森近 霖之助

登録日:2010/05/26 Wed 18:21:06
更新日:2024/03/18 Mon 16:52:00
所要時間:約 19 分で読めます






カランカラン

「なんだ霊夢か。勝手に居間まで上がってくるなっていつも言っているだろ?」


森近(もりちか) 霖之助(りんのすけ) とは、東方Projectのノベライズ作品『東方香霖堂』の主人公を務める男性である。
同作以外にも書籍を中心に複数の東方作品に登場している。




【概要】

英語表記 Morichika Rinnnosuke
種族 人間と妖怪のハーフ
二つ名 動かない古道具屋 (『香』)
香霖堂店主 (『求』)
古道具屋店主 (『儚』)
知足不辱の古道具屋 (『茨』)
古道具屋のキュリオスフェロー (『鈴』)
能力 未知のアイテムの名称と能力が判る程度の能力 (『香』)
道具の名前と用途が判る程度の能力 (『求』)
テーマ曲 *1


人里と魔法の森の境目で、古道具屋『香霖堂』を営み暮らしている青年。
東方Projectにおける数少ない男性キャラではあるが、基本的に彼が登場するのは書籍作品のみである。
東方Project原作者のZUN氏は霖之助について「弾幕撃つかも」と語ってはいるものの、当の霖之助本人は荒事を好まない性質であることや、また「弾幕ごっこは少女の遊び」とされていることから、これからも恐らく参戦予定はないと推測される。
作中では魔理沙が時折彼について言及する事や、黄昏フロンティアとの共同製作作品において香霖堂がどちらも魔理沙の担当ステージとして扱われる点から、公式からはアリス成美同様に魔理沙サイドの人物として扱われている模様。

ちなみにZUN氏によると、彼のコンセプトは東方Project及び弾幕ごっこの主役である「少女達」に対する「大人の男性」であるらしい。

【登場作品】

●出演作品
東方香霖堂 ~ Curiosities of Lotus Asia.(主人公)
東方儚月抄 ~ Silent Sinner in Blue.
東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡
東方三月精 ~ Oriental Sacred Place
東方茨歌仙 ~ Wild and Horned Hermit.
東方鈴奈庵 ~ Forbidden Scrollery.(第26話にて本格登場、モブとしては第2話から)


●背景出演作品
東方心綺楼 ~ Hopeless Masquerade.(人間の里ステージの背景モブ)


●直接ではないが言及されている作品
東方文花帖 ~ Bohemian Archive in Japanese Red.(記事)
東方求聞史紀 ~ Perfect Memento in Strict Sense.(項目)
東方萃夢想 ~ Immaterial and Missing Power.(魔理沙の台詞内のみ)
東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.(魔理沙の台詞内のみ)
東方緋想天 ~ Scarlet Weather Rhapsody.(魔理沙の台詞内のみ)
東方星蓮船 ~ Undefined Fantastic Object.ナズーリンの台詞内のみ)



【容姿】

銀髪のショートヘアに金色の目をした、背の高い青年。
常に黒縁の眼鏡を掛けており、Windows版作品の登場人物としては初めてとなる眼鏡を常用する人物である。
青と黒を基調とした和服がトレードマークで、その服には太極印をあしらった前掛けがついている。
また腹部には小型のポーチが取り付けられている。
『香霖堂』一期第1話では戦闘で服が破れた霊夢がこの服を勝手に借りて店内で身に着けている。いくら付き合いが長いとはいえ人の服を、それも異性の服を着ておいて”服が大きすぎて動きにくい”と文句を言う辺りはさすが霊夢といった所である。



【性格】

自他ともに認める、”商売人向きではない”性格の持ち主。
前述の通り古道具屋を経営しているが、残念ながら繁盛からは程遠い状態にある。
それもそのはずで、店主であるはずの霖之助は気が向いたときしか営業しない。
読書や考察等に夢中で休業を宣言する事もままある。
人妖である彼なりの配慮があるとはいえ、魔法の森の外れという人間も妖怪も寄り付かない最悪の立地を選んでしまったのも客足が遠のく一因だろう。
肝心の商品だが、基本的な入荷が無縁塚等からの拾い物や菫子のようなごく一部の人物から提供された物に限られている。
そうして苦労して商品を仕入れても、便利な品はすぐに”非売品”と称して私物にしてしまう
挙句の果てに霊夢や魔理沙をはじめとする“厄介な来客”から商品を奪われたり壊されたりしても苦言を呈する程度で済ませている。


このように作中では商売下手というイメージが強いものの、数少ないまともな顧客の咲夜との取引では商品について流暢な説明をして商談を成立させている。
さらに妖夢が紛失した人魂灯を取り戻しに来た際には、人魂灯を”売る”代価として妖夢に力仕事をさせており、むしろ駆け引きは巧い方である。
ちなみに他作品でも似たような事をしているのか、香霖堂の名前は出てこないものの『星蓮船』ではナズーリンが古道具屋でご主人の宝塔を発見すると (恐らく値段を) 随分と吹っ掛けられたという。
また『求聞口授』でははたて”天女の羽衣が古道具屋に並んでいる”と記事に書いており、故買*2に関するテクニックは相当である事が判る。
作中では霊夢や魔理沙と話す事が多いのでタメ口が多いが、客と認識した相手と話す時は敬語を使う。
その反面嘘を吐く事が苦手で、動揺するとすぐに態度に現れる。


常に新しい事を考え続ける事でより多くのアイデアを生み出そうと考えており、そこから捻り出した奇抜な発想を得意とする。
事実、『香霖堂』では魔理沙や霊夢に様々な考察や蘊蓄(うんちく)を披露している。
このような蘊蓄を語る時はオタク特有の饒舌になり、『香霖堂』一期第1話では全巻数不明のコンピュータ関連の本を発見した所、円周率やら満月やら16進数やら回りくどい妄想を展開しながら”15は完全数”、すなわちこの本は全15巻に違いないと断言している。
そのしばらく後に魔理沙から”裏表紙に全15巻と書かれている”と指摘された。
また大きな骨の化石を発見した際には、”名前の無い時代の骨が龍神になるために骨になってから大きくなった”という持論を力説していた。


『香霖堂』巻末の後書きにおいてZUN氏から「妄想」と言われているように、霖之助の語る蘊蓄は我々にとってはともすれば荒唐無稽に思える。
とはいえ、ぶっ飛んでいるのは基本的に外の世界に関する考察のみで、神学や魔法の知識をはじめ幻想郷における知識は本物であり、その知識量も相当なもの。
ウィジャボードの解読が出来る事などからも、幻想郷の住人には珍しく複数の外国語について知識を備えているようだ。
「幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!」と言わんばかりに的中させた考察もいくつか存在する。
ちなみに普通の蘊蓄も色々と語っている。


このような霖之助が見たいという方は、2008年春発売の『香霖堂』単行本をお買い求m (おや、レティが来たようd( (翌) 春ですよー!!


大の”外の世界の道具マニア”で、好奇心の強さもあって外来品が絡むと幻想郷の外れにある危険地帯の無縁塚にまで単身向かうほど。
裏を返せば興味が湧く事柄がなければほとんど外出しないので、『文花帖』で「日光を避けて暮らす事に詳しい専門家」と皮肉を書かれている。
外の世界の技術に対する憧れも強く、コンピュータを使いこなせるようになるのが将来の目標だという。

一見すると達観した性格に見えるがその実向上心がとても強く、外来品に執着するのも外の世界の技術を取り入れる事でより自分の知識を生かせるようになろうと願っているからである。
個人の店を持つ前に魔理沙の実家で働いていたのも、霧雨道具店が人里でも最大手のお店である点をふまえるとそうした考えがあった事が窺い知れる。

こうした向学心は自身のみならず他者にもそれを要求する傾向があり、巫女でありながら神様についての知識が不十分な霊夢や、星を模した魔法を好むにもかかわらず精密な渾天儀を発明したのがだと知ると彼女から学ぶ事に対し露骨に不満を示した魔理沙をたしなめている。


その一方で夢見がちな点が見受けられ、”草薙の剣”らしき刀を拾った事で幻想郷の天下が自分の物になると本気で思い込んだり、『香霖堂』一期後半から書き始めた日記を書籍化して販売し大儲けしたりといった茨霊夢顔負けの皮算用をやらかす事がある。


また、霊夢をはじめ東方作品の少女達は想像を超えた行動に出る事が往々にしてあるため、それらを一つ一つ考えていると精神が保たない事から「理解できない事は気にしない」ように心がけている。


ちなみに商売人としての善悪には独自の基準が有り、その点では律儀な男である。
盗品や落し物であることを知っていても「拾ったものは全て商品」として扱う傍ら「生きている物は決して商品としては扱わない」など明確な線引きがあるようだ。
このポリシーは初出から10年ほど経った『香霖堂』二期第4話でも言及されていて、成美が店内の菫子を見て (どこまで本気かは判らないが) 「外の世界の人間が入荷してたなんて」と霖之助に値段を尋ねたのに対してきっぱりと否定している。
菫子自身は”一応”客という事らしいが……。


毎年秋の彼岸には無縁塚に赴いてそこに葬られた無縁仏を弔っている。
ついでに外の世界等から流入した珍しい品物を漁っているが、決してこちらがメインの目的ではない……はず。


また喫煙者であり、嗜好品全般を「人間や妖怪の心の尺度を測る良い指針」と見做している。その事もあってか『香霖堂』二期第5話で菫子に喫煙を強く批判された時にはあからさまにショックを受けていた。



【来歴】

魔理沙が生まれる前は人里で暮らしていた霖之助は彼女の実家である霧雨道具店で働いており、”霧雨の親父さん”に師事して商売の修行をしていた。
その後自分の能力を活かすために独立を決意し、現在の香霖堂を開いたという。
魔理沙が物心ついた時にはすでにこの場所に香霖堂を開いており、魔理沙とはその頃からの長い付き合い。そのせいか魔理沙が彼に影響を受けたことも1つや2つではなく、後述する「ミニ八卦炉」や「星の魔法」、「金属の収集癖」など魔理沙の人格形成に大きく関与している。
また、実は「森近 霖之助」という名前は香霖堂を開いた際に自分で名付けた物。
香霖堂の場所から、魔法の”森”の”近”く。”霧雨”と”森”を合わせて”霖”。という魔理沙曰く「単純な名前」である。
今の名前を名乗る前に何と呼ばれていたかは不明。
現在の名前を基にすると、霖之助は五行で言うところの”水”らしい。


また霖之助は人間と妖怪のハーフであるが、その誕生に至った経緯は不明。
ハーフと表現されているが人間と妖怪の性質半々ではなく人間の病気 (主に身体の病気) にも妖怪の病気 (主に精神の病気) にも罹りにくい良いとこ取りである。
その上食事は不要で通常の人間よりも遥かに長い寿命を持つ。
魔理沙に「あいつは昔から姿も中身も何一つ変わっていない」と言われる辺り、不老か老いるのが極めて遅いものと思われる。
博麗大結界成立以前の外の世界を知っているという作中の描写から最低でも130歳以上と考えられるが、それ以上に断定できる描写はない。


【能力】

"道具の名前と用途が判る程度の能力"というのはそのままの意味で、全く知らない道具も一度手に取るだけで名前と何に使うかが分かる能力である。
ただ直接戦闘には全く役に立たないからか、魔理沙からは「生かすも殺すもない中途半端な能力」だと内心思われている。
しかし「何に使うのか」は分かるが、「どう使うのか」は分からない。
その為霖之助は使用方法を想像で模索することになり、時には用途を勘違いしてしまうこともある。しかし本人はあまり気にしていない様子。
また使用方法を正しく理解しても、便利ならそのまま”非売品”として私物にしてしまう。
但し仕入れ値はほぼタダなので、殆ど丸儲けである。


しかしこの能力にも限界はあり、”名前が無い時代の物””名前を付けられなかった物”の名前や用途を探る事は出来ない。
そもそも霖之助はこうした品物に名前を付ける事を「神の力を無断で借りる行為であり、己の驕りでしかない」として良しとしない。
とは言え能力を利用した研究には余念がないようで、『香霖堂』一期第21話では店内で醸造を始める事で米がどの段階からお酒になるのか調べようとしていた。


上記の能力とは別に「道具を作成・改良する技術」に長けており、意外と器用である。
魔理沙のミニ八卦炉や霊夢の衣類、お祓い棒等は彼が作成した物である。
魔法の知識も豊富で霊夢や魔理沙、咲夜などに基礎的な理論を教えたりする事もある。
さらには道具を”溶かして混ぜる”ことで道具の概念ごとその機能を付与するという謎の技術も持っている*3
このため読者からは前述のマジックアイテム作成技術と合わせ、こちらの技術の方が自己申告の能力よりよほどチートなのではと言われている。
……ただしそれでも店は儲からない。現実は非情である。



【対人関係】

霧雨 魔理沙
東方Projectの看板娘である、普通の魔法使いさん。
霖之助は昔魔理沙の実家でお勤めしていた縁から彼女を人一倍気遣っている。
彼は魔理沙を呼び捨てにし、魔理沙は霖之助を屋号の”香霖”と呼ぶ。

魔理沙が愛用するマジックアイテムである”ミニ八卦炉”は霖之助から譲り受けた物で、その修繕に当たって普段の霖之助なら即刻非売品にするであろう貴重なヒヒイロカネ (オリハルコン) でミニ八卦炉をコーティングしている。
ミニ八卦炉を修理した対価として”天下を取る程度の力”を持つ”草薙の剣”を手に入れたが、魔理沙の笑顔が見られるなら対価はいらなかったなどということを宣っている。

また魔理沙は星に因んだスペルカードを好んで使用するが、そのきっかけとなった出来事が『香霖堂』一期第22話の流星祈願会で描かれており、数多の流れ星に感銘を受けた魔理沙は以降星をイメージした魔法を扱うようになっていった。
魔理沙の蒐集癖の原因になったのも霖之助で、特に魔理沙が鉄くずを好んで集めるのは彼女の幼少期に実家を訪れた霖之助と魔理沙の親がヒヒイロノカネを巡って口論していたのを目にしていたからである。

現在でも霖之助は魔理沙が集めた鉄くずを不定期的に引き取っているが、この中に掘り出し物(草薙の剣など)が結構有るというのも皮肉な話である。この件で霖之助は魔理沙に内心では頭が上がらないのだが、それを悟られまいと振舞っている。
……が他作品での魔理沙のコメントから察するに、細かいことは知らないものの取引が霖之助にとって有利になっている事くらいは見透かされてしまっているようだ。

ちなみに霖之助は独立してから大分経った現在でも”霧雨の親父さん”、つまり魔理沙の父ないし祖父との交流を陰ながら続けている。魔理沙は実家と縁を切っているため、今なお実家の件で彼女に気を遣う霖之助を疎ましく思う事もある。
しかし魔理沙は頻繁に香霖堂に顔を出しているので、本心では霖之助を悪く思っていないのは確かだろう。
ただ『鈴奈庵』では空想が混じる事がある霖之助の蘊蓄について「話半分に聞くに限る」と辛辣な意見を述べている。


博麗 霊夢
東方Projectの看板娘である、楽園の素敵な巫女さん。
魔理沙の親友という事もあって霖之助は幼少期から霊夢を見守っている。
基本的に他者を呼び捨てにする霊夢にしては珍しく、霖之助の事はさん付けで呼ぶ。霖之助からは魔理沙同様呼び捨てである。
現在でも霖之助は普段からタダでお茶をあげ (パクられ?) 、高い方の茶葉と茶菓子を持ち出されても小言だけで済ませているほど態度が柔らかい。

昔から霊夢を気にかけているようで『萃夢想』では魔理沙を通して三日置きに繰り返される宴会について心配している旨を伝えている。
霊夢も霊夢で霖之助を「ああ見えて繊細」と評しており、付き合いの長さが窺える。
繊細だけど、放っておけば良いと思うけど

香霖堂にはなぜか霊夢専用の湯飲みが置いてあり、彼女にとって香霖堂は別荘のような物かも知れない。
また霖之助は博麗神社の由来について知っているらしい。
他にも魔理沙と霊夢にはかなり甘く、看病してあげたりコーラを奢ったり膝の上に乗せてあげたり (膝の上の聖域) している。


十六夜 咲夜
紅魔館吸血鬼に仕える、完全で瀟洒なメイド長。
霖之助にとっては数少ないまともな顧客。
とは言え咲夜は相手の都合も考えずに夜遅くに来店したり*4商品のティーカップのすり替えを行ったりしているので一般的に見てまともな客かは判断しかねる点がある。
霖之助からすると主人であるレミリアの方が人間的で理解しやすい性格との事だが、咲夜のメイドとしての心得をわきまえた立ち振る舞いと聡明さに関しては高く評価している。


魂魄 妖夢
白玉楼亡霊に仕える、半人半霊の庭師。
冥界の道具である”人魂灯”を紛失した妖夢は幻想郷中を探し回った末にそれが霖之助の手に渡っている事を知った。
しかし霖之助はおおよその事情を察しながらも彼女を体よくあしらった。
それでも妖夢は人魂灯を取り戻せた事を感謝しており、後に白玉楼まで花見のお誘いをした。
……そして霖之助は少女のお誘いを適当にやり過ごした。


宇佐見 菫子
外の世界からやって来た、今どきの超能力少女。
初対面以来、外来品に目がない霖之助は最新の外の道具を持ち込んでくれる菫子との関係をかなり重視している。
菫子としても不用品を売る事で幻想郷の路銀が手に入るため、対等な関係となっている。
霖之助は当初菫子を「宇佐見君」と呼んでいたが、『香霖堂』二期第4話からは「菫子君」と下の名前で呼ぶようになり、着実に距離感が縮まっている事が見て取れる。
しかし幻想郷と外の世界のカルチャーギャップは決して小さくなく、菫子が発した煙草に関しての何気ない一言が霖之助を傷つけた事も。


稗田 阿求
人間の里の権力者である、稗田家の若き当主。
一度見たものを決して忘れない”御阿礼の子”でもあり、豊富な知識を頼りにした霖之助は彼女に十一年蝉について尋ねた。


八雲 紫
幻想郷を創った賢者の筆頭と考えられる、境界を弄ぶスキマ妖怪。
『香霖堂』一期第11話のファーストコンタクト以来、定期的に店を訪れては幻想郷ではほとんど手に入らないストーブの燃料を提供している。
その代価として紫の目についた店内の外来品を引き取っていくが、作中の描写を見るに”ストーブの燃料代”という名目で霖之助にとって危ない外来品を回収してくれているような節がある。
しかし霖之助からは「笑顔が不吉」と不評。可哀そうに……。


射命丸 文
最も人間の里に近いとされる、伝統の幻想ブン屋鴉天狗。
霖之助は文が執筆・発行している『文々。新聞』の普遍性に一定の評価をしている。*5
そのため文の新聞を定期購読しているほか、『文花帖』や『三月精』では香霖堂の広告が掲載されている描写がある。
一方で香霖堂の客としての文に対する評価はあまりよろしくなく、たまに来たと思うと取材や新聞の宣伝だけして商品をほとんど買わないことから「はっきり言って邪魔な客」としている。
文も『香霖堂』二期第3話ではかなり機嫌が悪かったのもあるが霖之助に対しても終始喧嘩腰で接していた。
とは言えこの時彼女が製作していた『文々春新報』が結局お蔵入りした事を知った霖之助はこれを残念に思っていた他、『文花真報』ではやはり香霖堂の広告が載っているのが見て取れる。


茨木 華扇
妖怪の山に自らの仙界を作って住まう、片腕有角のピンクの鬼仙人。
霖之助は作中のほとんどの人物同様華扇の本名を知らないため”茨華仙”という道号で呼ぶ。一方で華扇は霖之助を” (自分と菫子の) 待ち合わせ場所のお兄さん”と呼び、最早名前すら口にしてくれていない。

呼び方からも何となく察せられるが華扇は物腰の柔らかい態度に反してなぜか霖之助に対して高圧的で、自身と菫子の関係を尋ねられると「長生きしたければ詮索しない方が良い」の一点張りではぐらかす。
もっとも霖之助も、右腕を包帯で包み左腕からは鎖を吊らしている華扇の出で立ちについて「明らかにカタギの者では無いというオーラを放っている」と感じているのでどっちもどっちだが。

ただ霖之助は人間にも妖怪にも平等に優しく接する華扇の人柄に好印象を抱いており、華扇も『深秘録』の異変に関わるマジックアイテム・オカルトボールについて「貴方が手に入れていたらもしかしたら安全だったかもしれないわね」と発言している。


今泉 影狼
迷いの竹林に住まう、草の根妖怪ネットワーク所属の人狼。
『文花真報』によると、暇を持て余した彼女に霖之助は外来人から聞いたあるゲームを幻想郷流にアレンジして教えたという。
それが、『汝は人間なりや?』
ゲームの内容は複数人で集まった者の中から妖怪に化けた“人間”役を決め、会話しながらその人間役を見つけ出すという素敵な物。
なお人間役だと疑われた者は順番に食べられていく。*6


本居 小鈴
人里の貸本屋・鈴奈庵の娘にして阿求の親友。
『鈴奈庵』では魔理沙とともに香霖堂を訪れ、こっくりさんに酷似した意匠が施された舶来の木板について鑑定を依頼した。
霖之助は快くこれに応じ、その木板がウィジャボードと呼ばれる呪術用の道具である事を告げた。
その後の長い長い解説は聞き流された。


その他にも同じ魔法の森在住の成美とはかねてより交流があるようだ。
また『香霖堂』二期の騒動に関係して、女苑ドレミーとも関わった。
(前者は直接顔を合わせたわけではないが……)



【二次創作における霖之助】

キバヤシ、道具説明キャラ、朴念仁などなど。大抵何か薀蓄を語っている。
カップリングは霊夢、魔理沙、紫、名無しの本読み妖怪等。
『香霖堂』二期以降は共演の機会に恵まれている菫子と絡める作品も増加している。
基本的に原作で共演しているキャラとのカップリングが行われるが、一部のファンの間では地理的要因から幽香慧音も支持されている。
幽香の場合、霖之助が彼女の愛用の傘についてやたら詳しいことから「あの傘の制作者は霖之助ではないか」と想像されることが多い。
慧音の場合、かつて霖之助が人里にいたことや、半人半妖と半人半獣という共通項、知識人仲間ながら気性が対照的、という点などから「幼なじみ」説が根強い。

道具関連では現代っ子の早苗や珍品コレクターの輝夜もある。
カップリングは通常、○霖と表記される。魔理霖、霊霖、ゆか霖、慧霖、ナズー霖等……。


ツッコミ役にも、禁欲主義者のヘタレorフラグクラッシャーにも、言葉攻めや道具を駆使するドSキャラにもなる*7
さらには人前で突如脱ぎ出しては褌一丁で筋骨隆々の肉体美を見せつける"こーりん"なるキャラ付けがなされる事もある*8


霖子という妹がいた気がしたが、そんなことはなかったぜ!


第7回東方Project人気投票では一押し率28.54%という高い割合を記録していた。



【ZUN氏の理想像……!?】

  • 仕事も酒も食事も全てが趣味で、生命維持に関わらないという仙人じみた生き方
  • 少女達に自分の薀蓄を披露する趣味人な生活
  • そもそも『香霖堂』という作品自体が神主の幻想的価値観を綴った日記のようなもの
  • ZUN氏のブログアカウントが「kourindou」


これらの描写から「作者であるZUN氏の理想像を投影したキャラクター」という説が連載当時に存在したが、真相は定かではない。


ちなみにZUN氏のツイッターアカウントも「kourindou」 で、ZUN氏が持つ会社の名前もまた「株式会社香霖堂」である 。


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「この項目、ちょっと問題が有って……」

「実は追記と修正がわかってもページ保存方法が判らないのだ」

「まぁ、本記事なんて追記・修正さえ判れば何とかなるもんだが」

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最終更新:2024年03月18日 16:52

*1 2019年時点において上海アリス幻樂団の公式作品では存在しない。だが同人サークル「D.N.A.Softwares」が製作している東方Project二次創作作品『東方幻想麻雀』シリーズにZUN氏が提供した楽曲『キュアリアス上海古牌』が香霖堂ステージのテーマ曲として使用されており、この事から同曲を霖之助のテーマ曲と見做すファンが存在する

*2 盗品である事を知りながら買う事。言うまでもなく現代日本では犯罪行為

*3 ミニ八卦炉に空気清浄機を溶かして混ぜる事により空気清浄機能を付与するなど

*4 『儚月抄』で霖之助に咎められた際には「営業時間を知らないほうが緊急時にいつでも来られるので……」と笑顔で答えていた

*5 内容はともかく

*6 これはゲームであって、遊びです。言葉通りの意味ではないはずです。多分

*7 だいたい『香霖堂』一期第8話における妖夢のせい

*8 突如掲示板に貼られた褌姿になった霖之助の改変アスキーアートが元ネタ。『東方香霖堂』が連載雑誌を転々とした事情で中々書籍化されず彼のキャラ設定が把握しにくかったせいで、二次創作で見かける霖之助が少なくない割合でこーりんだったという苦い時期も