アレックス(映画)

登録日:2010/03/14 Sun 23:59:23
更新日:2024/03/10 Sun 21:54:50
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未来はすでに決まっている




『アレックス(原題:Irreversible)』とは、2002年に公開されたフランス映画。日本ではコムストック・グループが配給。R-18(現・R18+)指定
興行収入約$573,018。

史上最強の鬱映画の一つであり、「最初からクライマックス」とはこの映画のためにある言葉であろう。

カンヌ国際映画祭では、200人が途中退場した問題作。



【ストーリー】


ゲイクラブ「レクタム(直腸)」で、マルキュスとピエールはテニアという人物を探していた。

その十数時間前、マルキュスの恋人・アレックスは妊娠に歓喜していた。


その数時間前、子供たちが遊び戯れる広場でアレックスは長閑に読書をしていた。

自分に降りかかる、残酷な運命を知らずに…。



「時は全てを破壊する…」



【概要】


『クリムゾン・リバー』『ジェヴォーダンの獣』に出演したヴァンサン・カッセルと、『マレーナ』や『マトリックス・リローデッド』に出演したモニカ・ベルッチの(当時)夫妻が共演した、フランス映画界の鬼才ギャスパー・ノエ監督の作品である。


原題の「Irreversible」とは、不可逆や後戻り出来ないという意味。 
この作品は時間軸を逆に描いており、オープニングはエンドロール。つまり、ラストが本来のオープニングである。

ラストに流れるベートーヴェンの「交響曲第7番・第2楽章」は、見た人間のトラウマとなるであろう。

2021年にはノエ監督自らの手で時系列順に再編集した『アレックス STRAIGHT CUT(原題:Irreversible - Inversion Integrale)』が公開された(日本配給:太秦)。


【スタッフ】


監督・脚本・撮影・編集:ギャスパー・ノエ
音楽:トム・バンガルテル(ダフト・パンク)


【キャスト】


カッコ内は日本語吹き替え版。
  • アレックス:モニカ・ベルッチ(田中敦子
  • マルキュス:ヴァンサン・カッセル(山路和弘
  • ピエール:アルベール・デュポンテル(牛山茂)
  • テニア:ジョー・プレスティア(谷口節)
  • 元肉屋:フィリップ・ナオン(宝亀勝寿)

【受賞】


いずれも2003年度
ストックホルム国際映画祭:作品賞
サンディエゴ映画批評家協会賞


【その他】


主人公の名前「アレックス」は、スタンリー・キューブリック監督の映画『時計じかけのオレンジ』の主人公からきている。ベートーヴェンが流れるのはそのため。

冒頭の凄惨な暴力シーンと、モニカ・ベルッチが受ける壮絶なレイプシーン(映画史上最長と言われる)で、カンヌ国際映画祭ではブーイングの嵐だった。
日本でも東京国際ファンタスティック映画祭で同様の反応が相次いだ。事前情報のないシークレット枠だが、そのせいで苦情が相次いだという。

【一言感想】


※Rotten Tomatoesより引用
賛寄り
  • 我慢の限界に達しそう。見るには怒りや動揺を捨てなきゃダメ。しかし作品作り自体は真摯で、ノエ氏は素晴らしい監督だ。
  • 無慈悲な運命への探索として、性的表現と嫌悪感を過剰なまでに学んだよ。
  • 生き地獄をこの上なく具現化した。

否寄り
  • 一番馬鹿げてるのは、ひたすら嘲笑うようなニヒリズムしかアレックスから感じなかったことだ。モラルなど一遍もない。
  • 見終わったら最悪な気分だった。知的とかけ離れた暴力性と自惚れさが鼻についたから、この映画はダメ。

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最終更新:2024年03月10日 21:54

*1 ちなみにこの男は同監督の前作『カノン』の主人公。カノンの後日談からシームレスに本筋へと移行していく。

*2 この9分にわたるレイプシーンと暴行シーンは映画史上最長と言われ、ノーカットで撮影されている。ちなみに性器や怪我はCGだが、それ以外は演者による体当たり演技。