ランドロス

登録日:2011/03/13(日) 01:51:53
更新日:2024/01/23 Tue 20:07:18
所要時間:約 4 分で読めます




ランドロスとはポケットモンスターシリーズにブラック・ホワイトから登場する伝説のポケモン

■データ


全国図鑑No.645
分類:ほうじょうポケモン
英語名:Landorus
高さ:1.5m
重さ:68.0kg
タマゴグループ:未発見
性別比率:♂100♀0

タイプ:じめん/ひこう
特性(けしんフォルム):すなのちから(天候が砂嵐の時、地面・鋼タイプの技の威力が1.3倍になる)
隠れ特性:ちからずく(技の追加効果が出なくなるが、その技の威力が1.3倍になる)

特性(れいじゅうフォルム):いかく(場に出た時に相手の攻撃を1段階下げる。先頭にすると自分よりレベルが5以上低いポケモンの出現率が半分になる)


HP:89
攻撃:125
防御:90
特攻:115
特防:80
素早さ:101
合計:600

  • 種族値(れいじゅうフォルム)
HP:89
攻撃:145
防御:90
特攻:105
特防:80
素早さ:91
合計:600

努力値:特攻+3


■概要


下半身に白い雲のようなエネルギーを纏う黄土色の人型のポケモン
米俵のような形をした特徴的な頭に白い髭と3本の角を備え、雲からゴツゴツした尻尾を出している。

「風神雷神」であるトルネロスボルトロス二匹を統べる存在であり、恐らく元ネタは「豊穣神」。

二匹と違って悪戯は好まず、むしろ尻尾から放出されるエネルギーで大地に栄養を与え農作物の成長を促して人々に恩恵を与える事を好む。
トルネロス・ボルトロスの悪戯で畑を滅茶苦茶に荒らされ、二匹に粛正を下し彼らの活動をしばらく停止させた過去を持つ。

その設定を反映してかゲーム内では「おしおき」や「ふういん」「げきりん」を自力で覚える事が出来る。
さらにトルネロス・ボルトロスより合計種族値が20ほど高くなっておりややステータスが高くなっている。
伝説のポケモンとしては珍しく性別が存在し、他の二匹と共に♂のみで、当然のことながらタマゴはつくれない。

余談だが部下のトルネロス・ボルトロスと殆ど同じ姿をしている為、3匹合わせて通称「コピペロス」と呼ばれている。
Pokémon LEGENDS アルセウス』では彼らを指す呼称として「化身」が登場し、さらに新たな仲間?としてラブトロスが登場した。

■ゲームでのランドロス


ポケットモンスター ブラック・ホワイトにて登場し、「豊穣の社」の最奥部にて「豊穣の神様」として祭られている。
ちなみにこの「豊穣の社」には「農作の神」として祀られるドータクンも野生で登場する。どっちが本物の神様?

ここでトルネロスとボルトロスを手持ちに入れておくと二匹が喧嘩を始め、それに反応する形で登場する。

トルネロスとボルトロスはそれぞれブラック・ホワイトのどちらか片方にしか出現しない。
そのため、ランドロスを捕獲するにはいちいち他のROMからもう片方を送って来ないといけないという地味に面倒なポケモンである。

また片方は必ずそのROMで捕まえたポケモンでないといけないのも厄介なポイント。
ランドロスを出す前にそのROMで捕まえたボルトロスかトルネロスをうっかりGTS等に流してしまうと正式な手段での入手方法が無くなってしまう為注意が必要。

捕獲する際は「じわれ」を使うのでレベルが低いと危険なため注意しよう
また捕獲率が低いうえに使う技の合計PPが多くないので悪あがきで自滅されないようにしたい。

ORASではトルネロス、ボルトロスを手持ちに入れた状態で、
むげんの笛を使用するとヒワマキシティの北の上空の雷雲が出現。その中に入るとランドロスが現れる。
バトル時のレベルは50で、高威力技は「だいちのちから」ぐらいだが、剣の舞を使うので「いわなだれ」には要注意。

USMではウルトラホールの赤色のホールにて出現。
やはり本作でもトルネロス、ボルトロスを手持ちに入れないと会えない。

ソード・シールド』ではエキスパンションパス『冠の雪原』が入手に必要となる。
新たに解放された「カンムリせつげん」にてダイマックスアドベンチャーを行う事で入手可能で、今作では手持ちにトルネロスとボルトロスが居なくとも会うことができる。

Pokémon LEGENDS アルセウスにも登場、ED後にメインクエストを進める事で捕獲イベントが発生する。
ちなみにトルネロスとボルトロスが手持ちに居なくとも会うことが可能。

専用技として「ねっさのあらし」を習得。技の性能としては「30%の確率でやけど状態にさせる」じめん技で威力も優秀。
ただし特殊技であるため、物理型が基本の霊獣ランドロスとは噛み合っておらず、命中率も80%と不安定な数値をしており、PPも5と少ないのがネック。

SVではレジェンドで新規登場した技と同様に威力や追加効果などが変更されている。
威力は100に引き上げられたが命中率は80%に据え置き。やけど率は20%に下げられた。
ただし雨下では必中・ダブルバトルでは相手全員を同時に攻撃できるようになり、ダブルバトルでの適性を得た。ランドロス自身に雨との関連性は無いので違和感を感じると評判がある。

■対戦でのランドロス


トルネロス・ボルトロスの二匹同様に高い特攻・攻撃・素早さを持つ速攻アタッカー型の能力を持つ。
二匹と違って特攻よりも攻撃のほうが高く、また彼らと比べて素早さが少し低い分耐久力がやや高い。
素早さは少し低いとは言え100族をギリギリ抜かせる絶妙な数値。

特性も「いたずらごころ」ではなく砂嵐時に技の威力を上げる「すなのちから」となっている。
結果として「いたずらごころ」のおかげで補助技を扱いやすい二匹に比べて、より物理火力を重視したアタッカーとなっている。
その特性とタイプ、高い能力値から砂パの強力なエースアタッカーとして活躍が期待出来る存在。
夢特性は「ちからずく」。

特性により強化されたタイプ一致の「じしん」の威力は脅威の一言。
その他にも「いわなだれ」「ストーンエッジ」「だいばくはつ」「とんぼがえり」「つるぎのまい」「じわれ」等々のなかなか優秀な技バリエーションを持つ。
特殊技も「だいちのちから」「ヘドロばくだん」「きあいだま」「くさむすび」「サイコキネシス」等強力ではないものの最低限は揃う。特にろくな追加効果持ち物理技を覚えない*1為、夢特性を活用する時は特殊型になりやすい。
一方、ひこう技は扱いにくい「そらをとぶ」しかない。この辺りは同期後続と同じ。

タイプはグライオンと同じじめん・ひこう複合と言う事もあり、主に格闘タイプ全般に繰り出して行ける等火力以外の面もバランスが取れている。
特にバンギラスを筆頭に格闘に弱いポケモンが多い砂パにとって格闘に強いという点は大きなメリット。

しかしその素早さは元々メジャーかつ同じ砂パのエースアタッカーのライバルであるガブリアスにギリギリ負けるという悪い意味でも絶妙な数値なのが痛い。
またかくとうに強い耐性を持つのは良いが、先述の通りひこう技は「そらをとぶ」しなない為かくとう(特にヘラクロス)に対する役割遂行力はグライオンに劣る。

更にメジャーな技を4倍で食らってしまう。
不意のめざパ等であっさり沈む可能性もある等、欠点も多い点も注意したい。


BW2ではフォルムチェンジ形態「れいじゅうフォルム」が登場。
コピペロスだなんだと散々叩かれたからだろうか。獣型になっている。しかし顔はおっさんのまま。かなりシュールである。

性能としては攻撃を大幅に伸ばした代わりに特攻・素早さが下がっている。
発表当初は化身フォルムの強みであった素早さの減少のせいで驚くほど評価が低かった。

しかし、時が経つにつれ、

  • いかくによる物理耐久の実質的な上昇
  • その圧倒的な火力から放たれる地震などの強力な地面技
  • それ以外にも、「いかく」を繰り返すサイクルとなる「とんぼがえり」や、有用なサブウェポンである「いわなだれ」「はたきおとす」、強行手段の「じわれ」など、あまりにも広すぎる攻撃範囲
  • のみならず、「ステルスロック」などの補助技も豊富。自主退場手段として「だいばくはつ」まである。
と、素早さダウンをもってしても有り余るメリットが次々と発見され、一躍一線級のポケモンとなった。

特にいかくの有用性と全体攻撃の範囲の広さからダブルバトルにおいては最メジャーのポケモンであり、
こっちは出現当初から対策必須の強ポケとして君臨している。

持ち物は微妙な素早さをカバーするための「こだわりスカーフ」が一番有用か。
さらに唯一の弱点であるこおりわざに耐えるために「ヤチェのみ」も採用圏内である。
しかしながら、スカーフ型はあまりにもメジャーなので対策もされやすいためか、最近では火力をさらに上げる「いのちのたま」や「こだわりハチマキ」、
特殊耐久をさらに上げる「とつげきチョッキ」、氷を確実に耐えるための「きあいのタスキ」、
物理耐久を伸ばして受け出しをしやすくするHBわんぱく「ゴツゴツメット」など様々な型が増えてきており、対策がかなり困難になっている。
その器用さたるやダブルでなら無補正性格を活かすことすら可能だとされるほど。

第六世代では、ORASで野生で入手できることもあって(しかも仕様上3V以上は確定のため厳選は容易)急激に数を増やし、
ダブルのレートでは使用率2位、2015年の世界大会では、ジュニア、シニア決勝使用率、マスターベスト8使用率100%という凄まじい結果を残した。
これはあのメガガルーラさえも凌ぐ戦績である。

ちなみにダブルではだいたいのシーズンで相手を倒した技1位が一致技ではなく「いわなだれ」だったりする。


第七世代(SM)ではフェアリー環境の完成によりライバル候補であったガブリアスが失速。これに代わる地面タイプ候補として採用率が急上昇。
特にフェアリータイプで屈指の強さのミミッキュに対しては威嚇+とんぼ返りで安全に「ばけのかわ」を剥がせるという強みを持っている。
結果、その採用率は総合2位まで跳ね上がった。さすが本当の「神」は伊達では無かったと言う事か。

また新要素「Zワザ」により使いにくかった「そらをとぶ」を一発限りの強力飛行技として使えるようになった。
使う場合はタイプ一致補正込みで威力175+必中と実用レベルの性能となる。
ただし、ランドロスは欲しい技と持ち物が多すぎる為この型での採用率は高くない。
他にはジメンZを持たせて「ビルドアップ」や「つるぎのまい」を使った後、「うちおとす」で強引に地面技を当てて受けを突破する戦法も有名。

リザードンに対してはガブリアスよりも若干立ち回りにくいという声もあるが、ランドロスが一緒に組んでいるポケモンの時点で全く問題なかったりする。

サンムーンの完全版となるUSUMでは新鋭のアーゴヨンズガドーンツンデツンデととにかくランドロスがカモれる相手が増加。
フェアリーも勢いを落とす事を知らず、併せてはがねタイプが大躍進した為対策としてのランドロス採用率は更に上がっている。
その結果遂に採用率は総合1位に。シングル2位・ダブル2位と圧倒的な使用率を誇っている。*2


第八世代(剣盾)では当初は登場せず、DLC「冠の雪原」で解禁。
とくせいパッチの登場により、第7世代以前まで入手難易度が高かった夢特性持ちランドロスを入手しやすくなった。

対戦ではダイマックスダイジェットとの相性が良く、唯一の物理ひこう技の「そらをとぶ」の実用性が増して無理なくダイジェットに組み込めることで素早さを、
ダイアースで特防を持ち前の強烈な火力を相手に押し付けながら積めるようなり、めざめるパワーが廃止された事で前作以上の暴れっぷりを見せている。
その勢いは凄まじく「リベロ」解禁後から環境を席巻し続けていたエースバーンと熾烈なトップ争いを繰り広げている。

ただし「いかく」の攻撃ダウンが、「どんかん」「せいしんりょく」など無効化されるようになり、「まけんき」「かちき」持ちの増加も気になるところ。
また、「はたきおとす」と「うちおとす」といった強力な搦め手を没収されてしまったことで、テッカグヤポリゴン2等に絶対的に弱くなってしまった点については注意が必要。特にテッカグヤは最強の役割破壊である「じわれ」も効かない相性最悪の天敵。

ランクバトルシーズン21ダブルバトルで化身ランドロスに転機が訪れる。このシーズンはダイマックスなし、禁止級伝説ありのルールで行われたのだが、
対戦環境に素早さ種族値101の化身ランドロスで抜けるポケモン(このシーズンに爆増したエンテイが卑近な例)が目立ち、
「だいちのちから」と「ヘドロばくだん」の2つのみで技範囲が完結する環境となっていたことからその需要が拡大し、使用率は10位を記録。
シーズン22に至っては、有利対面であるエンテイが使用率5位まで伸びたことから、自身も使用率7位と大活躍。


第九世代(SV)ではHOME連携により他のコピペロス及びラブトロス共々解禁。

ダイマックスは無くなったものの、元々戦い方自体は多彩だったと言う事もあり第七世代以前までと同じような戦い方が軸になった。
そして遂に「ちょうはつ」を習得。相手の出鼻を挫けるようになり先発適性が上がった。
ダブルバトルに目を向けると「じだんだ」の習得が大きい。これにより単体物理じめん打点を獲得し、味方を巻き込んでしまう「じしん」に頼る必要がなくなった。特性で「グラスフィールド」を展開するゴリランダーを同時採用しやすくもなっている。
新システムのテラスタルも自身の4倍弱点を踏み倒したり、「テラバースト」で無理矢理ひこう技を使わせたりとなかなか相性がいい。主に選ばれるのはみず・ひこう辺り。
解禁後のシーズン8も最上位に君臨していたが、下馬評とは異なり途中から以下の要因で最終的にシングル9位・ダブル12位と予想外の位置となった。

  • 環境最上位のカイリューに地面技はすかされてしまう
  • 大活躍してる水ウーラオスには専用技の確定急所効果で威嚇が通じない
  • 高速氷アタッカーのテツノツツミ、パオジアンにはテラスタルで耐性変えないと氷技で即死する。
  • てんねんヘイラッシャで威嚇の攻撃ダウン無効され、向こうは一致の水やゆきなだれ持ち
  • ガチグマ、ディンルーといった強力な地面タイプの新規参戦

特に威嚇の強みが以前よりも落ちてしまい、ダブルでは専用技の習得と新持ち物で追い風要員として強化されたトルネロスに使用率では後塵を拝する結果となった。
とはいえ相変わらず強ポケとして一定の採用はされている。トップ10付近で予想外と言われる順位なのが恐ろしい。

一方で化身フォルムに関しても地面特殊の専用技「ねっさのあらし」と積み技の「わるだくみ」を習得したため特殊アタッカーとして磨きがかかった。
特に「ねっさのあらし」はちからずく対象技なので化身の性能と噛み合いがよく、相手全体が攻撃対象なのでダブルバトルでの適性が大幅に向上した。
さらに環境トップメタが揃いも揃ってじめんかどくが弱点なので、ヘドロばくだんを持つ化身ランドが活かしやすい環境になってるのも追い風。
相変わらず特殊技のバリエーションがよろしくなく、こちらを入れると霊獣フォルムが入れることが出来ないというジレンマがあるものの、ダブルバトルでは霊獣フォルムに負けず劣らずの使用率となっている。

そしてシーズン14に入り、藍の円盤で登場したポケモンが参戦すると立場が大きく変動。
まず霊獣フォルムの方は
といった向かい風が吹いた。
一方化身フォルムの方は
  • 霊獣と違ってブリジュラス、メタグロス、ガオガエン、エンテイにも役割を持ちやすい
  • タケルライコテツノカシラ、アシレーヌなどじめん+どくで弱点を突けるポケモンの参戦
  • 上記の通り霊獣フォルムの環境への刺さりが悪くなり、化身フォルムを採用しやすくなった
といった追い風が吹いた結果、一月半ば時点でなんと霊獣フォルム27位に対し、化身フォルム9位と順位が逆転してしまった。

追記・修正はトルネロスとボルトロスを懲らしめられる人にお願いします。

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最終更新:2024年01月23日 20:07

*1 第9世代現在「じならし」「いわなだれ」「かみくだく」「のしかかり」のみ。「がんせきふうじ」は噛み合っていない

*2 シングル1位は専用Zワザも習得したミミッキュ。ダブル1位は威嚇が解禁されたガオガエン