凱龍輝(ゾイド)

登録日: 2010/08/28(土) 19:31:58
更新日:2023/11/11 Sat 19:08:13
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凱龍輝とは、トミー(現:タカラトミー)の『ゾイド-ZOIDS-』に登場する機体。


番号 RZ-070
所属 ヘリック共和国
分類 ティラノサウルス型
全長 23.8m
全高 12.6m
重量 118.0t
最高速度 290.0km/h

武装・装備
集光荷電粒子砲
バイトファング
キラークロー×4
集光パネル×11
イオンブースター×2
ビームバルカン×4
マグネッサーウイング×2
コアブロック×2


ネオゼネバスの対ゴジュラスギガ用長距離砲撃ゾイドセイスモサウルスによって中央大陸から敗走を余儀なくされた共和国が、逃げ延びた東方大陸にてガイロスから提供されたバーサークフューラーの野性体をベースに、大型ゾイド開発技術との交換での民間軍事企業ZOITEC社の技術協力を経て完成させたティラノサウルス型ゾイド。

ゾイド初の漢字を使った名前は、ZOITEC社への感謝として東方大陸に伝わる文字を使い、「必ず中央大陸へ旋する」という決意と、集光パネルがという意味が込められている。

尚東方大陸に漢字が伝わっているのは、惑星Ziに墜落した地球の宇宙船『グローバリーⅢ世号』の乗員の中でも東アジア系の人間が多く移住したからとされている。

この機体は、セイスモサウルスのゼネバス砲に対抗すべく開発された。

本機の特筆すべき特徴としてCASを発展させた「B-CAS(ブロックスチェンジングアーマーシステム)」と光学兵器を無効化する「集光パネル」がある。
B-CASはCASとブロックス技術の融合であり、ブロックスを設計段階からそのゾイドの装備として開発したものである。

装甲の一部を分離させ、組み替えて一機のゾイドにして本体のサポートをさせる事でより優位に立つ事が可能。
しかし、装甲を変型させる構造上、分離している間、どうしても本体の方の防御力が著しく低下してしまうデメリットがある。
また可変/分離システムのせいで生産性/整備性も悪化、当時のゲリラ一歩手前の共和国陸軍の運用能力では正直な所持て余していた感が否めない。
それでも本機をフル稼働状態に仕上げた整備士軍団マジチート。スパロボのアストナージかアンタらは。


集光パネルはホロテック技術を応用したもので、あらゆる光学兵器・粒子兵器を無効化、吸収し自らのエネルギーに変換するというチート一歩手前の装甲。その耐久性は万全の状態ならばあのデススティンガーの荷電粒子砲すら耐え抜く程。

また、口内に搭載された荷電粒子砲もこの装甲に対応した「集光荷電粒子砲」に改修されており、吸収したエネルギーすら用いる為、その破壊力は同クラスゾイドのそれとしては最高ランクの代物である。

ちなみに素の武装自体が目玉の集光パネルと荷電粒子砲以外は簡素なので素の戦闘力自体はあまり強くないイメージがあるかもしれないが
バイトファングやキラークローは当時最新鋭の素材ものを使用
素体の時点で戦闘力に秀でたバーサークフューラー系のティラノサウルス型ゾイドに、かつて格闘戦で無類の強さを誇った同じくティラノサウルス型のゴジュラスタイプの格闘データといったノウハウを詰め込んでいるため
こと格闘戦に関しては素体は同じはずのバーサークフューラーすら圧倒する設定であり、ビーム兵器を無効化する集光パネルも含め非常に強力なゾイドといえる存在なのだ


◆各サポートブロックス


飛燕
空中から凱龍輝を支援するツバメ型ゾイド
アニメにおいては頭部にビームガンを装備している。

月甲
水中活動が可能なカブトガニ型ゾイド。
装甲の厚さを活かした戦闘を行う。
アニメにおいてはシールドも装備。

雷電
外付け式の火器に変型するイノシシ型ゾイド。
AZ電磁レーザーキャノンとAZマルチプルキャノンという大型兵装になる。
当初、この機体も同時に運用される筈だったが、諸事情により却下となった。
後に、『フューザーズ』放送中にこの機体のパーツを追加した『凱龍輝・真』が登場した。


エヴォフライヤー
凱龍輝との連携を想定されたミクロラプトル型ゾイド。
ウネンラギアの後継機で、陸上形態から空戦形態へ変形出来る。
凱龍輝と合体(チェンジマイズ)する事で凱龍輝スピードとなる。


ディスペロウ
エヴォフライヤー同様、凱龍輝と連携して戦うバッファロー型ゾイド。
標準モードから砲戦主体の射撃モードと近接戦主体の格闘モード(アルティメットモード)へ戦闘スタイルを変える事が可能。
凱龍輝と合体し、凱龍輝デストロイになる。



◆アニメでの活躍
アニメ第3シリーズ『フューザーズ』に登場。
RDとの因縁を生んだ試合にて破壊されてしまったジェノザウラーエナジーライガーに撃破されたバーサークフューラーに替わるブレードの新なる乗機として、リュックがどこからか持ち出してきたゾイド。*1しかし、ただでさえ放送期間が短いのに登場が後半からの為、他のティラノサウルス型ゾイドに比べ、イマイチ目立たない。*2
ただし、ジェノザウラー・ジェノブレイカー・バーサークフューラーという先輩ズが「伸びる腕」「外付けの大型兵装」に頼ってきたのに対して、上記の設定に合わせたのかバイトファングや尻尾などの肉弾戦をメインに魅せており、中型ゾイドを加えてジャイアントスイングのようにぶん回して投げ飛ばす技も披露している。*3
また、荷電粒子砲がバトルストーリー寄りの黄色になったのは凱龍輝が初となり*4、初ユニゾン後のライガーゼロファルコンとのビーム対決は、いろんな意味において象徴的。
なんと、作中にてブレードが荷電粒子砲を発射「した」のは凱龍輝が初*5
因みに、先輩たちがフットロックやホバーで荷電粒子砲発射時の衝撃を和らげていたが、凱龍輝はフットロックもホバーもなしで発射している。

特筆すべきは、凱龍輝に搭載された2機のサポートユニットたる「月甲」と「飛燕」。
これらは操縦者であるブレードの意思を、コクピットの一つ目モニターが覗き込んで判断することで、自動で分離・装着を行う。
更に、分離された2機はユニゾンゾイドに匹敵するパワーを備えており、これらだけでライガーゼロフェニックスを完封している。

また、ユニゾンした凱龍輝スピードの状態では「次元レーダー」なる装備を持っているため、異次元ワープで高速移動をするグラビティゾイドにも対応可能。
更に、凱龍輝デストロイの攻撃力はアイアンコングの群れを砲撃だけで炎上・壊滅させる圧倒的火力を備える。

防御力も凄まじく、素の頑丈さと集光パネル*6とEシールドを打ち破れる者は、というか作中においてはほとんど防御負けしていない*7*8

これらの異常・異質な性能を体感したブレードも度々「なんなんだ、この高すぎる性能は…」とつぶやく。
それもそのはず、凱龍輝の正体は、黒幕「リヒタースケール」の究極のゾイド作成計画「オペレーション・ジェネシス」の一環で、死を齎す者の継承者・バーサークフューラーをベースにアルファ・リヒターらによって作成された実験機。
対して同組織所属のピアーズ博士は、ライガーゼロをベースにゾイドコアから爆発的エネルギーを生むエナジーシステムを搭載した「エナジーライガー」を作成。
凱龍輝とエナジーライガーのどちらが究極のゾイドに相応しいかを決定する中で、エナジーライガーは制御不能の状態に陥る欠陥が発覚したために候補から外れ、これに納得のいかないピアーズはエナジーをコントロールするサポートユニット「レイコング」を製作。エナジーをあえて外界へ放ち、コングを介し様々なエナジーとユニゾンゾイドの戦闘データを集め、アルファへの復讐を目論む。
その一方で、アルファの息子であるリュックは、マトリクスドラゴンvsライガーゼロフェニックスvsバスターフューラーの三つ巴の戦いの中で乱入したエナジーによりフューラーを破壊されたブレードの力になるため、凱龍輝とそのZiコンガントレットを持ち出してブレードに授ける。
また、ユニゾンパートナーであるディスペロウとエヴォフライヤーは、リヒタースケールが究極のゾイド「セイスモサウルス」とその量産型キメラ「シザーストーム」「レーザーストーム」を完成させるための戦闘データ収集用ゾイドで、野良ゾイドに見せかけ野に放たれていた。
リヒタースケールがセイスモとキメラが完成させたその時から、凱龍輝もエナジーライガーもアルファにとって必要のない存在となった。

なお、エヴォフライヤーとディスペロウは最初は同じく野良として放たれていたエナジーライガーの味方をしており、思いっきり凱龍輝にケンカを吹っかけてきた
ちなみに、この戦いはリヒタースケールが一枚噛んでおり、元々はエナジーライガーをアイアンコングと戦わせてデータを収集する計画をしていた。
そこにブレードの凱龍輝とマッハストームがアイアンコング討伐のために侵入してくるという予想外の事態になり、マッハストームvsエナジーライガー&エヴォフライヤー&ディスペロウvs凱龍輝vs野良(に見せかけて放たれていた)アイアンコングの群れというカオス極まりない状況になってしまったが、結果としては凱龍輝デストロイのユニゾン戦闘データを採取できていた。
後にアルファに洗脳されたリュックがレオゲーターで町を襲うようになり、そんなリュックに凱龍輝のZiコンガントレッドを奪われそうになったことで追跡を開始。リュックを追っていたバラフ、ファンと交戦していた時にエヴォフライヤーが乱入し、凱龍輝スピードにユニゾンし、グラビティ―ウルフとグラビティ―ザウラーに勝利する。ガミーのゴジュラスギガが暴走した際は凱龍輝スピードにユニゾンし、RDのライガーゼロファルコンといがみ合いながら共闘し、暴走を食い止めた。

サンドラからブレードがサベージ・ハンマーに入った経緯を知った後は今更気にしていないとしつつも、RDに対するわだかまりは消え、エナジーレイライガーとの戦闘で窮地に陥っていたところで加勢したが、この戦闘でエヴォフライヤーを失った。ベルセルクセイスモとの戦いでは洗脳されたリュックが中にいることを知ると、リュックを助けるために防御をおろそかにしながら特攻したため戦闘不能に陥った。

◆ゲームでの活躍

ゾイドサーガフューザーズ
凱龍騎、スピード、デストロイがクリア後のダンジョンで出現し、スピードとデストロイはユニゾン機扱い。名前に漢字が使えないのか[ガイリュウキ?]名義。
凱龍騎は有射程格闘や広範囲格闘としてB-CASを再現しており、地味ながら扱いやすい。
スピードは性能が上がったがB-CAS使用不可。いっそ金さえあれば改造で機体も固定装備も性能がどうとでもなるゲーム(つまり実質的に武装に求められるのが射程と攻撃範囲)なので事実上の下位互換。
デストロイもB-CAS使用不可だが、武装の関係で下位互換ではない。地味にフューラー系なのでフューラー適正+複数射撃持ちのベガやユニゾン適正+複数射撃持ちの主人公を乗せると化ける。

ゾイドバーサス3
今作から導入された飛行装備を装着可能。空中から荷電粒子砲というジェノブレイカーが怒りそうな攻撃が可能。*9
集光パネルやB-CAS、真は再現されなかったが、ユニゾン形態の強力さも特筆すべきもの。
なお、なぜか格闘コンボの一撃が口からビームソードを展開するものとなっている。

なおブレード機はイベント以外で戦う機会が一度しかないうえ、結局イベントで倒される。




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最終更新:2023年11月11日 19:08

*1 大破したバーサークフューラーを改造した訳ではない。

*2 もっとも、『/0』と『フューザーズ』のバーサークフューラーたちも似たようなものだが。

*3 ダンのコマンドウルフの「ラグナレクファング」と思わしき描写を除けば、エレクトロンバイトファングやレーザーファングの類がアニメにてまともに描写されたのも凱龍輝が初めて。

*4 バーサークフューラーは発射直前に不発となっていた。ロジャーのジェノザウラーの荷電粒子砲は過去作同様のピンクと紫ベース。

*5 ジェノザウラーは細工が施されており、バーサークフューラーはいずれも他者の介入によって不発(中断)だった

*6 作中では「エナジーレイアキュームレイター」と呼称。

*7 『フューザーズ』の例に漏れず、様々なものを使用。ライガーゼロファルコンと同じく球状のEシールドも装備。

*8 エナジーレイライガーの電撃は「サンダークラッカー」という非ビーム兵器なために防げなかった。

*9 アニメにおいて、空中荷電粒子砲はジェノブレイカーの特権。バスターフューラーは発射直前に不発となった。