バカマツタケ

登録日:2011/06/11(土) 22:34:03
更新日:2024/01/09 Tue 16:50:51
所要時間:約 4 分で読めます




……へ?バカ?マツタケ?
ち、ちょっと待て!それってもしかするともしかしなくてももしかして、あたしの事言ってるのか!?
ったく…褒めるかけなすかどっちかにしろよ!!



バカマツタケ(馬鹿松茸)は日本に棲息する、ハラタケ目キシメジ科のキノコの一種である。



「赤っ…!?違う!赤くなんかなってないぞ!これは、あの、えーと…あれだ、トマト病だ!!」


外見上はマツタケにそっくり。
違いと言えば、マツタケよりやや小さく、赤みを帯びているという事くらいである。


しかし名前はバカマツタケ。

これのように、外見等が似ていたりする生物に「ダマシ」だの「ニセ」だの「モドキ」だのという和名が付けられる事は割と多い。
実際、マツタケにも「マツタケモドキ」だの「ニセマツタケ」だのが存在する。

が、このキノコに至ってはまさかのバカ呼ばわりである。


名前の由来は当然バカな松茸に外ならない。ではこのキノコの一体何がバカなのか。
実は、似ているという事以外にも一応理由はあるのである。



「あれ?確か今日って…うっそ、あたし集合場所間違えた!?あちゃー…こりゃマツタケの名折れですな」


知っての通り、マツタケはアカマツ等の松林に生える事が多い。
だがこのキノコは、ミズナラ・コナラの茂る雑木林に生えるのだ。


間違いなくバカである。



「しかも集合時間も違うって!?いやいや大丈夫、ほら¨早起きはサンコンお得¨って言うじゃん?
…え、何?それも間違ってる!?し、知るか!諺なんか知らなくたって生きてけらぁ!」


また、生える時期がマツタケより二ヶ月ほど早いらしい。


まごうことなくバカである。

このキノコが「バカ」と呼ばれるのは、実は単に「マツタケのくせに、生える場所も時期も間違えるバカだから」という理由からなのだ。
なんというか…和名ってそんなものなのである。



が。




「世界的なバカっていう事は…にゃははは、そうか!やっぱりあたしは、世界に羽ばたく逸材って事ですな!?」


バカマツタケの学名は
Tricholoma bakamatsutake。



Tricholoma bakamatsutake




bakamatsutake
バカマツタケ



国内だけでなく、全世界用の正式な名前である学名でもバカ呼ばわりされている。
つまり公式認定。世界に轟くバカマツタケ。ワールドワイドバカ。バカオブバカズ。



「くそぉ…バカって言う方がバカなんだぞ、このバカ!バカ!バカバカバカ!今に見返してやるからな!バカバカバカっ!」


因みに食用*1

そのうえ、マツタケと大差ない味をしているばかりか香りに関してはマツタケ以上だという。
香まつたけ味しめじ。

ちょっと待て、香りがウリの松茸と味が同じで、且つ松茸以上の香りとなるとマツタケ<バカマツタケとならないか?
バカにできないキノコである。

しかし、手放しに喜んでもいられないという声も一部にはあるようで、マツタケの香りと言えば西洋では「軍人の靴下の臭い」と揶揄されるシロモノでもあり
それが強まると言うことは、より明確に好き嫌いが分かれることにもつながり、過ぎたるは猶及ばざるが如し理論で無視できない欠点にもなりうる。
特に「和食は引き算」と言われ、マツタケも和食がメインになるわけで、悪く言えば上品さ繊細さ欠けるとも言えるこれを大いにマイナス査定とする人も少なくはないようで
山溪カラー名鑑など一部のキノコ図鑑では本家マツタケより格下とみなす書籍も存在する。



2018年2月には奈良県の奈良県森林技術センターで2017年に人工栽培に成功したことが発表。
さらに2018年10月には、肥料メーカーの多木化学が完全人工栽培に成功したと発表した。

両者の違いとしては前者が「人工的に菌の培養および自社林内で人工的な子実体発生に成功」(育てたのはあくまでもブナ林)に対して、
後者は「従来の菌床栽培」であること。

少し脱線するが、本家のマツタケの人工栽培を困難にした要因として菌根菌であることがあげられている。
シイタケなどの人工栽培容易なキノコは腐朽菌の一種であり、腐った樹木などを土台として成長できるのに対して、
菌根菌は樹木の根に共生(半ば寄生なのもあるが)して木から栄養をもらって成長していくため、
野生種がどのような条件でどうやって共生しているのか、その仕組みを解き明かさないと人工栽培は不可能なのである。
一応、菌根菌であるホンシメジの人工栽培には成功しているが、あちらは腐朽菌としての性質もあるため可能だったのだ。

奈良県森林技術センターの場合は、整備された林内に人工的に培養した菌を植え付けることでの栽培が可能となり、
多木化学の場合はキノコ栽培においてメリットが多い「菌床栽培」が可能となったのである(生育条件は現状企業秘密らしい)。
菌根菌自体人工栽培が難しいため前者でも十分凄いのだが*2、後者は学術的にも非常に価値が高い研究結果となる*3

完全人工栽培に成功した多木化学は今後、自社生産に向けて準備を進め令和4年度内の事業化を目指す方針とのこと。

今後は商品化されて食卓に上るかもしれない。



なに?あたしの項目を追記修正したいって?


そーかそーか、ようやくあたしの偉大さがわかったか!ふははは!崇めろ!讃えろ!天才秀才バカマツタケ様と呼べ!あっはははは!


…ってやめろ!何してんだ!バカって書くな!匂い嗅ぐなぁ!



…ったく…お前の方がバカだろ、このバカ!バカバカバカ!バーカ!もう知るかっ!



…………バカ……
ちゃんと、最後まで責任とってくれよ。あたしって本当にバカだからさ、自分じゃ追記修正できないんだよ…
これじゃどっちがバカかわからないじゃないか…



―BAKA★END―



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出演:バカマツタケさん
追記修正:アナタ

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最終更新:2024年01月09日 16:50

*1 ちなみにマツタケの偽物と言うマツタケモドキやニセマツタケは香りもなくて味は劣れど、食べられないことはない存在で、マツに生えている限りマツタケに類似したキノコに有毒種は存在しないとされているので、その点は安心。強いて言えば状況によっては似た形になると言われているカキシメジに注意。よく鼻を利かせよう。

*2 少なくとも本家マツタケは里山再生事業ともリンクするため、こちらの方面での人工栽培が非常に期待されていた。

*3 以前もマツタケ菌糸の培養に成功した例自体はあったのだが、子実体=所謂キノコの状態にまで出来た例がなかったため。菌糸から子実体にするシグナル自体は種によって異なるが、シグナル調整による子実体の形成が不可能ではないと判明したことは学術的にも重要なのである。また菌根菌類の食用キノコは高級品や味の評価も高い種が多いため、そちらの方面でも期待がなされている。