オルガ=タム

登録日:2013/09/06 Fri 00:24:57
更新日:2023/01/20 Fri 21:29:53
所要時間:約 8 分で読めます




ライトノベル『魔弾の王と戦姫』の登場人物。


メインヒロインのエレンことエレオノーラと同じく、物語において重要な立ち位置にある七戦姫の一人。
本編で初めて名前が挙がったのは3巻。エレンが同じ戦姫のソフィーに他の戦姫の動向を尋ねた際に彼女についても言及され、「『しばらく旅に出る』と書き置きし、自らの竜具だけを手に失踪中」という事実が明かされている。
この時点では本人が姿を見せることはなく、当然ながら主人公であるティグルとも関わりあうことはなかった。


――が、時をおいて意外なところで登場、ティグルと出会いを果たす。




以下、6巻以降のネタバレを含む。












わたしが12年生きてきたあの草原は……とても、とても小さかった

そんな子供の夢想が、ブレストという大きな世界で通じるはずがない

そう思ったら、どうしようもなく怖くなって――わたしは、逃げた



所属国:ジスタート王国
所有公国:ブレスト
身分:騎馬民族の長の孫→戦姫
武器:『崩呪の弦武』ムマ(斧型竜具)


【人物】

6巻時点で14歳(同じ時点で17歳のティグルやエレンとは3つほど離れている)という、当代最年少の戦姫。『羅轟の月姫(バルディッシュ)』を二つ名に持つ。
ジスタート東部にある公国ブレストを預かる身だが、前述したように本編時点では任地を放置して行方知れずな状態にある。
正直戦姫の役目を果たしているとは言い難いものの、彼女を主に選んだ竜具は今のところ彼女から離れる様子を見せていない(戦姫と竜具の関係については七戦姫の項目を参照)。

短めに切った薄紅色の髪と、艶の無い黒真珠のような瞳が特徴的な少女。
齢の割に身体の発達が遅れているようで、イラストで判断すると10歳前後にすら見えかねないガチロリ体型。身長もティグルの胸ほどにしか届かない。
そのせいで、初対面では(マントとフードで体と顔も隠していたとはいえ)ティグルに少年だと間違われている。

顔つきにもあどけなさが多く残るが、そうした見た目に反して口調は堅く大人びており、またどこか無表情。
ただし、ふとしたことで負けず嫌いな面を覗かせたり、ムキになると途端に子供っぽくなるあたりや何より後述する戦姫の役目から逃げてしまった理由から重圧に弱く気の小さい小心者という側面が見られることからまだまだ精神的には発展途上にあると思われる。


余談だが、これまで登場した戦姫が全体的にエロ……女性的な体つきだったこともあり、最後に現れた7人目がツルペタロリというギャップは読者の間に妙な反響をもたらしたりした。
具体的には、おっぱい狂いどもを落胆させる一方、後述のトルバランと同じ好みを持つ連中を刺激したりとかそんな感じ。
後者は後者で、「良い」「さすがに幼すぎじゃね?」など反応はさまざまなようだが。



【戦姫として】

ジスタート東部の草原で暮らす、100年ほど前にジスタートに従属した騎馬民族の出身。
長の孫として将来は部族を束ねる立場につくだろうことが決まっており、そのために多くのことを学びながら育つ。
しかし初登場の約2年前、その予想とは裏腹に竜具ムマに見出されたことで、弱冠12歳にして当代の戦姫に選ばれることになる(ブレストの先代戦姫は2か月前に死亡したとのこと)。

家族のもとを1人離れる寂しさや不安はあったものの、ブレストの公宮に勤める臣下に温かく受け入れられたこともあり、当初は「過去に学んだことと臣下の手助けがあればやっていける」と意気込んでいた。
……が、赴任直後にジスタートの地図を初めて見たとき、自分の育った土地の予想以上の小ささと、それに比較したジスタートやブレストの余りの広大さを思い知り、一転して自信を喪失してしまう。
そのまま重圧や恐怖に耐えかねてブレストから逃げ出し、「王とは、統治者とは何か」という答えを求めてあちこちを放浪しているうちに現在に至る。
ムマを持って行ったのは、捨てきれない戦姫の立場への未練と、それとは相反する「自分を見限って離れてくれれば楽になれるかも」という気持ちがあったため。


なお、他の戦姫とはせいぜい顔合わせをした程度で、6巻時点では誰ともさしたる繋がりを持たない。



【戦闘能力】

戦姫の一角だけあって戦闘能力は非常に高く、エレンミラの戦いぶりを見てきたティグルをなお驚かせる無双っぷりを見せる。騎馬民族の出身ゆえに乗馬や弓技も得意。
小柄な体躯に見合わない怪力の持ち主でもあり、作中では甲冑を装備した大男の拳をやすやす受け止めた挙句、投げ飛ばすことすらしている。
このように個人戦力としては申し分ないが、戦姫になって早々に公国を抜け出したため軍を率いた経験が無く、戦術・戦略眼に乏しいのが欠点。

加えて上記の長所短所が変にかみ合ったせいか、なにかにつけ自分の武力のみで戦況を打破したがるきらいがある。ぶっちゃけ猪突猛進・脳筋タイプといっても差し支えないかもしれない。
その気質が分かりやすく現れたのが、7巻における敵の大軍を前にした作戦会議。

ティグル「(周囲に意見を求めて)何かいい手はないか?」
オルガ「私が敵軍の司令官に一騎打ちを申し込む」

(ティグルさん、聞かなかったことにして話を進める)

「(ティグルの袖を引っ張りつつ)どこが駄目だったのか教えてほしい(´・ω・`)」
「……むしろ何故そう考えたのか教えてくれ」

――などと、やりとりこそ微笑ましいが中身はシャレにならない提案をぶちまけている。


《所有竜具:『崩呪の弦武』ムマ》
オルガが腰に提げている小ぶりな斧。
7つの竜具の1つであり、他の竜具と同じく固有の特殊能力を備える。作中の描写からして、ムマのそれは大地に干渉する類のものかと思われる。
形状変化も可能らしく、馬上での使用に合わせて柄を伸ばしたり、全体的に巨大化させたりできる。
特に強力な一撃を放つ際は、オルガの身長と同程度かそれ以上の大きさにまで化ける。

牙崩の壱(アジンクリーク)
ムマの刃を斧から長めのノコギリ状へと変化させる。

角貫の弐(ドゥヴァローク)
周囲の土や砂礫を分解・吸収して巨大化したムマによる一撃。威力は凄まじく、厚さ5アルシン(約5m)ほどもある城壁を軽々ぶち貫くほど。
何やらエネルギー的なものも一緒にぶっ放しているのか演出的な都合かは不明だが、初使用時には閃光が伴う描写がなされていた。



【本編での動向(ネタバレ注意)】













《3巻》

項目冒頭のとおり、エレンソフィーの会話で「現在行方不明」と言及されるにとどまる。
以降、4~5巻では一切出番なし。


《6巻》

次の放浪先として西方の国アスヴァールを選び、偶然にもティグルと同じ船に乗りあわせた。
その際にティグルやマトヴェイ(サーシャの手配でティグルのアスヴァール案内役となった男)と知り合う。
この時は互いに身分を隠していたため、一人旅のロリっ子を心配したティグルの提案でティグルと同じ船室に寝泊りしながら数日の船旅を過ごす。

アスヴァール到着後もティグルやマトヴェイに同行していたが、立ち寄った村でティグルと共に賊まがいの兵を撃退したのをきっかけに、互いの立場と本名を明かす。
後に公国を去った理由もティグルに打ち明けるが、その内容を責めるでもなく前向きに受け止めてもらえたことで、少しずつ信頼と好意を寄せるようになっていった。
それとともに、ブレストに戻ることも考え始める。

以降もティグルに付き添い、ティグルの目的であるアスヴァール王子・ジャーメインとの面会にも同行。
(理由としてはティグルに協力する意味もあるが、これからの参考に「国を治める人間」を見たい意図も含まれている)
その後はジャーメインの手の者による襲撃、ジャーメイン配下の将・タラード=グラムの蜂起、タラードによるジャーメイン殺害というアスヴァールの情勢を一気に悪化させる出来事にティグル、マトヴェイともども巻き込まれ、タラードに味方する形で平定に協力する羽目に。

巻のラストでは過去にティグルが遭遇した“魔物”の同類『トルバラン』と接敵。
人外の強さに苦戦するも竜技を交えて懸命に応戦し、最終的にはムマの力を上乗せしたティグルの“魔弾”で撃退に成功した。



《7巻》

6巻に引き続きアスヴァール内乱に干渉し、事態の解決と、もうひとりのアスヴァール王子・エリオットに囚われていたソフィーの救出に貢献した。
そのさなかで、敵に奪われる前に村を焼く非情な行為(要は焦土作戦)を強いられたティグルが苦しみつつも役目を成し遂げるのを見て、自分もブレストの戦姫という立場から逃げないことを改めて誓っている。

戦後、アスヴァールの城に招待された晩には、同じ戦姫のソフィーと入浴しつつ2人きりで話す機会を得る。
巨大なおっぱいに圧倒されたり、ティグルへの気持ちをからかわれたりと終始良いように転がされはしたが、それなりに交流を深めた様子。

そうしてアスヴァールでの騒動を切り抜けた後は、ジスタートに帰国するべくティグル、マトヴェイ、ソフィーらと共に船に乗る。
しかし船旅の途中、生きていたトルバランが従える巨大な海竜の強襲を受け、地の利の悪さもあってなすすべなく船を転覆させられてしまう。
自身は無事だったものの、ティグルが消息不明になる絶望的な事態に消沈しながらの帰国とあいなった。

帰国後はソフィー、マトヴェイと共にレグニーツァ公国に赴き、ティグルにマトヴェイをあてがったサーシャと面会。
サーシャには「どうして今になって戻ってきたのか」という厳しい言葉を投げかけられるも、その理由となった生死不明のティグルを想って涙しつつこれに返答し、温かい激励を受けてブレストへと帰還していった。



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最終更新:2023年01月20日 21:29