ヒュッケバイン

登録日:2010/06/18(金) 17:36:07
更新日:2023/09/05 Tue 23:42:04
所要時間:約 6 分で読めます




教えてやる……

凶鳥の力……その何たるかをな!



スーパーロボット大戦シリーズ』に登場する架空の兵器。


データ

全長:19.8m
重量:132.4t(旧シリーズ)/60.4t(α/OGシリーズ)
装甲材質:不明
主な搭乗者:リン・マオ
戦闘曲:BORN TO FIGHT/TIME TO COME
イメージ曲:BLACK HOLE(ヒュッケバインのテーマ)

概要

マオ・インダストリー社によって開発されたパーソナルトルーパー(PT)。型式番号はPTX-008/009(旧シリーズではPTX-08R)。
紺色の、シャープな造形が特徴的な機体。
本機はPTX-005ビルトシュバインの運用データを元に、ゲシュペンストMk-Ⅱの量産化データを組み込み、コストダウンと汎用性を求めてマオ・インダストリー社が開発した機体である。

特筆すべき点として、多くのEOT*1を投入した機体であり、従来の機動兵器とは一線を画す性能を誇る。
三機が同時に開発され、その内二機(008L/R)はSRX計画のテスト用にメテオ3(セプタギン)内部から発見された「ブラックホールエンジン」を搭載。
ブランシュタイン家の「天才」ライディース・F・ブランシュタイン(ライ)、そしてリン・マオ自らがテストパイロットとして搭乗する予定だった。

しかし008Rのテスト時に事件が発生。
起動したブラックホールエンジンは暴走し、テストを行った月面基地を消滅させるという悲惨な結果となった。
この事故の生存者は開発者のカーク博士、同行したイルム中尉、テストパイロットを務めたライのわずか三名。
暴走時、コクピットにいたライは一命は取り留めたものの、左腕を失うという重傷を負っている。

実は、これはエンジンに意図的な欠陥が施されていたからであった。インスペクターが、協定を無視してエアロゲイターの技術を使用した地球人に制裁を加えるのが目的であったようである。(OGでの設定)

尚、何故ライだけが助かったかについて「OG」では語られていないが、「α」では予め欠陥に気付いていたシュウ・シラカワが、パイロットだけは助かるように細工を行った為と語られている。(他に細工を施せる人間もいないので、恐らくOGも同様)

残された008Lは危険視され、リンの手で封印。以後、ヒュッケバインには「バニシング(消滅している)・トルーパー」という不名誉な異名が付けられた。
開発が遅れていた最後の一機である009は機体性能そのものは非常に優秀としてエンジンを通常のプラズマ・ジェネレーターに換装し、完成の目を見ている。
また、後に008Lもエンジンの欠陥を克服し、リン自らの手で実戦に投入されている。

初出は『第4次スーパーロボット大戦』。
こちらではリアル系主人公の後半機体として登場したが、これはテスラ・ライヒ研究所の所長でもある主人公の父親が開発し、主人公への誕生日プレゼントとして渡したもの。
旧シリーズのヒュッケバインはIフィールドとF91と同じMCAとMEPEが採用されており、
パーソナルトルーパーだが、モビルスーツの技術を取り入れている為、半分はモビルスーツにも分類される。
本作では主人公がモビルスーツにも乗れるので、設定面でも見た目の面でも「機動戦士ガンダム」シリーズとクロスオーバーさせた形になっている。
何ならカラー設定でどこからどう見てもガンダムなカラーリングにもなる。同じく設定できる緑色のカラーは後に009に反映されたものと思われる。

上記の設定が付加されたのは「スーパーロボットスピリッツ」のプレストーリーが初であり、「α」及び「OG」でゲーム中の史実として登場した。
『第四次』でもゲシュペンストから乗り換える機体であるが直系の後継機というにはデザイン上のつながりはなく、間にビルトシュバインを挟むことで自然な繋がりになるよう工夫されている。

名前の由来はヴィルヘルム・ブッシュの児童文学「ハンス・フッケバイン」に登場する悪戯好きのカラス。
転じて、災いを招く鴉=凶鳥という異名の由来でもある。



ヒュッケバイン問題

カトキハジメがデザインし、そのフォルムと強さで人気を博したヒュッケバインだが、2006年ごろよりメディア関連の露出が急激に減少するという事態が起こる。
スパロボOGシリーズのアニメでも登場せず、コトブキヤから発売されたプラモデルも実質絶版ということでファンの間では何かがあったという噂が絶えなかった。
(これは後継機であるMk-ⅡMk-Ⅲも同様)

ファンの間では、ヒュッケバインが(上記の前提を考えると当然の話ではあるのだが)ガンダムに酷似したデザイン故に、創通やサンライズ、バンダイからクレームを受けたのではないかと言われているが、あくまで憶測にすぎないので真実であるかのように話すのは禁物である
この件が囁かれるようになったスーパーロボット大戦OGSでは全シリーズ登場しているが、第二次スーパーロボット大戦OGでは登場はするものの量産型ヒュッケバインMk-Ⅱを除き全機体が使用できないという憂き目に。
その量産型ヒュッケバインMk-Ⅱは別にガンダム似ということはないので猶更上記の説が補強されることになってしまった。

『魔装機神』のデュラクシールも同じ事が言えるが、こちらはリメイクにてデザインが変更されており特に問題なく出演している。
また、アニメではヒュッケバインの代替となる機体が色々出てくるが、その内の一機は設定上でも明確にヒュッケバインの改修機とされている。作中でも名前が出てくる辺りスタッフの意地を感じずにはいられない。

それから長い月日が経ち、2017年以降はスパロボで使用可能な機体として出てくる、バンダイから立体物が複数出ているなどヒュッケバイン問題は概ね終着を見たと言ってもよい状態ではある。
OGシリーズの開発が止まっていることもあってOGシリーズで暴れるヒュッケバインを見られないのは残念なところだが。

ちなみに絶版となったヒュッケバインシリーズのプラモだが、取り立ててレアという訳でもないので探せば割とフツーに買える。
ただし、買う時は下調べしないと痛い目を見るので注意(パッケージが新旧の二種類存在する)。


武装

バルカン砲
読んで字の如く。

4連装ミサイルランチャー
OGシリーズには登場しない武器。
デザイン上発射口がないので、恐らくオプション。

マイクロミサイル
MAP兵器。「奇跡」込みで敵陣を蹂躙する本命武装。
ダメージ計算式と威力の変化もあり、「F完結編」ではエライ弱体化。イデゲージ調節用にでも使えるようだが…
OGには登場しなかったが……(後述)

プラズマソード
読んで字の如く。
OG(ry

ロシュセイバー
重力波の剣。
OGシリーズでは換装可能。
収束率が上がった分、間合いが伸びるらしい。

ブーステッド・ライフル
タイプ009の初期武装。
換装可能。

リープ・スラッシャー
使い勝手のいいブーメラン。分割されたパーツが合体し、敵に襲いかかる。
『第四次』と『F完結編』では名前通りワープして敵の眼前に移動し切り裂くというアニメーションだったのだが、以後の作品ではどれもこれもワープしない。何故だ。
OGでは換装可能。なので009はバルカン以外全武器が換装武器となっている。

ブラックホールキャノン
ヒュッケバインの最強武器。
マイクロブラックホールを生成・射出する武器で、009には使えない。
『電撃スパロボ!』に掲載された「パーソナルトルーパー開発史」によると、ブラックホールキャノン自体にブラックホールエンジンが搭載されているらしい。
直撃したターゲットは瓦礫もろとも重力場に飲み込まれ爆散してゆく。

グランゾンのブラックホールクラスターと原理自体は同じ。
大砲型の重力兵器ということで、イデオンガンをも思わせるがこちらは意識したかは不明。


劇中の活躍

『第4次』では恐らく味方側の最強機。
Iフィールド、分身、驚異の運動性にブラックホールキャノンの火力で、後の「スーパーの火力を持つリアル」の先駆け的存在。
ぶっちゃけグルンガスト涙目な性能。ちなみに分身はガンダムF91と同じ原理だとか。
(ただし記載されたのが、復刻版超合金マジンガーZ応募券のおまけこと『全スーパーロボット大戦電視大百科』なので、設定が練り直されたα以降では不明確)

『F完結編』でも同じような事情で入手するが、今作は更にヤバめのユニットが多数存在するので最強とは行かない。…が、それまでのゲシュペンストからすれば感動する強さには違いない。
やっぱりグルンガスト涙目。

『α』には設定のみの登場だが、008LがヒュッケバインEXとして登場。
しかし容量の問題か、外見はMk-Ⅱの色違いである。
アニメの(設定上)同一機が「元々は赤だった」という設定はこれが元ネタだろう。

『OG1』では008L、009が登場。
普通にプレイすると009のみだが、条件を満たすとリン社長かヴィレッタさんが008Lで登場する。

『OG2』には008Lのみ登場。
汎用機なので誰でも乗れるが、「OGs」だと大抵の連中に専用機があるので、やはりリン社長を乗せるのが一番か。
全般的に能力の高いヴィレッタさんや、専用機がない事に不服を漏らすカチーナ中尉でもいいかもしれない。
インスペクターの量産ヒュッケ軍団相手に啖呵を切る社長に燃える。特にOGSはリアルに起こった出来事が出来事なだけにさらに熱い。


我らのヒュッケバインは、決して消えやしない事を!


…しかし、『第2次OG』ではガリルナガンによってヒュッケシリーズの大半が破壊されてしまった。

参戦を期待していた古参プレイヤーが絶望の底に叩き落とされ、阿鼻叫喚したのは言うまでもない…。
「嫌ぁ~~!!我らのヒュッケがぁぁぁぁぁ!!!」
『第2次OG』では全機体のグラフィックが新たに書き直されたのだが、ヒュッケバイン一族はグラフィックがあるのに一切使う事もNPCとして参戦することもなく破壊されてしまう。開発当初は使える予定だったのだろうか。

その意志は予備パーツ共々「凶鳥の末裔」たるエグゼクスバインに引き継がれている。
さらに、その系譜はアニメ生まれの新たなる凶鳥・エクスバインが受け継ぎつつある。
ちなみにOGシリーズのエグゼクスバインは元を辿ればヒュッケバイン009であり、兄弟の三男坊にして一族の末裔という中々面白い立ち位置である。





そして、2016年10月31日。『スーパーロボット大戦V』のPV第1弾が公表。
主人公機が紹介された後、スパロボ25周年を記念してスペシャル参戦するオリジナルロボットとして、ヒュッケバインが紹介された。
まさか、まさかの復活に目を疑い、狂喜乱舞したファンも多いだろう。
デザインとカラーリングは『第4次』のそれで、ヴェルターブ・テックストを相棒に本作独自の設定で飛び立つ。

なお本作ではヒュッケバインだけでなくグルンガストも参戦しており、初回限定版に封入されているプロダクトコードを入力すると両機体が本来よりも早い時期に加入するようになる。

消し飛ばされ、灰となった凶鳥は、今ここに再び蘇ったのである。

そして上でも触れたが、バンダイからスーパーロボット大戦V準拠のヒュッケバインの立体物(METAL ROBOT魂)が発売された。
その後食玩でも発売されるなど、これまでの冬の時代が嘘だったかのような露出になっている。

武装

●バルカン砲
読んで字の如く。運動性ダウンの特殊効果。

●マイクロミサイル
旧シリーズでもOGでも実装されなかった通常兵器版。4連ミサイルランチャーとポジションを統合したようだ。
人によっては最初に解禁されるMAP兵器であり、威力ではなく投下型+敵味方識別による使いやすさを追求している。

●ロシュセイバー
重力波の剣。唯一の格闘武装。

●リープ・スラッシャー
『第4次』同様追加武装がくるまでの最強武装。気力制も緩い。

●ブラックホールキャノン
後半加入時or「新しい力」でお披露目され、追加される最強武器。
相手がブラックホールに飲み込まれる際の演出もハードの進化を交えてバッチリ再現された。


シリーズ30周年記念作品の「スーパーロボット大戦30」では、主人公機として新たな凶鳥「ヒュッケバイン30」が登場。
最初はXXXの字のバイザーを付けているが、シナリオを進めると………





追記もアニヲタ、修正もアニヲタか……つくづく因果なWikiだな。

だが、項目を編集している連中に教えてやる……

Wiki籠もりの力……その何たるかをな!


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最終更新:2023年09月05日 23:42

*1 エクストラ・オーバー・テクノロジー