ウスタビガ

登録日:2010/08/16(月) 08:34:25
更新日:2024/01/25 Thu 11:04:27
所要時間:約 2 分で読めます





北海道から九州にかけて分布する
学名はRhodinia fugax(仮名転写:ローディニア・フガクス)。
漢字表記は薄手火蛾、薄足袋蛾。

天蚕と称されるヤママユガの仲間。
繭は別名を山叺(やまかます)と言い、これは昔の叺(藁筵を二つ折りにして作った袋)に形が似ている事からそう呼ばれる。
また、この繭はかなり月日が経ってもあまり色褪せない事でも知られている。


幼虫は鮮やかな緑色で春~夏初旬に掛けて出現し、夏中旬に繭となり、秋終盤~冬初旬を経て成虫となる。
冬眠は卵の状態で行い、雌は自らが羽化した繭の表面に卵を産みつける。
幼虫や蛹は触ると『キィ、キィ』と言う音を出して外敵を威嚇する。
成虫は多くの昆虫のように集光性を持ち、電灯や自動販売機の灯りに寄って来る。

ヤママユガ科に属する蛾の成虫は幼虫時代に蓄えた栄養で成虫時代を過ごす為、口が退化しており、他のや蛾のように花の蜜を吸う事はない。
故に寿命は永くても数週間程度と短く、その短い寿命のほぼ全てを繁殖行動に費やすのだ。
翅を広げた大きさは雌が10cm~11cm、雄が8cm~9cmと雌の方が大きい。
幼虫は鮮やかな緑色、成虫は全体的に黄色で、それぞれの翅に1つずつ目玉を思わせる半透明の斑紋がある。

雄雌の見分け方は触角で、雄は雌の放出するフェロモンを感じ取れるよう羽毛のような形状をしている為、解り易い。
































と、ここまでなら只の説明なのだが。
この子達の魅力は、その可愛さ(チャーム)にある。

ふわふわもこもこの体毛。
ビーズのようなつぶらな瞳。
まるでヒヨコのようだ。

正に昆虫界のアイドルと言っても過言ではない可愛さ。手に取ってなでなでしてあげればちょこちょこと動き回り、その手触りを堪能したくなるだろう。
が、それはあくまでも胴体だけの話。
風蚕蛾や山繭蛾などの大型の蛾と同じく、翅は鳥などの天敵を威嚇する為、四つの目玉が付いているような不気味な模様をしており、
夜中にジュースを買いに自販機前に行ったり、自転車や原付等を運転していたらヘッドライトの明かりの前に飛び込んだりなどして
突然現れたりすれば間違いなく悲鳴を上げる。

そんな時は、優しくウスタビガ達に居場所を譲ってあげよう。彼らに悪い事をしているつもりはない。
ただ、が好きだから集まっているだけなのだ。



さて、ここまでは成虫について書いてきたが、幼虫についても紹介しよう。
体色は黄緑色をしており、頭部には可愛らしい角が二つちょこんと生えている。

そしてなによりこの幼虫・・・


鳴くのである!!

もう一度言う

鳴くのである!!

触ると身を守る為にキューキューとネズミのように鳴くのである。かわいい・・・。



追記、修正はウスタビガの身体を撫でながらお願いします

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最終更新:2024年01月25日 11:04