白い魔法使い(仮面ライダーウィザード)

登録日:2013/09/09 Mon12:50:55
更新日:2024/04/22 Mon 20:56:50
所要時間:約 10 分で読めます




※この項目には『仮面ライダーウィザード』のネタバレが含まれています。


















よくぞ希望を捨てずに生き残ったな。お前は魔法使いになる資格を得た。


白い魔法使いとは、『仮面ライダーウィザード』に登場する仮面ライダーの1人。
声: 高階俊嗣
主なスーツアクター:渡辺淳

【データ】

身長:208cm
体重:85kg
パンチ力:推測値7.4t
キック力:9.3t
ジャンプ力:ひと跳び30m
走力:100mを4.7秒


【概要】

白いローブを纏った魔法使いのような見た目が特徴的な人物。
かつてサバトに巻き込まれた晴人の前に現れ、彼にウィザードライバーとウィザードリング、そしてコヨミを託した張本人。
一度は絶望するも自らの力でファントムを押さえ込んだゲートの前に現れ、その人物に魔法使いとしての力を与えている。

空間を自在に操るなど高度な魔法を使いこなし、ビーストハイパーや上級ファントムであるメデューサすら圧倒する程の戦闘力を誇るだけでなく、ウィザードラゴンの魔力を限界まで引き出す魔法具「ドラゴタイマー」を作り上げるなど技術力も高い。

ウィザードの前に度々現れては彼に(間接的にではあるが)新しい魔法石を託したり、魔法具を与えるなど協力するが、その目的等は一切不明。
真由への発言を見ると「4人の魔法使いを揃えること」「それによって全てのファントムを倒す事」が目的のようだが…?
基本的に晴人や輪島などには協力的だが、それ以外の人間には冷酷。特に仁藤攻介(仮面ライダービースト)に関しては「アーキタイプ」と呼び、彼を倒す事に何の躊躇いも持たなかった。
また、オールドラゴンになったウィザードを見て「1人完成したか」、インフィニティーを発現したウィザードに対しては「面倒なことになった」と呟くなど、晴人にとっても全面的な味方、という訳ではないようだ。

ウィザード同様宝石の様な頭部をしているが、ウィザードが磨かれた宝石なのに対し、彼はゴツゴツとした橙色の原石のような見た目をしている。これは後に登場する仮面ライダーメイジも同様。


【装備】


  • 白い魔法使いドライバー


ドライバーオン!ナーウ!

白い魔法使いが魔法を使う際に使用するベルト。冗談みたいに安直な名前だが公式での正式名称である。
基本的な機能等はウィザードライバーと同じだが、実質的にウィザードライバーの上位互換と呼ぶべき性能を持つ。
あちらよりも強力な魔法が使用できる上に、こちらはウィザードの指輪を使用できるがウィザードライバーは白い魔法使いドライバーの指輪を使用することは出来ない。また、ウィザードの指輪を使うと上位の魔法に変わる(例: フレイムヴォルケーノなど)。
あちらの黙ると死ぬベルトに比べると声の高さやテンションはやや低めで、あちらほど喧しくない。魔法を使う際のセリフは「(魔法名)ナーウ」。

劇中では瞬間移動の魔法「テレポート」と強力な爆発を引き起こす魔法「エクスプロージョン」を多用し、特にエクスプロージョンは直撃すればビーストすら一撃で戦闘不能に追い込む程の破壊力を誇る。

後述の通り本編終了後に「仮面ライダーワイズマン」の名が与えられるのに伴い、正式名称が「ワイズドライバー」に変更された。
メイジやソーサラーが使用するベルトも外見は全く同じだが、実際には違うものらしく、それぞれ「メイジのベルト」「ソーサラーのベルト」とこれまた安直な名前で区別されている。


  • ハーメルケイン

横笛と(あるいは)が一体化したような形状の武器。
戦闘では長いリーチを活かして立ち回る他、横笛として吹く事も出来、それによって相手の魔法を無効化したりと様々な効果を発揮する。
使い手である白い魔法使いの戦闘力の高さも合間ってか、その刃は空間を切り裂く斬撃でかすり傷すら付かない超装甲だろうと、容易く切り刻みダメージを与える
ウィザーソードガン同様、コネクトの魔法で取り出す事も可能で、デュープで本人が増えればハーメルケインも増える。
なお彼の専用武器というわけではなく、ファントムだろうと装備すれば普通に使える汎用武器である。
ちなみに終盤から登場したため、放送当時に受注販売が行われたS.H.Figuartsには付属していない。

  • ホワイトガルーダ
ガルーダを模した飛行タイプのプラモンスター。色は白。
空からの偵察を行い、時には攻撃もする。レッドガルーダとは色以外は同一の性能。
面影堂に訪れ、赤い魔宝石を届けた。後に真由が使役する。

  • ブラックケルベロス
ケルベロスを模した地上タイプのプラモンスター。色は黒。
地上からの偵察を得意とする。
コヨミを青い魔宝石の下に導いた。

その他、ウィザーソードガンも彼が製作した物と思われる。


使用ウィザードリング

魔法 効果
チェンジ 白い魔法使いに変身する。
ドライバーオン 白い魔法使いドライバーを出現させる。
コネクト ハーメルケインを取り出す。ウィザードのものと同種。
チェイン 対象を白い鎖で拘束し、締め上げる。ウィザードのバインドと同種。
テレポート 空間を操り、ワープホールを作り出す。別の空間に瞬間移動する。
デュープ 分身を生み出す。コピーとは異なり、性能はドラゴタイマーに近い(それぞれが独立して動く、最大4人まで分身)。
エクスプロージョン 主力魔法の一つ。小さな亜空間に圧縮した魔力で任意の場所に強力な爆発を起こす空間攻撃。
通常魔法でありながら威力はインフィニティの装甲にダメージを与えられるため必殺技並、タメ不要、チャージして放てば必殺技にさえも打ち勝てる破壊力、気軽に連射も可能で隙も少なく回避は不能
…と低コスト長射程高火力を実現している何かがおかしいトンデモ通常攻撃
サンダー 雷を放つ。ウィザードのものと同種。
グラビティ 重力を操る。ウィザードのものと同種。
スペシャル 魔法陣から金色の衝撃波を放つ。
キックストライク キックストライクを発動させる。ウィザードのものと同種。
ガルーダ ホワイトガルーダを召喚。
ケルベロス ブラックケルベロスを召喚。
エクリプス 人工的に日蝕を起こす。ウィザードライバーでは使用できない。


【必殺技】


<キックストライク>

イエス!キックストライク!!アンダァスタンドゥ!?

正式名称は不明。右足に魔力を集中させ跳び蹴りを放つ。
キックストライクのリングで発動させる。
大抵の場合、エクスプロージョンの指輪で事足りるためかあまり使われる事はないが、地味に威力はウィザード最強フォームであるインフィニティースタイルの「ストライクウィザード」と拮抗している。
もうこの魔法使い無茶苦茶や



【劇中での活躍】


登場自体は非常に早く、第2話の晴人の回想で登場。
サバトに巻き込まれ、なんとかウィザードラゴンを押さえ込んだ晴人に襲いかかったリザードマンを撃退し、彼にウィザードライバーとウィザードリング、そしてコヨミを託して彼を仮面ライダーウィザードにした事が判明した。

その後は間接的にウィザードに魔法石を託すなど裏で彼を手助けしていたが、第21話にてベルゼバブに苦戦するウィザードを助け、彼にドラゴンの力を引き出すための魔法具「ドラゴタイマー」を託した。

第27話ではメデューサによって絶望させられるも晴人同様ファントムを押さえ込む事に成功した稲森真由の前に現れ、彼女を魔法使いにすべく彼女を連れて何処かへ去っていった。

そして第39話以降、謎に包まれていた彼の目的や正体が徐々に明かされていき……















以下、ネタバレ注意!















暦は私の希望だ…

その希望を取り戻す為なら、私はどんな犠牲も厭わない!



笛木奏/仮面ライダーワイズマン/カーバンクル

登録日:2013/09/09 Mon 12:50:55
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笛木(ふえき) (そう)

演: 池田成志


【真の概要】

白い魔法使いの正体であり、茶色のコートを纏った壮年の男性。
物理学者であり、笛木暦…つまりコヨミの実の父親
本編開始前に輪島にウィザードリング作成を依頼したのも彼である。

そして、白い魔法使いの真の名前は『仮面ライダーワイズマン

つまり、魔法使いの敵であるファントムの首領にしてかつてサバトを行った「ワイズマン(カーバンクル)」の正体も彼。
本編で行われていた魔法使い対ファントム、という戦いの構図は笛木の仕組んだ壮大なマッチポンプである。

当初は正体バレを防ぐためか公式でも正式名称で書かれることはなかった。
ただ、公式にとってこの名称の扱いは難しいのか、当時の関連書籍では「仮面ライダーワイズマン」の名前が「白い魔法使い」の横に小さく書かれる程度であったり、
そもそも「白い魔法使い」としか紹介されていなかったりなど、放送終了後も正式名称を知らない視聴者は多かった。
(現在は公式サイト「仮面ライダー図鑑」にしっかりと正式名称で記事が作成されている。)

その目的は「娘である暦を賢者の石によって蘇らせる事」
最愛の娘「笛木暦」は不治の病で既にこの世を去っており(この辺りはコヨミの項目も参照)、彼女を蘇らせるため、彼は魔法を研究。
魔法使いになる為に科学と魔法を融合させた人造ファントムである「カーバンクル」を自らの体に埋め込んだ*1。そして、暦を蘇らせる為にサバトを開き賢者の石を作り出そうとした。

しかし結果は失敗。暦は賢者の石を宿した人形コヨミとして蘇ったが、魔力が足りず肝心の彼女の心までは戻ることはなかった。
だが、この失敗から「ファントムより強力な魔力を宿した魔法使いを人柱にする」ことで再びサバトを開くことを思いつく。
コヨミを晴人に託したのは、再びサバトを開く為の魔力を貯める必要があった自分に変わり、賢者の石に魔力を供給する源が必要だったからである。


【サバト】

晴人や雄吾、美紗などが巻き込まれた日蝕時に行われた儀式。別作品で例えるなら「国土錬成陣」みたいなものか。
劇中中盤までは大量のファントムを生み出すための儀式と思われていたが、その本来の目的は日蝕の力を利用して生贄となるゲートから魔力を引きずり出し、賢者の石に供給することであり、その際に生まれる大量のファントムはあくまで副産物に過ぎない。
最初に開いた時にはファントム(グール)を人柱に魔法陣を作ったが、魔力が足りず失敗。
その時の経験を活かし「ファントムより強力な魔力を持つ4人の魔法使いを魔法陣を作る人柱にする」事でサバトを再び開こうと画策。
そのために片やワイズマンとしてファントムを操ってゲートを絶望させようとし、片や白い魔法使いとして魔法使いを集め、ウィザードや魔法使いになる資格を得た者達を守っていた。

しかし、この行為は無関係の多くの人間を絶望させ、不幸に陥れる行為であり、晴人やコヨミからも理解を得られることはなかった。
だが、笛木自身は「娘を失った私の苦しみに比べれば、そんな苦しみは小さな物に過ぎない」と全く意に介する様子を見せなかった。なにこの親バカ?


【本編での活躍】

名前自体は第41話から出ていたが、コヨミとの関係性が明かされたのは第43話に登場したゲート、西園寺のアンダーワールドの中である。

第41話ではファントムを押さえ込む事に成功した少年「飯島譲」の前に現れ、嫌がる彼を無理矢理拉致。
譲を守ろうとしたビーストを一蹴し、同時に自らの正体を掴んだ木島を口封じの為に何処かに連れ去った。
この辺りから活発に表舞台に姿を現すようになる。

第46話ではコヨミを浚おうとしたグレムリンの前に突如出現、彼を圧倒し晴人を救った。
そして、彼にこれまでコヨミを守ってくれた事に礼を言い、これからは自分が守ると彼女を連れ去った。
続く第47話でメデューサを倒す力を求める真由に晴人の持つ「インフィニティー」の指輪を渡すことと引き替えに新たな魔法「ホーリー」の指輪を手渡した。

遂に最後の魔法使いの資格を得た人物「山本昌宏」が現れたことにより用済みになったメデューサをワイズマンとして殺害、その正体を明かし同時に山本を拉致した。
そして晴人に全てを明かした上で協力を要請するも否定された為、洗脳した山本を晴人と戦わせて捕らえる。
同時に同じように洗脳した譲に、自分に不信感を抱く真由を誘拐させ、サバトの準備を整えた。


時は来た…


第49話にて遂に4人の魔法使いを人柱とし、東京そのものを魔法陣に取り込む=東京に住む全ての人を生贄とした大規模なサバトを敢行。
かつて輪島に作らせた指輪「エクリプス」で強制的に日蝕を引き起こし、東京に住むゲートはファントムになり、魔力を持たない者は死ぬ(どのみち巻き込まれた人間は全て死ぬ)という最悪の殺戮行為に打って出る。

サバト阻止に駆けつけたビーストをその圧倒的実力差でほぼ一方的に打ちのめすも、
仁藤の「自分でビーストドライバーを破壊しキマイラを解放する」という命がけの行為により、集めた魔力を全てキマイラに食い尽くされてしまう。
怒りに震えながら仁藤を倒そうとするが、人柱から解放された晴人に阻止され、戦闘になる。ドラゴタイマーによる分身に対し、デュープ→サンダーのコンボを決めて消し去り、晴人本体も変身解除させテレポートでコヨミを連れて逃走。
再びサバトを開くべく準備を進めるもコヨミに拒絶され、そこをグレムリンに強襲されてしまう。
暦を守るためにグレムリンをハーメルケインで串刺しにし、コヨミを取り返しに来た晴人と最後の戦いとなる。


連れて帰る。どけ。

断る。コヨミは…コヨミは俺が必ず助けてみせる。


コヨミからインフィニティーの指輪を受け取ったウィザードインフィニティースタイルと激闘を繰り広げ、キックストライク同士の撃ち合いにより相打ちで変身解除。
再び立ち上がり、コヨミを連れ去ろうとするが、そこに命がけの策で笛木からハーメルケインを奪ったグレムリンが襲撃。
ハーメルケインでベルトを破壊され、最愛の娘との思い出を思い出しながら消滅した。

…暦…

多くの人間もファントムも無慈悲に踏み躙り、ただ自分の目的のためだけに利用しては捨ててきた男の末路が、
アーキタイプと見下して眼中にすらなかったビーストに周到な計画を打ち破られ、サバトの副産物として生み出し利用するだけの存在だったファントムのグレムリンに殺されるという、自業自得とはいえ、皮肉な最期だった。

【戦闘力】

本編の大ボスだけあり、最終的にウィザード・インフィニティースタイルと相討ちになるまでは劇中無敗
ただ上述の数値を見ればわかるが、ライダーとしての素のスペックはそこまで飛びぬけてはおらず、平成ライダーの強化フォームと大体同じくらい(実は数値だけなら走力以外はジオウの通常形態より下)。

種を明かせば、その圧倒的な戦闘力は変身者の笛木に依存したものである。
白い魔法使い=仮面ライダーワイズマン自体は(エクスプロージョンなど強力な魔法を使えるという利点はあるが)そこまで強くないが、変身している笛木の力と知識と技術がそれを完全に補っている、というさながら昭和ライダーのような強さを持つ。

指輪の魔法使いたちは他作品の様に殴る事が出来ないので、戦闘スタイルも必然的に凝ったものとなっているが、
白い魔法使いの場合は膝や肘を多用するガチスタイル
物理学者という設定と絡めて「物理学的見地に基づく完璧な膝蹴り」と言われている。
変身解除した状態でも膝蹴りを使っているあたり、笛木のお気に入りなのかもしれない。

劇中でのウィザードとのラストバトルでは、ハーメルケインを失った上に直前のサバトで魔力が枯渇寸前、という満身創痍の状態ながら鉄壁の防御力を誇るインフィニティースタイルと互角に渡り合い相討ちとなっている。つくづくトンデモない物理学者である*2
この点だけがよく挙げられることが多いが、ウィザードもサバトの人柱にされて魔力を消耗させられたり、インフィニティースタイルに変身出来ない状況下で白い魔法使いに叩きのめされたりと、白い魔法使いと同等かそれ以上に消耗していた事もお忘れなく。


コヨミ版「白い魔法使い」


私、魔法使いになったの。晴人とお揃い…

映画『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』の『仮面ライダーウィザード 約束の場所』に登場した個体。
オーガによってホープウィザードリングから生み出されたコヨミが変身した。
リングは恐らくカーバンクルを食らったオーガが生成した魔宝石を使ったと思われるが、ベルトの出処は不明。

基本的な見た目は笛木の変身した白い魔法使いから大きな変更点はないが、細部が変化している。
胸部の金色パーツが広がっている他、こちらのブーツは女性らしさを強調するためかハイヒールになっている。
そして女性が変身者という事で、胸の膨らみが存在する(これが一番目立ちやすい変更点と言える)。

「自らの希望であるコヨミを倒す=ホープウィザードリングを壊して絶望するか、コヨミを倒せず、彼女の手で多くの人が死んでいくのを見て絶望するか」という絶望の二択を晴人に迫る為に、街を蹂躙する大規模な破壊を行う。
しかし晴人の「どんなコヨミでも受け入れる」という告白説得でオーガが付加した邪悪な部分が浄化され、ホープウィザードリングに戻った。

エクスプロージョンを使って派手に街を壊したものの、笛木と違って変身者のコヨミに戦闘経験が全くないからか、ビーストやウィザードとの戦いでは終始圧倒されていた。





ワイズマン(カーバンクル)




無駄な好奇心は時として不幸を招く。時に真実は知らない方が幸せなのだよ

声:古川登志夫
身長:245cm
体重:145kg
特色/力:腕部を変形させたブレードによる斬撃、魔宝石の生成と発射

ファントム側の首魁にして笛木が魔力を得るために創りだした人造ファントム
曲線の多い左右非対称なフォルムが特徴で、純白の体に紫色の結晶体が散りばめられた神秘的な姿をしている。
フェニックス達の前にはこの姿で現れ彼らを操っていた。

体内で魔宝石の原石を生成する能力を持ち、胸の結晶体から排出することができる。そして腕をかぎ状の刃に変化させ敵を刺し貫く。
人造ファントムながら、インフィニティースタイルの魔力を吸収・利用して破られた結界を張り直し、同時にウィザードを変身解除に追い込むなど、高い戦闘能力を持ち上級ファントムでさえ従える。
だが、外での戦闘は白い魔法使いの姿で行っている為、ウィザードとの戦闘は少ない。
また、出番も最後の魔法使いが見つかった後、笛木邸で晴人に正体を明かしたのが最後である。

人造故か量産も可能で、劇場版では人造ファントム研究所と呼ばれる場所で複数体のカーバンクルが出現した。
ただし笛木が変身していた個体とは実力には天と地ほどの差があり、理性もほぼ見受けられない。

元ネタは英語で「賢者」「魔法使い」、キリスト教における「東方の三博士」を示す言葉“wise man”から。
カーバンクルは16世紀頃にスペイン人が目撃したという額に赤い宝石状のものを持つ小動物のような伝説の生物。
カーバンクルの宝石を手に入れた者には富や幸運、成功…一括りにするなら希望がもたらされるとされている。
……本編の展開を考えると、色々と皮肉としか言いようが無い。

ちなみに『ウィザード』放送当時の一部ホビー誌では、放送序盤の段階で「カーバンクル」の名称が普通に掲載されており、思いっきりネタバレになっていた。



【他媒体での活躍】

◇『仮面ライダーゴースト 伝説!ライダーの魂』
仮面ライダーゴースト』のスピンオフドラマ。オーズ編とウィザード編に登場。
グレートアイの化身であるフレイヤとフレイによって蘇らせられ、天空寺タケル仮面ライダーゴーストと交戦する。
ここでも相変わらずの強さを誇っており、「玩具の販売期間は終わったから好き勝手やっていいよね」と言わんばかりに
  • ウィザードリングを嵌めた手で「絶望はしないのか?」という煽りと共にゴーストをたこ殴りにする*3
  • テレポート+ブリザードという新たなコンボを生み出して一方的に痛めつける。
  • 念動力を使い、反撃も許さず痛めつける。
……と、他のレジェンド怪人達がタケル達に倒されていく中、『ウィザード』本編のように2話に渡って大暴れしてみせた。
その結果、『オーズ編』にもかかわらず恐竜グリードとして復活した真木清人の存在を完全に喰ってしまっていた……。自重しろ

だが、何度圧倒されようと不屈の闘志で立ち上がり、「俺は…みんなを絶望なんかさせない……俺がみんなの希望を護ってみせる……!!」というタケルの強い言葉にウィザード魂が開眼。
これにより劣勢に立たされ、最期はストライクウィザードを模したオメガドライブを受けて撃破された。

そうか…お前もあの男と同じ、最後の希望か……

なお、蘇った後も改心などしている様子もなく(そもそも本人にとっては悪意ゼロである)、「大切な命か…大切な命など一つだけだ……」と言い放つなど相変わらずの言い様だったが、
強力な連続エクスプロージョン等を使わなかったりと、これでも手加減していてくれたのかもしれない……
なお同作に登場したボスキャラの中では事実上唯一のライダーキャラである。

◇『仮面ライダーエグゼイド
劇中に登場したゲームとして『魔法少女コヨミinマジックランド』なるものが確認できるのだが、
それが描かれたポスターの隅に「白い魔法使い実行委員会」という文言が記載されていた。
無論、『ウィザード』本編とは関係の無い所謂お遊びの要素ではあるのだが、どういうわけか「笛木なら作りかねない」という親バカなイメージが視聴者の中で固まっていたため、いじられることとなった。
他にも「実行」の文言から、一部からは「サバトを実行しようとしているのでは?」とも言われているとか何とか
ちなみにこのポスターのプロップは後の『仮面ライダーゼロワン』でも使われ、そちらでは「アニメ化絶賛制作中」の文言が添えられていた。……決して明るいストーリーになる気配がしないのは何故だ?


【余談】

企画段階では白魔法使いという呼び名だったが、マジマザーと被るという理由で変更された。

序盤から白を基調とした姿、主人公に魔法の力を授ける、滲み出る胡散臭さ、『ウィザード』という作品自体が魔法と絶望をキーワードとしている等の共通点からネタとしてキュゥべえと絡めて語られていた。
しかし終盤になって今まで起こったことは全てマッチポンプだったこと敵味方双方の生みの親だったことが明らかになり、まさかのネタがガチになってしまったのだった。
なお、必要なことを意図的に言わない質の悪さについては、そのキュゥべえが登場する作品の脚本家が参加した『仮面ライダー鎧武/ガイム』のDJサガラが担う形になった。


ちなみに本作のメインライターのきだつよしは2006年に制作・出演した舞台『マジヨ』で、
  • 「見た目は白い衣装を身に纏う壮年の男性」
  • 長い黒髪の女性に魔法の力を与えて後で犠牲にする
  • 「犠牲者や一般人を洗脳強化して主人公にぶつけ、一般人の方は爪持つ『ケルベロス』化して使役する
  • 「様々な姿で暗躍する」
  • 「正体に気づかない相手から『魔法使い』と呼ばれる」
  • 「人に希望をもたらす魔法使いな主人公と対決する」
  • 「ピンチはチャンス!」がポリシーなポジティブ男の乱入で主人公を贄に出来ず逆転されてしまう
…と「白い魔法使い」を連想させるようなラスボス(演:後のナックル星人ナクリ)を登場させていた。
但しこっちの正体は「絶望」を力にする緑色の悪魔で立ち位置や目的はファントムに近く、ストレートに主人公の手で倒されたが。

そして、その「緑色の悪魔」の外見モチーフが某悪魔人間アニメ版なので、ここから先は推論になるが、
「『マジヨ』のラスボスのやり口と外見を二分割し、かつそれぞれの動機・末路等をオリジナル化した」のが白い魔法使いとグレムリンなのかも知れない。
なお、どちらの作品でも『仮面ライダー響鬼』のレギュラー出演者が「洗脳され、主人公と戦わせられる役」を演じるという妙な共通点があったりする。

また、最愛の家族への愛ゆえに狂ってしまったという境遇や目的から見て『仮面ライダー龍騎』の神崎士郎との共通点も多い(きだつよしはオーディンの声の人と舞台で対峙した事もあった)。

圧倒的な強さがある種のシュールさを生み出しており、ファンの間ではそのキャラクター性とは裏腹に、ネタ的に扱われることも。

笛木役の池田成志は『仮面ライダー電王』でゲスト出演している。

当時51歳で変身しており、映画でのゲストライダーを除けば木野薫/アナザーアギトの43歳を上回る最高齢変身者になった。
なお、1話限定だが単にライダーに変身した役者さんというだけならば、オールド・ドーパントの攻撃で老人にされてしまった左翔太郎がぶっちぎりである(当時69歳) 。

笛木が登場してからは変身状態の声も池田成志が演じているが、ゲーム作品等テレビ以外の媒体によっては高品俊嗣が引き続き声を担当している。

平成二期における他の父親ライダーが「自分の利益の為ならどんな犠牲も厭わず、実の子供ですら手駒同然でしかない」というスタンス故に「父親失格」呼ばわりされるため、
笛木も多大な犠牲を厭わなかった為に一緒くたに彼らと一括りにされる事が多いが、彼自身は一貫して「愛娘を復活させられるのなら、それ以外の犠牲もやむなし」というスタンスであり,
人間的には決して許される行為ではないとはいえ「父親」としては最早「親バカ」とも呼べる領域にあるため、他の2人とは微妙に異なる点には注意。
また、全くの偶然ではあるが、いずれの作品も斧を武器として扱う仮面ライダーが登場しているという共通点がある。



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画像出典:仮面ライダーウィザード
© 2012 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

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最終更新:2024年04月22日 20:56

*1 因みに外部からファントムを取り込み制御する事で魔法使いになるという方法は彼が散々貶したビーストと同じ方法だったりする。

*2 もっとも、『ウィザード』のライダーのスペックは変身者の内包する魔力によって変動するので、人造ファントムを体内に埋め込んでいた笛木が変身した白い魔法使いのスペックは表記よりもかなり高いという見方も出来る。

*3 『ウィザード』本編では子供が玩具を使って遊ぶ際に真似して怪我をさせないように、「指輪の魔法使いたちは(指輪をつけての)パンチは使わない」という縛りが存在した。