ヴァルター(FE)

登録日:2012/04/10(火) 03:20:38
更新日:2024/04/12 Fri 23:24:05
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貴様は、私に喰われろ。



出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


CV:大川透(FEヒーローズ)

マギ・ヴァル大陸の国家グラド帝国六将軍の一人であり、「月長石」の名を授かっている。
元々は帝国三騎で、彼はデュッセルグレンと共にその一角を担っていた古株。
「民間人を虐待する」などあまりに残酷な行いから軍を追放されていたが、突如皇帝により六将軍の一人に返り咲いた。
初登場は序章で主人公らの祖国ルネス王国を滅ぼす場面から姿を見せ、ルネスの聖騎士ゼトに大怪我を負わせる(支援会話によると一生の傷になる)など因縁の相手となるような雰囲気を醸し出す*1
余談だが、これによりゼトはHP13(初期最大値30)の状態で序章の攻略を強いられる事になる。まぁ普通に戦っていれば『むずかしい』でも楽勝だが。

5章外伝では水城レンバールに現れ、エフラム隊を追いつめる。
しかし、逃げ場のないところに大軍で追いつめてもあっさり切り抜けられてしまった
彼の詰めが甘いのか、エフラムの腕が凄いのか……エフラムが具体的にどう包囲から逃れたのか一切語ってくれないので、流石に不自然さが残る。

エフラム編10章ではデュッセルを処刑しようとするセライナに皇帝が不信していると言って引かせる。
そしてこの場を預かる事になったのだが、部下に任せて自分はエイリークの方へ向かっていった。
そのせいでデュッセルには寝返られ、グラドには攻め込まれてしまう事に。

エイリーク編11章では皇帝の真意を探りに帝国へ戻ろうとした六将軍の一人グレンを殺害している。
そして13章でグレンの弟クーガーに死体を見せて「エイリークに槍で討たれた」と伝え、エイリークらに彼をけしかける。
知っての通りエイリークの武器は剣だが、自分で刺し殺した死体を持ち帰った以上そうとしか言えなかった。
本編とは関係ないが、後に発売したFE覚醒のDLCマップに登場する異界のエイリークが槍を使えるクラス「花嫁」で加入してくる。
クーガーがこの事を知っていたら彼の計画はここで頓挫していた可能性が高い。


また、彼について語る上で外せないのが疑問形の台詞である。
ほとんどの場合に語尾につけるため、不穏さがあるとも言えるし、小物っぽいとも言える。
登場時はなかなか不穏な感じだったのだが、それ以降の振る舞いやユニットとしての弱さを鑑みると…




歯ごたえのない雑魚などいらん……
血のしたたるような極上の獲物を……


私 に 喰 わ せ ろ !



対決するのは15章「灼けた砂」
ジャハナの大砂漠にて、同じ帝国六将のケセルダと共にボスとして参戦。

○ステータス
※右側は「むずかしい」時のステータス。若干誤差あり。
LV13
HP40→44
力19→21
技17→19
速さ15→17
幸運3→4
守備13→14
魔防10→11
体格11
移動8
槍A

所持品
ぎんのやり
スレンドスピア
フィーリの守護

クラスは本作にのみ登場するワイバーンナイト。使用武器は槍のみだが、全体的にステータスの高い飛行系ユニットである。
月長石らしく守備を無視する【貫通】*2のスキルを持ち、飛行タイプの弱点である弓特攻はフィーリの加護でカバーしている。
弱点である低い魔防を狙い魔法で間接攻撃を仕掛けようにもスレンドスピアも持っていて隙がない。
しかも砂漠マップにおいて移動力8の飛行系ユニットである。こんなもんが貫通まで持って襲い掛かられたらいったいどうなってしまうのやら……。

……と、以上の様に序盤からの登場、主人公の祖国への襲撃や数々の行動から、強敵と言う印象が強かったのだが。


ものすごく弱い。



まず、竜騎士は地形に左右されない高い移動力がウリであり、
実際に他の竜騎士がこちらの動きにくい砂漠を平然と無視して突っ切ってくるにもかかわらず、
彼は動かずにひたすら構えているのである。しかも玉座とか城門じゃなくてごく普通の平地で。
砂に足を取られて移動力が落ちるケセルダはえっちらおっちら動くのに。
実はHPが減りすぎるとヘタレて砦に向かって逃走しはじめることがある
スレンドスピアは持ち替えないと装備しないので、他の敵を倒せば間接攻撃→救出で倒す事が可能。
フィーリの守護を盗めばより手早く倒す事が出来てしまう。トロいので仲間になりたての初期値レナック相手にすら没収される
ドロップアイテムだが別に盗めないなんてことはない上に砂漠マップと言うことで財宝探しのために盗賊が出撃している事が多いため
盗まれた上にヒーニアスあたりの弓であっさり撃墜されるヴァルター様が多々…
せめてケセルダと同じく攻撃範囲に入れば動く…くらいすれば、一転してそこそこ強い程度にはなれただろうに。寧ろこの特性はヴァルターだからこそ本領を発揮するのだが…
開発側が想定しただろうFE未経験の初心者であっても、ここまで進めたなら対応できたと思うのだが。

そしてそもそもステータスが低い。グレンを殺したときは53もあったHPがなぜか40まで減り、幸運なんかたったの3。
エイリーク編のクーガーを仲間にして即クラスチェンジさせただけでも技と魔防以外はヴァルター以上になり、
ふつうどころかむずかしいですら良い勝負ができてしまう。
同じネタキャラとして知られる竜騎士のナーシェンと比べてもレベルが3も上にもかかわらず力と技以外全て負け、合計値に至っては20近く低い。

しかもグレンを殺したキラーランスはなぜか持っていないので
貫通を発動されたところでぎんのやりならHP34、スレンドスピアならHPが30以上あれば追撃でもなければ死ぬことはない。
そして全く動かないし回復もしないので、間接攻撃できるキャラなら殴って救出を繰り返すだけで楽勝である。
エフラム編の場合、弓兵を育ててなくともこの章でぎんのゆみを所持してる人が登場するので尚更である。
なにせ難易度ふつうでフィーリの守護をパクられた場合 初期値のヒーニアスのぎんの弓で丁度一撃で撃墜される。

また、今作にはドラゴン系特効かつ三すくみで有利なドラゴンアクスが存在している。
……丁度彼の手前にいるバーサーカーが落とすアイテムだが。
難易度ふつうの場合ドズラやデュッセルの手にかかれば 初期値でワンパンで轟沈する。
ドラゴンアクスは命中が低く、デュッセルは砂漠なので移動が死に、ドズラはトロいので攻撃を外すと追撃を受けるため、「貫通」が発動されて返り討ちという可能性もあるが、ヴァルター側も運が低く回避が死んでいる上に地形効果も受けられないので十分採用の余地がある。

さすがにむずかしいでは強化され、初期値のヒーニアスやドラゴンアクスで轟沈することはないが、正直だから何だというレベルでしかない。
事前に適当な間接攻撃で一発ダメージを与えれば済む話である…
ただし、デュッセルも初期ステでは追撃を受けるようになった為危険度は増している。無理にワンパンは狙わず堅実に間接攻撃で仕留めるのがベターか。

そしてストーリーを見ても活躍に恵まれない。むしろ自業自得の失態続きというか、トリックスターになりきれてないトリックスター感すら漂うのである。
エイリーク(17)に対して強気な女を屈服させるのが楽しいと発言したり、自分の楽しみのためにそのまま逃がしたり。
キレたクーガーを送ったりもするが、もし彼女を討ち取ってしまったらどうしてしまうつもりだったのだろうか。

前述の5章外伝では傭兵部隊でエフラムを追い込み、さらにその傭兵を捨て駒にして城に誘った彼等を大軍で完全包囲という圧倒的有利な状況で「自分に媚びろ」という旨の発言をするが、「断る」「お前の相手をしている暇はない」と一蹴された挙句、相手にはスパイまでいるのに たった3人相手の追撃に失敗し、包囲網を突破されて全員生還される というもはやありえないレベルの醜態を晒している。
しかも包囲に成功したのは部下のティラードの用意した策によるものであり、ヴァルター自身は傭兵を雇ってドヤ顔で勝利宣言しただけでほとんど何もしていない。


グラド側から見ても……、
●楽しみは後で取っておこうとエイリークを見逃す。
●戦を長引かせて楽しもうとした結果、デュッセルはエフラム側に付き、セライナの足を遠ざける。
●六将軍の一人であるグレンを殺害する。

……と事態を掻き乱してばかり。

こいつはわざと足を引っ張っているのかと思いたくなるくらいに狂った行動が多い。
逆に言えば、コイツがまともだったらグラドは負けなかったんじゃねぇか?と思えるほど。
先の彼の包囲網もよく見ると、西側こそドルイドの大軍だが、東側はソルジャーしかいないというわざととしか思えないレベルの配置である…
そしてヴァルターはドラゴンナイトの大軍とともに西側から颯爽と現れ、エフラムの宣告どおり東から包囲を破られている…
(ちなみにこの時ティラードはジェネラルの移動力のせいか不在である)

失態続きという点はかのナーシェンも同様だが、あちらは「相手の方が一枚上手だったから*3」というパターンが多く、中盤までの計略は相当良い段階まで運べており、致命的な後半の失敗は「副官の誤報」「やたら保身に走る性格のせいで周囲からの信頼が皆無だったこと」などが原因だったのだが、
ヴァルターの場合は逆に「副官が敵の大将を包囲するお膳立てをしてくれている」にもかかわらず取り逃がしてしまっている、場合によっては自分の気まぐれで逃がしているあたりその残念っぷりは比較にならない。
しかもその尻拭いまで副官に押し付けている始末である。ここまで来ると『敵より恐ろしい無能な味方』の典型例と言ってしまっても良い。何だってこんな奴を六将軍にしたのか……。

彼が残虐な性格になってしまった理由はデュッセルとクーガーの支援会話で明かされる。
かつて戦場でヴァルターの槍が折れた時、彼が無断で手にしたのはデュッセルの家に伝わる魔性の槍だった。
使い手を狂気に走らせる力を持ち、当主が肌身離さず持つものなのだが、それを手にしたヴァルターの狂気が増大し、ここまでに至ったと言う。
元々ヴァルター本人にもそういう気質自体はあったらしいが、槍を手にするまでは穏健かつ聡明なヴィガルドから帝国三将の一角を任されるあたり、一応の分別は保っていたようだ。
デュッセルはすぐに取り上げたが、もう手遅れであったという。なんでそんな厄介な物を壊さず、戦場でも後生大事に所持しているんですかねぇ…?



一応クリア後のフリーマップで使用可能になる…のだが、

○初期値と成長率
ワイバーンナイト LV13
HP40(80)
力19(40)
技17(55)
速さ15(50)
幸運3(15)
守備13(20)
魔防10(20)
体格11
移動8
槍A


本編同様の残念なステータスで出てくるため
グレンと比べ速さと魔防以外の全ての能力で劣っており、Lvが1上にもかかわらず合計値でも4ほど負けている。
成長率も劣っているので期待値に至っては9も低い。
しかも本編でグレンを殺す際に追撃していたにもかかわらず、実際には追撃ができない体たらく。 貫通がでなければ逆に殺られる。
高レベルの魔物がひしめくラグドゥ遺跡では必殺が怖すぎてとても起用出来たものではない。
成長率自体は速攻型アタッカーとしてそう悪くないので、初期レベルがもっと低ければ良かったのだが…。
所持品は本編と同じなのでフィーリの守護とスレンドスピアはありがたく頂戴しておきたい。
彼自身を起用するなら最低でもポプロンの守護とフィーリの加護の両方を装備させておくと良いだろう。

あえて使う意義があるとしたら自軍にワイバーンナイトがヴァルターしかいない場合だろうか。
クーガーやターナ、ヴァネッサは成長率との相性や剣を使えること、トライアングルアタックの存在からドラゴンマスターファルコンナイトになるケースも多い。


あまりに弱すぎたためか、北米版ではステータスが向上(HP+5、速さ魔防+2)し、初期値のキャラにはワンパンされなくなり
初期装備がスレンドスピアになり反撃可能に。さらに武器レベルがSになったことで必殺が18もあり、初期配置も砦の上になっているなど強化された。
「むずかしい」だとこれに加えて更に強化されるので、流石に侮れなくなった。


そんなわけで、敵味方ともに妙にネタキャラが多い聖魔において非常に分かりやすいネタっぷりを持った名物キャラとして話題となった。
……のだが、敵将マニアの間では
  • 戦うメリットが何一つとしてなく、だからこそぶっ壊れた強さを持つ20章アーヴ
  • 14章で戦うにしてはふざけきったステータスを持つ、しかもなぜか斧の国なのに槍の名手、ヴィカルド
  • 小物臭い言動に対して「むずかしい」ではパージで戦場を引っ掻き回すほど凶悪なユニットとなったパブロ
  • エロ同人の竿役オークにしか見えない名将、ゲブ様
  • あなた あなた あなたあなたあなた
あたりの方が印象が濃いという、これまた何とも言えない立ち位置となってしまったのだった。

ウルスラやヒルダのようなカリスマキャラにもなれず、ナーシェンや魔王フォデスのようなネタキャラにもなりきれぬ……なんとも哀れだな?

〇FEH



ソーシャルゲーム「ファイアーエムブレムヒーローズ」においては2017年8月開催の大英雄戦で、聖魔の敵ユニットでは初めての実装となった。
原作ではデュッセルの口から言及されるのみだった「魔性の槍」が武器スキルに、
奥義には守備・魔防を-50%扱いにして攻撃する「月光」、Aスキルには攻撃時に素早さを上げる「飛燕の一撃」
CスキルにHPが上回った場合に十字方向の敵の「~の鼓舞」等でプラスされた能力をマイナスに反転する「恐慌の奇策」を持つ。

特筆すべきは固有武器である「魔性の槍」で、攻撃力はファルシオン等の神器に匹敵する現時点での最高値16、さらに攻撃と速さに+2の補正がかかり、
キラー系武器同様に奥義発動カウントが-1される効果、攻撃する度に固定4ダメージを受けるデメリットを併せ持つ。

これにより元々飛行の槍ユニットとしては高水準に纏まったステータスがパッシブの枠を圧迫せずに「獅子奮迅2」相当の補正を受けて底上げされ、「飛燕の一撃」によって
さらに高められた速さによって追撃を行う事で「月光」を常に発動出来る状態にまで持っていき、安定して高い火力を叩き出す事が可能となっている。
(原作のクラスであるワイバーンナイトのスキル「貫通」を再現していると思われる)
常に固定4ダメージを受けるのは痛いが、空いているBスキルに「攻め立て」を継承してやればこれを逆手にとって能動的に発動を狙いやすくなるため、長所にもなり得る。

欠点としては飛行ユニット共通の弱点である弓に対する特攻、
魔性の槍を使う場合は自傷ダメージによって継戦能力が低くなる事、魔防がやや低めなので魔法ユニットの誘い出しは不得手である事。
速さはあくまで「飛燕の一撃」や「魔性の槍」による補正頼りのため素の速さは決して高くはない事、敵のHPが跳ね上がる難易度インファナルなどでは「恐慌の奇策」が腐りやすい事か。

…と、短所もそれなりにあるが、全員が入手できるイベント配布キャラとしては、
原作でのネタっぷりが嘘のような飛行槍ユニットとして屈指の高性能キャラに仕上がっている。
「攻め立て」を継承するだけでヴァルターのスキル構成はほぼ完成を見るのもライトユーザーには地味にありがたい点。
(攻め立ては比較的ガチャでの排出が狙いやすい☆4シャニーから3まで一気に継承できるため)

2020年11月のアップデートで錬成武器に選ばれた。
補正が+3に上がって守備、魔防にも補正が加わるようになるが自傷ダメージも6増える「獅子奮迅3」を内蔵する効果になった。特殊錬成は自分のHPが99%以下か敵が不利な異常状態を付与している時は戦闘中、攻撃、速さ、守備+5かつキャンセル効果。彼の残虐さを象徴するように敵の隙を付かせて倒す個性を獲得した

CV:大川透氏の渋く威厳のある声も非常にカッコイイので必聴。


Wiki篭り……お前さえ良ければ私の項目の追記・修正係にしてやってもいいぞ? ……いや、なれ?

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最終更新:2024年04月12日 23:24

*1 この時「『月長石』のヴァルター」と名乗りを挙げているが、皇帝ヴィガルドが大陸制覇のために帝国三騎だけでは不足だとして特に貢献した三人を彼らと同格の将軍に任命したのはルネス王国を完全掌握した後なので、本来なら勝手に将軍格を名乗っていることになる。まぁケセルダが主君にタメ口で話しても何ら処罰されていないしそもそも皇族父子がすでにまともな状態でないのでどうでもいいことだったのだろう。

*2 他作品で言う「月光」「月光剣」

*3 ファイアーエムブレムシリーズはすでに30年以上続いている息の長いシリーズだが、現在でもロイは「もっとも知略的な主人公」と呼ばれる。ナーシェンも決してケンプフやエクセライのように策が空回るだけというわけではなく、ロイとセシリアのコネに加えてセシリアの「三軍将の一角(国王に直訴でき、軍事的な立場も高い)」という立場さえなければ「労せずリキアを手中に収めた」レベルだった。