スーパーロボット大戦MX

登録日:2010/06/02(水) 02:08:48
更新日:2023/12/10 Sun 17:23:21
所要時間:約 6 分で読めます





消え去らぬ戦火

人類は終末への一歩を踏み出そうとしていた…


2004年にPS2で発売されたスーパーロボット大戦シリーズ。後にPSPに移植される。
難易度の低さと程よいクロスオーバーによるなかなか難解なストーリー。そしてラーゼフォン参戦によるかなり良質なBGMが人気。

そして二か月発売延期による後期PVの圧倒的ネタバレ具合も有名である。

【参戦作品(★は新規参戦作品)】


Z、ZZ、Gガンダム、ダイモス、マジンガーZ、グレートマジンガー、ライディーン、マシンロボは原作終了後。

メインはエヴァ、ラーゼフォン、ゼオライマー、劇ナデ、電童。
サブにゲッターG、グレンダイザー、ドラグナー。

またストーリー再現はないが、Gガンダムとライディーンが設定面でかなり食い込んでくる。しかも両者ともラーゼフォンと。

特にエヴァとラーゼフォンの怒涛のクロスオーバーは現在でも評価が高い。
劇場版を含め、グレンダイザーのシナリオ再現度が高めなのも特徴的。
またラーゼフォンとライディーンのオマージュコラボによるクロスオーバーには多分ほとんどのプレイヤーが度肝を抜いた。

逆シャアはアムロνガンダムリ・ガズィのみ参戦。シャアクワトロとしてフルアーマー百式改搭乗。
TV版ナデシコは一部木連メカのみ、無印ゲッターロボはゲッターQのみの登場。

怒涛のクロスオーバーの代償としてゲームの難易度に反比例して物語の複雑さはシリーズでもUX並。
終盤の『なぜなに冬月』は甲児君の解説がなければ理解がかなり難しいだろう。
解説が全くない十文字と加持の二人の会話の理解はさらに難しい。

【プロローグ】

宇宙暦と呼ばれる時代に入り、70年以上が過ぎたころ。
人類の命運を揺るがす事件が立て続けに発生。
突如現れた“MU”との戦いは、MUが東京湾を中心とした地域に正体不明の球状空間を形成、
その中に閉じこもったことでいったん幕を引く。
そしてその直後、後に“セカンドインパクト”と呼ばれる厄災が勃発。
その後も“1年戦争”、“蜥蜴戦争”という大戦。
ほぼ同時に発生した“グリプス戦争”と“デビルガンダム事件”、
バーム星人の侵略戦争やミケーネ帝国、妖魔帝国、恐竜帝国などの侵攻と、地球は未曾有の危機に陥る。
しかしこの事態も連邦軍やスーパーロボット、ナデシコB、新シャッフル同盟らの活躍によって収拾。
バーム星人との和平、グリプス戦争末期に現れた“ネオ・ジオン軍”の撃破に成功する。
だがのギガノス帝国の戦線布告や使徒の襲来、ヒサゴプランに見え隠れする影など、
戦いが終わることはなく、人類は終末に向けてその一歩を踏み出そうとしていた。

【システム他】

  • IMPACT』を元に、支援攻撃を追加。
  • お気に入りシステムの初登場。当時は一作品のみで、増えた改造限界分まで改造しないとフル改造ボーナスを得られなかった。
  • 画面いっぱいのキャラカットインをはじめとする美麗な戦闘アニメはテンポ的にも良好。フィンファンネルは特に別格。
  • 不滅のマシーン・ゲッターロボ、宇宙の王者グレンダイザーなどひと味違うチョイスも含まれた版権BGMはアレンジの質も良い。特にヘミソフィアは神がかっており「好きなスパロボのBGMは?」といった話題になると真っ先に名前が上がるレベル。ジャスコなどさせるものか。
  • 難易度がとてもゆるい。
  • 強力な敵ユニットは少ないのに、ゼオライマーをはじめとする強力な味方は多く存在する。サシでならドラグナーがゼオライマー以上のチート性能。
  • 一部マップは勝手に出撃ユニットを分けて決められるが、難しいというより面倒になるだけ。
  • 八卦衆などの中ボス的な相手のほとんどは、HPをある程度削るかターン経過でイベントが起き勝手に撤退もしくは撃破。
  • この難易度は「初心者もクリアできるスパロボ」を意識したため。
  • どのユニットでも少し金をかけるだけで無双できる程度の難易度になっている。PSP版は敵ユニットのHPが1.5倍というやる気ない難易度調整が行われた。
  • よって存在するのは凄く使える機体と使える機体の二つである。
  • エヴァとラーゼフォンが参戦しているせいか、マップ前後のシナリオデモが長い。とにかく長い。ストーリー楽しみたい人向け。
  • シナリオデモ中の小ネタ、声優ネタがやたら豊富。特に葛城ミサトとベガ他のM石
  • グレンダイザー仕様の賢い甲児が初登場。終盤の『なぜなに冬月』では解説役に回り、冬月先生の難解な説明をマグネイト・テンのメンバーとプレイヤーにわかりやすく砕いて説明してくれる。
  • ロム兄さんがイベント登場する時は、毎回違う前口上でフルボイス。さらにこの時だけは敵もフルボイス。エヴァ量産機すらも。
  • シリーズ最強クラスのエヴァ量産機冥王様にやらせりゃどうってコトないが…
  • ユニットのサイズ補正によりSSサイズユニットには敵の攻撃が当たらない。

当初こそ難易度のあまりの低さから批判が多かったが、
初心者向けと銘打っていること、裏を返せば好きな機体を活躍させられるということもあり現在では評価点として見られている。
難易度自体はちょっと縛れば上げられるので、αと並んで宣伝文句通りの『初心者向け』としてスパロボユーザーからよく紹介される。
ただ、隠し要素がたった4つ(どれも条件自体は非常に簡単)しかないのは今も難点として挙げられる。

【PSP版】

2005年発売。
アニメはベタ移植なので声とアニメがズレることがある。
また敵HPが軒並み上がったので倒せた敵が倒せなくなったりしている。

追加シナリオがあるとは言え、ぶっちゃけ残念移植。
ただPS2版にあった一部のバグがなくなっている。

ついでにロード時間も長く、戦闘アニメに入るまでも長い。
PSP3000ならわりとマシに遊べる。



【オリジナルキャラ】

ヒューゴ・メディオ
主人公……なのだが、他に濃いメンバーが多いため、存在感が薄い。
性格的に優等生なのが、むしろ埋没の原因になっている例。彼がより主人公らしい活躍を見せるのは『第2次OG』を待つことになる。

アクア・ケントルム
水着の主人公。今作の乳揺れ担当。
プレイヤーのターミナス・キャノンをイグニションさせるのが主な役割。
自軍は子供が多いので20代にしてその年齢を気にしてる年増。

アルベロ・エスト
元師匠でライバルポジションな髭親父。影の主人公。

エルデ・ミッテ
性悪ババアな裏の主人公。通称ミッテ先生。エロ担当その2

◇ミタール・ザパト
黒幕として暗躍する気がしたが、そんなことはなかったぜ。
冷酷な科学者だが権力や支配といったものには全く興味がないなど、後先を考えないマッドサイエンティストではない。それどころか「人の持つ力によって機械や人工知能の性能を高められる」「研究は評価する観客がいてこそで、自己満足では駄目」という主張をしていたり、危険な研究題材に警戒心を持ったり、しまいには「自分の研究は金と名誉の為」と断言しているなど、いち科学者としては良くも悪くも現実主義だったりする。
研究の為に他者を平然と利用するが、「自分もまた利用される」ギブアンドテイクが基本。人使いが荒いなりのサポートと対価もきちんと用意するタイプである。
ヒョーゴさんに対しても薬要らずの体に出来るところをあえて必要にしたり、逆に彼が成果を挙げた場合は「今度は薬の要らない(PSPでは少なく済む)体にしてあげた」と宣うなど、パーツ同然と言いながら代えられない存在として評価している。
また、メカの開発に関しては意外にも正統派かつ完成度に定評があり、実験中とはいえ機体は危なげなく稼働し、データが取れた分はきっちり改良して後継機に有効活用してくれる。デザインもアクアの服も含めて本当にあのおっさんが作ったのかとプレイヤーに突っ込まれる位には秀逸なセンスの持ち主。
こんな風にMXでは一言では言い表せられない、マッドだがどこか憎めないところもある人物ではあった。
が、OGシリーズでは……

ゾンビ兵
過去にゾンビ兵と化して戦死しているヒゥーゴの元同僚。生前の名前はフォなんとか。


【オリジナル機体】

サーベラス
リアル系
良くも悪くも普通の機体。どちらかといえば砲撃戦寄り。
頭にキャノンをかぶるデザインは賛否が分かれる。
ヒャーゴの射撃値を鍛えると泣きを見るので注意。

◆サーベラス・イグナイト
強化形態
後年のリボーンズガンダムのように表裏一体変形機体。表が運動性の高いアルト、裏が装甲の厚いヴァイスという認識で問題ない。
フル改造で最強武器の威力の差が100しかないので遠距離形態がかなり強い。強化パーツなしで(ガンファイト込だが)射程10を超えるのは圧巻。
そのためアクアの方がメイン。カットインあるし。
サーベラスが射撃メインだったためにヒューゴの射撃値を養成し、泣きを見たプレイヤーが多い(表形態の最強武器は格闘)。

ガルムレイド
スーパー系
特徴が無いのが特徴。
ガイキング等のコワモテ系スパロボモチーフのデザイン。どちらかといえば格闘戦寄り。
何はともあれイグニション☆

◆ガルムレイド・ブレイズ
強化形態
格闘機のはずだが射撃のほうが強い。
また遠距離形態の方がシールドがある上にリアル系顔負けの超長射程(アクアのガンファイトの影響)なので使いやすい。アクアのカットインもあるしね。
アクアもイグニション☆

いずれの主人公機もターミナス・エナジー(重力、電磁力、弱い核力、強い核力のどれでもない五番目の基本相互作用)を使う永久機関「TEエンジン」が搭載されており
両機体とも「TEスフィア」と呼ばれるある種のバリアとEN回復を備えていることが特徴。
サーベラスには『ディスチャージ』、ガルムレイドには『イグニション』があるが、
実はガルムレイド・ブレイズのほうにも『ディスチャージ』があるのでサーベラスが不遇。

メディウス・ロクス
ライバル機。
ザパト式アルティメット細胞とも言うべき「ラズナニウム」の装甲を持つ半メンテナンスフリーの機体。
アルベロの手で強奪()され、ヒューゴ達の前に立ち塞がる。
進化する度に見た目も体感的な強さも劣化するという悲しいやつ。


【余談】

元々本作は『IMPACT』の2作目として作られ、諸事情で単発作品となった事が後の インタビュー で明かされている
(以前からユーザー間では「前史だけでスパロボが一つ作れる」「実は『IMPACT』の続編だったのでは?」などと言われており、噂が本当だったことが判明した)。
また、本作の主人公の影が薄い理由についても言及され、版権作品に関係するシナリオのブラッシュアップが大変であったためにオリジナルキャラクターの描写に労力を回せなかったことが明かされている。

今作では援護・同時攻撃に合体技も参加できることにより、
アニメーション時間1分30秒を費やす「ファイナルダイナミックシャッフル同盟拳スペシャル」を筆頭にロマンある合体同時攻撃を実現できる。


2011年カタールのドーハにて行われていたサッカーアジアカップの試合終了後。
日本の勝利に沸くピッチ上で何故かこのゲームのOP曲であるVICTORYが流れていた。

多くのスパロボユーザーはテレビの前で「何故にスパロボ!?」と思ったり、「久しぶりにスパロボMXでもやるか」となったはず。
筆者もその1人である。

理由に関しては→VICTORY(JAM Project)



因みに『第3次α』において、『MX』によく似た世界が一度消滅して、その後にαの世界が生まれたような発言をあるキャラクターが語っている。

「…かつて僕がいた世界は、機械仕掛けの神の歌声によって一度死に、生まれ変わった…」
「その世界に住まう者達が望んだ『約束の地』としてね」
「だが、その地もかの者が定めた死と新生の輪廻からは逃れられなかった…」
「その結果、誕生したのが今君達が住まう世界なのさ」

また『MX』のほうでも『無限力』というαの用語も出てきており、単発作品ながらαシリーズとの関係性もある珍しい作品となった。

さらには現在では、第2次OGにおけるユーゼスの発言から、
OG世界のストーリーはα世界が滅んだ後、生まれ変わった宇宙での物語であることが示唆されているため、
本作中では世界は救われているので、消滅したのはあくまでパラレルワールドでスパロボシリーズ全体のストーリーから見た場合、
MX本編の結末の方がIF展開である可能性さえ出て来ている。

しかし、αやOGに限らず、UX、WZシリーズなどでも、気が遠くなる年数を経ていつかは宇宙が滅び、新しい宇宙が生まれるという死と新生の輪廻が起こっているため、
MXから何億、何十億、何百億と年数が流れた後にαの宇宙が生まれたという可能性もある。





追記・修正はメイオウ攻撃とドラグナーで無双しながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SRW
  • スーパーロボット大戦
  • スパロボ
  • ゲーム
  • PS2
  • PSP
  • MX
  • バンプレスト
  • バンダイナムコ
  • ヒョーゴゴ
  • めいおー☆
  • きれいなゲンドウ
  • 前日譚が気になるスパロボ
  • 空気
  • 主人公
  • 水着主人公
  • アックア
  • ヒョーゴ
  • ヒューゴゴ
  • ヒャーゴ
  • イグニション
  • リバーシブル
  • 主人公機
  • TFO無双
  • バイク無双
  • ディジェ無双
  • ブラサレ無双
  • 冥王無双
  • ピンチになったらロム兄さん
  • ⊃天⊂
  • ドーハのVICTORY
  • 初心者向け←シナリオは上級者向け
  • ユルゲー
  • 神アレンジなヘミソフィア
  • 無双ゲー
  • なぜなに冬月
  • 多元世界補完計画
  • 第5の力だよ!!
  • 歌いなさいライディーン
  • スーパーロボット大戦MX

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月10日 17:23