アルカディモン

登録日:2011/01/31 Mon 01:13:50
更新日:2023/09/19 Tue 01:46:34
所要時間:約 8 分で読めます





ギチッ、ギチギチッ


『アルカディモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。
漫画『デジモンアドベンチャー Vテイマー01』初登場のオリジナルデジモンである。


【概要】

通常のデジモンとは違い進化ルートが分岐せず、幼年期から究極体まで全て“アルカディモン”であり『アルカディモン○○○』と名前の後に進化レベルがつく。
※この特徴は、後年のアルゴモンやエオスモンなどにも見られる。

デーモン共々、当初は完全に漫画オリジナルだったが、後に公式化。
漫画以外ではカードゲームやディースキャナに登場したが、設定がかなり特殊なため他のデジモン作品には登場していなかった。
しかし、アニメ『デジモンクロスウォーズ』にてメディア初登場。
旧来の世代等を無視しているXWの設定が良い方向に働いた部分であろう。

さらに、ゲーム『デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー』においてパッケージを飾る恐怖の象徴としての大抜擢を受ける。
条件を満たせば自分で育成する事も可能。アルカディモン超究極体を連れ回せるのはこの作品だけ!!
ハッカーズメモリー側の条件を満たせばサイバースルゥースでも育成可能になるので、こちらのストーリーをアルカディモンで打開していくなんてとんでもない絵面にする事も出来る。


【公式設定】

デーモンが復活させようとしている“超究極体”と目されるデジモン。デジモンの常識が通用しない並外れた力を持つ。
また、デジモンウェブの公式図鑑での説明(成長期)は以下のとおり。
様々なデジモンのデータを元に人為的に創られた呪われしデジモン。
相手のデータを吸収することで成長進化する性質を持つが、自我を持っているかは判っていない。


【漫画での設定】

デーモンが持つ『超究極体の卵』から生まれたデジモン(進化レベルの超究極体とは別)。
アルカディモンという名前は育成係に選ばれた彩羽ネオが「アルカディア(理想郷)」から付けた。

進化レベルに関わらず言葉を話さず、「ギチギチ」「ギギ」等の気味の悪い鳴き声を発する。
通常のデジモンが進化に戦績と時間が必要であるのに対し、アルカディモンは他のデジモンからエネルギーを奪い、必要なエネルギーをチャージし終えると次のレベルに進化するというかなり特異な進化方法になっている。
そのため、状況によっては幼年期から究極体まで恐ろしいスピードで進化する。

デジモンの常識を超えた力を持ち、幼年期や成長期の段階から究極体と渡り合うほどの能力を持つ。


【世代一覧】

一部の形態は単行本付属のカードになっておらず、近年になり『デジモンコレクターズ』や『デジモンクルセイダー』で描き下ろされた。

◆アルカディモン幼年期

タイプ 不明
属性 なし
必殺技 データドレイン
鋭い節足を相手に突き刺しデータを吸収してしまう技。
これは必殺技であると同時に捕食行動でもある。
幼年期段階のアルカディモン。
見た目は灰色のヘドラの幼体から虫のような六本の節足が生えているような姿。
通常のデジモンなら幼年期は二段階あるが、アルカディモンは一段階しかないのが特徴。
身体から鋭い節足を突き出して相手のエネルギーを吸収する。
この時点で(手負い状態ではあったが、)究極体のピエモンを倒すほどの実力を誇る。


◆アルカディモン成長期

タイプ 妖獣型
属性 ウィルス種
必殺技 イレイズシックル
相手のデータを分解吸収する技。
得意技 ソウルアブソープション
構成データを破壊し消し去る技。
成長期のアルカディモン。
2023年現在、唯一デジモンウェブに登録されている形態。
体色はピンクになり、二足歩行になっている。
また、両前腕部がカマのようになっており、それを触手のように使い、突き刺した相手からエネルギーを吸収する。


◆アルカディモン成熟期

タイプ 妖獣型
属性 ウィルス種
必殺技 プリズンフィスト
相手のデータをプログラムレベルで破壊する技。
得意技 スナッチウィップ
相手の構成データを剥き取り自らのデータにする技。
成熟期のアルカディ(ry
体色はオレンジ味がかかった肌色になり、より人型に近くなった。
手は五指を備えるようになったが、腕から触手を生やし、相手の身体に突き刺すことでエネルギーを奪う。
この形態で、究極体であり、ホーリーエンジェル城の主であるセラフィモンを圧倒した。


◆アルカディモン完全体

タイプ 妖獣型
属性 ウィルス種
必殺技 ドットマトリックス
相手のデータを粒子状に分解して吸収する技。
詳細は後述。
得意技 フリーズテンタクルス
触手状の手で相手のデータをフリーズさせて生命活動を停止させる。
完全体のアル(ry
羽が発達し、四肢も逞しくなった。
指が触手状になっている他、翼もよく見ると触手の集合体。キモイ。
アルカディモンの代名詞ともいえる必殺技『ドットマトリックス』で相手そのものを吸収してしまう。


◆アルカディモン究極体

タイプ 妖獣型
属性 ウィルス種
必殺技 ドットマトリックス
完全体から引続き所持している技。
得意技 イグザイルスピア
相手をデジタルワールドから完全消去して、データを強制追放する最凶の一撃。
究極体(ry
カラーリング以外はあまり完全体との差異はない。
ドットマトリックスは健在で、素の身体能力でもオメガモンと互角以上という驚異的な力を持つ。

余談だが、Vテイマーの作画担当のやぶの先生はハカメモ発売前のインタビューで
進化するときの演出も重要だということで、アルカディモンも、究極体のデザインは進化シーンがドクロに見えるように触手の位置をデザインしています。
超究極体に進化する瞬間もそうですね。
と語っている*1


◆アルカディモン超究極体

タイプ 妖獣型
属性 ウィルス種
必殺技 ゴッドマトリックス
強化版『ドットマトリックス』。詳細は後述。
得意技 ディストピアランシーズ
触れるだけでデジモンや攻撃エネルギーのデータを吸収してしまう無数の触手による攻撃。
デジメンタルを使ってアルカディモンがさらに進化した姿。
ただし、デジメンタルを使用せずとも、元々この姿になる素質はあるらしい。
触手を満載した巨体に、ドットマトリックスを上回る『ゴッドマトリックス』を備える。
デジタルワールドそのものを破壊しかねない危険な存在。

デザインのモチーフは実はクラゲ(エチゼンクラゲ)。
超究極体のデザインはギリギリまで悩みました。
最初はアルフォースブイドラモンのように、人型でカッコイイタイプにしようかなと考えていましたが、テレビを見ているときにエチゼンクラゲのニュースがやっていて。そのとき「これだ!」と。
それで、人型のデザインと、カメの甲羅のようなゴツゴツした体からクラゲのようなたくさんの触手がでているデザインのラフ画を2つ描いて提案したところ「どちらもいいですね」と言われて。
それならくっつけちゃいますかということで、アルカディモンの超究極体のデザインが決まりました。
とのこと。


【Vテイマーでの活躍】

初登場は第4巻で“超究極体の卵”から孵化して登場。
幼年期の段階で手負いとはいえ究極体のピエモンに圧勝、並外れた力を見せる。

ピエモンを吸収して成長期に進化するとネオの大部隊と共にホーリーエンジェル城に侵攻。
手始めにヴェノムヴァンデモンと戦っていたレオ(パンジャモン)から不意打ちでエネルギーを吸収した。
その後、ホーリーエンジェモンと戦った際は必殺技の『ヘブンズゲート』を“ゲートに腕を引っかけて脱出する”という強引な方法で破る。

ホーリーエンジェモンが進化したセラフィモン相手では両腕の触手を千切られてしまう。
…が、触手が独りでにセラフィモンに刺さり、そのまま修復して本体と繋がりエネルギーを吸収。
吸収は一瞬だったが、レオから奪ったエネルギーと合わせてチャージ完了し、成熟期に進化した。
成熟期になるとセラフィモンを圧倒し、一方的にエネルギーを吸収してしまう。
その後、ゼロとタイチが駆けつけるが、セラフィモンから奪ったエネルギーで完全体に進化した。

セラフィモンとの戦闘中に成熟期に進化したのに、戦闘終了直後に完全体に進化したため、成熟期の期間がえらく短い。


デーモン城に帰還すると、ネオがデーモンに反旗を翻し、今度は『ドットマトリックス』でデーモンそのものを吸収してしまう。
こうして究極体に進化したアルカディモンは、オメガモンとロゼモンのタッグですら倒せないほど強かった。
ロゼモンを葬る際に片腕をもぎ取られたが、その状態でオメガモンと互角以上に戦い、オメガモンの技を完封した後腕を再生し、
イグザイルスピアーで瀕死に追い込んだ。
ちなみにドットマトリックスはオメガモンの攻撃を無効化するときに使用しただけで、直接攻撃には使用しなかった。
その後、戦いを挑んだゼロ&タイチはドットマトリックスの秘密を知らずに戦いを挑んで、初の完全敗北をした。
しかし、ここで一気に倒さなかったため、復活してアルカディモンの秘密を知ったタイチとゼロにより、ドットマトリックスを攻略される。

形勢が逆転され窮地に追い込まれるもネオがデジメンタルで超究極体に進化させ再び最強に返り咲いたが、
ゼロがアルフォースブイドラモンに進化したため再びフルボッコされた。
その後、ネオが自分の過ちに気付いたためデジメンタルが力を失い、通常の究極体に退化してしまう。

これで解決……と思われたが…


デーモン「クックックッ、それはどうかな?」


《ドットマトリクス》

アルカディモン完全体、究極体が使用する必殺技であり、アルカディモンの代名詞とも言える技。
その効果は
狙った対象と同じエネルギーを消費して対象を一瞬で0と1に分解
それを吸収することで自身のエネルギー消費はプラスマイナス0にする
というもの。
防御力等関係なく分解・吸収するという効果だけでも恐ろしいが、この技の本当に恐ろしい所は完全に不可視という点である。
発射に動作がなく、発射してから対象を分解吸収するまで、技の全過程が全く目に見えないため、狙われた対象は何が起きているのか分からず消えてしまう。
オメガモンのガルルキャノンがノーダメージに終わり、グレイソードまで折られてしまったのも防御力によるものではなく、
この技でアルカディモンに当たる直前に分解されたためである。

ゼロとタイチは技の原理から「アルカディモンのエネルギー減少」を目安にして回避した。

ドットマトリックス発射

デジヴァイスでEN減少察知

コマンド

ゼロ避ける
ちなみに、エネルギー減少するのはほんの一瞬である。
……化物コンビめ。


ちなみに、超究極体の『ゴッドマトリックス』は大規模なEN減少なしという上位互換技。
だが、アルフォースブイドラモンの『テンセグレートシールド』(自己修復付きシールド)によって防がれたため、あまりいいところはなかった。


【その他作品での活躍】

アニメ『デジモンクロスウォーズ

第22話で登場。
デジタル空間に巣を作って潜み、通りかかる物をデータにして食べてしまうという幻のデジモンとして登場。
名前は単に「アルカディモン」だが、見た目は完全体。
リリスモンのペットの一体。データに食べるというのはドットマトリックスをイメージしていると思われる。
ゾーン移動中のタイキたちの前に現れ、タイキだけ投げ捨てる。
その後、リリスモンに「クロスローダー以外は食べてOK」と許しを貰うが、クロスハートの面々はナイトモン&ポーンチェスモンズの盾で巣に立て込もったため食えなかった。

その後、ワイズモンの助けで現場に駆け付けたタイキに襲い掛かるが、タイキが蹴った鉄球(デジタル空間は無重力な感じ)を食らって怯む。
そしてシャウトモン×5と戦うが、一回斬撃を弾いた程度で、大して攻撃できないままデジメモリのダークドラモンと×5の攻撃を受けて散った。

まぁ、ルーチェモン:サタンモードすら倒したし、完全体相当ではこんなもんだろうか。


漫画『デジモンクロスウォーズ

※ネタバレ注意
第16話のジュピターゾーンでの決戦で登場。
リリスモンの配下(?)としてホウオウモン、プクモン、プレシオモングランクワガーモンなどの究極体と共にタイキたちの前に立ちはだかった。
タイキ達の援軍として駆けつけたロイヤルナイツと交戦する。
ジジモン様曰く、「伝説の魔獣の一体」。

アニメ版とは違い、リリスモンのペット扱いでは無く、姿も完全体ではなく究極体のもので登場した。
また、こちらでは不可視不可避の必殺技『ドットマトリクス』が健在であり、付近にいた空母ホエーモンたちを音もなく分解・吸収し、タイキたちを驚かせている。

アルフォースブイドラモンは過去に交戦経験があるらしく、「やっかいな技」とコメントしている。
しかし、ドゥフトモンに見せてしまったのが「唯一にして致命的な脆弱性」であり、彼によって対策ワクチンが作成されてアルフォースブイドラモンに転送されてしまう。
対策ワクチンをまとったことで01分解を01再構築によって事実上無力化され、アルフォースブイドラモンの『ドラゴンインパルスX』によって倒された。

このアルフォースブイドラモンは上記のVテイマー01のゼロマルに似たキャラ付けをされており、ドラゴンインパルスもこのゼロマルオリジナルの技。
Vテイマー01をリスペクトした対決であり、知っている人は思わずニヤリとしたという。




キチギチッ…ツイ…キ…シュウセイッ…

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最終更新:2023年09月19日 01:46