メローネ(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2009/08/31 Mon 15:09:24
更新日:2024/02/10 Sat 15:27:22
所要時間:約 8 分で読めます





君…健康状態は…

「良好」ですか?


ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』に登場する人物。
CV:木内秀信(黄金の旋風)/野島健児(オールスターバトル)/間島淳司(アニメ版)
名前の由来はイタリア語で「メロン(Melone)」。直前のプロシュート兄貴の名前の由来は生ハムだが、狙ったのだろうか……*1
余談だが黄金の風の舞台であるイタリア共和国のロンバルディア州コモ県にメローネという街がある。


【概要】

暗殺(ヒットマン)チームの一員。
片目が隠れた半透明の変なマスクと薄紫の長髪*2が特徴で、「ディモールト(非常に)」が口癖の、端正な容姿の美青年
容姿「だけ」なら、暗殺チーム一番の(そして『ジョジョ』でも屈指の)色男。

…なのだが、その美形っぷりを全部台無しにするぐらいのド変態
どれくらいかと言うと女性にビンタされた時に、

スゴクいい!いいビンタだ!!
と喜び、しかも


手首のスナップといい腰の入れ方といい
こういう元気なビンタをくり出せるんなら君の健康状態はまちがいなく




「 良 好 」だ(ペロリ


と、妙に細かい説明をしながらその手を舐め、皮膚を舐めただけで血液型を判断できるぐらいの変態*3

補足するとドMの変態ではない。が、それはそれでやばい変態

アニメ版では変態趣味を除けば(ある意味容姿通り)クールかつ紳士的な一面を見せており、ON/OFFはきっちり分けられるようである。
どうやら「仕事」の時には興奮して変態モードが出てしまうらしく、2年前のある政治家の暗殺では、その政治家の妻の美脚を見て舌舐めずりしていた(一応空気を読んで自重したのか、それ以上の事はしなかったが)。
これにはその場にいたホルマジオと(恐らく)入団したてであったペッシはおろか、プロシュート兄貴ですらドン引きしていた。
チーム内ではギアッチョと特に仲がいいらしく、アニメでは彼との掛け合いが増えている。通称「汚いキキララ」

しかし、一方で壮絶な最期を遂げたプロシュートとペッシの亡骸を確認しても一切気色ばむことなく淡々と自分の仕事を遂行しており、
前述のように仕事の幸先が良いと普通にはしゃいだ態度を取ったりするなど、常人とは違う観点で現実を見ている不気味さがある男。
特に生命というものに対する淡泊なスタンスは、彼のスタンドがああなった所以を感じ取ることができるかもしれない。

なお、ライダーであり、移動の際の足には自前の大型バイクを利用している。
このバイクは『ベイビィ・フェイス』の「息子」が勝手に乗って行ってしまったうえに、結果的にその息の根を止める元凶ともなってしまった。

【スタンド】




手間はかかるが 『ベイビィ・フェイス』の息子は『無敵の遠隔型スタンド』!!

おまえを倒せる者はいないッ!


スタンド名:『ベイビィ・フェイス』
破壊力―A
スピード―B
射程距離―A
持続力―A
精密操作性―教育次第
成長性―教育次第
(※アニメでは全て「教育次第」)

スタンド自体は
  • メローネの手元にあるパソコンのような形をした「親」
  • 自動追跡遠隔操作型スタンドの「息子」
の2体に分かれている。分類的には第四部で登場した『キラークイーン』と『シアーハートアタック』のそれに近い。
前述のデータは「息子」のものであり、「親」自体の戦闘能力は不明。母胎となる女性を取り押さえ、ガラスを割る程度の動きは作中で見せている。

ちなみにアニメではメローネは「息子」の事は「ジュニア」と呼んでいる。
フルネームは『ベイビィ・フェイス・Jr』と言ったところだろうか。

「親」の能力

モニタ一体型のパソコンに手足が生えたかのような、シュールな容姿のスタンド。
手足と顔は収納可能だがそれでも連載当時のノートPCと比べてもかなりでかく、小さめのスーツケース程のサイズはあり、マウスやタッチパネルもついていない。
本物のパソコンと一体化してるのか、その姿のスタンドなのか原作ではイマイチ不明だったが、アニメでは襲われた女性にも明確に「見えていた」ので、一体化型のスタンドで間違いないと思われる。

能力は、追跡対象の血液を保存したカプセルを「親」に入れ、適当な女性にいくつかの変な質問をした後、その女性に「息子」を孕ませ、産み落とさせること。
ちなみに、キスの仕方が重要らしい。
息子は襲われた女性がチェックしてなんともなかったり、母親の髪の中に突如出現する描写があるなど一般的な妊娠→出産とは誕生経緯が異なるようである。
また、その後「息子」は空腹を訴えて母親を分解して喰ってしまったがメローネは我慢させようとするなど、即座に親を殺してしまうのは不本意だった模様。


産まれた「息子」は、母体となった女性の
  • 性格
  • 健康状態
  • 生活習慣
  • ターゲットの遺伝子との相性
  • メローネの教育
によって性格や能力が決定される*4
追跡対象と「母親」となる女性の性格や血液型などの「相性が悪いほど」凶悪な「息子」を作成できる。逆に相性のいい場合はどうなるのか、ちょっと気になるところである。
任務の性質によっては、母親を捕食せず「護衛」するような、善良な「息子」にも教育可能なのだろうか?

メローネの職業柄教育方針は「いかに無慈悲かつ迅速に標的を殺害できるか」を追求するものであり、彼はそのために専用の絵本を持ち歩き息子に読み聞かせている。
内容は一見動物や子供の遊びの絵が描かれたポピュラーな雰囲気だが、次のページをめくると動物が襲い掛かってターゲットをバラバラにしていたり子供の玩具を凶器として用いて人を惨殺するオチが待っているなどどう考えても市販の代物ではない。
ブチャラティチームが敵という本編の状況ではデフォルメした彼らが殺される展開だったが、彼らがボスの娘を護衛しているという真相を突き止めてから一日程度しか経過していないのに、カスタムメイドできちんとした装丁の絵本を拵えているのは結構なマメさである。*5

「息子」を「教育」するスタンドであることから、「メローネは実は子供の頃に両親から育児放棄された過去があるのでは?」と考察するファンもいる。
そうなのだとしたら、「自分なら子供を完璧に育てられる」「両親のようにはならない」という願望が歪んだ形で産んだスタンドなのかもしれない。
変態趣味も、両親、特に母親への歪んだ愛情(サディズム)とコンプレックスが原因…と考えると、どこかもの哀しいものがある…かも?
「息子」の能力がジョルノと似ているのも、「親に捨てられた境遇」が似ているからかもしれない……。
とはいえ、産まれた「息子」はメローネの台詞から「最初の食事」として母親を喰うのが通例のようであり、母親を喰らって成長した後は遺伝子上の父親を殺しに行くという、きわめてサイコパス的な能力である。

アイディアの元は恐らく連載当時空前の大ヒットをしていたポケモンたまごっちなどの育成ゲーム。能力の極悪さは比ではないが。
アーティストの元ネタはエリック・クラプトンのプロデュースなどで有名な「ベイビーフェイス」。
ベイビーフェイスとは「童顔」という意味の他に、いわゆる「善玉」という意味もあるため、極悪な息子を育てる能力への皮肉となっている。


「息子」の能力

人型のスタンド。
人間の細胞から作り出している為、実体化しており、一般人にも見えるスタンド。きっちり食事や排泄も行う。
教育や戦闘の際には、メローネが「親」からチャット形式で命令を出して「息子」を操作する。
あとドMではない。が、『汚らわしい』発言を『なんていい母親』と感じる変態。これに対してメローネはディモールト!な反応だった。
善良さのかけらもない、冷酷で凶悪な資質を見せた事への反応なのかもしれないが…。


人間や物質を細かいブロック状に分解し、違う形に再構築したりできる能力を持つ。
能力の応用性は非常に多岐に渡り、相手のみならず自分自身も作り変えて別の物に擬態する上、攻撃のスピードも非常に速いため上手くいけば不意打ちに近い形で標的を仕留められる。
生物の一部を抉り取ることでダメージを与えることもでき、首などを抉れば相手は呼吸困難に陥る。
身体を細切れにすることで敵からの攻撃を回避することもでき、その反応スピードも極めて速い。
「物体から生命を創り出す」ジョルノのスタンド『ゴールド・エクスペリエンス』とは完全に対を成すスタンドである。

元が遠隔自動操縦型であるため、本体との距離が離れていてもパワーが低下しない。
おまけに身体をまるごと消滅させるほどの攻撃でなければ次々と再生し、たとえ倒されたところで本体には一切影響がないばかりか、標的の「血液」さえあれば何度でも新たな「息子」を作ることができる。
母親の素質や育て方次第ではかなり強くなることもあり、劇中では亀のウンコのせいでブチ切れた影響で身長・体重が急激に成長し、大人並みの体格になった。

そして何より凶悪なのが、この「息子」に対しては離れていてもパソコンを通じて意思疎通が出来るという点にある。
遠隔自動操縦型は本来、特定の条件に従って動くロボットのような存在で、感覚の共有が出来ず複雑な指令も不可能な融通の利かなさが最大の弱点である。
しかし、ベイビィ・フェイスはパソコンを通じて「息子」と会話することで、上述のような弱点をある程度以上克服することが可能であり、事実上遠隔自動操縦型の長所だけをつまみ食いしているのに近い。
そのため育成に手間こそかかるが、相手が死ぬまで離れた場所から一方的に攻撃し続けられるという反則技が可能なのである。


弱点は「息子」には自立心(自我)があるので、命令を100%は聞かない事。
メローネと「息子」はチャット形式で情報をやり取りする為、「息子」のハッキリした現状がメローネにはイマイチ伝わりにくい。
また、「息子」がどこまで成長するのか、どのくらいの速さで育つかは本体のメローネにもわからず、「親」で教育したとしても場合によっては息子が教育方針に反抗し制御困難になる。
特に素質に優れた息子ができた場合、未知数故にかえって想定外な行動を繰り返す問題児に成長する可能性が大きい。
あと、前述の通り「親子」共に実体化してるスタンドなので、場合によっては追跡がかなり目立つデメリットもある*6
そのため、凶悪極まりない反面、非常にギャンブル性の強い能力といえる。
そして最大の弱点は、「息子」を追跡に向かわせた後だと、本体である自分自身の身を守る手段がほぼ皆無である事。
その為、追跡任務をしている間は、メローネ自身はなるべく安全な場所に隠れている必要がある。
仲間内では、追跡の間「鏡の世界」に匿わせてくれるイルーゾォの『マン・イン・ザ・ミラー』や、友人のギアッチョも、「護衛役」としては最適かもしれない。

ちなみに、任務完了し終わった「息子」がどうなるのかは、劇中では明らかになっていない。
そのまま自然消滅するのだろうか?だとしたら、極悪ではあるが、『意思』がある分ある意味非常に哀れなスタンドでもあると言えるだろう。
あるいは任務遂行と教育の引き換えに自立し、一人歩きしてしまうのかもしれない。

暗殺での運用法は恐らくターゲットの身近にいる女性を利用するのだろうか?
血液を入手すれば後は相性診断だけだが、血液が手に入らない時はどうするのかは不明。
ジョセフや承太郎が血の絆により祖父や高祖父であるジョナサンの肉体を感知したように、トリッシュを母胎にするか、トリッシュの血液を入手すればボスのDNAを感知して追跡できていた可能性があるため、メローネは暗殺チーム造反のキーマンだったのかもしれない。


【劇中の活躍】

プロシュート兄貴ペッシ戦の後に登場。
ペッシの死体のそばに落ちていたブチャラティの血を採取し、前述のとおりの変態っぷりを見せつけながら「息子」を産み出す。

その「息子」にブチャラティ達を追わせ、ブチャラティとトリッシュを家具に変えて攫う寸前まで成功するが、居合わせたジョルノと対決。

彼の右目、喉、足首を奪い、瀕死状態にまで追い詰めるが、「新しい力」に目覚めたジョルノの機転によって復活される。
*7に化けて奇襲するも、手首が変化したご存知ピラニアに背中を貫かれ、更に亀のウンコを顔に付けられるハメになっ*8
それでブチ切れた影響で急成長する*9が、ダメ押しに乗ってきたバイクと融合させられ、ガソリンが引火・爆発して「息子」は敗北。焼死した。

ジョルノが「物体から肉体の部品を作り、はめ込むことで治療する」という『ゴールド・エクスペリエンス』の新しい活用法に気づくきっかけとなった。

最後には、ローマ駅に到着した際に、次の「母親」を物色しながらギアッチョに連絡してる最中、ジョルノが「息子」の残骸から造り出した毒蛇に舌を噛まれて死亡*10するという、
自分が作り出した「刺客」が、自分自身の「刺客」として帰ってきたという、皮肉な最期であった。


余談だが、他のメンバーは死亡の表記がはっきりあったにもかかわらず、メローネの場合はそれが無かったため、ネット上では生存説も囁かれていた。
アニメ版では倒れて動かなくなったメローネの姿が明確に描写された上に、フーゴが「本体は始末した」と口にしていた為、メローネの死亡が確定となった。








修正はしてるかい?追記してるなら もっと君は最高にディモールト(非常に)いいんだがなああ

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最終更新:2024年02月10日 15:27

*1 生ハムメロン。日本とイタリアでメロンの味が違うので間違えた人と当たった人で第一印象が大きく変わる料理。

*2 アニメ版以降。カラー版単行本だと金髪だった。

*3 ブチャラティが似たような特技をジョルノに披露したことはあったが、ハッタリ疑惑のあるあれとは違い、こちらは完全に彼の職人技である

*4 劇中では女性(アニータ)の『メローネをぶっ殺したい』という発言から早くも殺すという感覚を覚えたため、メローネもその点は手間が省けたことを喜んでいた。

*5 さすがにトリッシュを認識させる際は写真を利用した画像教育を行っていた

*6 劇中では夜に襲撃したので事なきを得ているが。

*7 実際は夜の襲撃だったので、無理があると判断されたのか、アニメではバイクのオイルに化けたと変更されている。

*8 母親に排泄していたので因果応報である。また「責任を取らせてやる」と罵っていた母親と同じく「償わせてやる」と息巻いた

*9 ちなみにこの際、体格以外でもさり気なくスタンドのデザインがちょっと変わっている。分かりやすいのは頭のトサカ状のトゲが一番前だけ下向きになっている。

*10 ちなみにメローネが舌舐めずりした女性、結構尻のラインがはっきりしている。深夜枠のアニメだからこその表現。