デジモンフロンティア

登録日:2010/05/01 Sat 03:53:56
更新日:2024/04/23 Tue 17:40:18
所要時間:約 14 分で読めます





かつて、デジタルワールドを救った十闘士の伝説が

今、甦る─────


『デジモンフロンティア』は2002年4月〜2003年3月に放送されたアニメ作品。

●目次

【概要】

デジモンアニメシリーズの第四作であり、本作で一度アニメシリーズは終了。2006年に『デジモンセイバーズ』が放送されるまで充電期間へと移行する。
デジモンアドベンチャーシリーズ時代にあった「デジモンが戦う間子供は見ているだけ」というそれの解決策の一つとして、「人間がデジモンに進化する」という新機軸を取ったことで有名。
熱血の赤キャラやクールな青キャラなどの5人が変身(進化)するという戦隊ヒーロー的なコンセプトで、他にもそれらしい展開がいくつか見られる。

前作で既に見え始めていたマンネリによる客離れが如実に見えていた時期の作品で、先の『人間がデジモンに進化する』という設定は新たな試みとして衝撃を与えた。
が、受け入れられるかで好みが分かれる。ただ育成ゲームであるデジタルモンスターからパートナーデジモンという概念がなくなったのは痛かったという見方は強い。
元々テイマーズからは徐々に苦戦し始めていたシリーズだが、マンネリ脱却という観点では一定の成功を収めたものの、一方で先の理由からファン離れはさらに加速した。
そのため、先の3シリーズと比べると人気が高いとはいえず、後のコレクターズトイなどでも本作のデジモンが販売されることはほとんどない。

ちなみに主人公の中の人は初代のゴマモン*1で、ナレーション(とネーモン)の声はゴマモンのパートナー・城戸丈の人だったりする。

劇場版は夏に公開された『古代デジモン復活!!』のみ。ちなみに、前作『テイマーズ』までの作品は必ず2作あった(次作のセイバーズも2作ある)。また、劇場版公開時点で来春に『ONE PIECE』の単独長編映画の公開が決定していた事も影響している。
それでも観客数とか色々ヤバかったらしく、東映まんがまつり時代から長きに亘って続いた東映アニメフェアの終了という事態に陥った。

主なツッコミどころ

シリーズを一度は終わらせた作品、という見方が強いため、何かと本作の失敗理由は様々な観点であげられやすい。

シリーズ恒例の少年少女たちが抱える葛藤を克服して成長する精神イベントもあるのだが、共に励まし合うパートナーがいないため、
1人しかいない時に精神攻撃を仕掛けられた場合、自力で克服すると言うパターンにせざるを得ないパターン多くなってしまっている。
(当然仲間とともに戦う時はちゃんと仲間とともに克服していく)

そういった作劇的な変化もそうだが、バンクシーンは練っている一方で戦闘シーン等の作画・動画クオリティはかなり下がったと言われる。
というのも前作のテイマーズは作品的な評価は賛否あれど概ね好評だった中、売上が激減してしまった。
デジモン人気の衰退期が明白になっていたこともあったか、総じて予算が投じられていないと思われる部分が多く、
内容にもスポンサーサイドに配慮したものが多い。
その他、よく突っ込まれる点は以下の通り。
  • 主人公チームが負けるパターンが非常に多い。チームとしては勝ったとしても、スピリットエボリューションのデビュー戦ですら負けるということも多かった。
    • 勿論強敵に勝った時のカタルシスは相応にある。が、一度に見ていくならいざ知らず、当時は1週間ごとの放送だったため、もやもやが長く感じやすかった。
    • ただよく言われるロイヤルナイツ編における連戦連敗は、完勝ではないというのは確かなものの、一方的かつボロボロに負け続けて敗走を繰り返しているわけではない。しかしこの頃スッキリ勝てなかった弊害から進化時に流れる挿入歌『The last element』は敗北フラグの歌としてネタにされてしまった*2
    • 予算を削られていた感はかなりあり、戦闘シーンに迫力がないのは否めない。進化シーンは作画でバリバリ動くものの、お決まりとなっていた3DCGを用いた進化シーンも、エフェクト的な利用に留まっており、予算が削減されていたそれがうかがえる*3
  • 主人公達の活躍(主に戦いでの)が平等でない。序盤においても活躍に差があった他、主人公となる拓也と輝二以外はダブルスピリットエボリューション(従来シリーズの完全体進化相当)すら与えられなかったり*4、後半は最終進化の礎として他のスピリットを二人に捧げることになったりと二人以外の子供達は戦闘で活躍できなくなっていった。*5
    • 先の通りこの点は商品展開上の都合であることが見て取れる。所謂グレイモン枠・ガルルモン枠以外は、02のシャッコウモンなどの自滅もあるが当時商品として出しても売れないと見なされており、本編においても販促として控えめにされてしまったのである。
      • 余談だが後年のスマホアプリでは一部の融合闘士が当時の声優によって吹き替えられている。
    • 戦いに参加する機会は大幅に減少したが、人間ドラマ的なところまで雑に扱われていたというわけでもない。が、各々に戦いで活躍して欲しいと考えるのは人情である。
とまあ、従来作と比べると妙にアンバランスな(ストーリー・販促)展開が目立っていた。

評価点

とまあ、どちらかと言えば冷たい評価にあふれがちな作品だが、単に駄作として片付けられるのか、と言えばそういうわけでは決してない。
パートナーデジモンが居なくなったことでレギュラーキャラが減少し、それにより各キャラクターに注目しやすくなった面もある。
アドベンチャー自体は活躍を均等に割り振ろうとした弊害がなかったわけではなく、本作の施策はこれまでの反省も踏まえているのである。*6
先の活躍の格差に批判が集まるのも、裏を返せば一人一人のキャラクターや進化形態に魅力がなかったから、ではなかったためである。

そして現在でも評価に上がるのはむしろ批判の対象ともなっているスピリットエボリューションである。
普段の戦闘シーンに力が入っているとは言えないのはこのバンクで予算を使ったためでは?とすら思えるくらい非常に凝った作りになっている。
神原拓哉演じる竹内順子の提案(アドリブ)で、ビーストスピリットを使う際は咆哮を上げることになったのだが、これもまた格好いい。
それだけにもうちょっと活躍してほしかったのだが。
また、OPでお馴染みの和田光司は本作で初めて進化バンクにおける挿入歌やEDまでも全て担当した。よって前半は和田光司無双だったりする。
(なお後期EDはAiMとのデュエット、後期挿入歌は宮崎歩がカムバックした)

ストーリー自体も破綻しているわけではない。
今回の子供達はそれぞれ明確な「問題」を抱えており、それを自分の力で克服していく姿自体は共感を得られていないわけでもなかった。
それ故に後半に行き着くまでの成長は非常によく見て取れた。特に友樹の変わりようは非常に印象深いだろう。
負け展開こそ多かったが、各エピソード自体は決して投げやりな内容ではなく、負け続けていたからこそ勝った時におけるカタルシスは大きかった。
特に初期の強敵であるグロットモンをようやく退けた時のそれは、多くの視聴者が溜飲を下げたであろう。

過去作に比べて人気面で見劣りするのは確かだが、OP曲『FIRE!!』は月曜から夜ふかしの『西川口治安悪い問題』でのインタビュー中、
画面外からこの歌のサビが聞こえるということもあったり、なんだかんだで一定の知名度はある。*7

また、デジモンアニメ一期ということもあって商品化には恵まれており、『セイバーズ』すら再パッケージ化されていない中、
本作は複数回パッケージ化されている。


【あらすじ】


神原拓也は弟の誕生日に不可思議なメールを受け取った。


スタートしますか?しませんか?

YES

NO


『YES』を選択すると、ケータイから女性の声が流れだす。


「貴方の未来を決める“ゲーム”はスタートしました」


その声に従い、拓也は東急東横線の電車に乗って指定の場所…渋谷駅へ向かった。途中で道に迷った拓也は、自分と同じようにケータイの指示を聞いているとおぼしき少年の後を追って目的地に到着する。

ターミナルらしきその場所で謎の列車に乗り込んだ拓也は、見知らぬ世界〈デジタルワールド〉にたどり着いた。




【登場キャラクター】

正義の十闘士とその仲間たち

◆神原拓也

CV:竹内順子
小学5年生。自由が丘駅近くに住んでいる。
ケータイの声に導かれトレイルモンに乗り込みデジタルワールドにやってきた。
性格は正義感溢れる熱血系で、サッカー好きという設定も踏まえると『無印』の太一や『02』の大輔に近い立ち位置と言える。
また、弟がいる*8ため年下の友樹の面倒見がいい。
サッカーが得意。しかしゴッドハンドは出せない。
炎のスピリットで進化する。

進化するデジモン

「汚れた悪の魂よ、このデジヴァイスが浄化する!」


◆源 輝二

CV:神谷浩史
小学5年生……とは思えない程に身体能力が高い。
拓也たちとは別のトレイルモンでデジタルワールドにやってきた。
クールで冷静沈着な少年で、ガルルモン系統に進化することもあって『無印』のヤマトに近い立ち位置と言える。青いバンダナが特徴。
登場してしばらくは一匹狼のように行動しており、加入後は性格が真逆な拓也と度々衝突してしまう。
光のスピリットで進化する。

神谷氏は次作『セイバーズ』で、ロイヤルナイツの一人「クレニアムモン」を演じる。オファニモンに導かれてデジタルワールドを訪れ、生身の人間からデジモンになって戦ったがロイヤルナイツにボコられていた輝二が、オファニモンと同じ声の上司の下でロイヤルナイツとして人間たちと戦い、生身の人間にボコられるとは何たる皮肉。
また『デジモンアドベンチャー:』では、ヴォルフモンの退化した姿とされるストラビモン(フレイモンの光バージョンみたいな立ち位置)を演じ、ヤマトやガブモンと共闘している。

進化するデジモン
  • ヴォルフモン
  • ガルムモン
  • ベオウルフモン(ダブルスピリットエボリューション)
  • マグナガルルモン(ハイパースピリットエボリューション)
  • スサノオモン(エンシェントスピリットエボリューション)

「闇に蠢く魂よ、聖なる光で浄化する!」


◆織本 泉

CV:石毛佐和
小学5年生。
拓也と同じトレイルモンに乗っていた勝気な性格の少女。
イタリアからの帰国子女で、たまにイタリア語が出る。ちなみに大食いキャラ。
純平から好意を寄せられているが本人にその気はない様子で、終盤では拓也に好意を見せていた。
本作唯一の女性キャラ故かお色気要員。彼女も進化時は男性メンバー同様に全裸となるのだが、女性である事を考慮しても、胸から下の露出が控えめだったり、長い髪の毛が舞い上がるなど、進化バンクの演出は独自性が強い。進化開始と同時に衣服が弾け飛ぶ直前には、スカートがめくれて一瞬だがパンチラが拝めるフェアリモンに至っては実質下着姿である。
普段着の横縞の柄の整い具合や横向きに立った時の平坦ぶりからは想像は付かないが、意外とスタイルも良い。
風のスピリットで進化する。
本作においては出番に恵まれない不遇キャラの1人。
「初舞台はそのキャラが活躍する」と言う変身ものではお約束のパターンを覆し、初進化時の戦闘であっさり敗北し、活躍の場面を輝二に奪われるという苦いデビューを飾ることになる。
さらにはギガスモンにスピリットを奪われ、一時期は進化することすらできない状況に追い込まれた。
その後も敵デジモンを倒すような活躍はほぼ全くできず、結局彼女がスキャン出来たのはたった1度しかない。
初期メンバーの中で唯一ビーストスピリットを最初から制御できており、本人曰く気合で乗り切ったらしいが、その具体的な理由については最後まで明かされなかった。

進化するデジモン
  • フェアリモン
  • シューツモン

「爽やかな風に乗せ、このデジヴァイスが美しくピュアな心に浄化する!」


◆柴山純平

CV:天田真人(現:四反田マイケル)
小学6年生。メンバー最年長。
拓也たちと同じトレイルモンでデジタルワールドに来た少年。
大柄な体格でお調子者のムードメーカー。
チョコが好物であり、どこからともなく取り出す。
体格に似合わず手先が器用でマジックができ、また知識も豊富。
公式HPによると金持ちの息子でもあるようだ。
泉に一目惚れしアタックするが報われない。と言うか全体的に扱いがよくない。
だが戦闘面での扱いは拓也と輝二の次に良く、その他三人よりは遥かに見せ場が多い(初進化からスキャンもしているし、序盤の強敵であるグロットモンを倒したのは最終的に彼である)。進化時は声質も全く異なり、かなり格好良くなる。
初期稿だと繋ぎの色が黄とオレンジだった。
雷のスピリットで進化する。
本作においては出番に恵まれない不遇キャラが多い中では唯一善戦してきた方だが、やはり終盤は出番がない。

進化するデジモン
  • ブリッツモン
  • ボルグモン

「悪に染まりし魂を、我が雷が浄化する!」


◆氷見友樹

CV:渡辺久美子
小学3年生。メンバー最年少。
いじめられっ子で、いじめっ子に無理矢理トレイルモンに乗せられた少年。
臆病で甘えん坊で泣き虫だが、いざというときは勇気を出す。
また優しい性格で他人と仲良くなりやすい。
拓也になついており、「拓也お兄ちゃん」と呼ぶ。
ラーナモンから拷問を受けた際、何故か泉と共にくすぐられるなどお色気役その2な面もある。
氷のスピリットで進化する。ハイパースピリットエボリューションにおいて何故氷が真逆の炎に属するのかは謎。
後の時を駆けるハンターの相棒
本作においては出番に恵まれない不遇キャラの1人。
「初舞台はそのキャラが活躍する」と言う変身ものではお約束のパターンを覆し、せっかく進化したのに当の敵は拓也(アグニモン)にしか眼中が無く、友樹は相手にされなかった(一応敵の幻覚を見破り拓也をサポートする場面はあったが…)。
そのため彼がスキャンを出来たのはたった2度しかない。

進化するデジモン
  • チャックモン
  • ブリザーモン

「いじめ、いじわる許さない! このデジヴァイスが氷のように勇気を固めて浄化する!」


◆木村輝一

CV:鈴村健一
小学5年生。
生き別れた輝二の双子の兄で、彼をストーキングする内に妬みの感情を抱くようになった。
そこをケルビモンに付け込まれ、悪の五闘士の一人・ダスクモンとして暗躍させられてしまう。
実は輝二を追って渋谷へ向かった際、駅の階段から転落して魂のみデジタルワールドに訪れていた。
改心後は拓也達の仲間になり、正しき姿を取り戻した闇のスピリットで進化するが、六人目ポジションの割に頭一つ抜けて強い訳ではない。
旅を続けてに連れ輝二との仲は改善されつつあるが、自分を騙したケルビモンのことは嫌悪している模様。
ハイパースピリットエボリューションにおいて何故闇が真逆の光に属するのかは謎。
あと進化バンクがオシャレ。ちなみにカイザーレオモンに直接進化するバンクが無い。
キャラソンは腹筋崩壊兵器。クビワノナイーノライヌガーオレノコトーワラッテルー………HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA!
本作においては出番に恵まれない不遇キャラの1人。後半で仲間になるキャラなのにも拘らず終盤の出番を奪われてしまう。

鈴村氏は初代『デジモンワールド』に出演している(同ゲームには、後にドルモンアルファモン工藤タイキを演じた高山みなみ女史も出演している)ほか、後に『デジモンワールド-next 0rder-』でマメオを演じることに。
また弟役の神谷氏とは後に特撮オタク同士でコンビを組み東映公認ラジオ番組を開き、某戦隊にダンス映像を投稿している。

進化するデジモン
  • レーベモン
  • カイザーレオモン

「乱されし邪悪な心よ、闇に埋もれて眠るがいい…。このデジヴァイスが浄化する!」


◆ボコモン

CV:杉山佳寿子
成長期
旅に同行するデジモン。
成長期のくせに口調が微妙にジジ臭い。
語尾には「~ハラ」「~マキ」と付ける。
腹巻きを巻いており、そこから事典を取り出す。この事典には十闘士について書かれている。
腹巻の中にデジタマを入れてるだけなのに、まるで出産するかのように苦しむという茶番を繰り広げることもある。
解説役であり戦闘はしない。
「ネーモンの意気地なし!もう知らないっ!」とか言わない。太一と声がそっくりな発明大好き少年によって造られた、コロッケ大好きな黄色いロボットでもない。


◆ネーモン

CV:菊池正美
成長期
ボコモンの相方のキツネのようなデジモン。ボケ担当。
のんびりした性格で口調が間延びしている。
モモヒキを履いており、ボコモンはツッコミの際にこれを引っ張ってゴムパッチンを食らわせる。



悪の五闘士

◆グロットモン
CV:西村朋紘
土のスピリットを持つ、悪の五闘士の一人。
拓也達の前に最初に現れ、ビーストスピリット形態であるギガスモンにスライドエボリューションする。
5対1と言う状況で無双したり、泉と友樹のスピリットを奪ったりしている序盤のボスポジション。
ビーストスピリットを拓也に奪われてもしぶとく生き残ったが、最期はボルグモンに倒された。


◆アルボルモン
CV:乃村健次
木のスピリットを持つ、悪の五闘士の一人。
「夜寝る前には歯を磨こう」などと標語をよく呟いたり、ハンバーガーを食べたさにバーガモンの村を荒らすなど、いまいち締まりのない性格。
ペタルドラモンにスライドエボリューションしたりするが、これと言って強い点もなく、5人の連携の前にビーストスピリットを奪われ、最期は味方であるはずのダスクモンに処刑されてしまった。
戦闘の殆どをビーストスピリットに頼っていたせいか、ビーストスピリットを奪われたが故に役立たずと判断されたようだ。


◆ラーナモン
CV:寺田はるひ
水のスピリットを持つ、悪の五闘士の一人。
とても可愛く、トーカンモンやハニービーモンで構成されたファンクラブを従えている*9
トーカンモンを利用し、拓也達を海で遊ばせている内にデジヴァイスを奪う戦略を見せるなど、頭が働く一面も。
……が、泉との戦いの中、進化したビーストスピリット・カルマーラモンはお世辞にも可愛くなく、初進化故かタイタニックチャージを制御できていなかった。
セフィロトモンの体内で泉と女同士の一騎打ちとなり、序盤は圧倒するものの最後には敗北し、スピリットを奪われて退場した。


◆メルキューレモン
CV:増谷康紀
鋼のスピリットを持つ、悪の五闘士の一人。嫌味な性格が特徴で度々ラーナモンをおちょくっている。
セラフィモンを倒して取り込むなどかなりの実力を持っており、ケルビモンに成り代わってデジタルワールドを支配しようとしていた策略家。
五人をビーストスピリット形態であるセフィロトモンの体内に取り込み、分断して始末しようとしたが失敗。
彼自身はブラックセラフィモンになるもアルダモンに負け、セフィロトモンの姿でコピー技を駆使して戦うものの、4人の連携技の前に敗れる。
変幻自在で円形状にもなれるセフィロトモンであるが、いのちの輝きくんとは関係がない。

ちなみに中の人はデジモンアドベンチャーでエテモンを演じていた。本作においても彼の怪演が光っている。


三大天使

セラフィモン
CV:檜山修之
三大天使デジモンの一体。
ケルビモンによって封印されていたが、拓也達によって解放される。
その後攻めてきたメルキューレモン達に非常にあっけなく敗北し、データを奪われデジタマにされてしまう。
後にアルダモンがデータを取り戻し、パタモン(CV:荒木香恵)として生まれ変わる。だが腹巻を身に着けておりとてつもなくダサい。そこからの進化時にはぜひとも外してもらいたいものである。

中の人は『02』でブラックウォーグレイモンを演じていたほか、『クロスウォーズ』では同じく天使型デジモンであるスラッシュエンジェモンを演じている。
また、転生後の姿であるパタモンを演じた荒木香恵女史は『無印』『02』でヒカリを演じていた。


◆オファニモン
CV:深見梨加
三大天使デジモンの一体。
拓也達をデジタルワールドに導いた張本人。
ケルビモンによって「バラの明星」に幽閉されていた。
ケルビモンとの戦いの中で、拓也達のデジヴァイスを奪い返し、ケルビモンの邪悪な力を浄化しようと試みるが、直後にケルビモンに攻撃され力尽きる。
最後の力で拓也と輝二のデジヴァイスを変化させ「ハイパースピリットエボリューション」の力を託し、デジタマに戻った。
後にプロットモン(CV:浅田葉子)として生まれ変わる。

中の人は後に『セイバーズ』でイグドラシル(本体)を演じている。その部下には、輝二の中の人が演じるロイヤルナイツや、『テイマーズ』で主人公を務めていた彼、そして本作に敵として登場したナイツのそっくりさん達がいる。
また、転生後のプロットモンを演じた浅田葉子女史は『テイマーズ』のヒロインの1人である加藤樹莉を演じていた。


◆ケルビモン
CV:大友龍三郎
三大天使デジモンの一体。
かつては心優しいデジモンだったが、自分がビースト種であることに劣等感を抱いており、そこをルーチェモンにつけこまれ、邪悪な姿と性格になってしまう。
デジタルワールドのデータと十闘士のスピリットを集め、征服しようとしたが、拓也たちとの戦いで正気を取り戻し、一度デジタマに戻った後にロップモンとして生まれ変わる。
なお、三大天使は10個あるスピリットをケルビモンに5つ、オファニモンに3つ、セラフィモンに2つというどう考えても不自然な配分で管理することにしたようで、結果的にこれが原因で半分ものスピリットが悪用される羽目となった*10

中の人は『無印』でヴァンデモンを、『クロスウォーズ』(3期)ではオーガモンを演じた。
『無印』でテイルモンの進化形態に倒されたヴァンデモンが、後にそのテイルモンの進化形態がさらに進化したデジモンを倒すとは皮肉なものである。


ロイヤルナイツと黒幕

ロイヤルナイツ初登場時、バロモンから「ロイヤルナイツは本来正しき心を持つはず」と言及されているが、劇中では一貫して悪役として描写されていた。
また、TVアニメシリーズでは本編・劇場版を通じて唯一オメガモンが登場しない作品でもある。え、アキバマーケットで前作の主人公を演じていた彼のそっくりさんが泉と話していた?それは忘れてください。

デュナスモン
CV:三宅健太
ロイヤルナイツの一体。
飛竜の力を身に宿し、荒々しい性格をしているパワーファイター。ルーチェモンに心酔しており、彼の野望のためなら無辜のデジモンを殺すことも厭わない。
人間界に行くためでもありルーチェモンのためのデータを集めていたが、最後は月にてカイゼルグレイモンに敗退した後、ロードナイトモンともどもデータをルーチェモンに吸収されてしまった。


ロードナイトモン
CV:置鮎龍太郎
ロイヤルナイツの一体。
ナルシスト。スピードを生かした戦い方を得意とする。デュナスモンとは対照的に、時折ルーチェモンに対して不信感を抱いていた。
今作で出てきた敵の中で唯一、戦う度に強くなる拓也達の強さを評価していた。
また、源兄弟の友情を見て美しいと言ったこともある。輝一の身に起きた異変についても彼がその真実に気付いている。
最後は月にてマグナガルルモンに敗北した後、デュナスモンともどもデータをルーチェモンに吸収されてしまった。
賢ちゃん同じ声のシェフをお供に引き連れ、あらゆる食材を感謝をこめていただく美食家の彼ではない。


ルーチェモン
CV:西原久美子
本作のラスボス。成長期。
ケルビモンやロイヤルナイツ(デュナスモン、ロードナイトモン)の集めたデータにより復活する。

  • ルーチェモン フォールダウンモード
CV:中尾隆聖
フリーザ。完全体。
ルーチェモンが拓也達に倒されたデュナスモン、ロードナイトモンのデータを吸収し進化した。
ルーチェモン本来の光の力に加えて、闇の力を持つ完全体。
完全体ながら究極体と同等以上の力を持つ。背に天使と悪魔の翼を持ち、屈強な外見に似合った肉体系の技と光と闇の力の複合技を駆使する。
必殺技のパラダイスロストのモーションは必見(劇中では2連続で放つため印象に残りやすい)。詳細は当該記事にて。
最後はスサノオモンにどう考えても圧倒的に回避が余裕そうなノロノロの攻撃を食らって敗北し、スキャンされてしまった。

  • ルーチェモン サタンモード
CV:中尾隆聖
フォールダウンモードの光の力が取り除かれ、ダークエリアの闇の力を吸収することでルーチェモンの闇の力のみが膨れ上がり進化を遂げた究極体。
巨大なドラゴンのような姿をしており、攻撃を食らってもすぐに修復できる。
最後はスサノオモンに斬られてしまった。

  • ルーチェモン ラルバ
CV:西原久美子
ルーチェモン・サタンモードの本体であり、サタンモードの持つ球体・ゲヘナに守られているサナギのようなデジモン。
サタンモードが倒された後、スサノオモンに不意打ちを仕掛けるが、拓也達とスピリットに分離して避けられ、その上スサノオモンの怒りを買ってしまい、
分裂したアグニモン・ヴォルフモン・レーベモン・フェアリモン・チャックモン・ブリッツモン・グロットモン・アルボルモン・ラーナモン・メルキューレモンによって斬られ、完全敗北した。


【用語】



《デジコード》
バーコード状のデータ。敵を倒した時等に発生する。
これをスキャンする事でデジモンはデジタマに戻り、別の場所、時間に生まれる。
人間、デジモンを問わず発生するが、分身など実体のない者からは発生しない。


《ディースキャナ》
本作のデジヴァイス携帯電話が変化して誕生した。
劇中での呼称も『デジヴァイス』である。
デジコードをスキャンする能力を持ち、進化や敵を倒した時の浄化に使用する。


十闘士


融合形態

超越形態

詳細はリンク先にて。


かつてデジタルワールドを救ったと伝説に残るの十体のデジモン。
それぞれのスピリットを手に入れる事で進化が可能になる。

スピリットには二種類あり、人型形態になる〈ヒューマンスピリット〉と獣型形態になる〈ビーストスピリット〉が存在する。
ヒューマンは扱いやすい代わりにパワーに劣り、ビーストは凄まじいパワーを発揮する代わりに制御が難しいと言う設定だが、本編ではけっこう埋もれている設定である。

ちなみに、スピリットの元になった古代の十闘士デジモンは劇場版にエンシェントグレイモン&ガルルモンが出た程度で、本編には出てこない。


炎のスピリット
古代:エンシェントグレイモン
H:アグニモン
B:ヴリトラモン

光のスピリット
古代:エンシェントガルルモン
H:ヴォルフモン
B:ガルムモン

風のスピリット
古代:エンシェントイリスモン
H:フェアリモン
B:シューツモン

雷のスピリット
古代:エンシェントビートモン
H:ブリッツモン
B:ボルグモン

氷のスピリット
古代:エンシェントメガテリウモン
H:チャックモン
B:ブリザーモン

土のスピリット
古代:エンシェントボルケーモン
H:グロットモン
B:ギガスモン

水のスピリット
古代:エンシェントマーメイモン
H:ラーナモン
B:カルマーラモン

木のスピリット
古代:エンシェントトロイアモン
H:アルボルモン
B:ペタルドラモン

鋼のスピリット
古代:エンシェントトワイズモン
H:メルキューレモン
B:セフィロトモン

闇のスピリット
古代:エンシェントスフィンクモン
H:ダスクモン→レーベモン
B:ベルグモン→カイザーレオモン


すべてのスピリットを使用することでスサノオモンへと進化する。
武器はゼロアームズ:オロチ


《スピリットエボリューション》
本作における進化。
手首に発生するデジコードをデジヴァイスに読み込む事で行う。
デジコードはヒューマンモードなら輪が一つだが、ビーストモードでは三つの輪が現れて球体のようになる。

《スライドエボリューション》
ヒューマンからビースト、あるいはビーストからヒューマンに変わる事。

【主題歌】

  • OP
『FIRE!!』

  • 挿入歌
『With the Will』
『The last element』
『遥かな贈り物』

  • ED
『イノセント~無邪気なままで~』
『an Endless tale』


【余談】

  • 鈴村健一は「スピリットエボリューション!」と叫んだ際にぎっくり腰になった事がある。
  • 声優の水島大宙の別名の「水島大宙F」や「服を着ていないタイプの声優」は現場で鈴村と神谷が「ルーチェモンF」のFは何なのかと言う謎に「フルチン」のFだという答えを出したのがその由来である。


追記・修正は渋谷駅地下に行ってからお願いします。


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最終更新:2024年04月23日 17:40

*1 そんな彼がゴマモンを見て「何だコイツ?」と言うシュールな場面もある。

*2 おまけに歌詞の中に「負けるはずがない」という一節が盛り込まれていることが殊更哀愁を誘う。

*3 スサノオモンに至っては主人公側の最終進化でありながらほぼ完全な2D作画である。

*4 設定上はあるが、例えば友樹のダブルスピリットエボリューションがあるとすればダイペンモンというイロモノ枠であり、商品展開上は最初から考えられていなかったことがうかがえる。

*5 最終進化のスサノオモンに至っては最終回で全員が融合する展開があるだけあって、元からそういう設定でも良かったようなものである。

*6 最初のデジアドですら最大で8×2という大所帯のレギュラー構成であり、しばしば離散・離別編が作られたのはこの対策であると思われる。02やテイマーズもレギュラーを減らす努力こそしていたが、パートナーを持つテイマーがかなり増えており、その扱いにはかなり難儀していた。

*7 ただこのせいでネットでは『西川口のテーマ』と言われることがある。

*8 歴代デジモン主人公で、男兄弟がいるのは拓也が唯一である。

*9 数こそ違うが両グループの声優は同じ。だが、ハニービーモンはかなり良いキャラクターとして描かれている。

*10 ケルビモンにこれほどのスピリットを保管させた理由は劇中では語られていない。ルーチェモンが彼を悪堕ちのターゲットにしたのは、これが要因の可能性もある。そもそも、これ自体もルーチェモンが仕組んだ可能性すらありえなくはないが、結局のところ真相は不明。