魔導戦士 ブレイカー

登録日:2010/09/02 Thu 21:14:20
更新日:2024/01/15 Mon 23:42:20
所要時間:約 5 分で読めます




《魔導戦士 ブレイカー》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つである。

魔導戦士 ブレイカー
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×300アップする。
(3):このカードの魔力カウンターを1つ取り除き、
フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

2002年9月19日発売、第3期3番目のパックである「黒魔導の覇者」にてウルトラレアで登場した効果モンスター。

共にパックに描かれている《カオス・マジシャン》とは対になっているが、ぶっちゃけ同じ魔法使い族であることと見た目が似ている点を除けば、特に関連し合う点はない。

召喚時に自身に魔力カウンターを1つ乗せ、それがある限り攻撃力が300上昇する。
また、それを取り除くことで任意に魔法・罠1枚を破壊できる。

そのままなら攻撃力1900の下級モンスター、魔力カウンターを外せば伏せ除去ができるため、非常に使いやすい。素の攻撃力は1600と中途半端な数値だが、リクルーターや《異次元の女戦士》に打ち勝てる程度はある。

登場から第5期後半までの環境では非常に高い採用率を誇り、過去に二度、禁止カードに指定された経験を持つ。
(現在は下記の影響で完全解除)

このモンスターは召喚しただけで相手の魔法・罠1枚を破壊でき、攻撃力1600のモンスターが残る。つまり相手に対して一方的にカード1枚分の差をつけることができる

当時は1枚1枚のアドバンテージの取り合いが非常に重視されていたため、出すだけでアドバンテージを得られるこいつの強さは破格であった。

闇属性ゆえに「カオス」の除外コストとして再利用可能。こいつがやられたら《カオス・ソルジャー-開闢の使者-開闢》《混沌帝龍-終焉の使者-》《カオス・ソーサラー》が出てくるのはよくあることだった。

魔法使い族ゆえに《ディメンション・マジック》のリリースにしたり、守備力1000ゆえに《黒き森のウィッチ》でサーチできるなど、とにかく使い勝手がよい。

初心者から上級者まで多くのプレイヤーに愛されたカードである。


だがこのカードにも弱点はある。

召喚時にカウンターを乗せる処理が挟まるため、召喚し優先権を行使して魔法・罠を破壊することはできないのだ。
奈落の落とし穴》などで召喚時に破壊されると、効果を発揮できないので注意。

しかし、起動効果と優先権に関するルール変更により、 起動効果を持つモンスターのほとんどが同じ立場に立つ事になった為、このカードや《アーカナイト・マジシャン》限定の弱点では無くなった。

また、特殊召喚をしてもカウンターは乗らない。
効果を使いたいのならば、死者転生などで手札に回収してから通常召喚しよう。
実はターン制限が無い為、魔力掌握などでカウンターを乗せれば、再度発動できる。

《魔法族の里》を使う際には、採用率の高いこのカードに注意すべし。
効果によって破壊されたり、下手をすると逆に自分がロックされてしてしまうからだ。
そんな時には自分もブレイカーを召喚して、ロック解除とかにつとめよう。

広く活躍していた彼ではあるが、第5期後半に入ると【剣闘獣】【ライトロード】などのテーマデッキが台頭し、環境が高速化。さらに第6期に入るとシンクロ召喚が登場したことで、以前とは考えられないスピードでモンスターが並ぶゲーム性へと変貌してしまった。

レスキューキャット》や《ジャンク・シンクロン》などを使い、とにかく素早く素材を並べて大型のモンスターに繋げるという戦術が一般化した。

こうなると召喚権を使って魔法・罠を1枚破壊するだけの動きではまるで追いつけなくなり、《魔導戦士 ブレイカー》の採用率は減少していったのである。

こうした事情から、禁止カードを経験した彼もやがて無制限カードへと緩和。その後は普通のカードの1つとして落ち着いている。

第11期現在だとバック除去は制限カードの《ハーピィの羽根帚》をはじめ、《ツインツイスター》《ライトニング・ストーム》などが存在している。それらもサイドデッキでの採用が目立つことから、「環境の第一線で戦う」という点ではさすがに厳しいものがあるだろう。

遊戯王OCGにおける「昔は強かった」といわれるカードの代表格である。それだけ環境の変化が凄まじかったことを示す例の1つだろう。

現在でも下級魔法使い族としては単体での汎用性が高め、かつブラック・マジシャンシャドール、コスモクイーン等とサポートを共有できるので闇属性サポートを利用する【魔法使い族】でなら採用は可能。


【アニメでの活躍】

このカードは非OCGプレイヤーにもそれなりに知られている。
アニメでの登場はOCGでの登場から一年近く経過したドーマ編。アニメ162話での遊戯VS羽蛾戦である。

列車の上でのデュエル。遊戯は羽蛾を舐めてかかるも《DNA改造手術》と《虫除けバリアー》のコンボで攻撃を封じられる。その後《毒蝶-ポイズン・バタフライ》の効果でじわじわとLPを減らされ、遂には打つ手がなければそのターンの終了時に敗北が待つ状態となった。

そんな場面でこのカードの効果を発動。《虫除けバリアー》を破壊し反撃開始。
ポイズンバタフライの攻撃も合わせて羽蛾にダメージを与えるのだが、LPを0にするまでには至らなかった。


HA☆GA
「なぁんてね。
 これでお前のモンスターは全部攻撃を終了。
 ポイズンバタフライの効果でお前のライフは0だ!
 ひゃーっはっはっはっは! やったー!
 オレの勝ちだーーー!!」

※このターン、羽蛾の「むしばみ」の影響でライフがポイズンバタフライの効果ダメージを下回っていた。

ATM
「なに勘違いしているんだ」

「ひょ?」

「まだオレのバトルフェイズは終了してないぜ」

「なーに言ってんだ
 もう、お前のモンスターは全部攻撃を終了したじゃないか!」


ターン♪タタタータタタッター♪
(BGM:クリティウスの牙



「速攻魔法発動!
 狂戦士の魂(バーサーカーソウル)!」

狂戦士の魂?」


「手札を全て捨て、効果発動!
 こいつはモンスター以外のカードが出るまで何枚でもドローし、墓地に捨てるカード。
 そして、その数だけ攻撃力1500以下のモンスターは追加攻撃できる!」

「攻撃力1500以下……はっ! あの時……!」

※ブレイカーが自身の効果で攻撃力を下げていたことを思い出すHA☆GA

(遊戯の奴そこまで考えて……!)

「さぁいくぜ、まず一枚目! ドロー!
 モンスターカード、クイーンズナイトを墓地に捨て……
 魔道戦士ブレイカー、追加攻撃!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


「二枚目ドロー!」

「う、うぅ……」

「モンスターカード!!」

「ぎゃぁぁぁ!!」

※ここでATMの勝利決定


「三枚目……モンスターカード!
 ドロー! モンスターカード!
 ドロー! モンスターカード!
 ドロー! モンスターカード!
 ドロー! モンスターカード!
 ドロー! モンスターk……」

杏子
「もうやめてーっ! 遊戯ー!」


「HA★NA★SE!」



「とっくに羽蛾のライフは0よ
 もう勝負はついたのよ!」


何を隠そう《魔導戦士 ブレイカー》は「ずっと俺のターン!!」状態で羽蛾をメッタ斬りにしたモンスターなのである

「このカードにAIBOを封じ込めてある」と偽り、《ゴキボール》を破り捨てると言う過激な挑発にブチ切れたATMが《狂戦士の魂》を発動。

《クイーンズ・ナイト》《幻獣王ガゼル》《ビッグ・シールド・ガードナー》《磁石の戦士α》と言った歴戦の主力モンスター達をありえない引きで次々と捨てていきながら、抵抗できない羽蛾を容赦なく必要以上に斬りまくったのだった。

この時、杏子が止めなければヒロインの《ブラック・マジシャン・ガール》も墓地送りとなるところだった。

元々の攻撃力は1600である《魔導戦士 ブレイカー》だが、羽蛾の《むしばみ》で攻撃力が下げられたのを逆利用して発動に繋げており、怒りに燃えながらも冷静に戦略を組み立てていたことがうかがえる。

《狂戦士の魂》に引っ張られる形ではあったが《魔導戦士 ブレイカー》は強烈なネタを遊戯王史に残したのである。

なお、《魔導戦士 ブレイカー》がアニメでデュエルで使用されたのはこの一度きりである(カードとしては何度か登場)。


余談だが《狂戦士の魂》は長らくOCG化されず、PSP用ゲームソフト「タッグフォースシリーズ」でのみ使用できる状態であった。

発動条件は「攻撃力1500以下のモンスターが“ダイレクトアタック”に成功した時に発動」。
処理を簡単にするため「追加攻撃」ではなく、「指定したモンスターの攻撃力分のバーンダメージ」に変更されている。

繰り返しになるが《魔導戦士 ブレイカー》の素の攻撃力は1600なので、そのままでは《狂戦士の魂》には対応しない。よって他のカードで攻撃力を調整する必要がある。

それでも大まかな効果は反映されているので、このシーンを再現してみたい人は一度手を出してみるのも良いだろう。

そして2014年5月,遂にOCG化する事となった。詳細は狂戦士の方の項目で。
夢の無い話だが、タッグフォースで《狂戦士の魂》を使いたいならヤリザ殿を使った方が早い。


なお、その狂戦士の魂と同期でOCG化した進化形がコイツ。

黒魔導戦士ブレイカー
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000
「黒魔導戦士 ブレイカー」の(4)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
このカードに魔力カウンターを2つ置く。
(2):このカードがP召喚に成功した場合に発動する。
このカードに魔力カウンターを3つ置く。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×400アップする。
(4):このカードの魔力カウンターを1つ取り除き、
フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

レベルが上がった以外のステータスは何にも変わっていないが、効果が増えた。
召喚成功時に2つ、ペンデュラム召喚時に3つの魔力カウンターが得られるため、帝クラスの攻撃力が得られる。反面、除去効果は1ターンに1度だけなので、進化前と違い《魔法都市エンディミオン》を使っての連続除去はできないことに注意。
攻撃力を維持しながら除去ができるため、シナジーそのものはある。
また、召喚であればアドバンス召喚である必要はないため、リリースなしでの召喚でも魔力カウンターは乗る。


このカードの魔力カウンターを1つ取り除き、このサイトの項目一つを対象として発動できる。その項目を追記・修正する。

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最終更新:2024年01月15日 23:42