悪鬼の血脈、ティボルト/Tibalt, the Fiend-Blooded(MtG)

登録日:2012/04/17(火) 23:15:01
更新日:2024/01/31 Wed 02:48:23
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「疑念」ティボルトの口の端から、油ぎった煙が漏れ出た。「それはそんな奴らに対して使える、何よりも強い武器だ」
―――「新ファイレクシア急襲 メインストーリー第5話:必然の決断」 より抜粋

悪鬼の血脈、ティボルトとはMagic the Gatheringのアヴァシンの帰還で収録されたカードである。

概要


Magic the Gatheringの項目で発売前のスポイラーの段階でカードが登録されるのは初めてなので、多くの人は余程のぶっ壊れかと期待するかもしれないが、落ち着いて読んで欲しい。

では早速カードの性能を見ていただこう。


悪鬼の血脈、ティボルト/Tibalt, the Fiend-Blooded (赤)(赤)
プレインズウォーカー ティボルト
神話レア
[+1]:カードを1枚引き、その後カードを1枚無作為に選んで捨てる。
[-4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの手札にあるカードの枚数に等しい点数のダメージを与える。
[-6]:ターン終了時まで、すべてのクリーチャーのコントロールを得る。それらをアンタップする。それらはターン終了時まで速攻を得る。

初期忠誠度2

…もう多くの人は気付いたであろう。

どうしようも無いくらい弱いのだ。

とりあえず通常のプレインズウォーカー項目みたいに解説に入る。

まずマナコストであるがプレインズウォーカー史上初、当時としては前代未聞の2コスである。
これまで最軽量だった元祖ジェイスやヴェールのリリアナよりも軽いのだ。
初期忠誠度も2と軽さに納得の数字である。

プレインズウォーカーというシステム自体が強いと言われる為、もうこの時点で普通なら間違いなくトップレアと言ってもいいレベルである。

そう、問題はここからなのだ。

まず+1効果。
カードを1枚引き、1枚捨てるのは赤にはたまに出てくる効果である。
しかし問題なのは無作為にの一言である。
つまり運次第で折角引いた理想のカードを自ら潰すというドジっ娘ていうレベルじゃねーぞ!という事をやってしまうのである。

どんなカードゲームでも、軽いカードは序盤に出すことを想定するものである。しかしこのカードは、なまじ2マナと軽いものだから能力も2マナ相応のささやかなものであり、
  • 忠誠度を上げたいが、せっかく整っていた初手がこいつの能力を起動したせいで台無しになる可能性がある
  • かといってそれを恐れて能力を起動せず置物として置いておいてもまったく意味がない。下手すれば何も仕事をしないまま除去されてしまう
  • そうならないために手札に温存しておくならぶっちゃけ別のカード使った方がいいよね
という、存在自体が構造矛盾を抱えている。《オーガの学者》かな?

さて、想像してみよう。
1ターン目に極楽鳥を森からプレイして次のターンに山からコイツを出したとする。
当然次のターンにはガラクコスと言った優秀なプレインズウォーカーとかを出したいのである。

そこでコイツの+1効果を使う。
そして念願のガラクを引いたぞ!
とここまでは良かったとする。しかしここからが問題なのだ。

無作為に選ばれるカード。それが引いたばかりのガラクだとしたら…。
最早泣くしか無い。

それどころか、ガラク等ではなく土地を引き、手札に温存していた火力を
ティボルト「ごめーん。ドジって落としちゃった。テヘッ☆」
プレイヤー「テヘッ☆じゃねえぞ!なにすんだテメエ!!!」

という事もあるのである。
逆にマナ基盤が整っていない序盤だと土地が落ちてマナスクリューが起きることも考えられる。
オマケにイニストラードブロックにおける赤には、
闇の隆盛において「信仰なき物あさり」という2枚交換できるルーターソーサリーが出現している。
「ティボルトに2回も3回もランダムディスさせるぐらいならコレをフラッシュバックした方がマシじゃねぇ?」
そう思うのも無理はない。つーか実際そうだ。

とは言え、不要なカードが有用なカードに変換される可能性もある。
つまりランダムディスカードということは確率的にはデッキトップを落としてるのと何も変わらない。
「初期投資の2マナとカード一枚の他には一切リソースを消費せずに墓地を肥やし続けられ、その他能力のオマケ付き」、
と聞けばいくらかマシな能力に思えるだろう。むしろ専用構築ができそうな気すらする。
墓地にいってほしくないカードを落としたら泣こう。

さらに言うと、初期手札が(ティボルト用の赤2マナ供給を確保した上で)マリガンするか迷うような微妙な手札でコイツが入ればマリガンをする意味が薄れる。
マリガンとは要するにハンド一枚を犠牲に手札全てをランダム交換しているワケで、
さらなるマリガンの危険性まで考えればなるべくやりたくない物である。
そこをコイツは、ハンドを減らさずに(一枚ずつとは言え)ランダム交換してくれる。
つまり長い目で見て、事故率を減らすことができるのだ。
もちろん手札がマリガン不要の「良い」手札なら、唱えたりしなければいいだけのことである。
それから手札が不満になったり何が落ちても問題ない状態になったのなら唱え、手札を再び回転させてやれば良い。

とは言ったものの、根本的に2マナのプレインズウォーカーにどうしてもさせてやりたい仕事かどうかは疑問が残る。
ティボルトで悠長に手札交換している暇があるなら別のカードで確実に場を有利に進めたい。
総合すると、「使えない訳ではないが、別に2マナ払うほどではない」と言う能力。
低マナ域のカード調整の難しさを感じさせる所。仮にこちらが選んで捨てるタイプだとしたら、2マナでは絶対に許されなかっただろう。
実際《信仰無き物あさり》はモダンで禁止になるぐらいには暴れ続けたし。


つづいて−4である。

−4である

大抵のプレインズウォーカーカードは出した段階で二つの効果から選択して起動出来る。

しかしこいつは初期忠誠度が2である。
つまり2ターンは+1を使うことを強いられるのである。もうこの時点で弱い。
しかも−4の効果は相手の手札依存である。
だいたいこいつが出て2ターン経つ頃には相手も手札はある程度使っている筈である。

もしこの効果が戦争と平和の剣みたいに何度も楽に使えたらいいだろう。
しかしコイツの場合確実に2ターンは消耗する。そしたらそうしたで使い切りでおしまい。
何回も使うとなると初回は3ターン、以降は4ターンごとに伸びる。
どう考えても遅いし弱い。
せめて相手クリーチャーも対象に取れたら…と言われてるが既に後の祭である。

最後に−6である。

8マナソーサリーの《暴動/Insurrection》と同じコントロール変更である。これは分かりやすく強く、使い捨て前提でもリターンは補ってあまりあるだろう。
しかし問題なのは確実に「単体だと戦場に出てから4ターンはかかる」こと。
百歩譲って-4を発動する機会はあるとしても、-6溜まるまでにず~と対戦相手がこんな危ないもんを悠長に放置しておくものだろうか?
つまり手札を掻き混ぜる以外に仕事をしてくれないこいつを守ってやる必要があるのだ。合間に-4能力なんて起動したら奥義発動が遠のくし。
確かにこれはテキスト自体は強いが、そこに至るまでの性質がやはり弱い。

上記の理由から、スポイラーが出た直後から、
「悪い意味でプレインズウォーカーに与えてはいけない領域の能力を与えてしまった。」
「赤はタラコ唇以外プレインズウォーカーが弱い色である事が確定。」
て評価は散々である。特に赤のプレインズウォーカーは、基本セット2015の《紅蓮の達人チャンドラ》までは構築級のものがなかった始末。
白は《黄金の鬣のアジャニ》《遍歴の騎士エルズペス》《ギデオン・ジュラ》と強いカードが揃い踏みだったのにね。
1年も跨がない内に「1マナのプレインズウォーカー」と言われた、プレインズウォーカーと書かれていないのにおかしいことしか書いてない《死儀礼のシャーマン》が出たのにね。

一応擁護しておくと、このカードは2マナという軽さに対し奥義がかなり強い。奥義に至るまでの道筋がダメダメのダメなのであって。
そのため隙を見て出てきて、増殖や《古呪》などで一気に忠誠度を稼いで奥義を打つという戦術にかなり合致したプレインズウォーカーだったりする。
往々にして「それ他のプレインズウォーカーでもできるじゃん」といわれる戦術だが、リソースを消費して忠誠度を上げる以上瞬殺しなければ相手に逆転までの時間を与えてしまう。たとえばティボルトとは真逆の意味で問題児な2マナの《レンと六番》の「墓地の呪文が回顧を持つ」の場合、これらのギミックに加えて回顧で使いたい呪文とそのための土地まで用意しなければならず相性が悪い。
初期忠誠度が低い分、額面上の奥義のマイナスも少ない部類なので、他のPWの奥義と違って2マナでスタートできるコンボというのも現実的。
これはティボルトを無理やり使うギミックではなく、増殖や古呪の側からアプローチを仕掛ける場合でも立派に有力候補に入るのである。このゲームにおいて軽いってのはそれだけで正義なのだ。
コンボ以外だとまず腐る?奥義撃っても得られるアドが相手のデッキに左右される?知らんな。

とにかくネタ扱いされやすい彼だがあんまりザコザコ言ってるとたまに奥義に足をすくわれる。
というかこのご時世でティボルトなんて使う酔狂な奴はだいたい奥義を狙ってくる。相手がティボルトを出してきたら、奥義を打たれないように全力でお相手しよう。
自分が使っているときに対処されたら…まぁティボルト使ってる方が悪いんだからさ…。

そして最近では「最弱のプレインズウォーカー」という評価にも異論がある。
テキスト自体は強いが環境に愛されなかったせいで最安値を更新してしまった《ドビン・バーン》、それに加えてどう頑張って使っても本当に弱い《試練を超えた者、サムト》などはティボルト以上にひどい逸話すら持っている。
しかしこの手の話題は「プレインズウォーカーデッキ限定の初心者向けカード」の存在や、灯争大戦で登場した「アンコモンのプレインズウォーカー」の存在などで反論されることも多く、論点が定まらないままレスバトルに移行しやすい。
ティボルトは「最弱のプレインズウォーカー」というネタキャラの座を死守したまま、ストーリーから退場することになったのだった。


ストーリーにおいて


そしてコイツ、ストーリー上どこから湧いて来たかさっぱり分からないのである。

新しく加わるタミヨウさんは神河から沸いて来たというのが分かるのであるが。

コイツは謎のウェスタン姿。
出地すら謎である。

更にコイツは「血脈」という言葉が入っている。
…お気づきであろう。
1年程前に出たヴァーズゴスの血王も「ケツ王」と言われてる通り早速コイツも「ケツ脈」とあだ名が付けられた。

更に赤で無駄に神話レア。まあ当時はプレインズウォーカーは基本神話レアだったのだが。

つまり
  • どこかから沸いて来たんだコイツ。
  • 赤が入ってる。
  • 無駄にレア度が高い。

ジョー・カディーン「なあ…おまえもスケベしようや…。」
と早くも黒スレのアイドル候補になっていった。


そんなこんなの中ついに彼の設定が明かされたのだが…。



最初は小動物。果てには人間にまで実験をし、その結果小悪魔が周囲に集うようになる。その小悪魔が、もともと尊大だった彼に「天啓」をささやきかけ、彼は自分の芸術に酔いしれていく。

そしてついに審問官にも目を付けられ、家を包囲されてしまう。このままではよくて終身刑である。

そんな中彼が危機を脱した方法は…「今までの実験で与えてきた苦痛を全部受けて小悪魔と合体する!」その結果プレインズウォーカーに覚醒した。

つまり

ただのド変態
だった*1

更になんと次のデュエルデッキでなんと

ソリンにケンカを振るのが確定した

これに関してはネタキャラと親しまれた日本で爆笑が起きただけでなく、本場アメリカでも「DUELにすらなってないんじゃないか?」と突っ込まれる始末である。
そんなこともあり「ソリンVSティボルト」のデュエルデッキは「ソリンVS地獄乗り」と呼ばれることになった。
これは「イニストラードを荒らしまわる悪戯者と、それを快く思っていない管理者」みたいなイメージらしい。

この頃はまさかソリンが同格のネタキャラにまで落ちるとは誰も思っていなかった…


余談

プレイヤーには発売前からカスレア扱いされていたカードだが、実は公式のコラムでは強力なカードのように書かれていた。この落差もティボルトのネタ化に拍車をかけた。
さらにこの時点までで、赤のまともなプレインズウォーカーが《槌のコス》くらいしかなかったのがひどかった。チャンドラはことごとく失敗作だったし、他の色を見れば、初代アジャニ、遍歴ペス、神ジェイス、ソリン、ヴェリアナ、ガラク2種とかなり恵まれたラインナップ。
一応復讐のアジャニやサルカン・ヴォルなんかは強かったんだけど、当時の赤といえば「稲妻を使うためにタッチで入れる」なんて意見があったような色である。
汎用的な能力を持っていた彼らに比べ、コスがやることは山に関する能力であり、赤というよりは「山」だった。そんな中で満を持して登場したのが、公式コラムにウキウキと書かれたどうしようもない小悪党のオッサンなのである。
そこで赤使いはこう考えた。
「青は除去ができない色。黒はアーティファクトやエンチャントに触れない色。これと同じで、赤はプレインズウォーカーが弱い色なんだろう…
人が苦しむ姿を見るのを楽しむキャラクターだが、赤の同胞が大変に苦しんだカードでもある。

このカード以降赤のドローは「捨ててから引く」という形で赤らしさが表現されるようになったため、よりこのカードの+1能力がネタ化することに。
更に「デッキトップを追放してそれを使用期限内の間プレイできる」という効果も赤の能力として扱われるようになったため、元から無かったこのカードの地位が更に無くなっている。

イニストラード再訪にあたり、喧嘩を打ったソリンは新カードとして収録され、ストーリーでも(扱いはどうだったかは別として)主役級を張っていたが、コイツには一切触れられなかった
当然新カードなんて出るはずもなく、よりネタキャラ化が進行。むしろタミヨウが再登場してなんで現地民のティボルトが登場しないんだよ、という点でも笑いを誘った。

遂には公式に「2マナのプレインズウォーカーを作れるという実験台だった」と言われる始末。それどころか「開発者は技術を自慢するためだけにカードを作ってはいけない」という失敗例とまで言われ、あまりの弱さに海外でもネタ的な意味で人気にされている。
ただこの失敗例を経て作られた《レンと六番》は2マナのプレインズウォーカーにしてはかなり強烈な性能であり、特にレガシーでは環境に与える圧が強すぎて禁止。史上初の「モダンではノータッチだがレガシーでは禁止」という快挙を成し遂げた。
レン、ティボルト、そして神童ジェイスの3人はその方向性こそ違えどあまりに環境に燦然と輝いてしまい、「2マナのプレインズウォーカーって作るべきじゃないんじゃないだろうか」という認識をプレイヤーに植え付けてしまったのだった。*2


だが、彼は見捨てられていなかった

概要その2


時は流れ灯争大戦、36人のプレインズウォーカーの登場が予告され、そしてその中にはティボルトがいた。

無頼な扇動者、ティボルト/Tibalt, Rakish Instigator (2)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — ティボルト(Tibalt)
アンコモン
対戦相手はライフを得られない。
[-2]:「このクリーチャーが死亡したとき、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。これはそれに1点のダメージを与える。」を持つ赤の1/1のデビル(Devil)・クリーチャー・トークンを1体生成する。

初期忠誠度5

アンコモンとなって帰ってきたティボルト。同レアリティの他のPW同様常在型能力1つと小マイナス能力1つを持つ。
常在型能力は対戦相手のライフ獲得の禁止。現スタンダード内でも《アジャニの群れ仲間》や《野茂み歩き》など有効な仮想敵は多い。
忠誠度能力ではイニストラードを覆う影・ブロックで登場したものと同性能のデビル・トークンを生成する。地味だが火力範囲が広く、常在型能力を維持する盾として使うのもいいだろう。

全体的に控えめになったがその分取り扱いやすくなっており、ティボルト自体は最弱PWの汚名は返上したといえよう。
最初は当時メタの一角だった赤単デッキに好んで入れられていたが、「3マナなのにあまり仕事をしていない」と抜かれるようになった。やっぱりティボルトは2マナじゃなきゃダメなのだろう。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》みたいにおまけ感覚でライフゲインしてくるカードが増えているので、そういうのが嫌ならサイドボードに入れておこう。最低限の仕事はしてくれる。ただぶっちゃけ《アナックス》に《エンバレスの宝剣》握らせて走らせたほうがよほど強い。
あと日本語版のイラストは、ラクドスのパリピではなく孤高の芸術肌という感じで結構かっこいい。

なおストーリーでは、主を失ったテゼレットを「主人が死んじゃったよ!悲しいねぇ!」と煽って苦しむ姿を観察しようとするという、お前何しに来たの感が強い活躍をした。
なおテゼレットはボーラスの支配から逃れたがっていたので大喜び。ティボルトは残念そうに去っていった。お前マジで何しに(ry*3


Valki, God of Lies / 嘘の神、ヴァルキー (1)(黒)
伝説のクリーチャー — 神(God)
嘘の神、ヴァルキーが戦場に出たとき、すべての対戦相手は自分の手札を公開する。対戦相手1人につき、そのプレイヤーがこれにより公開したクリーチャー・カード1枚を、嘘の神、ヴァルキーが戦場を離れるまで追放する。
(X):嘘の神、ヴァルキーによって追放されていて点数で見たマナ・コストがXであるクリーチャー・カード1枚を選ぶ。嘘の神、ヴァルキーはそのカードのコピーになる。
2/1

Tibalt, Cosmic Impostor / 星界の騙し屋、ティボルト (5)(黒)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — ティボルト(Tibalt)
星界の騙し屋、ティボルトが戦場に出るに際し、あなたは「あなたは星界の騙し屋、ティボルトによって追放されたカードをプレイしてもよく、それらの呪文を唱えるために任意のマナを望む色のマナであるかのように支払ってもよい。」を持つ紋章を得る。
[+2]:各プレイヤーのライブラリーの一番上のカードをそれぞれ追放する。
[-3]:アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。それを追放する。
[-8]:すべての墓地からすべてのカードを追放する。(赤)(赤)(赤)を加える。
5

北欧神話をモチーフにした次元、カルドハイムにてなぜかモードを持つ両面カードとして再登場。第1面《嘘の神、ヴァルキー》の元ネタはロキ。
実物のカードを見ると分かるが、第2面を紹介するマーカー部分に「神」あるいは「ティボルト」と書いてあり、ティボルトと神という言葉が同時に印刷されているそのカードは多くのヴォーソスの大爆笑を誘った。ついでに日本語ショーケース版のルビが「ほしかい」と誤って振られていた。
神ジェイス、神チャンドラ、王神ボーラス…その次が神ティボルトである。しかもヴァルキーの面は2マナ
失笑、苦笑、半笑い、爆笑など様々な笑顔を提供してくれた。

ただ、一方でティボルト自体は7マナと非常に重く、しかもなぜか神に成り代わっているので、小物臭かった(そしてそれとクソザコだったカード性能が嚙み合っていたため大人気になった)これまでのティボルトとのギャップに困惑する声も多く聞かれた。
黒スレ民に至ってはこいつをティボルトの偽物扱い=ヴァルキーがティボを乗っ取ている扱いする始末。*4


性能に関しては、この手のお遊び色の強いwiki的に面白い点に絞っても様々な小技で活躍していた。
例えばこのカードは点数で見たマナ・コストはルール上2である。ティボルトと言えば2マナだもんね。ゆえに3マナの続唱カードでめくって唱えることができるのだが、当時のルールではこの時7マナのティボルト側を唱えることもできたのである。
また、このカードのルール上の色は黒単色である。そのため《出現の根本原理》で選ぶことができるのだが、やはりこの時、多色側のティボルトを唱えることもできる
このように条件付きでコストを踏み倒せるカードとの相性が非常に良い。「嘘の神」とはよく言ったものである。
そもそもヴァルキー側が単体で使ってもだいぶ有用なカード。ティボルトも長期戦でマナフラッドを起こした時の逃げ道としてそこそこ使えるのだが、
踏み倒しギミックを用いたデッキではむしろティボルト側がメインの活躍をしているのである。

モダンにおいては、2マナ以下のカードの採用を極力ヴァルキーのみに抑え、3マナの続唱カードである《暴力的な突発》や《献身的な嘆願》でティボルトを唱える【続唱ティボルト】が、短期間ではあったが断トツのトップメタに君臨した
このデッキの強いところはコンボデッキにしてはそこまで極端な構成にしなくともよいため、続唱ギミックと他の強力なカードを両立させられるというところにある。
余談ではあるが、このカードが注目された当初、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》に押さえつけられていたジャンドコントロールが復権するのではないかと期待する向きもあったが、実際にはティボルトとウーロ(とテフェリーとオムナス)が手を組んだデッキが最強というオチが綺麗についたやっぱりな。
レガシーにおいても続唱ティボルトは存在しており、こちらでは3マナの続唱カードとして《断片無き工作員》が採用される。こちらでは《王冠泥棒、オーコ》と手を組むことが多い。流石にモダンほどの占有率ではなかったものの、レガシーにおいても有力デッキの一角として活躍した。
こいつ最弱と名高いティボルトだろ?悪い夢でも見ているのか?

……が、活躍しすぎたのか、続唱のルール変更が行われ、両面カードは唱えたい面のマナコストが続唱呪文のマナコスト未満でないと唱えられなくなり上記の続唱踏み倒しギミックは消滅してしまった。
なお公式でこのルール変更の影響を受ける例として嘘の神/ティボルトが紹介されている。

Tibalt's Trickery / ティボルトの計略 (1)(赤)
インスタント
呪文1つを対象とする。それを打ち消す。1か2か3を無作為に選ぶ。その呪文のコントローラーはその選んだ数に等しい枚数のカードを切削する。その後、その呪文と違う名前を持ち土地でないカードが追放されるまで、自分のライブラリーの一番上から1枚ずつ追放していく。そのプレイヤーはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、そのプレイヤーはそれらの追放されたカードを自分のライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。

ティボルトの活躍はこれだけにとどまらない。このカードは要は「呪文に対して《変身》を使う」ようなイメージのカードで、悪用が難しいように切削ギミックがついている。
つまり《渦まく知識》などで《引き裂かれし永劫、エムラクール》などを積み込んで、軽い呪文を打ち消してエムラ踏み倒しという悪用が非常に難しくなっている…のだが。
「土地および打ち消した呪文と同名のカードは無視される」
という点を利用した悪用ギミックがあっさり考えられ、『モダンホライゾン』以降インフレを続ける魔境と化したモダン環境に殴り込みをかけた。
分かりやすいレシピだと土地51枚に計略1枚、エムラ4枚、3マナの続唱呪文4枚の60枚デッキ。
3マナの続唱呪文を唱えると《ティボルトの計略》を唱える。この時スタック上にある続唱呪文を対象にすると、3マナの呪文を1つ唱えるだけで必ず15マナのエムラクールが唱えられる、というわけ。
ハズレの危険性を承知で《猿人の指導霊》を採用してコンボ成立速度を上げた型や、土地が多いことを利用して《原始のタイタン》をサイドボードに搭載したアグレッシブサイドボーディングなどもあり、コンボが決まりさえすればあっという間に勝てる地雷デッキとして存在感を示していた。
しかし「モダンをプレイして面白くないものにするような、ゲームにならないゲームに寄与している」という公式の声明文と共に
登場からわずか10日でモダン禁止のお仕置きを食らうこととなった。
一応環境を滅茶苦茶にするほど強いわけではなく、勝率も問題になるほどではなかったがデッキコンセプト自体が問題視されたのだろう……っていうかこの手のデッキはぶっちゃけ「当たり運」のみですべてが決まるので、存在されると競技性をかなり損なうのだ*5

一時期はモダンのトップメタにティボルトの名を冠したデッキが2種類存在し、「続唱ティボルト VS ティボルトの計略」などといういろんな意味で地獄のような光景が見られた。これがドゥームスカールですか
環境を荒らしルールすらも変更させる様は、最弱のプレインズウォーカーという称号もすっかり返上してしまい、むしろ強キャラになってしまった感すらあった。

MTGアリーナでも、特に1ゲーム先取で勝利となるBO1において大流行。
テーブルトップとは異なり、アリーナでは土地事故が起こりづらくなる独自の補正があるためコンボが決まりやすく、ゲームの勝敗だけで報酬が決まるシステムであることから、【ティボルトの計略】デッキは報酬稼ぎにおいては最高のデッキであった。
しかし、高速でコンボを押し付けるデッキというのは、対戦相手からすれば 無茶苦茶な一人遊びに付き合わされている 以外の何物でもない。【ティボルトの計略】デッキの流行がゲームの面白さを損ねていると判断され、アリーナ限定フォーマットではこのカードは軒並み禁止or制限に指定されている。
そして理由が理由だけに、4枚使えるようになることは当面無いであろう。


ストーリーではカルドハイムに災害の一種「ドゥームスカール」を人工的に起こそうと活躍した。
前日談として《嘘の神、ヴァルキー》(本物)を幽閉して成り代わり、《鍛冶場主、コル》を殺害して《領界の剣》を奪うという割と真面目に悪いことをする。さらにカルドハイムのストーリー第3話をまるまる一話使い、尊大でうぬぼれた独白文をつらつらと語った。これまでティボルトは内面描写を掘り下げられたことがあまりなかったため、衝撃をもって迎えられた。ヴォリンクレックスらしき存在に脅されてこれらの悪事を働いていたが、元よりそのつもりでカルドハイムを訪れた為、嬉々として混乱をばらまいていた。
最終的にドゥームスカールを起こすことに成功。さらに自分を邪魔しに来たプレインズウォーカーのケイヤに対し、芸術の到達点である「自分への疑念や不安を増大させ、それらに生気を吸い取らせる魔法」を使い追い詰める。
しかしティボルト以上のうぬぼれ屋であるタイヴァー・ケルには全く影響を与えられずに大敗北、ドゥームスカールを起こしたまま敗走した。

後にファイレクシアがプレインズウォーカーの完成化(ファイレクシアン化)の技術を大成させたため、ティボルトもまた犠牲にならないかと期待心配されている。



Tibalt, Wicked Tormentor / 不愉快な拷問者、ティボルト (3)(赤)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — ティボルト(Tibalt)
[+1]:(赤)(赤)を加える。不愉快な拷問者、ティボルトの呪文書から、カード1枚をドラフトし、それを追放する。ターン終了時まで、あなたはそのカードを唱えてもよい。
[+1]:クリーチャーやプレインズウォーカーのうち1体を対象とする。それのコントローラーが「不愉快な拷問者、ティボルトはそのプレイヤーに3点のダメージを与える。」を選ばないかぎり、不愉快な拷問者、ティボルトはそれに3点のダメージを与える。あなたはカードを1枚捨ててもよい。そうしたなら、カード1枚を引く。
[-X]:「このクリーチャーが死亡したとき、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。これはそれに1点のダメージを与える。」を持つ赤の1/1のデビル(Devil)・クリーチャー・トークンX体を生成する。
初期忠誠度3

MTGアリーナ専用フォーマット「アルケミー」用のティボルト。
1つ目のプラス能力はマナ加速+呪文書からのドラフト。《地獄乗り》等のデビル・クリーチャーのカードを手札に加えることができ、2~3マナで唱えられる者が多いため即効性もある。ただし3マナ以上のカードばかり抽出される可能性は常にあるため、ティボルトを唱えた段階でマナを使い切らないよう注意。
2つ目のプラス能力は対戦相手に選択権のある火力。当然相手にとって都合の良い側が選ばれるわけだが、続けて行う手札交換を「どうすれば相手にとって都合が悪いか」を把握した上で行える。
マイナス能力はデビルトークンの生成。X=3で出した直後に使っても《家の焼き払い/Burn Down the House》のトークン生成モードと同じ効果なので悪くない。もちろん盤面に長く維持した上で大量のトークンを生み出しても良い。
1つの能力で複数の行動を一度に行える能力を取り揃えたコントロール向けのプレインズウォーカー。マナコストの割に初期忠誠度が低めなのは気になるが、1番目の能力を連打しているだけでも毎ターンマナが増え実質的に手札が増えていくので十分強力。


Tibalt the Chaotic (1)(赤)(赤)
伝説のプレインズウォーカー - ティボルト
[+1]:次の中から無作為に選んだカード1つのコピーを唱える。 — 《無知の喜び》、《大地割り》、《猛火の斉射》
[-3]:次の中から無作為に選んだカード1つのコピーを唱える。 — 《煮えたぎる歌》、《悪魔と踊る》、《火炎崩れ》
[-6]:次の中から無作為に選んだカード1つのコピーを唱える。 — 《乱暴者の噴火》、《暴動》、《歪んだ世界》
[テストカード - 構築では使用できない。]
初期忠誠度:4

+ +1能力
+1能力
Ignorant Bliss / 無知の喜び (1)(赤)
インスタント
あなたの手札のカードをすべて、裏向きの状態で追放する。次の終了ステップの開始時に、それらのカードをあなたの手札に戻し、その後カードを1枚引く。

Crack the Earth / 大地割り (赤)
ソーサリー — 秘儀(Arcane)
各プレイヤーは、パーマネントを1つ生け贄に捧げる。

Blazing Volley / 猛火の斉射 (赤)
ソーサリー
猛火の斉射は対戦相手がコントロールしている各クリーチャーにそれぞれ1点のダメージを与える。
+ -3能力
-3能力
Seething Song / 煮えたぎる歌 (2)(赤)
インスタント
(赤)(赤)(赤)(赤)(赤)を加える。

Dance with Devils / 悪魔と踊る (3)(赤)
インスタント
赤の1/1のデビル(Devil)・クリーチャー・トークンを2体生成する。それらは「このクリーチャーが死亡したとき、クリーチャー1体 かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。このクリーチャーはそれに1点のダメージを与える。」を持つ。

Flamebreak / 火炎崩れ (赤)(赤)(赤)
ソーサリー
火炎崩れは、すべての飛行を持たないクリーチャーとすべてのプレイヤーに3点のダメージを与える。これによりダメージを与えられたクリーチャーは、このターン再生できない。
+ -6能力
-6能力
Hellion Eruption / 乱暴者の噴火 (5)(赤)
ソーサリー
あなたがコントロールするすべてのクリーチャーを生け贄に捧げ、その後、その数に等しい数の赤の4/4のヘリオン・クリーチャー・トークンを生成する。

Insurrection / 暴動 (5)(赤)(赤)(赤)
ソーサリー
すべてのクリーチャーをアンタップし、ターン終了時までそれらのコントロールを得る。それらは、ターン終了時まで速攻を得る。

Warp World / 歪んだ世界 (5)(赤)(赤)(赤)
ソーサリー
各プレイヤーは自分がオーナーであるすべてのパーマネントを自分のライブラリーに加えて切り直し、その後自分のライブラリーのカードを上から同じ枚数だけ公開する。各プレイヤーはこれにより公開されたすべてのアーティファクト・カード、クリーチャー・カード、土地カードを戦場に出す。その後、エンチャント・カードについても同様に行う。その後、これにより公開され戦場に出されなかったカードを自分のライブラリーの一番下に望む順番で置く。
Mystery Boosterに収録された、 構築では使用不可能 な「R&D Playtest card」のティボルト。
全ての忠誠度能力が「候補の中から無作為に呪文1つを選び、そのコピーを唱える」といったものであり、2マナティボルトもびっくりなランダム性を持つ。ランダム性がティボルトのアイデンティティなので仕方ない。
コピーを唱えるのにマナが必要そうに見えるが、裁定によると、選ばれた呪文はマナ・コストを支払うことなく唱えるとのこと。



[-4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの編集した項目の総数に等しい文字数の追記・修正を行う。


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そこに、まるで昼下がりの公園で約束でもしていたかのように落ち着いて歩いてきたのは、アジャニとティボルトだった。
(中略)
アジャニの隣に立つティボルトは、むき出しの腱の束で繋がれた骨板と棘の悪夢へと変貌していた。顔面に残された肉が浮かべるにやにや笑いが、かろうじてそれを彼だと認識させていた。元から二又に分かれていたその尾は今やその根元から裂け、先端の物騒な針から彼の背後の根の道へとぎらつく油を滴らせていた。
「カルドハイムでも貴様は怪物だった。ようやく相応しい外見になったようだな」タイヴァーは驚くほど冷静だった。
「怖がるべき時もわからない、ちっちゃくてお馬鹿な王子様よ」ティボルトは嘲った。「あんたはいつだって、オレの手で死ぬ運命なんだよ」

カルドハイムから実時間で2年後、「ファイレクシア:完全なる統一」のストーリーで完成化した姿で登場。すでに味方のプレインズウォーカーが数人ファイレクシアの手に落ちてしまった中、エルズペスとタイヴァーの行く先にあまりにも唐突に自然に登場した。
ほかのキャラは完成化のシーンにページを割かれたのに対してティボルトは本当にいつの間にか完成化しており、かつてまったく太刀打ちできなかったタイヴァーのコンプレックスを煽りながら周囲に「絶望と疑念を増幅させる魔法」を撒き散らす。
この精神攻撃はタイヴァーほどバカ自分に絶対の自信を持つ人間以外には劇的に効き、前回はケイヤが、今回はエルズペスが精神的に追い詰められて無力化されてしまう。
ティボルトの口ぶりから見ると、どうもタイヴァーがおかしいだけだったようである。彼の煽り文句はそんなタイヴァーに疑念=自分の攻撃を通す隙を生じさせるための口プレイだったようだ。
しかしタイヴァーはファイレクシア化の進行を妨げる「呪い金」の力をあえてティボルトに流し込んで精神攻撃を無力化し、エルズペスの戦闘力を取り戻させることに成功。
戦闘力を取り戻したエルズペスはアジャニをあっさりと打ち倒し、タイヴァーもティボルトの心臓にその尾を突き刺して橋の下へと放り投げる。

「この戦いの歌が書かれる頃には、お前の名を忘れさせると約束しよう、悪魔め。」

こうして「アヴァシンの帰還」から10年、ティボルトはあっけなく死亡したのだった。


さて、そんな完成化したティボルトのカードを見てみよう。

Tyvar's Stand / タイヴァーの抵抗 (X)(緑)
インスタント
あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+X/+Xの修整を受け呪禁と破壊不能を得る。

あれ、ティボルトじゃなくね?と思ったあなたは正しい。実は、ティボルトは「完全なる統一」でカード化されておらず、ティボルトがカード名に入ったカードすら収録されていないのだ。
このカードは先述のタイヴァーがティボルトを討ったシーンが描かれており、そして「完全なる統一」においてティボルトに言及した唯一カードである。
MTGには「死亡シーンがカード化されなかったので本当にいつの間にか死んでいた」「死亡シーンがカード化されないまま復活先だけがカード化された」というキャラクターが多かったが、
なんと死亡シーンのみがカード化されるというあんまりな役どころまでもらってしまう。扱いがいいんだか悪いんだか……。
しかもこのカードはおろか、「完全なる統一」にはカード名やフレーバー・テキスト込みでティボルトの名前が一切存在しておらず、ただ死亡シーンのイラストのみ。タイヴァーの宣言通りティボルトに対する哀愁と笑いを誘う完全勝利を描いたカードであると言えるだろう。

こんなんでいいのかよ。



「情報充実の追記・修正もあれば感想じみたコメントもある――どんな更新だって嬉しいサプライズだ。」――ティボルト

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最終更新:2024年01月31日 02:48

*1 といっても、ヴォーソスの存在が軽視されていた当時のMTGにおいて、ネタ性が事実より先行する当時の黒スレでの評価である。

*2 基本的にPWは「長いターン居座ってアドバンテージを稼ぐ。最後にフィニッシュまでしてくれたらなお良い」というデザインが多く、実際にそのような運用をされることが多い。そんな中、2マナのPWというのはあまりに素早く出てくるためその分アドバンテージを稼ぐターン数が増えるため、単純に軽いことは強いことなのだ。しかも2ターン目では対戦相手も対処する手段やマナが無いことが多く、余計に生き残りやすい。

*3 一応、ほかのプレインズウォーカーやラヴニカ民と共に戦う描写があるので完全に遊んでいたというわけではない模様

*4 後述の通り、このカードはティボルトがヴァルキーに成り代わっているのであり、ヴァルキーがティボルトのふりをしているのではない。むしろ逆である。こんな強いカードがティボルトのはずがない、というネタである。

*5 妨害できれば勝てるがそうでないと負け、という極端すぎるデッキという立ち位置自体は、レガシーの【ベルチャー】に近い。レガシーがよくてなんでモダンはダメなのかという話は、レガシーは青の愛好家=この手のデッキを否定できる《意志の力》の使用者の比率がモダンに比べて非常に高いため。