ソシエ・ハイム

登録日:2012/02/18 Sat 12:34:51
更新日:2024/03/05 Tue 15:24:26
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お母様のお嘆きを晴らすためにも
私はカプルに乗るわ 戦うの!



CV:村田秋乃

∀ガンダム』の登場人物。
本作のメインヒロインの一人なのだが、超然的な二人のディアナの影に追いやられてしまった印象が拭えない、富野作品特有の“偲ぶ女”系の立ち位置である。

成人の儀式の日、ロラン・セアックと共に半裸で体に印を付ける儀式の最中、ディアナカウンターが地球帰還作戦を開始し、戦いに巻き込まれる。

そして、ディアナカウンターの放った一撃が村を破壊し、父親が死亡。母親はそのショックで我を失ってしまった。

その後、親友のメシェー・クンの説得もあり、ディアナカウンターに復讐する為ミリシャに加わり、MS『カプル』のパイロットとなった。


【作中での活躍】
北アメリアのビシニティで広く鉱山を営むハイム家の次女。
金髪ロングで縦巻きロールな姉のキエル・ハイムとは違い、短髪で赤みがかった黒髪と、本当に姉妹なのか疑ってしまうほど似ていない。(一応、作劇上の顔立ちはよく似ているのと、女性らしく成長している描写があるので、髪色以外は姉にも劣らない美少女の可能性もある。)
因みに、物語開始当初の13歳時には三つ編みだったが、本編開始の15歳時より短髪のおかっぱという良く知られる髪型に。

活発で、裕福な家のお嬢様らしくわがままな一面もあり、出会い方(キエルと全裸で水浴びしていた所で溺れたのを救出)をしたこともあってか、それとなく気になる存在であるらしい使用人のロラン・セアックを挑発するような所があったり、まだ月との戦争が始まる以前から親友のメシェーの所に(ロランも付き合わせて)飛行機の操縦を習いに行っており、この経験から開戦後はミリシャの主力の一人としてロラン、メシェーと共に前線で戦っていくことに。

アニメ本編では搭乗機のカプルたん不適切不適所な地上戦が多かったこともあってか、あんまり活躍しているような印象が無いが、何気に開戦直後から終戦までを無傷で戦い抜いた歴戦の勇士なのだ。
実際、カプルの能力を活かせる海戦(だが相手は空飛ぶ戦艦……)では、カプルの能力をフルに発揮してロランをサポートしたりと、パイロットとしての技量や適正は決して低くはない。
一方、開戦の切っ掛けとなってしまった地球に殿として降りてきたポゥ少佐のウォドムの射った大出力ビーム砲により、屋敷が被弾した上に敬愛する父を失っており、その経験もあってか同じく戦争に参加しながらも、それぞれの想いや事情もあってか冷静であるように努めようとしていたロランやキエルとは違い、ムーンレィスへの敵愾心を隠そうともせず、戦力差も鑑みずに向こう見ずな特攻を仕掛けようともした。
そんな、猪突猛進なところからリリ・ボルジャーノからは「特攻娘」とまで呼ばれており、現在でもソシエ(とメシェー)の愛称として使われてたり。

ミリシャの主力となったホワイトドール(∀ガンダム)を駈るようになっていたこともあって、相変わらずツンツンした態度を取りつつも以前よりロランを頼りにするようになっていたものの、それ故にロランが「お父様の仇」であるムーンレィスに同情的なことには納得がいかず、衝突することもあった。
そして、戦力ではなく普通に地球で暮らすことを望んだムーンレィスの家族との一件にて、地球人の差別意識を目の当たりにしたロランの告白により、ロランがムーンレィスであることを知った時には、怒りと混乱から「裏切り者」と言い放ちビンタをした。
しかし、ロランの心を全く理解していなかった訳でもなければ、戦争を通して何だかんだでムーンレィスも同じ人類なのだと実感していたこともあってか、この一件以後は憎しみの心も落ち着いていき、同時に地球の人々の為に戦うロランへの恋愛感情を自覚するようになったと思われる場面が増えていった。

しかし、それぞれの陣営のトップである筈のディアナやグエンの思惑を越えて戦いは激化。
ディアナの暗殺を目論んでいると思われる月の勢力の介入もあってか、首都イングレッサが陥落し、イングリッサ・ミリシャはルジャーナ・ミリシャと合流するべく移動することに。
そして、そこでそんなソシエの元気で明るい姿を気に入った、ルジャーナ・ミリシャの主力であるスエサイド部隊の隊長ギャバン・グーニーから求婚をされることに。
いきなりの求婚に思い悩んだソシエだが、ギャバンの紳士な態度とメシェーの後押しといきなり姉*1とイチャイチャし出したロランへの当て付けもあり承諾した。

だが……戦争が拡大しつつも必要としてくれる人間も現れ楽しかった日々も束の間、地球側に対抗してロストマウンテンを調査していたムーンレィスが掘り出ししてしまった核爆弾を巡る無知な者同士の争いの末に、起動してしまった爆弾の爆発に巻き込まれてギャバンは死亡してしまう。

ギャバンの死を受け止めた後、ホワイトドールの掌から爆心地を見つめ、プレゼントされたウェディングドレスを纏ったソシエが発した「ギャバーーーン!ウェディングドレスを着た私は綺麗でしょーーー!」と叫び弔った場面は『∀ガンダム』を代表する名場面の一つである。

ギャバンの死後は、より深く戦争の意味を知ると共にミリシャに加わるムーンレィスも多く出たことや、ディアナ(キエル)が建国宣言となる筈の式典で放った人類共存の道などを自らの耳で受け止める中で、自身が戦争に参加する意味を改めて考えると共にロランやキエル(ディアナ)、ハリー達とも思いを同じくしていく。
また、ロランとは起爆を免れた核爆弾を預かる場面に帯同していたことで秘密を分けあっており、そのことで以前よりも急接近したのも精神的にプラスに働いていたような面も。

その後、遂にムーンレィスの本拠地である月にまで到達した所で合流したディアナとキエルとの会話の中で、実は父親の墓参りの時点から暫く姉キエルとディアナが入れ替わっていた事実を知ることになり、心の底に蟠っていたムーンレィスへの憎しみが完全に消え去ることに。
実際、知った当初こそ混乱していたものの月での一件が終る頃にはキエルもディアナも纏めて私のお姉様でいいでしょと軽口を聞ける程になっていた。そして、その影で御曹司が暴走するのである。


戦後、ディアナカウンターとミリシャが協力してギンガナム艦隊を打ち破った後にロランに自分の気持ちを伝えたと思われるが、ロランはディアナの余生を共に過ごすことを選び、涙を流しながらキスを交わし別れた。*2
因みに、エピローグでは本編より髪が伸びておりとても美人。

ロランの残していった金魚を出会いの場所であった川に投げ捨て、月に向かって泣き叫ぶ彼女のラストシーンは貰い泣きものである。

あまりにかわいそうなラストのせいか、小説では佐藤茂版、福井晴敏版ともにロランと結ばれる結末となっている。



◆搭乗機体
  • カプル
  • ボルジャーノン
  • フラット
  • ∀ガンダム



◆ゲーム

スパロボ、Gジェネ等のSRPG系では、∀ガンダムは比較的大筋が改変されることが少ない作品であるため、基本的に原作と同じ展開になる。
しかしギャバンが生き残ることも多いので、彼の愛を受け入れるという選択肢が残される分まだ救いがあるかもしれない。

能力としては典型的なサポート系。
カプルでサポートに回れないこともないが、機体性能に不安が残るので使うならもっと生存性に優れた機体を選んだ方がいいかもしれない。
ただしGジェネシリーズでは、最終的に(成長が晩成型で育成に手間こそかかるが)総合能力値がトップクラスのロランに次ぐ強さにまで成長する。



◆名言集

「お母様のお嘆きを晴らすためにも、私はカプルに乗るわ。戦うの!」

「ぶー―――――――――――――ん」

「嘘つきロラン!」

「あの女が地球に降りてきたおかげで、お父様は死んだのよ!」

「格好だけで機械人形の戦いが出来るもんですか!」

「ロラン、手がみえる…運転してる人、出たがってる…」

「特攻娘ぇ!?どういう意味よ!」

「たった今から、ここを私の機械人形、カプルの基地にすると宣言します!」

「それでも戦えるんだ…すごいんだね、ロランは」

「戦力が足りない分は気合でカバーするのよ!」

「この子って水中の方が得意みたい」

「一人で出撃しようなんて抜け駆けは許しませんからね!」

「ギャバー――ン!ウェディングドレスを着た私は綺麗でしょー――!」

「この際、どちらも私のお姉さまって事にしてくれません?」

「チョキでグーに勝てるわけないでしょ!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」









追記・修正娘ぇ!?どういう意味よ!

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最終更新:2024年03月05日 15:24

*1 実は入れ替わったディアナ様。

*2 本作の制作当時の思い出を中心に書かれた富野の自伝『∀の癒し』によれば、ソシエはロランがキエルに憧れ、ディアナを尊敬し、ソシエ(自分)を愛しく思っていたことをわかっていたから“ロランをディアナ様にあげた”と表現している。また、ディアナもロランだけでなくソシエを十分に知っていてもなお、ロランに自分を見取ることを“頼んだ”としており、その三者三様三方向に思いやりがありながらも、一人は残していく形になったのがロランとソシエのキスから目を背けるディアナという構図になったのだと思われる。