良く言えばレベルがカンストした状態、悪く言えばこれ以上は衰えることはあっても上がることはないという意味を持っている。
主人公とラスボスといったメインは高く、一般敵といったサブは低い傾向にある。



スタンド名『アニヲタWiki』 
本体 アニヲタ
破壊力-E スピード-A 射程距離-A
持続力-A 精密動作性-C 成長性-?
追記-A・修正-A



To Be Continued…

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最終更新:2024年01月14日 22:50

*1 この2者の場合は両者5m程度と言及されていながらエコーズD、パープル・ヘイズCと食い違いが起きていたが、アニメ版放送に際してパープル・ヘイズに合わせる形でエコーズの評価がCに修正された