VenusBloodシリーズ

登録日:2011/10/13(木) 01:15:06
更新日:2023/05/25 Thu 00:38:11
所要時間:約 12 分で読めます




dualtail(旧:dualmage)から発売されているエロゲのシリーズであり、同社の看板シリーズ。
シリーズではあるが個々の作品は独立しており、関係性も全く無いわけではないが基本的には薄いため、どれからやっても問題無い。
ただ流石に新作から遡ってプレイすると旧作は少しつまらなく感じるため、シリーズ通してプレイするならば無印か、SLGの要素が入ってきたDESIREから始めるのがオススメ。

dualtail、と言われても聞き覚えが無いだろうが、アニヲタ的にはあの機械仕掛けのイヴを世に送り出したninetailの姉妹ブランドだと言えば解りやすいだろうか?
ただ、今となってはむしろdualtailとVenusBloodシリーズの方が知名度が高い感じもする。


□シリーズ通しての特徴

dualtailはnaintail系列の中でも、凌辱調教に力を入れており、本シリーズにおいてもこの要素に重きが置かれている。
どちらかと言えば凌辱よりも調教の方が印象強い(何だかんだで最終的に全方面に向けての滅亡まっしぐらなルートもあったりするが)。
話は基本ダークよりだが、主人公にはそういう行動をする相応の理由があったり、
トゥルーエンド時は基本的にハッピーエンドやそれに準じるような終わり方をするように、終始陰険というわけではないのでプレイすると意外に普通に遊べたという人も居るだろう。

また、いわゆる「遊べる」ゲームでありながら、シリーズ通してシステムが結構変わるのも特徴。
シリーズ初期(無印、CHIMERA)は単なる調教ゲーだったが、DESIREからはSLG主体になっている。
シリーズを重ねる毎にシステムが洗練されて行っており、初期はそれこそ「兵数増やして殴ってゲージ溜まったら必殺技ぶっぱ」でクリアするようなものだったが、
最近の作品では例えば師団の組み立て次第でどんなユニットでもユニークキャラを倒す事が出来るようになったりと、色々と考えることが出来るようになってきた。

そして最大の特徴が触手である。ぶっちゃけ全作品通して「触手使って姫様だったり聖女さまだったり女神さまだったり魔族だったりを堕とす」事が目的。
それ故か触手がかなりの存在感を持ち、公式で触手=影の主役とまで言われている。
背景触手は当然、拘束具は十中八九触手。
世界観は一貫してファンタジー。


□各作品紹介

  • VenusBlood
記念すべき第一作。この頃はSLG要素も無く、完全な調教ゲーだった。
しかしこのころからハイスコアのシステムは存在し、それは最新作まで受け継がれる事になる。
ただ本作の触手のうちもっとも目にするやつは、諸事情からかわいらしさとは無縁で気持ち悪いというかグロ画像でしかないので注意。(ADVパートでの立ち絵でのみ出てくる)
実はこの作品の悪魔は後々の作品に出てくる悪魔とは設定が異なっていたりする。皮的な意味で。

ストーリー
ある日現れた女悪魔に国家転覆を唆されてそのために姫騎士だったり聖女だったりを堕とす話。触手で。

  • VenusBlood-CHIMERA-
第二作目。このころもどちらかというと調教寄り。前作との違いはタイトルにもあるようにキメラ。
キメラを生み出す事によって、キメラの種類に合わせた調教シーンを見る事が出来る。

ストーリー
主人公はユピテル皇国にいけにえを求める悪魔「タラニス」。
タラニスは強大な悪魔であり、人間が束になっても敵わない。
そこでいけにえに選ばれた三人は王家の宝具でタラニスを殺っちゃおうと画策するが、当然のようにバレバレ。
怒ったタラニスがいけにえの姫将軍とか戦姫とか聖女を犯っちゃう話。無論触手で。

  • VenusBlood-DESIRE-
三作目。この頃から方向性が見え始め、SLGにおもしが置かれるようになった。
あとここからようやく女神が出てあまりタイトル詐欺感がしないようになった(一応VBCでも出ていたけど存在感がかなりジミー)。
本作の特徴はなんといっても「悪堕ち」。今回の調教対象は女神だが、女神は善悪二面を持つ存在であり、エロい事をして女神を悪堕ちさせると女神の外見が変わったりユニット能力が変わったりする。
また、ロウルート、カオスルートの区分が採用され、同じヒロインでも正義のルートと悪のルートが用意されている。

これらのシステムは後の作品に採用されたものも多く、実質このシリーズの基礎を作り上げた作品。

ストーリー
主人公ダンテスはかつて所属していた教団に一族郎党皆殺しにされ、自身も逃げるはめになる。
いろいろあってカオス側の女神「エリード」に出会ったダンテスは女神の力を使えるようになる仮面を貰う。
この仮面は女神を堕とせば堕とすほど力を増すため、復讐のために、女神を調教して悪堕ちさせるのだった。やっぱり触手で。

  • VenusBlood-EMPIRE-
四作目。地域制圧型SLG。前作では主役となる女神が、普通の人間には干渉出来ないため、加護などを使うだけだったが、今作では女神や魔人がユニットとして使えるようになった。
ロウルート、カオスルートの区分も健在。

ストーリー
野心に燃える魔族の若き遊撃団長フリードは女王に、結界で隔てられた向こうにある「善の五国」の制圧と、魔族の国と人間中心の善の五国を隔てる結界の破壊を命じられる。
野心に燃えまくりなので取りあえず結界はガン無視で国取りを始めたフリードは、やがて魔族とコトを構える下準備として善の五国の女神を自らの配下に加えるため悪堕ちさせようとする。
女神は一騎当千で強大な相手…そんな相手に対する対抗策は当然触手。もちろん調教に使わないはずもない。

  • VenusBlood-ABYSS-
五作目。前作の国取りとは打って変わってこちらは、魔族を滅ぼそうと攻めて来る人間を、ダンジョンの仕掛けと作り出されたユニットを駆使して撃退するシステムとなっている。
ターン制拠点防衛型SLGであり、「ゆうしゃのくせになまいきだ」などが若干近いかもしれない。

今作のポイントはなんといっても産卵。
聖女だったり勇者だったりを捕まえて、ユニットとして戦場に出す他にも、産卵させる事によって新たなユニットを生み出す事が出来る。
産卵によってステータスの変化はもちろん、特攻やスキルなども追加されたりする。
他にもこの作品から武具の追加やスキルが今の形(特攻は別枠になり、種類が増えた上に数値で度合が異なる)になったりと、後のVBシリーズにかなり近づいている。

ストーリー
魔族達は「無の月の病」と呼ばれるものにより、新生児が生まれず緩やかな滅び迎えつつあった。
そして人間に滅ぼされる寸前の魔族国家グリザーニに仕える事になった主人公キルト。
子供が生まれなければ兵士も出来ず国は退廃する。
キルトはこの危機を乗り越えるため、自身の研究の実験も兼ねて錬金術の禁呪を使用した擬似生命を作り出し、それに兵士の代わりをさせることを思いつくのだった。
その際母体の調整と言う名の調教を施すこととなる…もちろん触手も活躍。
キルトは軍師のためか、メインヒロインのルキナの方がむしろ主人公っぽかったりする。

  • VenusBlood-FRONTIER-
六作目。前作のようなダンジョン型ではなく、前々作-EMPIRE-に近い地域制圧型SLG。
前作では無くなっていた女神悪堕ちが復活している他、女神のロウルート、カオスルートに加え魔族ルートが存在している。
前作における産卵の代わりにメダリオンによって兵を雇う事が出来る。
メダリオンを追加で付ける事で、戦闘を有利に進めるためのスキルを追加出来、武勲と治療費コストによる補正なども加わったため、
初期に出てくるような兵は最初確かに弱キャラなのだが、中盤や終盤では思わぬ強キャラになることも珍しくなくなった。
余談だが発売延期と自重しなかったエイプリルフールのおかげで、発売前から主人公がかなりのネタキャラ扱いされることになった。ロキは犠牲になったのだ…。

ストーリー
かつて一つの大戦があった。
神と魔に人が反旗を翻した事に端を発した極夜大戦と呼ばれるその大戦は長く続いたが「人類の壊滅」という形で収束する。
極夜大戦により数を減らした人類は主神オーディンの作り出した浮遊樹大陸「ユグドラシル」でオーディンとその徒、四人の四季の女神の庇護の元、静かに暮らしていた。

だが、その平和も遂に破られる。
魔族の王スルトがユグドラシルの秘宝「ユグドラシルの心臓」の奪還を次の魔王の条件としたのだ。
魔王の座を求め、ユグドラシルへと攻め込む五人の魔王候補者達。その中の一人、魔王候補者でありながら父親の反逆により父は処刑、母は幽閉、自身は魔王候補の証の一つである「魔装」を奪われる憂き目にあったロキ・ムスペルヘイムもまた魔王となり、母を助け出すため春の女神ティルカの治めるエッダへと進攻を始めるのであった。
かなり不利な立場のロキにも色々と武器はあるのだが(最大の武器は知略)、趣味的なもので触手を使うことができ、当然の如く不意打ちから調教まで触手が大活躍する。

  • VenusBlood-GAIA-
七作目。こちらは前々作-ABYSS-を元にしたと言って良いだろう。
ヒロインは大体が神獣に仕える巫女さん。海賊もだけど、あの触手ブチィや色々やばいことを叫んでいるメインヒロインのミリアさんですらも思い返せば巫女属性持ちなんです。
ユニットなど基礎的なところはVBFを踏襲し、産卵などの戦略的な部分はVBAを踏襲していて悪堕ちなどもない。
追加要素として、リーダーシステムや最大3師団vs3師団の一度に計36名のユニットが戦うことになるレギオンバトルなどがある。
各ヒロインの主従関係が描かれるなど、今まであまり描かれることが無かった人間関係などは大幅に強化されていて、エロにも関わっている。
しかしながらシステム面の癖がシリーズ随一な上に、シリーズ屈指の難易度の作品*1だったためにハゲるプレイヤーが結構出てしまった。
他の作品と違って主人公が割と善人っぽい面構えをしているので逆に目立っているのだが、性格は一番アレな気がする。

ストーリー
五神獣によって長年統治されてきたパラストラ島。
しかし、数百年前から緩やかに荒廃し始め緩やかに滅亡の危機を迎え始め、未知の生物(異獣)すら湧き出る様になり始めた。
そんな世界である事情から、五神獣の庇護を受けていない魔導都市エネルゲイアという都市があった。
その大公テオフラッドは新エネルギー『エーテル』による世界の救済を唱え、詳細な理由は不明だがそれを邪法として滅ぼそうとする聖竜帝国グランレイドとの戦いが始まった。

このエネルギイアは隠蔽していたが実は空中を移動する都市であり、「移動する城砦兵器」としてすぐさま各国の脅威となった。
しかしながら『都市』が『大国家』と戦うには明らかに戦力が足りない…。
そこでテオフラッドは兼ねてから構想を練っていた兵力の迅速な調達を、『エーテル』と女性の体を使って産卵することで解決することを実行に移す。
もちろん母体は調教しておくことが望ましいので、触手も登場する。母体の負荷軽減のためのベッドとかも大体触手。
テオは何を思ったかメタル触手なんてものまで作り実際調教で活躍したが、流石にこれは作中でもあまり評判が芳しくなかったとされ一回しか登場しない。

  • VenusBlood-HYPNO-
八作目。前々作の-FRONTIER-に近いシステムだが、ヒロインは女神ではなく大体魔王。
洗脳に重きを置いていてかなり幅広い洗脳っぷりを楽しめ、一長一短の強化システムとしてユニットにも関わりがある。
悪堕ちの他に凶化もあり、凶化自体はVBFにもあったのだがこちらはイベントなどが全体的にパワーアップしている。
VBGよりも関係者(従者)のシナリオ強化も図られている。
資材生産は従来の拠点に加えて、ユニットの数値も内政に関わったりと全体的に間口が広くなっている。
地味に戦闘時の内部処理の軽減が試みられていたり、範囲攻撃を一括表示するようになったおかげで大分プレイしやすくなっている。
今までの作品と異なり大きなシステム変更こそないが、それだけに今までの集大成と言える作品と言えるだろう。

ストーリー
過去女神が統治していたものの、現在は中央に存在する魔帝とその周辺を支配している4人の魔王によって支配されている世界『聖地ヘルヴェティア』。
更にその後、魔帝と各地の魔王が敵対する群雄割拠の時代を迎える。
魔帝により命を握られている状況下で、先の戦争の最前線に投入され活躍した実験部隊とその隊長である主人公のレオンハルト達も戦線に投入される。
もちろんそんな使い捨てられる状況をレオンハルト達がよしとするわけもなく、いつか出し抜こうと強い野心を抱いていた。
そして魔帝の命に従い、魔帝の妹シルヴィアとの戦いを経たところでレオンハルト達に転機が訪れることとなる。
地味に主人公の妹であるアノーラも触手を操ったりする。

  • VenusBlood-RAGNAROK-
九作目。-FRONTIER-の続編。
しかし長い年月とある事情から神族も魔族も世代交代を重ねているので主に活躍するのは彼らの末裔。
システム面でもVBHよりもむしろVBF寄り。
システムの大胆な整理整頓が行われており、敵からの交戦・レギオン・隊形の要素などが削除されている一方でアシストスキルを追加。
エンカウントバトルは実質自動・マニュアルかを選択するものになった上で5ラウンド制になったり、
作品を経る毎に平均回数がえらいことになっていった追加攻撃はマイルドな多段攻撃に入れ替わったり確率追撃に変更したりしてバランス調整。
雇用関係も今まで雇い直したり産卵しなおす必要があったステータス向上も士気に応じて自動反映されるようになったりと地味ながらも大きな変化が多い。
他にも検索やフィルタ機能が使いやすくなったりと、いままでとっつきにくさがよく指摘されていたユーザビリティが完全には遠いもののかなり改善されている。
そんなこんなでより完成度が高くなっている作品だが、スキル群のバランス調整や上位ユニット登場とそれに伴って高コスト高成長キャラが大幅に増えたりした結果、低コストキャラの長所が相対的に薄れている辺りが短所らしい短所となっている。

ストーリー
VenusBlood-FRONTIER-の最終決戦に勝利して神魔統一を果たして覇王となったロキは従属神達と共に地上に新たな国家アースガルズを建国。
しかし、しばらくした後に覇王ロキと従属神達は姿を消し、500年後にはロキの従属神であり代理として統治していたオーディンも崩御。
オーディンの力が弱まった頃には神族至上主義が台頭し、それに対抗する様に魔族達も魔族開放を求めて戦乱が勃発。
魔族の特徴が色濃いながらも女神ティルカの末裔として生まれた主人公ヴァーリもまた、魔族陣営ではあるものの弱小勢力ながらも神魔統一の志を抱いて挙兵。
しかし失われていた女神の力を何故か継承した異母兄妹のブリュンヒルデを始めとした女神達には敵わず、
敗走していたところを覇王と同じ『ロキ』の名前を持つ少年に助けられる。
そして彼から秘宝・聖樹の鍵を託されたことにより、ヴァーリの覇王への道が始まった。
もちろんロキの趣味(?)だった触手調教は自然とヴァーリも趣味にすることとなる。




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最終更新:2023年05月25日 00:38

*1 イージーモード(強制勝利ボタンも使用可能)もあるのだが、それで楽しめるプレイヤーはそれほど多くは無いだろう。