課金(ソーシャルゲーム)

登録日:2012/04/20 Fri 01:35:09
更新日:2024/01/07 Sun 00:50:24
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課金(かきん)とは、提供するサービスの利用に料金を課すシステムのこと。
我々が普段使うガス、水道、電気等の料金システムがその代表である。
課金システムにはいくつか種類がある。


1:従量課金

サービスを使用したぶんだけの料金を課すシステム。
ガス、電気、水道、電話料金、そしてインターネット回線使用料金やパケット通信料金がこのタイプ。
ただし、インターネットについては現在は定額制度が主流となっている。


2:定額課金

最初から料金が一定額に定められており、期限内であればその料金で使い放題というシステム。
現在のインターネット料金や各種レンタルサービス料金等がこれ。
携帯端末等のパケット通信料金等では従量と定額を組み合わせたようなシステムもある。


3:コンテンツ課金

音楽等のデータ配信サービスやゲーム等のダウンロードコンテンツ等に適用されるシステム。
課金とは本来、サービス提供者が利用者に料金を課すことであるが、転じて、
利用者がコンテンツに金を支払うことを「課金する」というようになってきている。

この項目ではこの3について主に解説することになる。



そう、ソーシャルゲームの存在である。




アイテム課金等とも言い、昔から基本無料のオンラインゲーム等で採用されてきたシステムであるが、
近年、ソーシャルゲームの流行によりそのシステムが一般にも広まることになる。

『基本無料』と謡うソーシャルゲームは数多いが、課金によって有利不利が分かれるゲームがその殆どを占めており、
例えばランキングで上位を目指す、最適解のキャラクター(パーティ)を育てるともなると課金はほぼ必須になってくる。

ただし、だいたいのゲームは課金をしなくてもある程度は楽しめるようにはなっている(課金せずにどれだけ遊べるか、がソシャゲの評価点の一つだと言える)。


●目次



ソーシャルゲームにおける課金の種類


ガチャシステム


課金によって『ガチャ』と呼ばれる抽選を行い、当選したアイテムを入手できると言うもの。
無論アイテムの種類はゲームの内容により異なる。

重要なのは、
確率が不明『いくらお金をかけても出るとは限らない』という点。

かなりのお金をかけたのに目的のアイテムが出てこない、あるいは何とか入手できたがそれまでに大金をつぎ込んだ状態を爆死と呼ぶことがある。

宝くじやパチンコ等のギャンブルには一応の確率が公開されている。
しかしこのガチャ、表示上はともかく実際の確率が一切不明であり、やろうと思えば操作し放題なため、その不透明さには批判も多い。
レアリティごとの確率は公開していても、個々の確率は秘匿されているケースも多く、同レアリティ内でも確率に差が設けてあることもしばしばあった。
基本的にはいわゆる「目玉商品」は1%台かそれ以下に設定されている。
種類が追加されれば追加されるほど、レアリティに設定された確率はそのままなので個々の排出確率は下がっていくが、ピックアップなどと題して特定キャラだけ出るようにして個々の確率は激増、場合によってそのレアリティ内では排出率100%というような期間限定ガチャを実施するゲームも多い。
また、確率の問題であるため、特に欲しいアイテムに限って爆死してしまうと言う不運に見舞われる可能性は避けられない。

2017年12月21日にAppleが審査ガイドラインを変更したことで、それまで確率を秘匿していたスマホアプリでも有料ガチャの個々の確率が公開されるようになった。
ただし、ブラウザゲーム、無料でも取得できるポイントによるガチャなどは無関係なので秘匿されたままなのも多い。


また、こういったガチャには課金を誘おうと色々な付加価値がつくことが多い。
  • 無償一回分引ける石が有償だと同じ量で3回、時には5回引ける。
  • 有償で引くと普通のより確率が倍くらい上がっている、もしくは確定

  • コンプ限定アイテム
2012年以前、いわゆるポチポチゲー*1が主流だった頃に問題視されていた方式。
課金ガチャで獲得できるアイテム全て、もしくは特定の物数種類を獲得する事で限定品が入手できる。

例えば、アイテム全10種類のガチャが1回300円であるとする。
これをコンプすると極めてレアなアイテムを入手することができる。が……当然最低でも10回ガチャを回す必要がある。
つまり10回×300円=3000円。
さらに、ダブりコンプと関係ない物が当たることもある為勿論これだけでは済まない。
仮に全種同率、関係ない物なしであっても、コンプの期待値が1を上回るには実に32回=9600円も必要になる……。
フルプライスのゲーム一本分のリアルマネーで手に入るのはたかだか数十個のアイテムのみ。
その上、該当アイテムの一部が極めて低い確率でしか出ない場合も多い。

これの特に厄介なのは歯止めがきかなくなること。
あと1個の状態になったりすると、目的のアイテムを手に入れないとこれまで課金してきた意味がないため、途中でリタイアできなくなってしまうのである。

2012年になると消費者庁が違法か検討する方針を表明したためにSNS各社の株価が暴落。その後『コンプガチャは景品表示法に抵触する』との見解が示されて規制が行われ、現在ではコンプガチャは表向き存在しなくなっている。
一応規制が行われる前に業界の自主判断で多くのゲームがコンプガチャを廃止した。

  • 出現率n倍
一定期間、特定レアリティ(基本最高)の出現率を上げる。
パズドラの影響で「フェス」と呼べるような名前である事がほとんど。
しかし0.01%を0.02%にしても2倍の名目は成り立つ。
とは言えども普段よりも最高レアが手に入りやすいタイミングなのは間違いないので、多くのプレイヤー、特に無〜微課金プレイヤーは溜め込んだ石をこの機会に排出する。

  • まとめ買い(n連ガチャ)
その名の通り5〜10回程度のまとめ買い。1回分多く引ける、回復アイテムつき、レア度の高いものが1枚確実に手に入る等のオマケ付きが大多数を占める。9回分料金で10回回せる!というものもある。
しかし上記の確率の不透明さと相俟って、強力・高価なものが出にくい設定とも言われている。
逆に単発より1回1回の確率が高くなっていて、非効率で誰も利用しない単発はまとめ買いに割安感を与えるためだけの存在ということも多い。

またクリック回数が減るため、まだ課金しすぎてないと錯覚させると指摘する専門家もいる。

  • 天井
最近設定されつつある方式。
300回程度ガチャを回せば高レアリティのものが最低一つは手に入るという保証が付いている場合が多い。
下記の「ブル島ショック」以降設定されるようになった。いわゆるユーザー救済手段である。
この制度が導入されて以降、天井があることが当然という風潮が強まりつつあり、いわゆる「青天井」のガチャを設定するゲームへの非難が強まりつつある。
ただしX回引けば確実に高レアリティのキャラが手に入るという意味でコンプガチャのような販促の一つだとする者も多い。

  • ボックスガチャ
上記の天井の派生系。
最高レアリティ、準高レアリティ、高レアリティ、ノーマルレアリティを限られた数ボックスに入れ、ボックスの中身がなくなるまで引けるガチャ。
要するに、 一定回数引けば必ず全部手に入る というシステム。
作品によってはボックスに入れる最高レアリティのアイテムなどを選べる場合がある。またリセット機能が装備されたものもあり、全部引ききったらリセットというもののほか、目玉景品を引いたら残りがどれだけあろうとリセットできるというものもある。
当然のことだが初回でいきなり最高レアリティを引けてしまうこともあるし、最後まで最高レアリティが出ないこともある。確率論が一番わかりやすく適用できるガチャ。

+ ...
ここに一つのモデルを用意した。
最高レアリティ:1本
準高レアリティ:9本
高レアリティ:10本
ノーマルレアリティ:80本
の合計100本をボックスに入れた。
1回目で最高レアリティを引ける確率は1%だが、回数を重ねていくにつれて中身はどんどん減っていくために最高レアリティの当選確率はどんどん上がっていき、最終的には100%に到達する。

要するにお祭りとかでよくやってるくじ引きと同じ理屈。通常のガチャは無限に景品が補給され続けるくじ引きと言い換えることも出来る。
課金ガチャよりかはイベント内アイテムが手に入るイベント限定ガチャなどで見かけることが多いかもしれない。


◆直接購入アイテム


直接課金、あるいはゲーム内通貨やSNS専用電子マネーと交換する形でアイテムを購入するシステム。
ゲーム内通貨はゲーム内で普通に手に入る通貨と区別されている場合が殆ど。いわゆる「*2。例えば千年戦争アイギスでは神聖結晶という物が石でキャラ強化等に要求されるマネーは「G」(多分ゴールド)である。

現在のソシャゲは殆どが現金で購入した「石」を介してスタミナ回復やアイテムボックス拡張を行なったり、ガチャ(前述)やコンティニュー(後述)などを購入する形式をとっている。
基本的に「石」は無課金でもある程度は支給されるのだが、最近はゲーム内で貰った無償の石と課金して購入した有償の石を区別し、有償石でのみ引けるガチャ*3、などの様に課金勢を優遇する作品も増加している。

作品によっては、石とスタミナ回復等の関連性はばらしてあるケースがある。例えばデレマスはスタミナ回復もできるが、プレイヤー間で通貨として使用可能な「スタドリ」と自身のスタミナ回復にしか使えない「MYスタドリ」で区別が存在する。FGOではスタミナであるAPを回復させるアイテムとして林檎が存在するため、ユーザーは基本的に林檎の方を齧る。石は上記のガチャ、下記のコンテニュー、そしてスタミナ回復等の多用途に使えるが、基本的にスタミナで石を割るのは林檎すら食い尽くす超周回マスターであろう。ただFGOは順位争いでキャラを取り合う要素がないのでスタミナ回復は自分の欲しい素材を欲しい数集める為に食らうものだが、石(ソーシャルゲーム)の項にあるようにモバマス等ランキングで特定キャラの強力な限定カード等のプレイヤーが欲しくなるコンテンツを配布するゲームでは……え、えらいことや、戦争や……。

◆コンティニュー


ゲーム内でゲームオーバーになった際、課金する(または課金アイテムを使用する)ことでその場からゲームを続けられるというシステム。
課金をしない場合は勿論最初からやり直し。

ただ、「パズル&ドラゴンズ」以降のスマホ時代のソシャゲでは大抵プレイヤーのテクニックがゲームに介入する仕様のため、コンティニューするくらいなら腕前を磨くなりデッキを調整するなりして対処することが多く、「石」をコンティニューにつぎ込むユーザーは少ない。
またそもそも近年の高難易度ステージではコンテが不可という制限も多くなっているためよりつぎ込むユーザーは減少している。

だが世の中どうしても不器用であったり調整が下手な人はいる。
また、ストーリーのあるゲームの場合、ストーリーを見たくても戦力不足でストーリーがクリアできない場合もある。
戦力を整えようとしてガチャ→爆死したり、期間限定イベントで時間切れを起こしたり、長期にわたるお預けを食らうくらいなら、コンティニューでクリアして先に進む方が確実かつ低コストとなることもある。
他にも、長いステージにおいて最後の最後でミスったときに、やり直すくらいならコンテした方が良いという判断に至ることもある。
そうした人は基本的に配布された無料石を割って対処する。モバマス派生のスターライトステージではコンティニューが10石で高難易度であるMASTERの初回クリア報酬が50石なので、ダメージガード等の調整を誤り1乙したとしても、差し引きでは得。FGOでも高難易度クエストの報酬が呼符(3石で1回ガチャ可能なところを1枚で1回引ける)や他クエストでは入手不可能な素材などであると、石一個割ってもトータルではプラスだし、令呪3画で代替できる上NP100%チャージのおまけもついてくるのであと一歩の一押しとしてはかなり有用。ただし、ストーリークエでも一部コンテ禁止ステージがあることには注意したい。

◆定期課金形式

FF11などのネットゲームで取り入れられてきたこの形式であるが、近年はソシャゲにも導入始められている。
つまりオンラインゲームの定番である。

とはいえ払わないとプレイできないわけではなく、課金をすると一定期間恩恵を得られると言うもの。
期間は1ヶ月が多く、値段は300円〜1000円までと様々。
ゲームによって内容は異なるものの、例としては

  • 通常ログボに加え、豪華なアイテムが入ったログボを受け取れる(石等が含まれているのがほとんど)
  • スタミナの回復が1日1回無料
  • デッキ枠の増加


等が挙げられる。石の数を見ても(多くは有償石扱いではなく無償石扱いとはいえ)同額をそのまま課金するよりもお得な事が多く、少ない課金で多くの利益を得られるため、微課金勢が増えつつある。

◆追加コンテンツ

ソーシャルゲーム以外で言えば、『無料ゲーム』を謡っておきながら、「この続きをプレイするには別途料金が必要」といった物もある。
こういった作品は買い切り型作品の一部を「体験版」として無料で公開するのと同じといえば同じなのだが、その事が分かりにくい場合などだとレビューが荒れやすい。

◆アイテムコード

雑誌や関連商品などに付くコードを入力することでアイテムなどを入手できる方式。
コミック化やアニメ化してもこれが付けば一定以上の売上は見込めるため爆死を回避できる。
しかしGoogleやAppleにショバ代を払わずに課金させるようなもので、Appleでは禁止する条項もあったがあまり厳しく取り締まられていなかった。
2015年8月、モンスターストライクがこれでAppleと一悶着あり、警告を受けても無視した挙句にAppStoreから一時的に削除され、これを見た各社はいっせいにアイテムコードや招待コードを廃止した。
Android版でもiOS版からアカウント移行できる関係で一緒に廃止したアプリが多い。
サイト経由で入力、ブラウザゲーム版で入力、などの方式で続けているアプリもある。

利点と問題点


F2Pゲームの多くは課金システムによって利益を得て運用資金にしている。
ユーザーの課金によってゲームは存続していると言って過言ではない。
実際、そういう課金ユーザーが定着したおかげで何年も続いているようなゲームもあるし、グッズを販売したり、果てはアニメ化までして手広く集金できるようなゲームも現れた。
だが、そういった手広い集金システムを得られるゲームはほんの一握り。
その一握りさえ、普及するまでスタッフ、絵師や声優といった人たちへの報酬は課金で稼ぎ出すしかないのである。
それを踏まえて、特別欲しいというわけではないが、「ゲーム運営へのお礼や支援」の意味も込めて課金をするというタイプのユーザーもいる。(「お布施」「納税」「感謝の課金」などと呼ばれる)

しかしその陰で課金をするユーザーとしないユーザーの格差は開くばかりである。
課金をする=基本的にガチャを回せる回数の増加や「有償限定のアイテム」の購入によってかなりのアドバンテージを得られる。
特に強力なのが「定額で買い切る有料限定アイテム」の類。こちらはガチャと違って運も絡まないので払った額に応じてちゃんとした効果が見込める。
「任意のキャラを確実に購入できる*4」で強力な最高レアを確実に入手したり、ゲーム内の強化アイテムを「オマケ付きパック」等から直接購入するなどの手段を取ることができる。
また、例え少額の月額課金サービスだけの課金であっても、続ければ続けるほど、塵も積もればで無課金とはかなりの差が生じてくるのだ。力も費やしてきたお金も。
課金の継続を狙ってボーナスの中身が継続する度に豪華な物になるケースもあり、続ければ続けるほどに恩恵が大きくなる。
そして、ガチャで目的のキャラが引けず爆死してしまい、石が足りないという状況に陥っても、金をどんどんつぎ込んで出るまで回せばいいわけである。

一方で無課金ユーザーの場合、日頃のプレイによってしっかり石を貯めて目当てのキャラを運良く引けたとしても、そのキャラのポテンシャルを最大まで引き出すことが出来ないケースが多々。
ゲームによっては4回も5回も重ねなければいけない事もあり、たった1枚引いた程度では何の役にも立たないケースもある。
運よく完全に重ねられたとしても、そのカードはソーシャルゲームの宿命でインフレに飲み込まれていくため、次第に使い物にならなくなり、単なるコレクション以上の価値がなくなることもある。
これらの点は課金ユーザーも変わらないが、あちらは金が続くならその都度最新カードに乗り換えればいいのに対してこちらは乗り換えが困難。
長いスパンで最新カード→数年後の最新カード、と乗り換えるとしても、その「間」をガチャも引かずにどう繋ぐかが新たな問題として立ちはだかる。

ソーシャルゲームの宿命でインフレしていく都合、既存のカードにはどんどん価値がなくなっていくため、今必要だからとそのカードを手に入れるため、ポテンシャルを引き出すために課金したとしても「投資した価値」がいつまで保つかは不透明。
更にガチャの「当たり」の確率も非常に低く、運が悪いと何百回回しても出ないことがあるために、最悪6桁近いお金が一瞬で溶けてしまう。
ガチャが青天井の場合、下手をすると7桁に届くケースすらも。

「インフレによる価値の減衰」「ガチャそのものの当たる確率」という二つの要素は特に課金への嫌悪感を抱かせやすく、非課金者に「何が何でも課金などしない!」「出るかわからないガチャに数千円、数万円も払うなんて出来ない」と言わしめる大きな要因となっている。
金を落としても見返りが少ないのもあるが、単純にお金を落とすのが嫌な者も多い。
また、ある種の縛りプレイとして非課金を「楽しむ」スタンスの者もいる。

一方で「ゲームは好きだが運営は嫌い」という理由で課金しないプレイヤーもいる。
そういうゲームは総じてガチャが渋かったり、いわゆる『人権』と揶揄される強い特定キャラを引かない(引けない)とイベントやクエストがクリア困難なケースが多い、
お祭りゲー、アイドルゲーといったキャラゲーなのに運営のお気に入りの特定キャラばかりが露骨に優遇されてあからさまな優遇不遇がある場合など、
ゲーム側(運営側)に問題がある事が大半である。

格差をイメージしたグラフにするとこのようになる。

廃課金者(殿堂入り)
______________
重課金者>>>>>>>>>>>軽課金者>>>微課金者>無課金者

※ゲームによって変わります。
※あくまでイメージです。

もっとも、ソーシャルゲームの基本的なコンセプトは「気軽に強くなれる」である。
普通のゲームならば強くなる為には相応の時間を費やしてやり込みをする必要があるが、ソーシャルゲームにおいてはより多く課金することによって強くなる。
上記のグラフの課金者を「やり込み度」に置き換えれば普通のゲーマーのそれと何ら変わらないのだ。
しばし一部の非課金ユーザー達は課金ユーザーとの格差に対して不満をぶちまけるが、
お金も時間も掛けずに課金ユーザーと同等の強化が出来ないことなど自明の理であり、格差ゼロの要求は単なるワガママでしかない。

一方で運営側もお金を払った人に何らかの追加サービスを施さなければ、呆れられてしまいお金を払うユーザーなどいつかはいなくなる。
また「気軽に」などというが、その気軽さだけに何万も出せる人間はそうそういない。
そのお金があれば他に何ができるかを考えてしまうと、如何に割高な代物であるかは容易にわかってしまうからだ。
例えるなら、4万円あればNintendo Switch本体とソフトが一本買えてしまう。そのお金が、出るかわからないガチャに一瞬で溶けてなくなる事は、よくよく考えれば恐ろしい事でもあるのだ。

ゲームと言えど、そのデータを充実させるには対価が必要であり、それが時間か金かの差でしかない。
「最悪課金すればそれなりに熟練プレイヤーに追いつける」という安心感があればこそ、人気ゲームに後発で参加する参入障壁が低くなる意味合いもある。
時間は後発組には絶対に追いつけない代物であり、時間で絶対的に有利不利が決まってしまうとなれば、後発参加してみたいという意欲がそがれてしまうのである。
もちろん、ゲーム黎明期からずっと継続しているプレイヤーの優位性もある程度確保しないと不公平感が出てしまう。
また、課金による格差が大きすぎても、それはそれで新規プレイヤーのやる気を削ぐ結果に終わるので、そこのさじ加減は非常に難しいところがある。

尤も月に何十万円も課金できるような社会人*5はともかく、そう安々と注ぎ込むようなお金のない子供はそうは行かない。
…というか子供にギャンブルさせるような行為に近いので、子供にそんなことをさせてしまうこと自体が倫理や教育的にマズイが。

そして金がなくとも先に購入できてしまうのが後払いである課金システムの怖い所でもある。
子ども等が意味も解らずに勝手に課金をして親に迷惑をかけるトラブルも起こるのだ。
実際、自制心が足りない子どもが親のクレジットカードやネットマネーを濫用して問題化したこともある。

ちなみに現在はアプリ内で年齢確認を行い、未成年だった場合は課金が出来ない・課金額に制限がかかる等の規制を行なっているタイトルも多い。
民法上、未成年者の場合お小遣いを超えた契約は取消が可能なのが原則であり、数十万円と言った明らかにお小遣いを超えた課金は後から取り消されても文句が言えない。
運営サイドもある程度の自己防衛をしないと運営サイドも取消対応に追われるハメになってしまうし、ガチャで爆死したプレイヤーが「子どもがしたことにして空ぶった課金を取り返そう」なんて不届きなことを考え始める可能性もある。
なお、未成年者が親の許可なく勝手にとんでもない課金をしてしまった場合には運営に連絡をするとアカウントを消す代わりに取消しを認めてくれる場合もある。

トラブルの実例











無課金プレイヤー不要論

「課金をしないプレイヤーは企業の利益にならないため、ゲーム運営上は不要な存在・邪魔な存在である」とする論調。
たしかにそう考える運営会社も存在し、そういった会社のゲームは課金しなければ途中から満足にプレイできなくなるよう設計されている。
一方、無課金プレーヤーも顧客の一部として扱う見方もある。
というのも、もし課金プレイヤーしかいない場合『課金したけど、他のプレイヤーも課金しているので全く勝てない・追いつけない』という事態が発生することになるため。これではせっかく課金しても満足感が得られない。
その点、無課金プレイヤーがいれば彼らを倒すことで課金の成果を実感できるようになり、無課金プレイヤーが多ければ一騎当千の快感も生まれる。
また、無課金であってもプレイ人口が多ければ、それだけ口伝てで情報が広がり、課金する人間を呼び込める可能性も上がる。
こういった効果を見込んで、今でも「無課金でも遊べる」を謳うソーシャルゲームは生み出され続けている。

根本的な話、無課金プレイヤーもバグ利用などの不正な方法で無課金プレーをしているわけではなく
むしろ無課金プレーも運営が認めているプレースタイルである。
(でなければ、プレー無料を謳ってコンテンツをリリースしない)
その分特典などの差はあるが、そのさじ加減は運営次第であり
いかにお金を出してもらい利益を出すかを考えるのが運営の仕事であり、そういう商売のしかたと言える。
第三者が無課金でプレーすることを悪しように言ったり、プレイヤーを追い出そうとしたり、課金を強要することは
筋の通らない行為であると言えるだろう。

ゲームを楽しむために


節度を守って遊ぶ

これがまず大事なことだと思われる。コンプガチャが消滅する今、のっぴきならないような状況は少なくなりつつある。
そうなれば問われるのはユーザーの心構えである。課金して手に入るアイテム類は確かに魅力的だが、
誰しもが湯水の如く金を注ぎ込める訳は無く、当然限界があるのだから、目が眩んで欲のままに課金しまくってしまうのは愚かな行為と言われざるを得ない。

自分自身の財布の状態を良く把握し、大丈夫な範囲内で、そして楽しみつつ課金すること、それを忘れないようにするべきではないだろうか。

元来楽しむ為にある筈の課金アイテム、ひいてはソーシャルゲームそのものが行き過ぎた行動のせいで悪く言われるのは、
(たとえ課金していなくても)良い気分のするものではないだろう。

番外編:リアル課金

ところで、「課金」という語を含むものに「リアル課金」というものがある。
「何か」に対して対価を支払う事は同じだが、その「何か」が「リアル」、つまり現実世界に対しても使われることが、スマホ向けゲームの世界には存在していたりする。
そして、これが「ゲームを楽しむために」にぶら下がっているのにもちゃんと関係があり、「リアル課金」が出てくるのはだいたいIngressPokemon GOのどちらかの話である。
この両作品は現実世界を舞台にしている性質上、現実世界で実際に行動することで遊ぶことになるため、その結果現実世界への対価が「課金」になぞらえるようになった。おかしな話である

さらに番外:スマホ課金

ある程度はPCも含みはするが、多く使われるのはこちらなのでこう記述する。
これは何かというと、環境投資というのが最も的確だろうか。要するに”スマホの性能を高くしゲーム環境を向上させる”事にお金をかける行為。
これもまたゲーム内の石ではなくリアルの物品に課金する行為であるため表題のように言うことがある。

何故このような言葉が発生するのか、具体例としてアイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズを例にとってみる。
この作品は所謂音ゲー要素を含む上に、アイドルたちが同時に多人数3Dで歌って踊るのがウリ。
つまり、どうなるかと言うと……下手なスマホは爆熱ゴッドフィンガーされるのだ。

実際に(プレイ不能という意味ではなく)サポート外の端末は「正常にプレイすることが出来ません」という表示が出る。
要するにアイドルの表示人数などを絞るなどカスタムすれば運用自体はできなくはないのだが、”正規の”というか、
運営が想定している100%の描写を発揮できていないというのは間違いないことになる。

もっとひどい事態について言ってしまうと、アイドルたちのダンスやステージ描画に本体がついていけず、処理落ち、あるいは大きな入力遅延が発生して
タップやフリック入力に失敗、音ゲーとしてすらマトモに遊べないと言う事すらありうる。
そんな環境で無理くりプレイを続けるくらいなら、本体を高性能品に買い替えて対処する……というのがスマホ課金である。

これは宝具=大技の演出がカットできないFGOなどでも有効とされ、発熱神殿するくらいならスマホ買い替える方がよくね?
ということでもう本体課金するわ……というプレイヤーは存在する。ある意味スマホ業界と重課金兵は昵懇と言っていいのである。


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最終更新:2024年01月07日 00:50

*1 ゲーム自体は技術介入が無くボタンを押し続けるだけで進行し、ゲーム内のカードを収集することがメインのソシャゲの事

*2 「○○石」という名称の事が多いため

*3 最高レアリティ確定等。またそのうち非常に安い(概ね通常価格の1/3ほど)価格で毎日1回のみ引けるガチャは「納税」とも言われる。

*4 いわゆる「セレチケ」

*5 何にお金を使うかはその人の自由である為。

*6 レアリティはN/R/SRの三段階。目玉商品はSR

*7 なおルートボックスからプレイヤーの強さと関係しない、例えばキャラクタースキンなどのアイテムのみが出るというタイトルもあり(例:OverWatch等)、そういった作品については比較的批判は少ない

*8 以前に開催された別キャラのピックアップガチャを開催した際、ガチャデータの更新ミスで上記七夕ガチャ事件と同じく新キャラの排出率が0のまま開催してしまい、ロールバックと詫び石の配布が行われた事があったため、この時点でユーザーからは「ロールバックなしは問題があるのでは」という指摘が多かった。

*9 あくまで推論止まりだが、「前プロデューサーの指示で再抽選プログラムが実装されたが現プロデューサーには引き継がれておらず、不具合対応中か追加調査中に発見してしまい規格外の爆弾だったため暴露したのではないか」という説もある

*10 今回の件に関して問い合わせと定型文による返信が相次いでいる最中の発言である。ユーザーを足元扱いした事で火に油を注いだのは言うまでもなく…

*11 存命している七勇者当人はパーティーキャラの1人であるゴーゲンのみであり、他6人は記憶はないが『I』のパーティーキャラとして転生している。ノルが転生しているのはチョンガラとされている

*12 初イベントは公式が認めるレベルの調整ミスで進化素材はドロップ数に対して桁違いな数を要求され、闘技場ではティアが異なる格上ランク帯のプレイヤーとも容赦なくマッチングされ、社会人がメインターゲットながら土日はやることがなく、バグは選り取り見取りとかなり作りもゲームバランスも荒いと度々声が上がっていた

*13 コラボ含めて2018/11末日時点で146名実装されているが、作品ごとで見ると3が29人、5が25人と他作品を突き放して1は12人しか実装されておらず未実装キャラも多い。期間限定キャラに関してもSO3の女性キャラに偏っており、マリアはほぼ2ヶ月おきに限定版が追加され、クレアに至ってはクリスマス版を含めると実装数単独トップの6バージョン為ユーザーを辟易とさせていた。武器の関係上モーションや新しく武器カテゴリから作らなければならないキャラは置いておくにしても既存武器で実装可能なキャラも放置されている格差にSO3キャラにヘイトが集まっている状態だった。

*14 開発Pによる一部ユーザーとの癒着、癒着相手に対するリアルイベントへの当選優遇と展示用非売品グッズや複製原画の横領+癒着関係にあるユーザーへ横流し、公式生放送へ出演していたコスプレイヤーへのセクハラ発言、トライエース社員によるトレパク擁護ならびに特定ユーザーへの未実装イベントの情報漏洩など叩けば叩くほど埃が飛び散った。その後、いつの間にか当時の開発Pは広報マネージャーに移っており事実上の左遷を食らった模様