モンスターコレクション

登録日:2011/08/04(木) 10:17:47
更新日:2020/12/31 Thu 13:07:52
所要時間:約 5 分で読めます




カードに封じた神秘の魔獣

魔剣魔術大魔法

魔境の力を解き放ち

召喚術の頂点を極めろ


モンスターコレクションは1997年に富士見書房から発売されたトレーディングカードゲーム。
  • 開発:グループSNE
  • メインゲームデザイナー:加藤ヒロノリ(グループSNE)
  • メインディベロッパー:杉浦武夫(グループSNE)
通称モンコレ。

2000年にはモンスターコレクション2としてルール改正が行われており、2009年にはブロッコリーで新展開開始(Gレギュレーション 但し序盤はアニバーサリーシリーズ)。
2011年からはブシロードに販売が移行、カードデザインもリニューアルされ2014年まで続いた。

それ以降は2017年に20周年記念として記念商品「20th Anniversary」シリーズがKADOKAWAより発売され、
2019年5月には同社から対戦型TCGとして大幅にルール変更された新作「モンスター・コレクションDeus」が登場している。


【背景設定】 
舞台は六つの属性とそれらの源である「門」に囲まれた「六門世界」。
プレイヤーはモンスターを「真の名」によって召喚使役する召喚術師(サモナー)として活躍していく。

基本召喚術師は人間限定の職業で、人間のみ他者から召喚されることがない(=召喚術師カード以外の人間ユニットが富士見書房版の一部セット以外では存在しない)。これは人間の「真の名」を解読出来ないため。ちなみに人間は他生物と違い属性を2つ保有している。
またブロッコリー版の「六芒世界」では人間からも「真の名」を知る力が失われたため、その能力を保持する先祖の霊を降霊させ召喚を行う「前世召喚」が発明されていた。
公式小説内の様子を見るに、召喚時に用いる召喚符は基本『妖怪ウォッチ』の妖怪メダルの様な仲介道具にあたるもので、いつも故郷で暮らしているモンスターに有事のみ呼び出しを掛けている。
なので一部作品ではモンスター種族が召喚術への抵抗手段を得て反攻に出たり、召喚術師へ物理攻撃して召喚中止・強制送還を狙うケースもあった。

なお設定的には富士見書房版の未来がブロッコリー版(世界名が「六芒世界」)で、ブシロード版はブロッコリー版のドラマCD「暗黒卿の秘儀」で生まれたパラレル歴史の世界。
『20th Anniversary』は富士見書房版のテキスト『シルクの手記』・『ミルクの手記』(『ホーリィの手記』後日談)のリブート版で、ブシロード版の世界観やブロッコリー版のキャラとコラボしている。『Deus』の位置づけは今の所不明。

【ゲームの流れ】

注:富士見書房・ブロッコリー版基準での説明となっております。

他のTCGと大きく違うのはライフを削ったりダメージを比べたりするのではなく、互いの本陣から地形を配置して進軍し、戦闘を繰り広げながら相手の本陣を先に落とした方が勝ちという陣取りゲームの要素を持ち合わせていることである。

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互いのプレーヤーは50枚からなる山札(デック)の一番上のカードを裏側表示で上記のような戦場の■の場所に本陣として配置してゲームを開始する。
また先攻後攻などは全てダイスによって決定するため戦略だけでなく運の要素も必要となる。

①第1手札調整フェイズ手札を破棄したり山札から補充したりして手札を上限枚数に調整する。ただし、先攻第1ターンには存在しない。

②メインフェイズ
地形配置、進軍、儀式スペル使用、装備品持ち替えの4つの行動を可能な限り好きな順番で実行出来る。

③普通召喚フェイズ
手札のユニットカードを自軍本陣に召喚する。

④第2手札調整フェイズ第1手札調整フェイズと同様に手札を調整する。

⑤終了宣言フェイズ
自分のターンの終了を相手に宣言する。


【戦闘の流れ】

ユニットのいる領土に進軍するor進軍されると戦闘となる。

①即時召喚タイミング
手札から特定のユニットを召喚したり、装備品を装備・破棄させることが出来る。

②隊列変更タイミング
戦闘に参加しているユニットの隊列を変更出来る。

③イニシアチブ決定タイミング
ダイスを振って先攻、後攻を決める。

④先攻普通タイミング
先攻側が攻撃などの行動を実行する。

⑤後攻普通タイミング
後攻側が攻撃などの行動を実行する。

⑥同時攻撃タイミング
イニシアチブ決定タイミングの結果が同じ場合は同時攻撃タイミングとなる。この際、特殊能力、アイテム、戦闘スペル、地形などのあらゆる効果が失われる。

⑦戦闘終了タイミング
戦闘が終了したことを確認する。戦闘終了時に相手のユニットを全滅させていれば進軍は成功となり、逆に一体でも残っていると進軍は失敗となる。


これらの行動を繰り返し、最終的に敵軍本陣への進軍に成功すれば勝利となる。


【カードの種類】

◆ユニット
いわゆるモンスターカード。このカードを本陣に召喚して相手の本陣目指して進軍させる。
ユニットにはレベル、攻撃力、防御力の他、属性、進軍タイプ、種族等が表記されている。またアイテム、スペル、特殊能力を使用出来るユニットも多い。
なお属性はの六種類。
進軍タイプは歩行、飛行、長距離飛行の三種類。
種族はドラゴンやエルフ、デーモンなどのメジャーなものからハイランダーやスポーンといったマイナーなものまで多々存在する。
また、ユニットの中には英雄と呼ばれる強力なものも存在しており、英雄は召喚時に記載された英雄点だけ山札からカードを破棄しないと召喚することが出来ない。

◆アイテム
ユニットが使用できる道具。大別して消耗品と装備品の二つが存在する。使用するにはアイテム枠が必要。
消耗品は文字通り使いきりのアイテムで一度しか使えない。また戦闘中のみ使用することが出来る。
装備品は装備している間はずっと効果を発揮する。主に攻撃力や防御力をアップする他、装備者に特殊能力を与えるものなど様々な種類が存在する。また戦闘中以外でも効果を発揮するものもある。

◆戦闘スペル
ユニットが使用できる魔法。
召喚するにはスペル枠が必要。スペル枠はそれぞれの属性しか使えないもの()と全ての属性が使用できるマルチスペル(●…真ん中に白抜き文字の*が書かれる)がある。
中にはスペル枠を二つ以上消費する戦闘スペルも存在する。

◆地形
地形カード。地形にはリミットというものが存在し、ユニットの合計レベルはそのリミットの数字以下で無ければならない。また特殊な効果を持つ地形も多い。
進軍するためには必要不可欠であるが、地形カードが手札に無い場合、山札の一番上のカードを裏側表示で配置することで代理地形とすることも出来る。なお代理地形のリミットは8である。

◆儀式スペル
戦闘スペルと違い、プレーヤー自身が使う魔法。使用条件としてストーンサークルなどの特殊な地形を支配していなければならないが、強力な効果を持つ魔法を使うことが出来る。
かつては重儀式デックが猛威を奮ったが、モンコレ2でルール改正の煽りを受けて弱体化。ブロッコリー版では儀式スペルの能力を持った儀式地形に取って変わられている。
そして儀式スペルの復活は、モンスター・コレクションDeusを待つことになる。

◆召喚術師
富士見書房版後半と『20th Anniversary』・『モンスター・コレクションDeus』のみに登場するカード。
本来はモンスター達を操るプレイヤーを指すが、このカードが登場するセットでは「世界における主役級キャラ」を示し、カードごとに異なる継続効果を自軍に与える。
同時にフレーバーテキスト・小説登場キャラのカード化でもあり、一部サモナーでないキャラやモンスターユニットがいるのはご愛敬。
ちなみに『20th Anniversary』・『モンスター・コレクションDeus』でカードに書かれている「クラス」は、TRPG版で設定されたものをベースにしている。



【メディアミックス】
複数パターンがあるが、基本公式サイドでは媒体によって多少パラレル設定はあれど小説版・TRPG版・『魔獣使いの少女』・『ドラゴン使いのアーニャ』・ドラマCDを「正史」準拠扱いとしている。
ちなみに同じ制作元でブロッコリー版の前一時期展開されていたTCG『マグナ・スペクトラ』は、本作の遠未来を描いたものという裏設定があったり(「六芒世界」やブシロード版以降との関係は不明)。

◆公式メディアミックス関係の時系列

『魔法帝国の興亡』(北沢慶、同名カードセットの背景小説)

『ホーリィの手記』(加藤ヒロノリ、フレーバーテキストの小説化)

『アーヴィン英雄伝』(北沢慶、フレーバーテキストの小説化)

イエル編→エルリク編→『召喚師マリア』(北沢慶、左から父→長男→長女の順で主人公となる。イエル編の題は初期のカードセットから来ており、『召喚師マリア』のみTRPG版よりの演出)

『六門世界』(安田均、主人公の名前から「リコル編」とも。TRPG版リプレイ『追え!悪魔天使の野望』はこの小説の後日談で、TRPG版ではこの小説時期を基準に「BR(ビフォアーリコル)」・「AR(アフターリコル)」と年号表記している。)

『仮面の魔道士』(高山浩、同名PS版ゲームのノベライズ)

『魔獣使いの少女』(漫画作品、『仮面の魔道士』から数十年後。TRPG版の時代、AR50年頃。)

『灼熱の百年戦争』(高山浩、同名カードセットの背景小説)

(TRPG版サプリメント『エレメンタルストーム』での事件を機とした災厄で文明崩壊)

『烙印ゼミナール』(大井雄紀 ブロッコリー版と同時代を描いた小説)

(フレーバーテキスト原作のドラマCD『魔剣の姫君と暗黒卿の秘儀』の結果歴史改変が発生、歴史の細部が異なるパラレル世界が誕生)

『モンスター・コレクション・サモナーズ』(加藤ヒロノリ、ブシロード版フレーバーテキスト「ある召喚術師の回想」前半のノベライズで、改変前の歴史では『エレメンタルストーム』の少し前の時期)

(『20th Anniversary』版フレーバーテキスト「シルクの手記」・「ミルクの手記」)


●小説版
制作元であるグループSNEの所属者が手掛けたシェアード・ワールド作品群。富士見ファンタジア文庫で展開された(『モンスター・コレクション・サモナーズ』のみ富士見ドラゴンブック)。
ブースターの内容をベースに六門世界の語られざる歴史を綴っており、特に「ホーリィの手記」は展開初期に掲載されたフレーバーテキストのリブート版にあたる*1
TCG版メインデザイナー加藤ヒロノリが手掛ける作品は小説・リプレイ共に濃い変態キャラが定番となっている

●TRPG版
『六門世界RPG』として発売(1版と2版「六門世界RPGセカンド」がある)。サモナーだけではなく他の職業も選ぶことが出来、カード版の一部フレーバーは第1弾リプレイと連動していた。
但し媒体の違いから同時召喚数は高レベルでも1桁代に留まっており、代わりにモンスターにもレベル制が導入されている。
標準時代設定は漫画『魔獣使いの少女』と同時期とされているが、2版ラストのサプリメント『エレメンタルストーム』とそのリプレイ『羽根のないアリス』では『灼熱の百年戦争』以降の時代を舞台に、ブロッコリー版への橋渡しが行われた。
なおTRPGリプレイシリーズの内1版・2版を跨いで展開された「スカーレット」シリーズは同じ作者の『ホーリィの手記』と繋がっており、ラスボスが小説キャラの「娘」となっていた(但し変態キャラが多いので読む人を選ぶ作風)。


●漫画版
  • モンスターコレクション~魔獣使いの少女~(伊藤勢)
TRPG版は一部作品を除いてこれと同じ時代(安田版『六門世界』から約50年後)を標準背景にしている。

  • モンコレモンスターズ(金澤尚子)

  • モンスターコレクション デーモン・ハート(西川秀明)
地球人の少年が六門世界へと飛ばされ、召喚術師となるダークファンタジー。
カードの設定が「封印具」扱い等パラレル設定が多数あるが、比較的背景世界の描写に寄せている。


  • モンスター・コレクション~ドラゴン使いのアーニャ(こゆき)
ブシロード版の前日譚的内容。


●アニメ版

●ドラマCD

  • 召喚士マリア 出会いには花束を、小さき恋に別れの涙を。
同名小説のCD版。

  • モンスターコレクションTCG ドラマCD 七星魔導史マフィン伝「魔剣の姫君と花園の歌姫」「魔剣の姫君と女神候補生」「魔剣の姫君と暗黒卿の秘儀」
ブロッコリー版のフレーバーテキストを原作としたもので、魔剣使いのアンデッド姫ドリブラ(水橋かおり)と変態ハイエルフ錬金術師マフィン(杉田智和)の冒険を描いている。

●ボードゲーム版

  • モンスター・コレクション・ボードゲーム 六門戦記

  • モンスター・コレクション・ボードゲーム 中原の征服者



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―――アニヲタの手記

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最終更新:2020年12月31日 13:07

*1 但しフレーバーテキスト版・雑誌連載版・文庫版で差異があり、ブロッコリー版のアニバーサリーカードでさらにパラレルな物語が綴られている。